書肆侃侃房作品一覧

  • 現代短歌パスポート1 シュガーしらしら号
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    新シリーズ創刊!最注目の歌人10名による書き下ろしの新作短歌アンソロジー歌集。 榊原紘 伊藤紺 千種創一 柴田葵 堂園昌彦 谷川電話 吉田恭大 菊竹胡乃美 宇都宮敦 初谷むい 【収録作品】 榊原紘「Classic」 伊藤紺「雪の匂い」 千種創一「White Train」 柴田葵「おさしみ」 堂園昌彦「春は水さえとろけさせる」 谷川電話「夢を縫う、たき火を保つ」 吉田恭大「フェイルセーフ」 菊竹胡乃美「火のぬいぐるみ」 宇都宮敦「羊毛期の到来(ウール、ウール、ウール)」 初谷むい「天国紀行」 【目次】 榊原紘 Classic 伊藤紺 雪の匂い 千種創一 White Train 柴田葵 おさしみ 堂園昌彦 春は水さえとろけさせる 谷川電話 夢を縫う、たき火を保つ 𠮷田恭大 フェイルセーフ 菊竹胡乃美 火のぬいぐるみ 宇都宮敦 羊毛期の到来(ウール、ウール、ウール) 初谷むい 天国紀行 執筆者プロフィール 【著者】 榊原紘 1992年愛知県生まれ。奈良県在住。第2回笹井宏之賞大賞受賞。2020年、第一歌集『悪友』刊行。ゆにここオンラインカルチャースクールで「推しと短歌」の講師を務める。短詩集団「砕氷船」の一員。 伊藤紺 歌人。1993年生まれ。横浜在住。著書に歌集『肌に流れる透明な気持ち』『満ちる腕』(いずれも短歌研究社)、ミニ歌集『hologram』(CPcenter)。 千種創一 1988年愛知県生まれ。2015年、『砂丘律』。2016年、日本歌人クラブ新人賞、日本一行詩大賞新人賞。2020年、『千夜曳獏』。2021年、現代詩「ユリイカの新人」に選出。2022年、『イギ』、ちくま文庫版『砂丘律』。 柴田葵 歌人、ライター。第2回石井僚一短歌賞次席。第1回笹井宏之賞大賞受賞により、第一歌集『母の愛、僕のラブ』(書肆侃侃房)を出版。東京都在住。身長164センチ。 堂園昌彦 1983年東京都生まれ。早稲田短歌会を経て、現在、短歌同人誌「pool」所属。2013年、第一歌集『やがて秋茄子へと到る』(港の人)刊行。ブログに歌書紹介サイト「短歌のピーナツ」。 谷川電話 1986年愛知県生まれ。2014年、角川短歌賞を受賞。歌集に『恋人不死身説』(2017年、書肆侃侃房)、『深呼吸広場』(2022年、書肆侃侃房)。 吉田恭大 1989年鳥取県生まれ。「塔短歌会」「早稲田短歌会」で短歌を学ぶ。2019年第一歌集『光と私語』(いぬのせなか座)を刊行。同年より詩歌の一箱書店「うたとポルスカ」を運営。 菊竹胡乃美 1995年福岡県生まれ。2015年から短歌を始める。第一歌集『心は胸のふくらみの中』(書肆侃侃房、2023年)。 宇都宮敦 1974年千葉県生まれ。歌集『ピクニック』(2018年、現代短歌社)。ブログ「Waiting for Tuesday」(https://blog.goo.ne.jp/utsuno)。 初谷むい 1996年生まれ、札幌市在住。第一歌集『花は泡、そこにいたって会いたいよ』(書肆侃侃房、2018年)、第二歌集『わたしの嫌いな桃源郷』(書肆侃侃房、2022年)。
  • ねむらない樹 vol.7
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    7~12巻1,320~1,540円 (税込)
    短歌ムック ねむらない樹 vol.7 特集=葛原妙子/川野芽生 巻頭エッセイ ホー・ツーニェン 特集1 葛原妙子 インタビュー 高橋睦郎「僕の知っている葛原さんのこと」(聞き手:川野里子) 座談会 石川美南×水原紫苑×睦月都×吉川宏志 論考 尾崎まゆみ 春日いづみ 花山周子 ほか トリビュート 石松佳 井上法子 紀野恵 鈴木一平 ほか 「女人短歌」とは何だったのか? 