プロフィール

  • 作者名:澁澤龍彦(シブサワタツヒコ)
  • 性別:男性
  • 生年月日:1928年05月08日
  • 出身地:日本 / 東京都
  • 職業:作家

東京大学文学部卒。『唐草物語』で第9回泉鏡花文学賞、『高丘親王航海記』(遺作)で 第39回読売文学賞(没後受賞)。その他作品に『東西不思議物語』、『サド侯爵の生涯』、『快楽主義の哲学』などがある。「澁川龍兒」、「蘭京太郎」、「Tasso S」などの名義でも活動。1987年逝去、享年59歳。

作品一覧

  • エロティシズム
    5.0
    1巻858円 (税込)
    「人間の性的活動は、動物のそれと全く違った面をもっている……つまり快楽の欲求によって動かされている」。芸術や宗教の根柢に横たわり、快楽・錯乱・狂気にまで高まるエロティシズムの渉猟。矛盾に満ちた精神世界を冒険した澁澤龍彦の軌跡。
  • プリニウスと怪物たち
    5.0
    古代ローマの大博物学者プリニウスが書いた『博物誌』は当時の世界の見聞を収めた大事典として名高いが、なかでも火とかげサラマンドラや海坊主、大山猫など幻想的な動物たちが面白い!新アンソロジー。
  • 思考の紋章学
    5.0
    1巻825円 (税込)
    初期のエッセイから、『胡桃の中の世界』に至るまで、著者はおもにヨーロッパの文学や芸術作品を対象にしながら、人間の精神のかたちを考察してきた。だが、本書においては、その関心は日本の古典にも向けられ、迷宮、幻鳥、大地母神などをテーマに、東西の文学作品に通底する心的パターンをめぐって、自在な論が展開される。その後フィクションへと向う著者の創作活動を暗示するエッセイ集。

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  • 旅のモザイク
    5.0
    ゲーテにならい南イタリアに植物の原型を訪ね、日本列島の各地には自然を構成する四大元素の風景を訪ねる。そして中近東では―「どうやら私の旅行記は、バビロンの架空庭園の廃墟から出発して、ふたたび架空庭園の幻影にたどりついたもののようである。この幻影を薔薇の花のように、いつまでも新鮮に保つためには、いずれまた、旅行に出なければなるまい」。

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  • 澁澤龍彦 西欧作家論集成 上
    5.0
    1~2巻1,430円 (税込)
    西欧の作家に関する澁澤のさまざまなエッセイを一堂に集め、生年順に並べて総覧にした文庫オリジナル集成。ギリシア神話・悲劇から始まって、シェイクスピア、ペローの童話、ゲーテ、バルザック、ペトリュス・ボレル、ネルヴァル、ポオ、そして世紀末デカダンス小説として澁澤がこよなく愛したユイスマンスの『さかしま』、最後にビアズレーの『美神の館』を収録。

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  • 悪魔の中世
    5.0
    ブルトンとバルトンシャイティスを結びつけ、美術史の大転換を図った澁澤龍彦の記念碑的名著!「さまざまな要素から織りなされたこの「研究ノート」は、いずれにせよ澁澤龍彦の原点を構成する。その後の澁澤の展開を萌芽的に含み、しかもそれをある程度予告するものと見てさしつかえあるまい。(谷川渥「解説」より)」

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  • 幻想の彼方へ
    5.0
    シュルレアリスムは今世紀最大の芸術運動といわれている。アンドレ・ブルトンに導かれて早くからこの世界に関心を持ちつづけていた著者は、その豊かな鉱脈から心ひかれる作品を数多く発見し、みずからの気質を映し出す鏡とした。60年代には、そのシュルレアリスム絵画をめぐって数多くのエッセイが書かれたが、本書はそれらをまとめたもので、『幻想の画廊から』につぐエッセイ集である。

