黒木あるじのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ワインのコルクが開いた時のような心地よい感触が掌に伝わった直後 差し出されたブーケは、一本残らずプラスチック製の造花だった。イミテーション・フラワー。鮮やかな偽物。華やかな嘘。つまり_プロレスラー。これは〈掃除屋(クリーナー)〉への依頼状だ。「選手を始末して欲しい」という依頼の合図だ。 「ビクトル式だ!腕ひしぎ逆十字固めだ!」最前列のマニアとおぼしき客から解説じみた声があがる。心のなかで「ご名答」と呟いた。しっかり極まれば肘が伸びて壊れる危険な技だ。 俺は、この嗜虐的な女医に毎度浴びせられる言葉のマシンガンが嫌いではなかった。手加減の無さがやけに心地良く、猛者と試合をしているような錯覚に陥って
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Posted by ブクログ
2019年、19冊目は、実話系怪談で知られる、黒木あるじ。
今回、あらすじは省略いたします。
まづは、プロレスへの興味関心の有無。多少の知識がナイとやはり厳しいかな……。自分も最近のプロレスには、トンと疎くなってしまっています。
中身ですが、プロレス業界の「必殺仕事人」、ピューマ藤戸が主人公。そして五話仕立てで、それぞれに、依頼人と〈清掃物件〉(ターゲット)の関係性、依頼理由や内容を軸としたライトミステリーが仕掛けてあり、各1話づつでも楽しめる。また、大きく全編を通して、主人公とかつてのライバルの関係を軸にしたモノでも読ませていくと言った作り。
さらに、細かく見ると、藤戸の会話センスが -
Posted by ブクログ
怖い話で暑さを吹き飛ばしたい…という動機で手にした本だが、この世のものでない存在の怖さより、人の心の闇がほとほと怖くなってしまった。一番重かったのが『 虐目』。虐めの質が陰湿かつ壮絶なのも絶句だが、虐めのきっかけを作ったのが教師であること、のみならず虐めによって取り返しのつかない大怪我を追った被害者に「問題起こすなら卒業してからにしろ」と脅しをかける。こんな闇が(病み)がこの世には存在していて、ただ普段表向きには見えていないだけ、なのかも、と思うとゾッとする。その被害者の彼の復讐も怖かった。
この本の作者が言ったことではないけど、魔物というものは人の世の、悲しみや恨み、嫉妬、欲望など、ドロドロ -
Posted by ブクログ
初めて読む作家さんですけれども…うーん、自分はあんまり怪談とかいうのにピンと来ないタチでして、「へー…実際にそういうことが起きるんダァ…」みたいな、どこか他人事めいた感覚で読み終えてしまったのですけれども…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
まあ、でも割と良い暇つぶしにはなったのかな? 登場する怪談話にSNSやらLINEやらが出てきて大分最近の話なんだなぁ…みたいな感慨を覚えました。SNSなどが新聞などにまで躍り出てきて、世の中は電脳社会一色となりつつありますけれども(!)、昔から通じる怪談話の一つや二つ、こんな社会においても発見されるものなんですねぇ…そんなことを思ったのでした。おしま -
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購入済み
怪談は細部に宿る
第76話の必勝法
本が出版された2011年から遡ること30年前、正しくは30年以上前とあるので1970年代の後半でしょうか。世の中に携帯電話はまだ存在しませんでした。自動車電話は開発されていましたが、これは携帯電話とはまったく性質の違うものです。その上、とても一般的とは言えず、電波状況が悪いために使えるエリアはごく少なく、外回りの営業業務に役立つレベルのものは、重くてかさばるショルダーホンの登場を待たねばなりませんでした。
重箱の隅をつついたようなことですが、どんな小さな誤りでも、そこに引っかかると他の作品まで嘘くさく感じられます。佳作が多いだけに非常に残念です。