濱田美枝子 佐伯裕子 内野光子 ほか 特集2 川野芽生 短歌「燃ゆるものは」(川野芽生) 小説「蟲科病院」(川野芽生) 往復書簡 山尾悠子×川野芽生 大前粟生 短歌50首「とびひざげり」 【目次】 巻頭エッセイ ホー・ツーニェン「大家増三について私が知っている二、三の事柄」(新井知行訳) 特集1葛原妙子 インタビュー 高橋睦郎「僕の知っている葛原さんのこと」(聞き手:川野里子) 座談会 石川美南×水原紫苑×睦月都×吉川宏志 論考 尾崎まゆみ 松平盟子 高木佳子 牛山ゆう子 楠誓英 花山周子 林あまり 春日いづみ 往復書簡 川野里子×水原紫苑 トリビュート 紀野恵 井上法子 石松佳 八上桐子 鈴木一平 鴇田智哉 「女人短歌」とは何だったのか? 特集2 川野芽生 自筆年譜 短歌「燃ゆるものは」(川野芽生) 小説「蟲科病院」(川野芽生) 往復書簡 山尾悠子×川野芽生 藤原龍一郎 吉田瑞季 山階基 作品30首 高橋睦郎 作品20首 藪内亮輔 谷川電話 永田紅 土岐友浩 川島結佳子 しんくわ 石井辰彦 佐伯紺 寺井奈緒美 雪舟えま 中津昌子 早坂類 作品50首 大前粟生 第三回笹井宏之賞受賞者 新作 乾遥香 瀬口真司 嶋稟太郎 川村有史 手取川由紀 向井俊 など 【著者】 書肆侃侃房編集部 書肆侃侃房編集部
  • 花咲町奇談
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    1巻1,320円 (税込)
    一見ランダムに奏でているように思える36篇のショートショートがラストには1編の長編小説交響楽となる。 さあ、「くすり、どきり、ほっこり」と、どんでん返しを楽しみましょう。 長年勤めた経験もあり、今回も学校が舞台となる作品を多く収録しました。昔の同僚からは「てっきり算数の本を書いたのかと思った」と驚かれたことがありました。確かに、現役のときの私は算数科が専門でした。国語科ではありません。でも、それも意外なオチと考えればショートショート的ですね。(著者あとがきより) 【目次】 Ⅰ章 大学の奇談 飛び出す絵本旅 前兆 お掃除ペット 長編 またの名 模範解答 駄洒落ガイド 走れ戌男 フルーツの樹 Ⅱ章 巷の奇談 遍路のご利益 廃校ホラー館 校長の川柳 雨中の指導員 ハッピー美術館 副作用 高知妖怪日記 表札泥棒 Ⅲ章 小中学の奇談 ごちゃごちゃ昔話 珍答だらけ 奇妙な祟り 遊具の幽霊 宿直日誌 黒い人 心霊スポット 大先輩 小さな奇跡 辛抱 Ⅳ章 救世主の奇談 お山の御殿 アツアツ物語 カモ 仁淀ブルーツーリング 迷信の壺 珍獣の習性 カミン星 宇宙ロードサービス 救世主 あとがき 【著者】 目代 雄一 高知県生まれ。学校勤務を経て、現在はショートショート作家。著書に『開けてもいい玉手箱』『切手の贈り物』、『森の美術館』、『デビルの仕業』があり、単行本とともに電子版も配信中。
  • たべるのがおそい vol.7
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    1巻1,320円 (税込)
    文学ムック「たべるのがおそい」vol.7 編集 西崎憲 巻頭エッセイ 斎藤真理子 特集〈ジュヴナイル―秘密の子供たち〉 岩井俊二 銀林みのる 櫻木みわ 飛浩隆 西崎憲 松永美穂 創作 高山羽根子 小山田浩子 柳原孝敦 短歌 熊谷純 佐伯紺 錦見映理子 虫武一俊 エッセイ 本がなければ生きていけない 梅﨑実奈 東雅夫 翻訳 ハイミート・フォン・ドーデラー「ヨハン・ペーター・へーベル(1760-1826)の主題による七つの変奏」(垂野創一郎訳) ※電子版には≪チョン・ミョングァン「退社」(吉良佳奈江訳)≫は含まれません。 【目次】 巻頭エッセイ 文と場所 斎藤真理子「文とふん」 創作 高山羽根子「ラピード・レチェ」 創作 小山田浩子「けば」 短歌 熊谷純「三日月の濃度」 短歌 佐伯紺「手をつないだままじゃ拍手ができない」 特集〈ジュヴナイル―秘密の子供たち〉 銀林みのる「上水線83号鉄塔」 飛浩隆「ジュヴナイル」 岩井俊二「作文という卵から小説という鳥は生まれない」 櫻木みわ「米と苺」 松永美穂「物置」 西崎憲「おまえ知ってるか、東京の紀伊國屋を大きい順に結ぶと北斗七星になるって」 本がなければ生きていけない 梅﨑実奈「心にプロなんてない」 短歌 東雅夫「安住の書庫を求めて」 短歌 錦見映理子「天国と地獄」 短歌 虫武一俊「インフルエンザに過ぎる」 ハイミート・フォン・ドーデラー「ヨハン・ペーター・へーベル(1760-1826)の主題による七つの変奏」(垂野創一郎訳) 創作 柳原孝敦「儀志直始末記」 執筆者一覧 編集後記 など 【著者】 書肆侃侃房編集部 書肆侃侃房編集部