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  • 胡桃の中の世界
    4.8
    1巻576円 (税込)
    石、多面体、螺旋、卵、紋章や時計に怪物…「入れ子」さながら、凝縮されたオブジェの中に現実とは異なるもうひとつの世界を見出そうとする試み。さまざまなイメージ、多彩なエピソードを喚起しつつ、人類の結晶志向の系譜をたどるエッセイ集。著者の1970年代以降の、新しい出発点にもなったイメージの博物誌。

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  • 幻想の画廊から
    4.7
    「幻想的な美術や芸術作品に惹かれる」生来の資質から渉猟しはじめられた膨大な「ヨーロッパの幻想画家の画集」や「悪魔学や錬金術やエロティシズムに関するテキストならびに研究書」のエッセンスを自由自在に組み合せ、澁澤龍彦自身の強い“好み”から見事に統一を与えられた伝説の美術論集。「マニエリスムからシュルレアリスムへ」という革命は本書から始まった。

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  • 少女コレクション序説
    4.5
    1巻748円 (税込)
    「蝶のように、貝殻のように、捺花のように、人形のように、可憐な少女をガラス箱のなかにコレクションするのは万人の夢であろう」。古今東西、多くの人々が「少女」に抱いた「情熱」に、さまざまな角度からメスを入れた思索の軌跡。
  • 高丘親王航海記
    4.5
    1巻784円 (税込)
    澁澤龍彦没後30年。遺作となった伝説の傑作幻想小説が、いま新たな装いで! 平城天皇の皇子に生まれ、嵯峨天皇即位すると皇太子に立てられるも、父上皇と天皇との諍い(薬子の変)により廃された高丘親王。出家し弘法大師の直弟子となった親王は、東大寺大仏の再建に尽力するなど重要な働きを果たすが、晩年に至り朝廷に入唐求法の願いを出し、唐へ渡った。 親王の真の願いは、幼き日に父帝の寵姫藤原薬子に教えられ、憧れていた天竺を訪れることだった。 貞観七(865)年正月、高丘親王は唐の広州から海路、天竺へ向かった。鳥の下半身をした女、犬頭人の国など、怪奇と幻想の世界を遍歴した親王はやがて旅に病み、その心に去来したものとは……。 無類の面白さと、静かなる気品に満ちた傑作幻想小説。著者の死後に読売文学賞が与えられた。 高橋克彦さんの傑作解説も再収録!
  • 滞欧日記
    4.5
    1巻1,047円 (税込)
    澁澤龍彦の四度にわたるヨーロッパ旅行の記録を数々の旅の写真や絵ハガキとともに全て収録。編者による詳細な註と案内、解説を付し、わかりやすく独創的な〈ヨーロッパ・ガイド〉。また、「澁澤龍彦の広大な作品世界のなかを旅する人々にとっても『必携』であるようなガイドブック」として新編集。魅力的な旅日記であると同時に隠されたその創造の源泉に迫る。

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  • 澁澤龍彦 日本作家論集成 上
    4.5
    1~2巻1,430円 (税込)
    南方熊楠、泉鏡花から始まって、谷崎潤一郎、石川淳、稲垣足穂、小栗虫太郎、久生十蘭、埴谷雄高など、一九一〇年代生まれまでの日本の作家二十五人についてのエッセイをすべて収録した〈上巻〉。とくに泉鏡花や江戸川乱歩、石川淳、そして交遊の深かった稲垣足穂を書いた批評に表れた独自の眼は鋭い。批評家としての澁澤を読む文庫オリジナル集成。

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  • 太陽王と月の王
    4.3
    1巻803円 (税込)
    夢の世界に生きた十九世紀バヴァリアの狂王の生涯を描いた表題作をはじめとして、サド侯爵、人形、説話、宮廷怪異譚、神話と絵画、植物、昆虫、古本、パイプ、機関車等々、イマジネーションは古今東西縦横無尽に展開していく。著者の文章修業に関する作品や、サドとの架空対談もある。著者の思考の源泉がかいま見える、傑作エッセイ二十五編を収録する。

