黒木あるじのレビュー一覧

  • 怪談実話 無惨百物語 ゆるさない

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    取材力、文章表現力ともに突出しており
    実話系怪談本で、久々に充実した読後感。

    この時期に、震災にまつわる話が収録されている点には
    眉をひそめる人もあるとは思うが
    いずれも、単なる怪談話では終わっておらず
    読後には胸が痛む。

    この著者を中心として、
    ぜひとも「超怖」や「新耳袋」に類する
    長寿シリーズを創出してほしい。

    B級な表紙や、安直すぎる書名が
    本書の価値を損ねているように感じられて
    その点だけが残念。
    内容が近年まれに見る良作だっただけに
    この装丁を良しとした編集者の能力を疑いたくなる。

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    2011年09月04日
  • 超怖い物件

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    ネタバレ

    物件を起点にするホラーは、幽霊ものと同じく特定の場所(人物)が要因なため、読んでいる限りは真実「対岸の火事」で楽しめる…からこそ、絡め手も被るよね、などと。
    アンソロジーだけに合う合わないを感じるが、比較的前者が多くてよきかな。

    『旧居の記憶』福澤徹三
    『笛を吹く家』澤村伊智
    『終の棲家』芦花公園

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    2025年11月28日
  • 荒魂怪談

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    神仏に関する怪談が集められた一冊。

    著者によって集まる怪談に傾向がありとても興味深い。
    その中でお寺や修験者に関する怪談を綴った橘百花氏の民話のような因果話や海を越えた海外の神について語られる卯ちり氏の怪談、そして一話のみながら思わずヒヤリとさせられる人間も怖い話の「檻の中」の斉砂波人氏と「裏の靖国」の鷲羽大介氏…。
    もちろん他の著者の方々の話も大変興味深く、また読みやすいものが多くとても満足な一冊。

    しかし後半に行くとかなりアクの強い著者が続くため(悪い意味ではなく作者の個性が強烈に出ている話が多いので)「実話怪談」というより立派なひとつの「作品」として捉えたほうが良いかもしれない。

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    2025年10月31日
  • こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

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    人気作家の子ども向け怖い本ということで、期待して手に取る。うーん、表紙含めちょっと微妙かなぁ。文学的な力あるけど、子どもの中で評判になるような面白さではないような気がする…。むしろ、すきな作家いる大人の方にオススメかも。あと、怖い本が好きというより本格的な話の入口にたってる小学生向け。ルビは中学年以上レベル。
    「象の眠る山」田中啓文
    個人的にこれは好きかも。現代っ子で賢い横道も好きかも。怖いものの正体が本気で気持ち悪い。象っていう伝承ができるなにか。
    「とりかえっこ」木犀あこ
    60.65cmのすきまにひそむ怪異っていう設定自体なんか、嫌。こどもだと入れ替わり後を具体的に表現してくれた方が怖がり

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    2025年09月11日
  • こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

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    児童向けホラーアンソロジー。しかし執筆陣を見てわかるように、子供向けだと侮れはしません。
    表題作の恩田陸「六年一組の学級日誌」がもう……怖い、というかとんでもなく嫌でした。実はこういうのが一番リアリティを感じてしまう恐怖なのかもしれませんし。とにかくぞっとさせられます。
    恒川光太郎「能面男」も嫌な感じで怖い作品です。唐突にも思えるラストの衝撃もひどく印象的でした。我孫子武丸「猫屋敷に気をつけて」もお気に入り。怖いし嫌な話だけれど、猫は素敵なのが好ポイントかも?

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    2025年08月07日
  • こわい話の時間です 六年一組の学級日誌

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    恩田陸「六年一組の学級日誌」本気で怖くて嫌な未来の話だった。起こるかもしれないっぽいところが、本当にイヤだ。短い話なのに、読み応えがある。
    我孫子武丸「猫屋敷に気をつけて」は最後が切なかった。

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    2025年08月02日
  • 超怖い物件

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    家や土地にまつわるホラーアンソロジー。
    事故物件だけでなく住民そのものが怖いヒトコワものまで豪華11話収録。

    糸柳寿昭氏『やなぎっ記』軽い雰囲気の日記だと思っていたら最後のメールで鳥肌立っちゃうやつ。

    澤村伊智氏『笛を吹く家』この方の描く歪んだ家族っていつも気味が悪いし悲惨…本当にいそうなのがまた怖い。

    芦花公園氏『終の棲家』宗教が関わるホラーではやっぱりこの方。得体が知れない信仰の気持ち悪さと逃げられない絶望感。

    平山夢明氏『ろろるいの家』ホラー描写が本書で一番怖かったかもしれない。不気味な現象に徐々に侵食されていく感じがゾクゾクした。

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    2025年06月10日
  • 超怖い物件

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    物件ホラーが好きなのと芦花公園先生の短編が入っているので手に取った。他の参加メンツも豪華すぎる、、、バラエティに富んだ様々な物件の嫌な話が入っていて満足度が高い。
    福澤先生の話読んだことある、、、?って思ったけど「怪を訊く日々」のエピソードと若干重複してた。「忌み地」のシリーズも好きなので糸柳さんの日記っぽいやつも好き。晩御飯の献立書いてあるのかわいい。
    郷内心瞳は拝み屋怪談しか読んだことなかったのでカニバリズム百合姉妹ホラーみたいなのお出しされて新鮮だった。よかった。
    芦花公園先生のやつもかなり邪悪だったけどそれに続く最後の平山夢明先生のやつがあまりにも凶悪すぎて最高だった。何この流れ。助か

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    2025年04月13日
  • 春のたましい~神祓いの記~