  • 私と鰐と妹の部屋
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    1巻1,320円 (税込)
    「ビーム」「石の動画」「ムキムキ」「歯医者さんの部屋」など可笑しさと悲しみに満ちた53の物語。 妹の右目からビームが出て止まらない。薔薇園にいくと必ず鰐がいた。眠たくて何度も泣いた。紙粘土で上司たちの顔をつくった。三人でヤドカリになった。サメにたべられて死にたいだけの関係だ。あたらしい名前がいる。おばけになっているときはなにも話してはいけない。肩車をした拍子に息子の股間が私の首にくっついてしまう。隠れ家的布屋さんは月に進出している。私は忍者で、すごいのだけれど、あんまりみんな信じない。 【目次】 ビーム ムキムキ ものを溶かす汗 世界ブランコ選手権こどもの部決勝戦 へそのゴマ 狼1 骨とテレビに出た かなでちゃん こっくりさん 私と鰐と妹の部屋 植物園 お墓 なにかが死んでいる 屋根裏部屋 チェーンソー 夜中 歯医者さんの部屋 サンバイザー こういうのが好き 呪われてしまえ トースター 紙粘土で友だちをつくった 刺繡 私はゼロ 夏 僕は泳いだ 二十歳になったら悪魔になる てるてる坊主 おばけの練習 小説とケーキ 誕生日 虹 ジョン・トラボルタ 好きなひとと同じときに体調を崩してるとうれしいよね ミイラ いまどこにいるの 星を読まない ヤドカリの家 トカゲの死 サランラップ 平凡 隠れ家的布屋さん特集2049 植物って知ってる? 仕事をやめる 斧に白いサインペンで名前を書く シェルター 知らないひと 石の動画 鞄 サメ友だち 棺のなか 雷は庭に落ちた あそび 【著者】 大前粟生 1992年生まれ。著書に小説『回転草』(書肆侃侃房)、『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』第38回織田作之助賞候補作『おもろい以外いらんねん』(河出書房新社)、宮崎夏次系氏との共作絵本『ハルにははねがはえてるから』(亜紀書房)など。最新刊に初の長編小説『きみだからさびしい』(文藝春秋)、児童書『まるみちゃんとうさぎくん』(絵・板垣巴留、ポプラ社)、歌集『柴犬二匹でサイクロン』(書肆侃侃房)。
  • 乱反射
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    1巻1,430円 (税込)
    何ひとつ知りすぎたことないままにわれは二十歳になってしまいぬ 現代短歌新人賞と駿河梅花文学賞をW受賞し、映画化もされた小島なおの第一歌集が新装復刊。 【収録歌より】 こころとは脳の内部にあるという倫理の先生の目の奥の空 もう二度とこんなに多くのダンボールを切ることはない最後の文化祭 講堂で賛美歌うたう友達のピアスの穴を後ろから見る 噴水に乱反射する光あり性愛をまだ知らないわたし なにもないこともないけどなにもない或る水彩画のような一日 【目次】 目 次 緑の祠 サウンドトラック 小説 ゴーヤを植えた あした晴れたら 夕日へ 天狗蝶、捕まえました 身の丈 〈i〉をめぐって 同時通訳 パイロット 雲雀 ノルウェーにも持って行ったノートから 空についての考察 ヒエラルキー 喜怒哀楽 UFOキャッチャー オレンジの歌 春の俳句 一コママンガ 酔ったというと 追加作品( 二〇一三~ 二〇一四) 長歌と反歌 私と職場 日当たり あとがき 【著者】 小島なお 1986年、東京生まれ。青山学院高等部在学中に短歌を作り始める。2004年、角川短歌賞受賞。歌集に『乱反射』(現代短歌新人賞、駿河梅花文学賞)、『サリンジャーは死んでしまった』、『展開図』。千葉聡との共著『短歌部、ただいま部員募集中!』(岩波書店)。日本女子大学講師。信濃毎日新聞歌壇選者。
  • 世界が海におおわれるまで
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    1巻1,430円 (税込)