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  • 澁澤龍彦 書評集成
    4.2
    稲垣足穂や三島由紀夫など日本文学の書評、日本人による芸術や文化論の批評、バタイユやD・H・ロレンスなどの外国文学や外国芸術についての書評などに加え、推薦文や序文も収録。一九五八年から最晩年の一九八七年にかけて発表されたおびただしい数の書評を集大成した本書は、澁澤龍彦による時評とも、澁澤自身の軌跡とも読める。文庫オリジナル・アンソロジー。

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  • さかしま
    4.1
    1巻1,430円 (税込)
    「久しく名のみきいていたデカダンスの聖書『さかしま』の難解を以って鳴る原文を、明晰暢達な日本語、しかも古風な威厳と憂愁をそなえた日本語にみごとに移しえた訳者の澁澤龍彦氏の功績を称えたい」(三島由紀夫)。<生涯>を至上の価値とする社会に敢然と反旗を翻し、自らの「部屋」に小宇宙を築き上げた主人公デ・ゼッサント。澁澤龍彦が最も愛した翻訳が今甦る!

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  • ドラコニア綺譚集
    4.1
    1巻660円 (税込)
    「ドラコニア」とは龍の王国、すなわち「澁澤龍彦ランド」のことだ。著者はこの知の領土において、極楽鳥や仮面、童子といったテーマをとりあげ、筆のおもむくまま興趣つきないエピソードをつむぎ出す。一篇ごとに趣向を変え、きらびやかなペダントリーをふりまきながら、精神の運動を展開する円熟のエッセイ集。

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  • 悪徳の栄え 上
    4.1
    1~2巻1,210円 (税込)
    美徳を信じたがゆえに悲惨な運命にみまわれるジュスティーヌの物語と対をみなす、姉ジュリエットの物語。妹とは対照的に悪の哲学を信じ、残虐非道のかぎりを尽くしながら、さまざまな悪の遍歴をかさねるジュリエット。不可思議な出来事につぎつぎに遭遇し、最後には悪の讃歌をうたいあげるその波瀾万丈の物語は、サドの代表作として知られる古典的傑作である。

