プロフィール

  • 作者名:澁澤龍彦(シブサワタツヒコ)
  • 性別:男性
  • 生年月日:1928年05月08日
  • 出身地:日本 / 東京都
  • 職業:作家

東京大学文学部卒。『唐草物語』で第9回泉鏡花文学賞、『高丘親王航海記』(遺作)で 第39回読売文学賞(没後受賞)。その他作品に『東西不思議物語』、『サド侯爵の生涯』、『快楽主義の哲学』などがある。「澁川龍兒」、「蘭京太郎」、「Tasso S」などの名義でも活動。1987年逝去、享年59歳。

作品一覧

  • 高丘親王航海記 1
    完結
    3.6
    全4巻880円 (税込)
    幼い頃に、父帝の寵姫であった藤原薬子より、寝物語で天竺の話を聞かされていた皇子・高丘親王は、長年、彼の地への憧憬を抱き続けていた。 それから数十年、成長した彼は夢を実現するために、エクゾティシズムに満ちた怪奇と幻想の旅に出立したのだった。 幻想文学史上に屹立する巨峰を、果敢なる漫画家が端正で妖しく描き尽くす。渾身のコミカライズ。 ●近藤ようこ ビームコミックス好評既刊● 『蟇の血』(原作:田中貢太郎)『死者の書』上・下巻(原作:折口信夫)『五色の舟』(原作:津原泰水) 『帰る場所』『水の蛇』『月影の御母』『美しの首』『猫の草子』『説経 小栗判官』『宝の嫁』『女神たちと』(共著:河井克夫他) ●コミックビーム 公式ツイッター● @COMIC_BEAM
  • 閨房哲学
    4.0
    1巻550円 (税込)
    老若男女を問わず、放蕩者と呼ばれる者にのみ、この作品が捧げられる。この作品の教えによって、われわれの精神を養い、それにつれて情欲も生き生きとするだろう。情欲の源こそ、幸福にみちびいてくれる唯一のものなのだから。辛らつな対話体で、若い娘に快楽と悪徳の本質を説き、またサドの反社会性の哲学が最も攻撃的、論戦的な形で露呈された希有な著作である。
  • O嬢の物語
    -
    1巻330円 (税込)
    フランスの前衛的な文学賞「ドゥー・マゴ賞」を受賞した本作品は、古くてしかも新しい、人間性の奥底に潜む非合理な衝動をえぐり出した、真に恐るべき恋愛小説の傑作である。女主人公Oは恋人ルネに導かれ、自由を放棄し、男たちに強いられた屈従と涙と拷問のさなかで訓練を積み、奴隷の境遇を受けいれ、ついには晴れやかな精神状態に達するという、それはある女の情熱的な愛の告白であり、フランス伝統文学を受けつぎながら、新しい文学を目指した真の名作と言って過言ではあるまい。
  • 恋のかけひき
    -
    1巻286円 (税込)
    『悪徳の栄え』や『美徳の不幸』などによって、長篇作家サドの力量は、だれしも認めるところであるが、その才能は短篇小説にもおとろえることなく発揮された。本書は、愛する女と結婚するために、珍奇な方法を使って目的をとげる「恋のかけひき」、浮気男とその妻とのコミック「寝取られた男」など、当時の社会風俗を、鋭い風刺をまじえた軽妙洒脱な筆で描いた作品12篇を収録し、サドの広い文学的領域を感じさせ、その全貌を髣髴させる好短篇集である。
  • ソドム百二十日
    3.3
    1巻1,210円 (税込)
    ルイ十四世治下の末期、殺人と汚職によって莫大な私財を築きあげたブランジ公爵と三人の仲間は、「黒い森」の人里離れた城館で、四十二人の男女とともに、百二十日間に及ぶ大饗宴をもよおす。ここで物語られる奇怪な話、くりひろげられる乱行、虐殺の数々を物語るサドの異色作「ソドム百二十日」は、さながら性倒錯現象の百科ともいえる傑作である。他に二篇収録。