    秋の日のミルクスタンドに空瓶のひかりを立てて父みな帰る 【歌集より】 秋の日のミルクスタンドに空瓶のひかりを立てて父みな帰る とうめいなかかとのかたち天空も公孫樹の黄(きい)を踏んでみたくて 風鈴を鳴らしつづける風鈴屋世界が海におおわれるまで 白の椅子プールサイドに残されて真冬すがしい骨となりゆく 革装の書物のように犀は来て「人間らしくいなさい」と言う 「夢といううつつがある」と梟の声する ほるへ るいす ぼるへす 【目次】 パパの手は煙となって 夜の鳥 あなたに似た人 会社の椿事 光が丘公園にて ライカ―けさひらくまなこ 荻窪の西 Ⅱ 十三か月 月と塩 リルケルリ 犀の領域 カーレン・ブリクセンのおしえ 帽子がみっつ 生きもの図鑑 バビロン あかりや 触れてくる鞠 セプテンバー・ソング あとがき 【著者】 佐藤弓生 1964年、石川県生まれ。2001年、第47回角川短歌賞受賞。著書に歌集『眼鏡屋は夕ぐれのため』『薄い街』『モーヴ色のあめふる』、詩集『新集 月的現象』『アクリリックサマー』、掌編集『うたう百物語』、共編著『短歌タイムカプセル』などがある。歌人集団「かばん」会員。
  • そら耳のつづきを
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    1巻1,430円 (税込)
    現代川柳は《現在》の破片である──。川柳の伝統を批判的に受け継ぐ現代川柳作家による480句。 現代川柳は《現在》の破片である──。 川柳の伝統を批判的に受け継ぐ現代川柳作家による480句。 『はじめまして現代川柳』でも注目された著者の待望の第一句集。 【収録句】 マグカップで壊せるような朝じゃない そら耳のつづきを散っていくガラス 最初が運、途中は夢でいいですね ガラス屋の軽トラの荷台のデュシャン 君が袖ふる愛をガシガシ消すために 足もとはNIKE行き交う年もまた ヒロシマにダーツふわっと散る光 神よ神よ砂ずりがまだ来てませんね 漱石のちょっと発熱ちょっと死後 【目次】 1 イカロスの罠 2 ヘルタースケルター 3 仮設の家 【著者】 湊圭伍 1973年大阪生まれ。愛媛県松山市在住。2009年より「川柳バックストローク」に投句、2010年(第30号)より同人。同時期より「川柳結社ふらすこてん」に投句。以降、「川柳カード」「川柳スパイラル」「せんりゅうぐるーぷGOKEN」同人。小池正博編著『はじめまして現代川柳』(書肆侃侃房、2020年)に、湊圭史名義で自選76句掲載。詩誌「Lyric Jungle」同人。詩集に『硝子の眼、布の皮膚』(草原詩社、2004年)。
  • 緑の祠
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    1巻1,540円 (税込)
    海に来れば海の向こうに恋人がいるようにみな海をみている 「新鋭短歌シリーズ」での初版刊行からちょうど10年。『緑の祠』以後の作品を増補し、五島諭の全短歌作品を集成した一冊。 「『緑の祠』に、高校の教員になったばかりのころの作品を加えた今回の改訂をもって、短歌の近くに身を置いた時代に、一区切りついたと感じている」(新装版のあとがきより) 【収録歌より】 ミュージックビデオに広い草原が出てきてそこに行きたくなった 物干し竿長い長いと振りながら笑う すべてはいっときの恋 怪物もきれいなほうがいいなあと夕陽に向かってかざす羽箒 身の丈に合わない品はかなしむに足る身の丈に合わない品は 栗の花蹴散らしながら行く道のどこかに君はいないだろうか 【目次】 目 次 緑の祠 サウンドトラック 小説 ゴーヤを植えた あした晴れたら 夕日へ 天狗蝶、捕まえました 身の丈 〈i〉をめぐって 同時通訳 パイロット 雲雀 ノルウェーにも持って行ったノートから 空についての考察 ヒエラルキー 喜怒哀楽 UFOキャッチャー オレンジの歌 春の俳句 一コママンガ 酔ったというと 追加作品( 二〇一三~ 二〇一四) 長歌と反歌 私と職場 日当たり あとがき 【著者】 五島諭 1981年生まれ。2000年早稲田短歌会入会。 同人誌「pool」、ガルマン歌会で活動。
  • モロッコ 邸宅リヤドで暮らすように旅をする
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    18~26巻1,540~1,980円 (税込)