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  • 深夜の祝祭
    4.0
    1巻1,881円 (税込)
    「女妖」「書妖」「地妖」をキーワードに幻想小説、随筆、評論を精選するオリジナルアンソロジー。文豪怪異小品集シリーズ第14弾。
  • サド侯爵の生涯 新版
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    『悪徳の栄え』の著者、サディズムの祖として知られるマルキ・ド・サド。 この公序良俗に対決しつづけた18世紀フランスの貴族の生涯を、誕生から性的醜聞、幽囚生活、孤独な晩年まで描ききる。 無理解と偏見に満ちた従来のイメージを覆し、サドの実像を捉えた、著者渾身の作にして、三島由紀夫『サド侯爵夫人』の典拠となった画期的評伝。 〈解説〉出口裕弘 【目次より】 第一章 誕生より結婚まで(一七四〇―一七六三年) 第二章 リベルタンの出発(一七六三―一七六七年) 第三章 アルクイユ事件の周辺(一七六八―一七七二年) 第四章 マルセイユ事件の周辺(一七七二―一七七三年) 第五章 ラ・コストの城にて(一七七三―一七七八年) 第六章 ヴァンセンヌの鐘楽(一七七八―一七八四年) 第七章 自由の塔(一七八四―一七八九年) 第八章 革命とともに(一七八九―一七九二年) 第九章 恐怖時代に生きる(一七九二―一八〇〇年) 第十章 精神病院の晩年 (一八〇一―一八一三年) 第十一章 死 (一八一四年) 補遺(1) 死後の評価 補遺(2) その生涯の最後の恋 補遺(3) ジャンヌ・テスタル事件
  • 快楽主義の哲学
    4.0
    1巻611円 (税込)
    人生に目的などありはしない──すべてはここから始まる。 曖昧な幸福に期待をつないで自分を騙すべからず。 求むべきは、今、この一瞬の確かな快楽のみ。 流行を追わず、一匹狼も辞さず、世間の誤解も恐れず、精神の貴族たれ。 人並みの凡庸でなく孤高の異端たれ。 時を隔ててますます新しい澁澤龍彦の煽動的人生論。 【目次】 第1章 幸福より、快楽を 第2章 快楽を拒む、けちくさい思想 第3章 快楽主義とは、何か 第4章 性的快楽の研究 第5章 快楽主義の巨人たち 第6章 あなたも、快楽主義者になれる ※電子版には文庫収録の三島由紀夫氏による推薦文は掲載しておりません。
  • ドラコニアの夢 アニメカバー版
    4.0
    1巻616円 (税込)
    新キャラクター「澁澤龍彦」登場の映画「文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(デッドアップル)」、2018年3月3日公開! 大人気アニメ「文豪ストレイドッグス」シリーズの映画に登場するキャラクター「澁澤龍彦」。コラボカバーのアンソロジー文庫で澁澤龍彦のエッセンスを味わおう! 珠玉のエッセイや小説などを収録。 「文豪ストレイドッグス×角川文庫」アニメ描き下ろしコラボカバー第4弾! (既刊一覧は https://store.kadokawa.co.jp/shop/e/epu040103/ ) 編者・解説はアンソロジストの東雅夫(編著に『澁澤龍彦玉手匣』ほか)。 === サドやコクトーの名訳で知られる仏文学者、西欧異端文化の紹介者、達意のエッセイスト、絢爛たる物語作家――いくつもの魅惑的な顔を有する文人・澁澤龍彦は、みずからの文学世界をドラコニア(龍彦の国)と呼んだ。 本書は「澁澤龍彦×文豪」をコンセプトに、新世代の読者に向けて編まれたアンソロジーである。 古今東西の文豪たちをめぐるエッセイを中心に、小説、評論、紀行、対談など全26篇を収録。 <「文豪ストレイドッグス」シリーズとは!?> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクションコミックス。 舞台は横浜。孤児院を追われた主人公・中島 敦は、とある自殺志願の男・太宰 治を助けたことから、異能力集団「武装探偵社」に所属することに。やがて、ポートマフィアの芥川龍之介らや、北米の異能力集団・組合(ギルド)との対決が激化していく――!
  • 私の戦後追想
    4.0
    1巻1,045円 (税込)
    記憶の底から拾い上げた戦中戦後のエピソードをはじめ、最後の病床期まで、好奇心に満ち、乾いた筆致でユーモラスに書かれた体験談の数々。『私の少年時代』に続くオリジナル編集の自伝的エッセイ集。
  • P+D BOOKS マルジナリア
    4.0
    1巻715円 (税込)
    欄外の余白(マルジナリア)鏤刻の小宇宙。  強靭な思考力と該博の知識による、マルジナリア(欄外の余白に嵌め込まれた書き込み)の絢爛たる鏤刻の小宇宙・―エドガー・ポーのひそみにならい書き継がれた多彩な断章の集積が、いま異色の読書ノートとして顕現する卓抜なエッセイ集。  著者晩年の雑文集にて、映画「E・T」への考察、作家・石川淳への言及等、多彩な「マリジナリア」が、読書録として纏められている。
  • 閨房哲学
    値引きあり
    4.0
    1巻385円 (税込)
    老若男女を問わず、放蕩者と呼ばれる者にのみ、この作品が捧げられる。この作品の教えによって、われわれの精神を養い、それにつれて情欲も生き生きとするだろう。情欲の源こそ、幸福にみちびいてくれる唯一のものなのだから。辛らつな対話体で、若い娘に快楽と悪徳の本質を説き、またサドの反社会性の哲学が最も攻撃的、論戦的な形で露呈された希有な著作である。
  • 夢の宇宙誌
    4.0
    1巻792円 (税込)
    「観念は、形象化する作用のなかに生まれる」(ホイジンガ)―多年、観念の可視化作用に関心を寄せてきた著者が、自動人形、遊戯機械、ホムンクルス、怪物、天使、アンドロギュヌス、そして世界の終わり…多様なイメージに通底する人間の変身願望や全体性回復への意志、大宇宙と照応する小宇宙創造への情熱などを考察したエッセイ集。著者の六〇年代を代表する一冊。読者を異次元に誘い出す夢のアルバム。