    試し読み

    フォロー
  • 美徳の不幸
    3.0
    1巻374円 (税込)
    『悪徳の栄え』に登場するジュリエットの妹ジュスチーヌは、姉と正反対の信心深い美徳の持ち主であった。しかし、それゆえにありとあらゆる世の不幸に見舞われる。徹底的に陵辱され痛めつけられる盲目的なまでに無垢の魂を通じて描かれる、サドの思想の真髄。。バスティーユ牢獄の中で執筆された後、長く行方不明であった本作品の発見は、サド再評価のきっかけとなった。澁澤龍彦の香り高い名訳で触れる敬虔と官能、天国と地獄。
  • ソドム百二十日
    -
    1巻286円 (税込)
    時はルイ十四世治下の末期、「黒い森」の人里離れた城館で、悪名高き権力者プランジ公は弟の司教と友人二人を交え、彼らの絶対的権力に隷属した四十二人の男女とともに百二十日間にわたる性の一大饗宴を催す。強姦、男色、拷問、スカトロジー、虐殺という狂気の乱舞。性倒錯の総目録ともいうべき恐怖と戦慄のサド版“デカメロン”。他に偽作“ゾロエと二人の侍女”を収録。
  • 悪徳の栄え 上
    4.1
    1~2巻1,210円 (税込)
    美徳を信じたがゆえに悲惨な運命にみまわれるジュスティーヌの物語と対をみなす、姉ジュリエットの物語。妹とは対照的に悪の哲学を信じ、残虐非道のかぎりを尽くしながら、さまざまな悪の遍歴をかさねるジュリエット。不可思議な出来事につぎつぎに遭遇し、最後には悪の讃歌をうたいあげるその波瀾万丈の物語は、サドの代表作として知られる古典的傑作である。

    試し読み

    フォロー
  • 悪魔の中世
    5.0
    ブルトンとバルトンシャイティスを結びつけ、美術史の大転換を図った澁澤龍彦の記念碑的名著!「さまざまな要素から織りなされたこの「研究ノート」は、いずれにせよ澁澤龍彦の原点を構成する。その後の澁澤の展開を萌芽的に含み、しかもそれをある程度予告するものと見てさしつかえあるまい。(谷川渥「解説」より)」

    試し読み

    フォロー
  • 石川淳随筆集
    -
    1巻1,320円 (税込)
    「この集で、私は石川淳さんのダンディズム、つまり精神のおしゃれを存分に示したいと思った」──。和漢洋古今聖俗を自由に往還する珠玉の随想を澁澤龍彦が精選。
  • 異端の肖像
    3.5
    1巻792円 (税込)
    狂気と偽物による幻想の城ノイシュヴァンシュタインを造らせたルドヴィヒ二世。神秘思想を体現した二十世紀の魔術師グルジエフ。数百人ともいわれる幼児虐殺を犯した享楽と残虐のジル・ド・レエ侯。ルイ十六世の処刑を主張した熱狂的革命家サン・ジュスト…。彼らを魅了した魂と幻影とは何だったのか。そして孤独と破滅とは何だったのか。時代に背を向けた異端児達を描くエッセイ。

    試し読み

    フォロー
  • うつろ舟
    3.7
    常陸の国はらどまりの浜に流れついたガラス張りの〈うつろ舟〉。そのなかには、金髪碧眼の若い女人が、一個の筥とともに閉じ込められていた。そして繰りひろげられる少年との夢幻的な交歓―古典に題材をとりながらもそれを自由自在に組み換え、さらに美しくも妖しい一つの〈球体幻想〉として結晶させた表題作のほか、珠玉の八編。澁澤龍彦、晩年の代表作。

    試し読み

    フォロー
  • エロス的人間
    -
    1巻748円 (税込)
    「エロティシズム……太古の闇のなかの恐怖をそのまま現代に持ってきたかのような、社会生活をおびやかす暗い力」。千一夜物語やサド、ジャン・ジュネ、フロイト、同性愛、ナルシシズムと、あらゆる角度から人間のアンモラルな隠れ家を探検。
  • エロスの解剖 新装版
    -
    1巻770円 (税込)
    母性の女神に対する愛の女神を貞操帯から語る「女神の帯について」ほか、乳房コンプレックス、サド=マゾヒズムなど、エロスについての16のエッセイ集。没後30年を機に新装版で再登場。
  • エロティシズム
    5.0
    1巻858円 (税込)
    「人間の性的活動は、動物のそれと全く違った面をもっている……つまり快楽の欲求によって動かされている」。芸術や宗教の根柢に横たわり、快楽・錯乱・狂気にまで高まるエロティシズムの渉猟。矛盾に満ちた精神世界を冒険した澁澤龍彦の軌跡。
  • 黄金時代
    4.0
    1巻619円 (税込)
    60年代の後半、全共闘運動はなやかなりしころ、世情は騒然とし、著者が親交をあたためていた作家三島由紀夫は、一見その流れに歩調を合わせるかのように死の予行演習をくり返し、自決へと至った。そして70年代が幕を開け、政治の季節は終った。時代に対して超然としながら、なおかつ時代の空気を鋭敏に察知していた著者はこの時期何を考えていたのだろうか? 本書はその思索の跡を示す。