    フォトジェニックな魅惑の街「マラケシュ」エキゾチックなリヤドでご褒美オトナ女子旅 ローズピンクの迷宮メディナを散策したり、スークでかわいいモロッコ雑貨ショッピングを楽しんだりと、魅力あふれるマラケシュ。そのマラケシュで、まるで宮殿のようなリヤドに泊まり、フレンチシックなインテリアを堪能しましょう。自分へのご褒美にハマムでエステ三昧など、一度体験したらやみつきになるリヤドの魅力をたっぷりと紹介します。 【目次】 Prologue マラケシュの行き方 ピンクシティ魅惑のマラケシュ マラケシュ・メディナ(旧市街)Map 4Daysオススメプラン 魅惑のマラケシュで女子力アップ ようこそモロッコのリヤドへ マラケシュで極上リヤドステイ モロッコの伝統的な宮殿ホテル CHAPTER 1 ロマンティックリヤド CHAPTER2 グラマラスリヤド CHAPTER3 スタイリッシュリヤド CHAPTER4 エレガントリヤド エキゾチックモロッコ 各地をめぐるモロッコ 宇宙と繋がるパワースポットサハラ砂漠へ ロマンティックなバラの村 ケラア・ムグナへ 雑貨にであうモロッコ エキゾチックなアラブのスークへ繰り出そう おいしいモロッコ 体に優しい モロッコ旅ごはん かわいいモロッコ モロッコ土産 モロッコ基本情報 Epilogue 【著者】 YUKA Fatima Journey Atelier Salon ディレクター Travel Photo Writer イギリス留学をきっかけに旅の魅力にはまりカメラ片手に世界中を旅をするLIFE STYLE。 今までに訪れた国は50カ国以上。とくに東ヨーロッパ方面に惹かれ美しい街並みや素朴な手仕事、民族衣装が好き。 旅本やコラムの執筆、旅イベントや写真展、世界中の旅で買い付けたセレクトショップFatima Journey Atelier Salon運営などさまざまな形で「旅」の魅力を発信しています。
  • ことばと vol.1
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    1~8巻1,540~1,870円 (税込)
    文学ムック 『ことばと』vol.1 創刊号 編集長/佐々木敦 ロゴマーク/石黒正数 表紙・本文デザイン/戸塚泰雄 装画・挿絵/近藤恵介 巻頭表現 福田尚代「文房具たち」 創作 阿部和重 小笠原鳥類 片島麦子 小林エリカ 佐川恭一 千葉雅也 保坂和志 マーサ・ナカムラ 山本浩貴 本がなければ生きていけない 伊藤亜紗 堤雄一 など ※電子版には≪【座談会】柴田聡子×又吉直樹×佐々木敦「「言葉と何か」についての120分」≫≪翻訳 ウティット・ヘーマムーン 心焦がすサイゴン 福冨渉訳≫は含まれません。 【目次】 巻頭表現 福田尚代 文房具たち 創作 千葉雅也 マジックミラー マーサ・ナカムラ 帝都の墓/阿弥家の墓参り 阿部和重 Hunters And Collectors 小笠原鳥類 エルガーを聞きながら書いた小説 小林エリカ 緋色の習作 A Study in Scarlet 佐川恭一 舞踏会 保坂和志 胸さわぎ 片島麦子 レースの村 山本浩貴 pot hole(楽器のような音) 本がなければ生きていけない 堤雄一 二つの本棚 本がなければ生きていけない 伊藤亜紗 とともに考える 執筆者プロフィール ことばと新人賞創設のお知らせ・公募一次選考通過作品 編集後記 【著者】 書肆侃侃房編集部 書肆侃侃房編集部
  • 酒場の君
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    私家版ながら大きな話題を呼んだ『酒場の君』が書き下ろしを加えてついに書籍化! 文筆家・武塙麻衣子待望のデビュー単行本。 加藤ジャンプさん(文筆家・コの字酒場探検家)推薦! 「酒場はいいなあ……『酒場の君』を読んだらしみじみと思いました。すこし困ったのは読んだらすぐに呑みに行きたくてそわそわしてしまうこと。されど、そのそわそわもまた、実に心地よい、いや、心地酔いのです」 「私はこの夜をきちんと覚えておこうと思った」 横浜、野毛、鶴見、川崎、西荻窪、渋谷、武蔵小杉、湯島、早稲田、そして長野、名古屋、京都━━。忘れえぬ酒場40軒の思い出。 「この世の中に存在する「酒場」は数知れない。本を読んでも読んでも決して読み尽くせないのと同じように、毎日どんなに食べ歩いたとしてもすべての店を訪れ尽くすことは到底できない。