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    幻想的。

    神を祀ることが起源の、地方の祭事
    それらがコロナ禍で失われる、途絶えてしまうことで神々が怒る…それを食い止めるのが使命の二人

    黒木あるじさん、怖イイ話でもいい味出されてる

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    2025年02月11日
  • 春のたましい~神祓いの記~

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    色々な漫画の設定を集めたような感じがする。
    だからといってつまらない訳ではなくて、名前も残らないような神様への崇敬が感じられた。

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    2025年01月13日
  • 春のたましい~神祓いの記~

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    荒ぶる神様をたしなめる祭祀保安協会の奇妙な面々、人間の弱さを描いた幻想ホラー小説 #春のたましい

    ■あらすじ
    感染症の流行により全国の神事が行われなくってきた。祭祀保安協会に所属する九重十一と八多岬は、各地に住む人々と交流を深めながら荒ぶる神々を処分していく。超自然的で幻想的な世界に包まれるホラー連作短編集。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    興味深い作品ですね~、おもしろかったです。

    ホラーではあるんですけど、怖いというより神様ファンタジーですね。すごく幻想的。人間の都合で神事が行われなくなることで土着信仰のバランスが崩れた結果、地域の神様がお怒りになる。それを主人公九重十一たちが制御、処

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    2024年12月28日
  • 超怖い物件

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    ネタバレ

    テーマに惹かれたのと、澤村作品目当てと、ホラー作家を発掘したくて手に取った。

    イマイチなものもあったが、いくつか好きな話が読めたのでトータルでは良かった。
    芦花公園先生の「終の棲家」がとても良かった。この人の作品は他にも読んでみようと思った。

    ①氷室
    家のつくりはワクワクしたが、主人公の罪は余計だった気がする。地域活性化おばちゃん大暴走のサスペンス仕立てで最後に元住人に殺されるの方が良かった。途中からカラクリが見えてしまったし、おじいちゃんが普通に話し始めた時点でちょっと冷めちゃった(笑)

    ②倒福
    軽い読み物としてはギリギリ許せるけど、詮の文字を小さくしてほしかった。読むのに邪魔過ぎた。

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    2024年11月21日
  • 春のたましい~神祓いの記~

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    ネタバレ

    流行病のため、神事や祭事を行わないことにより神であること忘れてしまった神様たちをおさめる祭祀保安協会に勤める九重十一さんと八多岬くんの話

    私はつくづく怪異をおさめる仕事をしてる人たちの物語が好きだなぁと思った

    九重さんがただ強いだけではなく、自身がしたことへの後悔が心の底にあることがわかり、人間味を感じられてとても好きになった


    最後の章でクセが強そうな課長も出てきたし、
    八多くんの言霊に囚われている発言も、
    九重さんが去るときの鳥の描写も気になるので
    これからも続く物語だといいなぁ、と気長に続編を待ってようと思う

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    2024年10月14日
  • 超怖い物件

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    ネタバレ

    家についての怖い話短編集。わりと家より人間メインみたいな話も多かったけど面白かったです。
    個人的には「笛を吹く家」、「トガハラミ」、「ろろるいの家」が個人的に性癖に刺さります。
    ろろるいの家とトガハラミは結構ファンタジー味が強いかも

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    2024年09月26日
  • 超怖い物件

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    結構好きだった。有名な事故物件サイトの方も実話系の方も小説家の方もふんだんに入ってて、お話の並びもリレー小説かのように必然性のある並びをしていて良い。平山夢明さんのトリの小説が本当に怖かった。花房観音さんのも情念って感じで良い。文章が好きだった。

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    2024年08月31日
  • 超怖い物件

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    家系ホラーが好きなので読んでみた。
    あんま怖くないなーって読み進めてたけど、最後2篇が怖くてびっくり。

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    2024年07月19日
  • 破壊屋 プロレス仕舞伝

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    シリーズものだと知らずに読み始めたので、ちょっと間違ったかな、と思いましたが、作者のプロレス愛が詰まり過ぎてて良かったです。プロレス好きじゃない人が読んでも分かるのかどうかは疑問ですけど。プロレスに興味ない人は同じ団体の中で毎日毎日試合してるってことすら知らないですからね。その辺汲んで最後の大会での組み合わせも団体バラバラにしたのかな。

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    2024年06月08日
  • 超怖い物件

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    普段から心霊系の動画をよく鑑賞しているので、興味があり読んでみた。
    うん、物件にまつわる怖い話がギュッと詰まっていました。
    「終の住処」「ろろるいの家」等、海外でのホラー作品にはない日本ならではの、背筋の凍る感じの怖さがありました。
    また、「笛を吹く家」や「トガハラミ」は、”ホラー“を意外なところで感じさせてくれて、オリジナリティがあって新鮮でした。
    面白い話しかなかったように感じます。

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    2024年05月25日
  • 春のたましい~神祓いの記~

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    感染症が拡大したため祭祀が中止になり、その結果、神が暴れだす。
    なるほど、そういう世界線があるのかと思った。
    現代の怪談っぽいけど、怖くはなかったし、泣ける話もあって面白かった。

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    2024年04月30日
  • 破壊屋 プロレス仕舞伝

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    プロレス小説の第三弾・・・というか、三部作って感じなのかな。

    なんか、一作目はかなりベタなわかりやすいけど薄っぺらい感じのする印象だったんですが二作目は大分面白くなってきて、で今作。面白かったです。これまでの登場人物もいい感じに絡んで気持ちよく終わった感じ。これは三作まとめて読まないと正当な評価はできないかも。

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    2024年04月23日