    試し読み

    フォロー
  • O嬢の物語
    3.8
    1巻858円 (税込)
    パリの前衛的な出版社ポーヴェールから一九五四年に刊行された本書は、発表とともにセンセーションを巻き起こし、「ドゥー・マゴ」賞を受賞した。女主人公の魂の告白を通して、自己の肉体の遍歴を回想したこの書物は、人間性の奥底にひそむ非合理な衝動をえぐり出した、真に恐るべき恋愛小説の傑作と評され、多くの批評家によって賞賛された。

    試し読み

    フォロー
  • 女のエピソード
    3.7
    1巻517円 (税込)
    時代・風俗は変われども、女の人生は本質的に変わらないーー。マリー・アントワネットやジャンヌ・ダルクなど史上名高い女性たち、またサロメやヴィーナスなど神話・宗教上の有名な女性たちのさまざまなエピソードをとりあげながら、古今東西の女の生きかたをしゃれたタッチで描くエッセイ集。ベストセラー『世界悪女物語』を補完する女性論。

    試し読み

    フォロー
  • 貝殻と頭蓋骨
    3.7
    1巻1,144円 (税込)
    ただ一度の中東旅行の記録、花田清輝、日夏耿之介、小栗虫太郎など偏愛作家への讃辞、幻想美術、オカルト、魔術──その魅力が凝縮された幻の澁澤本。没後30年記念刊行。
  • 快楽主義の哲学
    4.0
    1巻611円 (税込)
    人生に目的などありはしない──すべてはここから始まる。 曖昧な幸福に期待をつないで自分を騙すべからず。 求むべきは、今、この一瞬の確かな快楽のみ。 流行を追わず、一匹狼も辞さず、世間の誤解も恐れず、精神の貴族たれ。 人並みの凡庸でなく孤高の異端たれ。 時を隔ててますます新しい澁澤龍彦の煽動的人生論。 【目次】 第1章 幸福より、快楽を 第2章 快楽を拒む、けちくさい思想 第3章 快楽主義とは、何か 第4章 性的快楽の研究 第5章 快楽主義の巨人たち 第6章 あなたも、快楽主義者になれる ※電子版には文庫収録の三島由紀夫氏による推薦文は掲載しておりません。
  • 唐草物語
    4.0
    「あらゆる模様のうちでアラベスクはもっとも観念的なものだ」とボードレールが『火箭』のなかに書いている。いうまでもなくアラベスクとは、唐草のことにほかならぬ。コント・アラベスク、すなわち唐草物語という総題名を思いついたとき、このボードレールの言葉を私が意識していなかったとはいえない。(著者「あとがき」より)

    試し読み

    フォロー
  • 記憶の遠近法
    4.0
    1巻858円 (税込)
    かねがね関心をひかれていた古代、中世の錬金術師と錬金術の思想を物語る「サラマンドラよ、燃えろ」、『黒魔術の手帖』以来愛好するタロッコカードについてその蘊蓄をかたむける「タロッコの謎」など、著者の得意とするテーマを満載する論考八編からなる第一部。自らタブーとしてきた身辺雑記や回想を「望遠鏡をさかさまにして世界を眺める」遠近法で描いたエッセイ群からなる第二部。過去と現在という時間を交差させて織り上げた魅惑の作品集。

    試し読み

    フォロー
  • 機械仕掛のエロス [新装版]
    -
    1巻471円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 サド、ブルトン、デスノス、マンディアルグ、ジュネ、バタイユなどをめぐる、エロティシズムの文学史。

    試し読み

    フォロー
  • 胡桃の中の世界
    -
    1巻471円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 〈石〉に懸け〈卵〉に託し〈紋章〉に秘め〈庭園〉に凝縮した人類の結晶志向の夢の系譜。東西の典籍に拾う奇想の博物誌。