でもだから楽しいのだと思っている。私には私だけの酒場白地図というものが頭の中にあり、好きなお店や何度も行きたいお店、行ってみたいお店などを日々その地図に少しずつ書き込んでいく。その作業が楽しい」(「はじめに」より) 【目次】 はじめに ジンギスカン どぅ~[武蔵小杉] 大衆酒蔵 栄屋[安善] 源兵衛[早稲田] 臼屋食堂[大倉山(閉店)] 立吞み晩杯屋[鶴見] 立ち飲み しろちゃん[鶴見] ハムカツ トモちゃん[野毛] もつ焼き 小江戸[青砥] 元祖立ち飲み屋[川崎] 地酒・立ち吞み 酒母や[野毛] 裏・酒場の君 壱豚[鶴見] 春よし[大倉山(閉店)] たかぎ山[鶴見] 麦酒宿まり花 道玄坂[渋谷] 市民酒蔵 諸星[新子安] やきとり 戎[西荻窪] ホルモンつる屋[鶴見] 鮮魚料理 角吉[白楽] 須賀乃湯[上板橋] 山女や[松本] 献立帖 ほていちゃん[渋谷] 浅見本店[阪東橋] 中村屋[新小岩] 赤津加[秋葉原] 街角おさやん[川崎] 秋田屋[大門] ほさかや[自由が丘] 花葉根[野毛] 大衆割烹 藤八[中目黒] 大衆酒場 マルミ[武蔵小杉] 忘れえぬ 月世界[渋谷] 岩手屋本店[湯島] 大衆酒場 かど鈴[新小岩] みなと刺身専門店[横浜] スズコウ[蒲田] 田分一[名古屋] 赤垣屋[京都] 津地八[鶴見] 立ち飲み食堂ウルトラスズキ[馬車道] 岸田屋[月島] おわりに 【著者】 武塙麻衣子 1980年横浜生まれ。立教大学文学部卒業。客室乗務員、英語講師などの職業を経て作家となる。日記ZINE『驟雨とビール』『頭蓋骨のうら側』など。『群像』2024年6月号より小説「西高東低マンション」を連載中。
  • 心は胸のふくらみの中
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    1巻1,540円 (税込)
    トロの吐露リスのリスクたわしのわたし掬ってほしい救ってほしい トロの吐露リスのリスクたわしのわたし掬ってほしい救ってほしい 飯田有子(歌人)、和田彩花(アイドル)推薦! 【目次】 永遠に嚙めないフランスパン 生理休 おんなへん やわらかな手のうさぎ 空飛ぶ虎 Ms. たらこくちびる サンドイッチ・ハム男 人生をミニストップ 俺は星屑 心の皮膚 冬の放熱 多くない給料 あかるい前歯 【著者】 菊竹胡乃美 1995年福岡県生まれ。2015年から短歌を始める。
  • 廃園 幻想花詩譚
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    1巻1,540円 (税込)
    花の精、花の香、花の色それは美しく、妖しげに揺れる業火 妖花が悪夢を呼び……退廃の美へ その時私はあっと声を上げた。荒涼とした風が沸き起こり、丘の上に広がる空の闇が布のように二枚にめくれ、大きくはためいて揺れた。そしてお互いに包みあうように丸まり、私を飲み込もうと覆いかぶさってきた。それは巨大な食虫花の漆黒の花弁だった。 【目次】 序 廃園 …… 牡丹 帰郷 …… ニセアカシア 髑髏と蝶 …… 桜 柳川 …… 椿 図書館 …… カンナ 器械屋の憂鬱 …… 泥の花 蟬しぐれ …… 睡蓮 ある弁護士の手記 …… ヒットラーの白い花 巴里スフロ通り …… 音の花 フルスタンベール広場 …… 桐の花 酔芙蓉 …… 酔芙蓉 緑の花 …… 緑の花 R共和国奇譚 …… 食虫花 【著者】 井本元義 1943 年生まれ 九州大学物理学科卒 詩集『花のストイック』『レ・モ・ノワール』『回帰』『虚日の季節』 小説『ロッシュ村幻影』『廃園』 エッセイ『太陽を灼いた青年 アルチュール・ランボーと旅して』 評伝『織坂幸治』 新潮新人賞佳作 「鉛の冬」 福岡市文学賞 『花のストイック』 文芸思潮まほろば賞 「トッカータとフーガ」 仏政府主催 仏語俳句大会グランプリ 日本ペンクラブ会員 福岡日仏協会理事
  • 2000日の海外放浪の果てにたどり着いたのは山奥の集落の一番上だった