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  • 夢のある部屋
    4.0
    1巻803円 (税込)
    鏡、古時計、扉…ごく身近なオブジェから紡ぎ出される夢想の数々。部屋を飾るとは、そこに物語を見出すことにほかならない。読者の想像力を刺激する自由な発想が満載の『夢のある部屋』。著者の暮らす古都鎌倉の歳時記をはじめとして、女性の魅力、ファッションの意味などが著者独特の視点で語られる作品を併載。ゆったりとした時間を演出する極上エッセイ。

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  • 記憶の遠近法
    4.0
    1巻858円 (税込)
    かねがね関心をひかれていた古代、中世の錬金術師と錬金術の思想を物語る「サラマンドラよ、燃えろ」、『黒魔術の手帖』以来愛好するタロッコカードについてその蘊蓄をかたむける「タロッコの謎」など、著者の得意とするテーマを満載する論考八編からなる第一部。自らタブーとしてきた身辺雑記や回想を「望遠鏡をさかさまにして世界を眺める」遠近法で描いたエッセイ群からなる第二部。過去と現在という時間を交差させて織り上げた魅惑の作品集。

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  • 澁澤龍彦 初期小説集
    4.0
    1巻825円 (税込)
    ガラスの金魚鉢に見つめられ、妄想を駆り立ててゆく男の心理を追う「撲滅の賦」、狼の子を宿す女の幻想を描いた「犬狼都市」のほか、両性具有の王と彫刻師が織りなす古代ギリシャ奇譚「陽物神譚」、彷徨する幽霊船上でのドラマ「マドンナの真珠」、著者唯一の推理小説ともいわれる「人形塚」など9編を収録。読む者を迷宮世界に引き込む魅惑の初期幻想小説集。

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  • 澁澤龍彦 西欧文芸批評集成
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    挫折と不遇に消え去る運命にありながら、俗物主義と楽天的な進歩思想に対して嫌悪と反感を抱き、神秘や驚異の反社会的幻想を作品にした過激な「小ロマン派」たちや「呪われた詩人」たちをはじめ、十九世紀フランスを中心に、幻想、暗黒、怪奇、悪魔、異端、エロスなど各分野を、もうひとつの文学系譜として紹介した珠玉のエッセイ集。

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  • 澁澤龍彦 日本芸術論集成
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    地獄絵や浮世絵、仏教建築などの古典美術から、現代美術の池田満寿夫や日本画の加山又造、人形の四谷シモン、舞踏の土方巽、状況劇場の唐十郎など、日本の芸術について澁澤が書いたエッセイをすべて収録した集成。「おのれの城に閉じこもり、小さな壁の孔から、自分だけの光輝く現実を眺めている、徹底的に反時代的な画家」だけに興味を抱いた著者の世界観をたどる。

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  • 閨房哲学
    4.0
    1巻619円 (税込)
    快楽の法則の信奉者、遊び好きなサン・タンジェ夫人と、彼女に教えを受ける情熱的な若き女性ウージェニー。そして夫人の弟ミルヴェル騎士や、遊蕩児ドルマンセたちがたがいにかわす“性と革命”に関する対話を通して、サドがみずからの哲学を直截に表明した異色作。過激で反社会的なサドの思想が鮮明に表現され、読む者を慄然とさせる危険な書物。

