あらすじ
火葬場の煙で遊ぶ息子。特種清掃員の自宅を訪れた老人の霊。最終のバスに現れる和服姿の女……。日常に紛れ込んだ些細な怪異の断片はやがて凝り固まり、「ておくれ」になる。厳選した百話の忌まわしき体験談を収録!
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Posted by ブクログ
300ページに満たない中に、百話書かれておりさくさく読めた。
「けむり」
母親が団地のベランダでシーツを干していると息子が透明のポリ袋を振り回しながら「けむりを捕まえた」とはしゃいでいる。指を指した団地の先にある火葬場。
「あのけむりを入れると動くんだよ!」とポリ袋は右へ左へ跳ねまわっていた。
「バス停の女」
子供の頃に近畿地方の集落で暮らしていたSさん。麓の小学校までバスで片道40分。
放課後、友達と遊んだあと夜19時の最終便で帰宅するのが当たり前になっていた。
ブレーキの振動で目を覚ましたSさん、バス停に立つ中年の和装の女に気づく。
その着物は鉈で切り裂いたようにあちこち裂け結んだ髪もだらしなくどことなく母親に似た顔だちの女だった。
不審に思いながらもバスを降りると誰も居ない。
帰宅後「夕飯の支度で忙しいのにあんたを迎えにいく訳ないでしょ」と母に言われやっぱり見間違いだと思い込む。しかし度々その女をバス停で見かけて怖くなったSさんは、馴染みの運転手に女の話を打ち明ける。
「それ狐かもしれないな」昔はよくこの地域で目撃されていたという。
「どうせなら可愛い姿ででてくれば遊んだのに」というSさんに運転手は大笑いした。
夕食時にこの話を聞かせようと「狐って昔このへんにいたんでしょ!」と訪ねた。
「んだよ」と祖父。やっぱりそうだ!
「でもな、ほとんどオラが捕まえて皮剥いだから生き残ってないべなぁ。生きてるうちに剥ぐと毛の艶が良くて高く売れるんだ」
あの女がどうしてぼろぼろの格好をしているのか、そしてなぜ自分にだけ見えたのか全て腑に落ちたSさんは最終バスには乗らなくなった。
面白い話は他にもあったが個人的にはこの2つがお気に入り。
昔話のようで、でも淡々と話す祖父を想像するとかなり怖い。
幼少の頃から私も不思議な物を沢山見たし、聞いた。
大人になるつれて頻度は減ったが今でも時々そういう者に遭遇したり怖い思いもしている。
ふと、この本を一話ずつ音読していったら「ひとり百物語」が体験できるのだろうか?という疑問が浮かんだ。
Posted by ブクログ
「律儀」のハイヒール。立原透耶の「ひとり百物語」の中の話を思い出しました。あれも、マンションでの話でしたね。
「S氏の証言」どんな気持ちで、聞いてたんですかね。この話の内容って、黒木あるじさん本人が体験した怪異と、つながっている気がするんですよね。書いたら死ぬと思う、って言われたやつです。
「忌み森」「人面魚」山にまつわる怪異。こういう話は聞くと、やっぱり一定の禁足はあるべきなんだな、と思いますね。自然への尊敬忘れちゃいけないな、と。
「ペガサス」もう、モスマンの話だ。かわいい顔して、凶悪な妖獣。地下道で会いたくなかったです。メガテンのことですよ。
「イチョウくん」きゃっきゃうふふでパワースポット巡りに洒落込むから、こういう事になるんです。なんでずかずかと、自分以外の領域に踏み込んでへらへらしてられるのか、さっぱりわからないですね。
「待合所にて」「桜別れ」「窓の彼方に」とほっこり3連発きてからの「ヲわリ」。
百物語形式の怪談集で、こういう終わり方かれると、後味がよろしくないです。
ま、きちんと恐さで終わり、というのが怪談だけどもさ。
Posted by ブクログ
怖い話、百。
ほとんどが2ページなので、ちょっとだけ…と
読みやすいです。
怖い話、不思議な話なので、次に何がくるのか、と
楽しみな要であり、めくりたくないような…。
別の意味で怖かったのが、蕎麦屋。
それに関して有害だったのか、そもそもすべてが
有害だったのか…。
そしてお金、大丈夫だったのでしょうか??