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    “本当の豊かさ”を模索する人へ新たな人生のヒントがみつかる冒険心にあふれる物語 生きづらくなったら旅に出よう! 元自衛官×世界一周×田舎移住 たどり着いたのは山奥の茶畑に囲まれた古民家……。 ゲストハウス開業に踏み出し、新しい生活をスタート。 1005日の世界一周/オーロラの見える町で犬ぞり操縦ガイドとして働いた話/大きな家を無料でもらった話/世界一尊敬する人、ウルグアイのムヒカ大統領に謁見できた話/オンラインで知り合ったフィリピン人に出会って二日でプロポーズし半年で結婚した話/新婚早々コロナによって妻と一年間も引き裂かれた話 etc. 【目次】 プロローグ ドロップアウトするまで 世界一周の旅 二度目の海外放浪 田舎移住 山奥で事業 エピローグ 【著者】 坂本治郎 (旧名:堀内励)1985年12月25日生。福岡県三井郡大刀洗町出身。里山ゲストハウス「天空の茶屋敷」の主。高校を卒業後、地元を離れ陸上自衛隊として6年間日本全国転々とした後依願退職し海外放浪の旅へ出る。長年の放浪の果てに空き家になっていた福岡県八女市の祖母の家に移住。出会いに恵まれ山奥の空き家をもらいそれを改装し2017年よりゲストハウスとして開業する。以後は宿業をベースとしてのコミュニティ作り、外から来る人と地域の人をつなげたり移住者を積極的に応援したりなど身の丈に合った地域活性化に奮闘する。
  • 輝ける闇の異端児 アルチュール・ランボー
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    ランボー没後130年を経てなお著者の心に棲みつづける魂を揺さぶる熱い思いを綴った小説 遥かなる時空と闇を割いて彼の声がきこえる。 『ロッシュ村幻影』を大幅に修正、新たな掌編もプラス。 【目次】 Ⅰロッシュ村幻影 その日のアルチュール ヴォンク駅から もう一人のランボー Ⅱ遥かなるハラル 旅日記 遥かなるハラル 付記 地中海―旅のはてに あとがき 参考文献・初出一覧 【著者】 井本元義 1943年生まれ 九州大学物理学科卒 詩集『花のストイック』『レ・モ・ノワール』『回帰』『虚日の季節』 小説『ロッシュ村幻影』『廃園』 エッセイ『太陽を灼いた青年 アルチュール・ランボーと旅して』 評伝『織坂幸治』 新潮新人賞佳作 「鉛の冬」 福岡市文学賞 『花のストイック』 文芸思潮まほろば賞 「トッカータとフーガ」 仏政府主催 仏語俳句大会グランプリ 日本ペンクラブ会員 福岡日仏協会理事
  • レースの村
    3.8
    1巻1,540円 (税込)
    綻びのできたレースのように繊細で不可思議な世界を紡ぎだす四編の物語 大学の友人サクマの帰省に同行したぼくは、そこで幽霊と暮らす奇妙な村人たちと出会う…「幽霊番」。女性だけの村で育った卯月と、「騙されちゃ、だめよ」と云い、突然いなくなってしまったハルカ。サナさんの秘密の儀式を偶然目撃した卯月は、自分の知らない世界があることに気づいてしまう…「レースの村」。透明になった犬の夢二、病気がちで寝たきりの姉綾子とともに過ごす日々はあの雪の日のように儚い…「透明になった犬の話」。綻びのできたレースのように繊細で不可思議な世界を紡ぎだす四編の物語。 【目次】 幽霊番 レースの村 空まわりの観覧車 透明になった犬の話 【著者】 片島麦子 1972年広島県生まれ。小説家。著書に『中指の魔法』(講談社)、『銀杏アパート』『想いであずかり処にじや質店』(ポプラ社)がある。
  • 舞踏会
    4.3
    1巻1,540円 (税込)
    5編の妄想と諧謔によって綴られる佐川恭一ワールド全開の一冊。 妻と娘との三人家族のわたしは、職場でも家庭でも孤立していき、限られた小遣いの中でわずかな喜びを見出す日々。強靭な精神を持つ妻に太刀打ちできないわたしは家出することで抵抗するが ・・・「愛の様式」 この世界はしらふで生きていられる場所じゃない。勝者しか存在を許されない会場で、ぼくたちは倒れるまで下手なダンスを踊り続けるしかない ・・・「舞踏会」など、「ことばと」掲載の表題作を含む5編を収録。 【目次】 愛の様式 冷たい丘 舞踏会 ひだまりの森 友情(浜大津アーカスにて) 【著者】 佐川恭一 滋賀県生まれ。京都大学文学部卒業。『踊る阿呆』で第二回阿波しらさぎ文学賞受賞。著書(電子書籍含む)に『サークルクラッシャー麻紀』『受賞第一作』『無能男』『ダムヤーク』などがある。
  • 深呼吸広場