    試し読み

    フォロー
  • 胡桃の中の世界
    4.8
    1巻576円 (税込)
    石、多面体、螺旋、卵、紋章や時計に怪物…「入れ子」さながら、凝縮されたオブジェの中に現実とは異なるもうひとつの世界を見出そうとする試み。さまざまなイメージ、多彩なエピソードを喚起しつつ、人類の結晶志向の系譜をたどるエッセイ集。著者の1970年代以降の、新しい出発点にもなったイメージの博物誌。

    試し読み

    フォロー
  • 黒魔術の手帖
    3.9
    1巻748円 (税込)
    カバラ、占星術、タロット、錬金術、妖術、サバト、黒ミサ……俗に黒魔術と称されているオカルティズムをめぐってさまざまなエピソードを紹介したエッセイ集。一九六十年代に発表された本書は、刊行後強烈なインパクトを与えたことでも知られ、このジャンルの書物が続出するひきがねとなった先駆的作品である。

    試し読み

    フォロー
  • 黒魔術の手帖
    4.0
    1巻580円 (税込)
    ローマ法王が魔術に手を染めていた? 大哲学者・デカルトでさえも入れてもらえなかった薔薇十字団って? 悪魔礼拝の秘儀に、ルイ14世の愛妾モンテスパン公爵夫人もハマっていた? 妖術師や時の権力者らが虜になったカバラ、タロット、黒ミサ、自然魔法など黒魔術の数々。その精神性をひも解き、ヨーロッパの神秘思想の歴史的系譜を、澁澤龍彦が日本に初めて紹介。三島由紀夫に「殺し屋的ダンディズムの本」と嘆賞された、オカルト・ブームの先駆的エッセイ集!
  • 閨房哲学
    4.0
    1巻619円 (税込)
    快楽の法則の信奉者、遊び好きなサン・タンジェ夫人と、彼女に教えを受ける情熱的な若き女性ウージェニー。そして夫人の弟ミルヴェル騎士や、遊蕩児ドルマンセたちがたがいにかわす“性と革命”に関する対話を通して、サドがみずからの哲学を直截に表明した異色作。過激で反社会的なサドの思想が鮮明に表現され、読む者を慄然とさせる危険な書物。

    試し読み

    フォロー
  • 幻想の彼方へ
    5.0
    シュルレアリスムは今世紀最大の芸術運動といわれている。アンドレ・ブルトンに導かれて早くからこの世界に関心を持ちつづけていた著者は、その豊かな鉱脈から心ひかれる作品を数多く発見し、みずからの気質を映し出す鏡とした。60年代には、そのシュルレアリスム絵画をめぐって数多くのエッセイが書かれたが、本書はそれらをまとめたもので、『幻想の画廊から』につぐエッセイ集である。

    試し読み

    フォロー
  • 幻想の画廊から
    4.7
    「幻想的な美術や芸術作品に惹かれる」生来の資質から渉猟しはじめられた膨大な「ヨーロッパの幻想画家の画集」や「悪魔学や錬金術やエロティシズムに関するテキストならびに研究書」のエッセンスを自由自在に組み合せ、澁澤龍彦自身の強い“好み”から見事に統一を与えられた伝説の美術論集。「マニエリスムからシュルレアリスムへ」という革命は本書から始まった。

    試し読み

    フォロー
  • 幻想の肖像
    3.8
    1巻616円 (税込)
    「肖像というものは、不思議なものだ…そこに描かれた人間の、魅力ある個性がいつまでも生きていて、私たちに何事かを訴えかけてくるらしい」と著者は言う。三十六枚の名画に描かれた女性像をめぐり、そのイメージにこめられた女性の美やエロス、魔的なるものなどについて語った魅力あふれる美術エッセイ集。

    試し読み

    フォロー
  • 幻想博物誌
    3.5
    1巻539円 (税込)
    さまざまな物を集めて分類、叙述する博物誌。本書には、現生する静物からスフィンクスやクラーケンといった幻想動物が数多く登場する。著者は、これらの「生物」への深い興味を魅力あふれる語り口で分析し、それら対象への愛を鮮やかにつむぎ出す。さながら奇想、怪異の博物誌とでも称すべき傑作エッセイ。

    試し読み

    フォロー
  • 恋の罪
    3.5
    1巻641円 (税込)
    五十篇にのぼるサドの中・短篇の中から選び抜かれたこの作品集は、澁澤龍彦が最も初期に訳出した作品も含まれ、長年にわたるサド翻訳の仕事の出発点をなしている。ことに最後に収録された「末期の対話」はヴァンセンヌ獄中で書かれた記念すべき処女作であり、「最初の無神論宣言」として知られる。短編作家としてのサドの力量を証明する名品集。

