黒木あるじのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ生きるには金がいる。その為に会社に行かねばならないが、その会社に怪異がいたら貴方はどうするだろう。逃げるために辞めれば食うに困るが、逃げ出したい程怖い。そんな怪異がそこにいて、今日も明日も貴方を待っているとしたら。
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大変久しぶりの怪談の本。会社にまつわる怖い話ばかりを集めた一冊で、作者は黒木あるじさんということで期待大の作品。そして、期待通り全体的に怖く満足のいく本だった。読んでいて、自分の職場でこんなことが起こったら本当に嫌だなぁと思いながら読んだ。前書きにあるように、怪異が怖いから仕事を辞めるというのは、かなりリスクがある。しかし、実害のある怪異だと命にかかわることもあるかもしれない……。ほかの怪異より非常に質が悪いかも。 怖い話は何話もあったが、特に度肝を抜かれたのは「給湯室二題」。 「給湯室二題」は二つの話が書かれているが、怖かったのは一話目。雑居ビルに入っている語り手の会社は別の会社と給湯室を共有していた。そしてその給湯室には誰が張っているのかは知れないが、利用にかかわる張り紙がしてあった。貼り紙の内容自体はいたって普通だが、その枚数がどう考えても多い。しかも、それは日増しに増えていき、内容がどんどんとおかしくなっていく……。 これはなんとも気味の悪い話だった。ふいに来た眠気でうとうとしながら読んでいたのだが、その眠気が吹き飛ぶほど不気味話。初めの貼り紙はやや小うるさい感じではあったのだが、給湯室をきれいに快適に使おうという意図を感じられたのでまだよかった。 それが、日を追うごとに内容がおかしくなっていき、意図が分からなくなってくる。攻撃性を帯びていたり、支離滅裂だったりと常軌を逸していた。この辺りでもうだいぶ不穏な雰囲気。
貼り紙をしている人物が誰かが分からないのが、まず気持ちが悪い。そして、内容も気持ち悪い。意味が分からないし、意図も全くわからない。この貼り紙をしている人物(生きた人間なの?)がこの給湯室でどんな光景を見たり聞いたりしているのだろう。やがて、その内容がより支離滅裂になっていくわけだが、その過程が本当に怖かった。こんな貼り紙をする人物が近くにいるかもしれない、同じ建物の中で仕事をしているかもしれない。外部からの人間だったとしても、その執拗さは純粋に身の危険を感じる。
そして最後にとどめの一撃をお見舞いされるわけだが、このとどめに思わず縮み上がってしまった。これが本当にあったことなのだと思うと、その貼り紙を見つけた彼女と語り手はよっぽど怖かっただろう。くだんの貼り紙は触らぬ神に祟りなしということで放置されているが、そんなものが同じ会社内にあると思うと憂鬱。いつか呪いの産物に豹変しそうで怖い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ都道府県ごとに一つずつ怪談が綴られており、短いのと長いのがあって、自分の地域が短かったらがっかりしないだろうか。新潟はどうかなと思ったらまあまあの分量だった。作者さんが東北在住のせいか九州など西日本は短めであった。
子どもを寝かしつけた後読んでいて、子どもに背中を向けていたら、とても怖くなってきて、どんなことでも起こりうるような気持ちになってきて、今背後で寝息を立てている子どもが別のものになっていたらどうしようと思うと怖くて振り返ることができなくなった。
また、夜中ランニングをするのだが、ある時道に迷ってうろうろしていたらお墓に出てしまいとても怖かった。この本を読んで怖くなってまたお墓に出たらどうしようと思うと恐ろしくて、走りに出かけられなくなった。
昼間読んでいたら、夜ほど怖くなかった。 -
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自衛隊関係の怪談がなかなか興味深い。まだまだ出てくるはずだし、集まっているはずです。当然、書けない語れないものも。
「ころりさま」がとても哀しく、そしてとても怖い。時代と言ってしまえばそうだけど、個人の負担を考えると一概には、批判否定はできないなぁ。
「揚羽」の乾燥した恨み。時間たって風化しているとはいえ、復讐心の怖さ。復讐のための熟年離婚っていうのは、こういう怖さだなと思います。
怪異に気づかれるというのは、やはり怖いですね。代表的なのが「ゴンドラの獣」。コンタクトできないから、他人事と面白がっているのに、それが覆される驚愕。
心霊スポットめぐりは、するもんじゃないです。
したことないけど。 -
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「夢死」がほっこりしていていいですね。ほっこりという感じではないかもしれないけれど、当事者の人が悟った風でいるのがいいです。
「障子」の外国の方の、障子というのはユウレイを見るために昔の人が発明した、というのに感心。怖いもの見たさの極地ですね。
「添い寝」で行き過ぎた愛情に恐怖して、その結末に納得するも、やはり恐怖。
「止まない薬缶」にやっぱり生きている人間が一番怖いな、とありきたりな感想を思います。
「罵声」のように天罰なのかわからないけど、断罪のような怪談は、少々スカッとします。9割ぐらいは怖さだけども。
「物語の夜」から「あるじのはなし」までの流れが唐突でびっくり。急に講談のような話し言葉になるのだもの。あの語りは好みだけれど、とにかくびっくり。
「あるじのはなし」は語り慣れてますね。亀の甲より年の功とはよく言ったものです。 -
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2026.09.08
恐怖をあおるような劇画的な表現がウソくさい気がして、これまで実話怪談を避けてきた。
大島てるさんの文章が、実話とはいえ正統派ミステリーのようでどれも引き込まれた。日比谷公園の話も京都の母親の話も、怖いけどつらくなる。村田らむさん大阪の話も怖いけど悲しい。実在の地名や事件名が出てくるので臨場感がある。これが実話だと思うと、怖くもあり、胸がしめつけられるように苦しくもなる。ある程度土地勘があるだけに、事件事故にまつわる心霊ものは本気でゾクっとした。
意外にも淡々とした文章が多くてとても引き込まれた。一話が短いのもいいね