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  • 唐草物語
    4.0
    「あらゆる模様のうちでアラベスクはもっとも観念的なものだ」とボードレールが『火箭』のなかに書いている。いうまでもなくアラベスクとは、唐草のことにほかならぬ。コント・アラベスク、すなわち唐草物語という総題名を思いついたとき、このボードレールの言葉を私が意識していなかったとはいえない。(著者「あとがき」より)

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  • 美徳の不幸
    4.0
    1巻726円 (税込)
    サドの代表的著作、ジュリエットの物語『悪徳の栄え』と対をなす妹ジュスティーヌの物語には三つのバージョンが残存している。本書はその最初の版である「原ジュスティーヌ」とでも称すべき中篇。バスティーユ牢獄中にて書かれ、革命のどさくさに粉れて紛失され、100年ののちに陽の目をみた本書はサドの思索のエッセンスが凝縮された異色作である。

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  • 食人国旅行記
    4.0
    1巻748円 (税込)
    許されぬ恋におち、駆け落ちをしてヴェニスにたどりついたサンヴィルとレオノール。二人はこの水の都で離れ離れとなり、互いに求めあって各地をめぐり歩く。――本書でサンヴィルが回想するこの冒険旅行は、波乱万丈の展開をみせるが、なかでも異彩を放っているのが食人国と美徳の国の登場で、ここにおいて、サドはそのユートピア思想を鮮烈に表現している。

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  • 黄金時代
    4.0
    1巻619円 (税込)
    60年代の後半、全共闘運動はなやかなりしころ、世情は騒然とし、著者が親交をあたためていた作家三島由紀夫は、一見その流れに歩調を合わせるかのように死の予行演習をくり返し、自決へと至った。そして70年代が幕を開け、政治の季節は終った。時代に対して超然としながら、なおかつ時代の空気を鋭敏に察知していた著者はこの時期何を考えていたのだろうか? 本書はその思索の跡を示す。

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  • 秘密結社の手帖
    4.0
    1巻682円 (税込)
    歴史の裏面に絶えず出没し、不思議な影響力を社会におよぼしつづけた不気味な人間集団、秘密結社。この排他的で陰謀の匂いにみちた怪しい影の集団の実態は? グニーシス派、薔薇十字団、フリーメーソンなど、正史ではとりあげられることの少ない秘密結社を、さまざまな歴史的エピソードを交えて紹介する。

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  • 黒魔術の手帖
    4.0
    1巻580円 (税込)
    ローマ法王が魔術に手を染めていた? 大哲学者・デカルトでさえも入れてもらえなかった薔薇十字団って? 悪魔礼拝の秘儀に、ルイ14世の愛妾モンテスパン公爵夫人もハマっていた? 妖術師や時の権力者らが虜になったカバラ、タロット、黒ミサ、自然魔法など黒魔術の数々。その精神性をひも解き、ヨーロッパの神秘思想の歴史的系譜を、澁澤龍彦が日本に初めて紹介。三島由紀夫に「殺し屋的ダンディズムの本」と嘆賞された、オカルト・ブームの先駆的エッセイ集!
  • 幸福は永遠に女だけのものだ
    3.9
    「女に生まれたということが、女の幸福の第一歩なのである」。女性的原理について論じた表題作をはじめ、ホモ・セクシャリズムやフェティシズム、オナニズムを語る「異常性愛論」、有名女優をめぐる考察「モンロー神話の分析」等、存在とエロスの姿を軽やかに読み解く傑作エッセイ29編を収録。文庫オリジナル。