    試し読み

    フォロー
  • 幸福は永遠に女だけのものだ
    3.9
    「女に生まれたということが、女の幸福の第一歩なのである」。女性的原理について論じた表題作をはじめ、ホモ・セクシャリズムやフェティシズム、オナニズムを語る「異常性愛論」、有名女優をめぐる考察「モンロー神話の分析」等、存在とエロスの姿を軽やかに読み解く傑作エッセイ29編を収録。文庫オリジナル。

    試し読み

    フォロー
  • 極楽鳥とカタツムリ
    3.0
    1巻968円 (税込)
    澁澤没後三十年を機に、著者のすべての小説とエッセイから「動物」をテーマに最も面白い作品を集めた究極の「奇妙な動物たちの物語集」。ジュゴン、バク、ラクダから鳥や魚や貝、昆虫までの驚異の動物園。
  • さかしま
    4.1
    1巻1,430円 (税込)
    「久しく名のみきいていたデカダンスの聖書『さかしま』の難解を以って鳴る原文を、明晰暢達な日本語、しかも古風な威厳と憂愁をそなえた日本語にみごとに移しえた訳者の澁澤龍彦氏の功績を称えたい」(三島由紀夫)。<生涯>を至上の価値とする社会に敢然と反旗を翻し、自らの「部屋」に小宇宙を築き上げた主人公デ・ゼッサント。澁澤龍彦が最も愛した翻訳が今甦る!

    試し読み

    フォロー
  • サド侯爵 あるいは城と牢獄
    -
    1巻858円 (税込)
    城とは裏返しにされた牢獄であり、牢獄とは裏返しにされた城である―著者は、日本へのサド紹介と再評価に尽力するなかで、城と牢獄が象徴する意味を極めて現代的な視点で解き明かす。サド侯爵の思想と、その思想が巻き起こす「事件」を論じた第一章のほか、第二章ではボルヘスやコクトーを、第三章では稲垣足穂、滝口修造など東西の芸術に関する論考を併載する。

    試し読み

    フォロー
  • サド侯爵の生涯 新版
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    『悪徳の栄え』の著者、サディズムの祖として知られるマルキ・ド・サド。 この公序良俗に対決しつづけた18世紀フランスの貴族の生涯を、誕生から性的醜聞、幽囚生活、孤独な晩年まで描ききる。 無理解と偏見に満ちた従来のイメージを覆し、サドの実像を捉えた、著者渾身の作にして、三島由紀夫『サド侯爵夫人』の典拠となった画期的評伝。 〈解説〉出口裕弘 【目次より】 第一章 誕生より結婚まで(一七四〇―一七六三年) 第二章 リベルタンの出発(一七六三―一七六七年) 第三章 アルクイユ事件の周辺(一七六八―一七七二年) 第四章 マルセイユ事件の周辺(一七七二―一七七三年) 第五章 ラ・コストの城にて(一七七三―一七七八年) 第六章 ヴァンセンヌの鐘楽(一七七八―一七八四年) 第七章 自由の塔(一七八四―一七八九年) 第八章 革命とともに(一七八九―一七九二年) 第九章 恐怖時代に生きる(一七九二―一八〇〇年) 第十章 精神病院の晩年 (一八〇一―一八一三年) 第十一章 死 (一八一四年) 補遺(1) 死後の評価 補遺(2) その生涯の最後の恋 補遺(3) ジャンヌ・テスタル事件
  • 思考の紋章学
    5.0
    1巻825円 (税込)
    初期のエッセイから、『胡桃の中の世界』に至るまで、著者はおもにヨーロッパの文学や芸術作品を対象にしながら、人間の精神のかたちを考察してきた。だが、本書においては、その関心は日本の古典にも向けられ、迷宮、幻鳥、大地母神などをテーマに、東西の文学作品に通底する心的パターンをめぐって、自在な論が展開される。その後フィクションへと向う著者の創作活動を暗示するエッセイ集。

    試し読み

    フォロー
  • 詩人たちのロールシャッハ 創造的言葉が生まれてくるところ
    -
    1巻6,600円 (税込)
    本書は、ロールシャッハ法研究の第一人者である馬場禮子が、大岡信、吉本隆明、谷川俊太郎など当代一流の詩人・作家たち7名に対して施行したロールシャッハ・テストの結果と解釈、その後の対話の全記録をまとめたものである。『心の断面図』の内容に、金子光晴・野坂昭如両氏の検査結果と解釈、さらには全被検者の詳細な検査の数値表、馬場による継起分析も追加して、より専門性と資料的価値の高い貴重な内容になっている。
  • 澁澤龍彦 映画論集成
    3.0
    1巻1,100円 (税込)
    怪奇・恐怖映画から悪やエロスまで、映画ほど澁澤の強い個性を象徴するものはない。『スクリーンの夢魔』から三十余年、大幅に増補して、生前に発表したすべての映画論・映画評を集大成したのが本書である。ブニュエル、パゾリーニ、フェリーニ、ベルイマン…そして女優カトリーヌ・ドヌーヴ、六〇年代から八〇年代のこの映画論エッセイの中には澁澤の精神世界が潜んでいる。

    試し読み

    フォロー
  • 澁澤龍彦 初期小説集
    4.0
    1巻825円 (税込)
    ガラスの金魚鉢に見つめられ、妄想を駆り立ててゆく男の心理を追う「撲滅の賦」、狼の子を宿す女の幻想を描いた「犬狼都市」のほか、両性具有の王と彫刻師が織りなす古代ギリシャ奇譚「陽物神譚」、彷徨する幽霊船上でのドラマ「マドンナの真珠」、著者唯一の推理小説ともいわれる「人形塚」など9編を収録。読む者を迷宮世界に引き込む魅惑の初期幻想小説集。

    試し読み

    フォロー
  • 澁澤龍彦 書評集成
    4.2
    稲垣足穂や三島由紀夫など日本文学の書評、日本人による芸術や文化論の批評、バタイユやD・H・ロレンスなどの外国文学や外国芸術についての書評などに加え、推薦文や序文も収録。一九五八年から最晩年の一九八七年にかけて発表されたおびただしい数の書評を集大成した本書は、澁澤龍彦による時評とも、澁澤自身の軌跡とも読める。文庫オリジナル・アンソロジー。

    試し読み

    フォロー
  • 澁澤龍彦 西欧芸術論集成 上
    -
    1~2巻1,430円 (税込)
    西欧芸術家に関する澁澤の数知れぬエッセイを一堂に集め、生年順に並べて総覧にした文庫オリジナル集成。ルネサンスのボッティチェリからゴヤ、モロー、ルドン、クリムトなどの個性の強い画家たちを経て、著者の本領である二十世紀シュルレアリスム―ピカソ、デュシャン、キリコ、エルンスト、デルヴォー、マグリットなどを収録。ヨーロッパ美術を堪能できる。

    試し読み

    フォロー
  • 澁澤龍彦 西欧作家論集成 上
    5.0
    1~2巻1,430円 (税込)
    西欧の作家に関する澁澤のさまざまなエッセイを一堂に集め、生年順に並べて総覧にした文庫オリジナル集成。ギリシア神話・悲劇から始まって、シェイクスピア、ペローの童話、ゲーテ、バルザック、ペトリュス・ボレル、ネルヴァル、ポオ、そして世紀末デカダンス小説として澁澤がこよなく愛したユイスマンスの『さかしま』、最後にビアズレーの『美神の館』を収録。

    試し読み

    フォロー
  • 澁澤龍彦 西欧文芸批評集成
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    挫折と不遇に消え去る運命にありながら、俗物主義と楽天的な進歩思想に対して嫌悪と反感を抱き、神秘や驚異の反社会的幻想を作品にした過激な「小ロマン派」たちや「呪われた詩人」たちをはじめ、十九世紀フランスを中心に、幻想、暗黒、怪奇、悪魔、異端、エロスなど各分野を、もうひとつの文学系譜として紹介した珠玉のエッセイ集。

    試し読み

    フォロー
  • 澁澤龍彦 日本芸術論集成
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    地獄絵や浮世絵、仏教建築などの古典美術から、現代美術の池田満寿夫や日本画の加山又造、人形の四谷シモン、舞踏の土方巽、状況劇場の唐十郎など、日本の芸術について澁澤が書いたエッセイをすべて収録した集成。「おのれの城に閉じこもり、小さな壁の孔から、自分だけの光輝く現実を眺めている、徹底的に反時代的な画家」だけに興味を抱いた著者の世界観をたどる。