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  • 世界悪女物語
    3.9
    1巻407円 (税込)
    ルクレチア・ボルジア、カトリーヌ・ド・メディチ、ブランヴィリエ侯爵夫人、エリザベス女王、則天武后にマグダ・ゲッベルス……世界史上、名高い12人の女たち。美貌と権力、魔性と残虐性によって人びとを恐怖に陥れた彼女たちは、並外れた虚栄心、戦慄すべき美への執着、狂気のごとき愛欲に身をゆだね、罪を重ねて、孤独なあるいは非業の最期を遂げた。なぜ彼女たちはかくも魅力的なのか。耽美と悦楽のカリスマ、作家・澁澤龍彦の愉楽に満ちた人物エッセイ集。
  • ねむり姫
    3.9
    1巻660円 (税込)
    なんの前ぶれもなく、永いねむりについてしまった美しい姫と、腹違いのひとりの童子――中世の京の都を舞台に繰り広げられる男と女の不可思議な生涯を物語る表題作のほか、実母の生んだ牝狐を愛して命を奪われてしまう男の物語「狐媚記」、夢が男女の出会いを予告する「ぼろんじ」など、あやかしの物語六篇。

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  • 黒魔術の手帖
    3.9
    1巻748円 (税込)
    カバラ、占星術、タロット、錬金術、妖術、サバト、黒ミサ……俗に黒魔術と称されているオカルティズムをめぐってさまざまなエピソードを紹介したエッセイ集。一九六十年代に発表された本書は、刊行後強烈なインパクトを与えたことでも知られ、このジャンルの書物が続出するひきがねとなった先駆的作品である。

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  • 世界悪女物語
    3.9
    1巻792円 (税込)
    ルクレチア・ボルジア、カトリーヌ・ド・メディチ、マグダ・ゲッベルス、則天武后……内なる魔性の命ずるまま、愛欲に身を焦がし、殺人と破壊を繰り返す十二人の女たち。権力欲に取り憑かれて悪逆無道のかぎりを尽くした彼女たちの生涯を紹介しながら、悪女とはなにかを問う。著者一九六〇年代の代表作!

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  • 世紀末画廊
    3.8
    1巻880円 (税込)
    古今東西の絵画・芸術作品を、円熟した晩年の著者が偏愛的ともいうべき独自の世界観で読者をいざなう空想ギャラリー。世紀末の妖しい光のもと、華々しく活躍した作家と画家たちの共演「世紀末画廊」、日本と西洋の特異な芸術をイメージ世界に映した「イマジナリア」など、幻想芸術をテーマに書かれた珠玉のエッセイをまとめた文庫オリジナル・アンソロジー。

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  • 幻想の肖像
    3.8
    1巻616円 (税込)
    「肖像というものは、不思議なものだ…そこに描かれた人間の、魅力ある個性がいつまでも生きていて、私たちに何事かを訴えかけてくるらしい」と著者は言う。三十六枚の名画に描かれた女性像をめぐり、そのイメージにこめられた女性の美やエロス、魔的なるものなどについて語った魅力あふれる美術エッセイ集。

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  • O嬢の物語
    3.8
    1巻858円 (税込)
    パリの前衛的な出版社ポーヴェールから一九五四年に刊行された本書は、発表とともにセンセーションを巻き起こし、「ドゥー・マゴ」賞を受賞した。女主人公の魂の告白を通して、自己の肉体の遍歴を回想したこの書物は、人間性の奥底にひそむ非合理な衝動をえぐり出した、真に恐るべき恋愛小説の傑作と評され、多くの批評家によって賞賛された。

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  • 東西不思議物語
    3.8
    1巻726円 (税込)
    「不思議物語の伝統は、歴史とともに、古代から脈々と流れていると言ってもよいであろう」(「前口上」)。ポルターガイスト、言葉を話す人形、百鬼夜行、姑獲鳥(うぶめ)など、古今東西の世にも不思議な物語四十九編。著者が最も心ひかれたテーマが満載、軽妙な語り口で、驚きと夢とシンボルの一大宝庫へと読者を誘うエッセイ集!

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  • 貝殻と頭蓋骨
    3.7
    1巻1,144円 (税込)
    ただ一度の中東旅行の記録、花田清輝、日夏耿之介、小栗虫太郎など偏愛作家への讃辞、幻想美術、オカルト、魔術──その魅力が凝縮された幻の澁澤本。没後30年記念刊行。
  • うつろ舟
    3.7
    常陸の国はらどまりの浜に流れついたガラス張りの〈うつろ舟〉。そのなかには、金髪碧眼の若い女人が、一個の筥とともに閉じ込められていた。そして繰りひろげられる少年との夢幻的な交歓―古典に題材をとりながらもそれを自由自在に組み換え、さらに美しくも妖しい一つの〈球体幻想〉として結晶させた表題作のほか、珠玉の八編。澁澤龍彦、晩年の代表作。

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  • 女のエピソード
    3.7
    1巻517円 (税込)
    時代・風俗は変われども、女の人生は本質的に変わらないーー。マリー・アントワネットやジャンヌ・ダルクなど史上名高い女性たち、またサロメやヴィーナスなど神話・宗教上の有名な女性たちのさまざまなエピソードをとりあげながら、古今東西の女の生きかたをしゃれたタッチで描くエッセイ集。ベストセラー『世界悪女物語』を補完する女性論。

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ユーザーレビュー

  • さかしま

    Posted by ブクログ

    ルドン展で、河出文庫から出ている本書のことも書かれていたので、読みたい本に入れた作品である。

    要再読

    0
    2025年11月09日
  • 快楽主義の哲学

    Posted by ブクログ

    ブク友さんが読んでいて「そういえば私も持っていたかなぁ」と本棚から出してきて読んだ。再読。
    とはいえ内容はまるで覚えていなかったのでほぼ初読。

    他の作品とちょっと毛色が違って、世俗的なことや現代的なことに関しても色々言及しているので興味深く読む。私の中ではなんとなく「西洋の昔の人やもののことを書く人」というイメージなので。まぁ現代に生きていれば世俗的なことだってその人なりに思うところはあるわけで。

    巻末の解説でこの本の初版がカッパブックスから出たことを知る。なるほど、と思う。だから雰囲気がちょっと違ったのかー、と。普段なかなか聞けない話を聞けて儲けた、と思う。

    小説の「高岡親王航海記」が

    0
    2025年09月01日
  • 世界悪女物語

    Posted by ブクログ

    初版は昭和39年、桃源社という出版社かららしい。
    私が持っているのは河出文庫の1995年9月発行の48刷のもの。

    知ってる人物が半分くらい。エリザベート・バートリやマリー・アントワネットなどは知ってる範疇。ブランヴェリエ侯爵夫人やアグリッピナなどは知らない人物。

    昭和30年代に書かれたものが今何の違和感もなく読める(文体も内容も)ということにまず驚かされる。戦後の作品だから旧仮名遣いだったりはしないが、例えば先日読んだ80年代の橋本治のエッセイを古臭く感じるのに澁澤龍彦は古臭く感じないのはどういうことか…。

    とても楽しい読書だった。

    0
    2025年08月18日
  • 妖人奇人館

    Posted by ブクログ

    ノストラダムスやカリオストロ等の占い師や詐欺師、殺し屋達の奇妙で過激な、いかがわしさを端的にサクッと読めちゃう人物紹介?エッセイ集。
    過激でいかがわしいのって、読むスピード早くなる。

    0
    2025年04月07日
  • エロティシズム

    Posted by ブクログ

    エロティシズムという題名に相応しく、性と愛に関する澁澤龍彦の視点がふんだんに語られた書籍となっていました。性は芸術などの創造的な活動、そして、破壊などの暴力的な活動という人間の根幹を司る活動に通底する情動であり、また、社会から逸脱している場合にこそ、エロティシズムの魅力が発揮されるという、様々な両極性を有しているということを、澁澤の文章に読み解きました。大変に興味深い話や引用も多かったです。

    0
    2024年12月22日

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