    試し読み

    フォロー
  • 澁澤龍彦 日本作家論集成 上
    4.5
    1~2巻1,430円 (税込)
    南方熊楠、泉鏡花から始まって、谷崎潤一郎、石川淳、稲垣足穂、小栗虫太郎、久生十蘭、埴谷雄高など、一九一〇年代生まれまでの日本の作家二十五人についてのエッセイをすべて収録した〈上巻〉。とくに泉鏡花や江戸川乱歩、石川淳、そして交遊の深かった稲垣足穂を書いた批評に表れた独自の眼は鋭い。批評家としての澁澤を読む文庫オリジナル集成。

    試し読み

    フォロー
  • 少女コレクション序説
    4.5
    1巻748円 (税込)
    「蝶のように、貝殻のように、捺花のように、人形のように、可憐な少女をガラス箱のなかにコレクションするのは万人の夢であろう」。古今東西、多くの人々が「少女」に抱いた「情熱」に、さまざまな角度からメスを入れた思索の軌跡。
  • 食人国旅行記
    4.0
    1巻748円 (税込)
    許されぬ恋におち、駆け落ちをしてヴェニスにたどりついたサンヴィルとレオノール。二人はこの水の都で離れ離れとなり、互いに求めあって各地をめぐり歩く。――本書でサンヴィルが回想するこの冒険旅行は、波乱万丈の展開をみせるが、なかでも異彩を放っているのが食人国と美徳の国の登場で、ここにおいて、サドはそのユートピア思想を鮮烈に表現している。

    試し読み

    フォロー

ユーザーレビュー

  • 悪徳の栄え 下

    Posted by ブクログ

    この小説をそのまま丸飲みすると、二度と社会復帰できなくなる。残虐非道を尽くす登場人物に最初の方は、読み進めるのに時間はかかったが、中盤になると喜劇にしか感じなくなる。自然はいつだって不条理で情け容赦ない。自然を模倣するのだ。民は無知蒙昧であるゆえに、宗教が必要。騙されるよりも騙せるようになれ。大概甘い話は嘘。金持ちであれ、貧乏人であれ、暇を持て余す人に近づく勿れ。本音を語ること勿れ。

    0
    2025年12月11日
  • さかしま

    Posted by ブクログ

    ルドン展で、河出文庫から出ている本書のことも書かれていたので、読みたい本に入れた作品である。

    要再読

    0
    2025年11月09日
  • 快楽主義の哲学

    Posted by ブクログ

    ブク友さんが読んでいて「そういえば私も持っていたかなぁ」と本棚から出してきて読んだ。再読。
    とはいえ内容はまるで覚えていなかったのでほぼ初読。

    他の作品とちょっと毛色が違って、世俗的なことや現代的なことに関しても色々言及しているので興味深く読む。私の中ではなんとなく「西洋の昔の人やもののことを書く人」というイメージなので。まぁ現代に生きていれば世俗的なことだってその人なりに思うところはあるわけで。

    巻末の解説でこの本の初版がカッパブックスから出たことを知る。なるほど、と思う。だから雰囲気がちょっと違ったのかー、と。普段なかなか聞けない話を聞けて儲けた、と思う。

    小説の「高岡親王航海記」が

    0
    2025年09月01日
  • 世界悪女物語

    Posted by ブクログ

    初版は昭和39年、桃源社という出版社かららしい。
    私が持っているのは河出文庫の1995年9月発行の48刷のもの。

    知ってる人物が半分くらい。エリザベート・バートリやマリー・アントワネットなどは知ってる範疇。ブランヴェリエ侯爵夫人やアグリッピナなどは知らない人物。

    昭和30年代に書かれたものが今何の違和感もなく読める(文体も内容も)ということにまず驚かされる。戦後の作品だから旧仮名遣いだったりはしないが、例えば先日読んだ80年代の橋本治のエッセイを古臭く感じるのに澁澤龍彦は古臭く感じないのはどういうことか…。

    とても楽しい読書だった。

    0
    2025年08月18日
  • 妖人奇人館

    Posted by ブクログ

    ノストラダムスやカリオストロ等の占い師や詐欺師、殺し屋達の奇妙で過激な、いかがわしさを端的にサクッと読めちゃう人物紹介?エッセイ集。
    過激でいかがわしいのって、読むスピード早くなる。

    0
    2025年04月07日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!