    NEW
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    1巻1,650円 (税込)
    一昨日は男子、昨日は女子だった 今日はパンケーキとして生きる 『恋人不死身説』の著者、新境地をひらく第二歌集。 【収録歌より】 日向 今日わたしはよわい 猫を抱く力があればじゅうぶんなんだ 銀色のコーヒーミルに抱擁を映そうとして踏んだクッキー 友だちのアフロヘアーを通過するあいだ微風は複雑になる 生きながら水族館の薄闇でおでこをさすりあうのはいいね コロッケを揚げながらする合唱に百年前のくしゃみが混じる 【目次】 春のあこがれ 抱擁と副葬品 電動パンダ 人間ですよ! 色とりどりのほっぺ 茶柱礼賛 スニーカーを売ったお金 ユニコーン落下 白目 春、前文 クジラ爆発 新しい友だち 腐乱文体 サマー、ゴリラ、永久歯 はしゃぐだれもが text 冬・倫理ん あ行 流動遊戯 パンケーキとして生きる 【著者】 谷川電話 1986年、愛知県生まれ。2014年、第60回角川短歌賞を受賞。2017年、第一歌集『恋人不死身説』(書肆侃侃房)を刊行。
  • 窓、その他
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    1巻1,650円 (税込)
    思い出よ、という感情のふくらみを大切に夜の坂道のぼる 日々の労働と都市で生きる者の日常。他人からすればどうでもよいかもしれない、ただ、見過ごせないことやもの。 静かな内省を基底におきながら、希望と祈りが自然とわきあがる。 現代歌人協会賞を受賞した第一歌集、待望の新装版! 【収録歌より】 たんぽぽの河原を胸にうつしとりしずかなる夜の自室をひらく 口内炎は夜はなひらきはつあきの鏡のなかのくちびるめくる 少しひらきてポテトチップを食べている手の甲にやがて塩は乗りたり 湯船ふかくに身をしずめおりこのからだハバロフスクにゆくこともなし わが胸に残りていたる幼稚園ながれいでたりろうそくの香に 【目次】 目次 Ⅰ たんぽぽ 首のちから 窓、その他 麒麟の画像 白夜 速度にすぎず 眩暈 ハバロフスク 髪飾り 砂の風葬 まなざし はるなつあき 日記にしるす ごちそうの夢 だれのためでもなくて 手袋 噴水 かたばみ 花模様 Ⅱ コラール 夏はみな グラジオラス 苺 小籠包 ひよこ鑑定士 リネン室 反芻 虚空に座る 割れもの なっちゃんは今 錯誤 水際の胸 一万枚の窓 どくだみ 人体模型 毛布 電話ボックス 無辺 エラー 檻 泥 Ⅲ かまきり くりかえし ひるがお いちまいの光のようなもの 冬のこと アパートのゼラニウムのベランダの降りそそぐ生活感のために あとがき 【著者】 内山晶太 1977年、千葉県生まれ。1998年、第13回短歌現代新人賞。2012年、第一歌集『窓、その他』(六花書林)を刊行。翌年同歌集にて第57回現代歌人協会賞。「短歌人」編集委員。「外出」「pool」同人。現代歌人協会理事。
  • 銭湯
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    1巻1,650円 (税込)
    第4回ことばと新人賞受賞作! 読む/書くを通して、人は自由にどこにでも行かれる。 言葉にはこんなことができるのだし、言葉にしかこんなことはできない。見事な文章体力の、風通しのいいチャーミングな小説。(江國香織(小説家)) 呆れ返ること必至! 笑っちゃうこと不可避!! なのにグッときちゃうこの不思議!!! 新人はヘンテコなくらいがちょうどいい。 人間は少しダメなくらいがちょうどいい。 生き方はゆるいくらいがちょうどいい。 だから福田節郎の小説は、すごくいい。(豊﨑由美(書評家)) 【あらすじ】 知り合いから頼まれて顔も知らない人と待ち合わせをする羽目になった俺(水上)。この人と思ったキザキさんは別の男と去ってゆき、代わりに現れたサカナさんに誘われるままに不思議な居酒屋で飲み明かし、まさに迷宮にはまり込んでゆく、心理的ロードムービーのような作品。ほかに書き下ろし「Maxとき」も収録。 【目次】 銭湯 Maxとき 【著者】 福田節郎 1981年神奈川県生まれ。「銭湯」で第4回ことばと新人賞受賞。
  • まぼろしの枇杷の葉蔭で 祖母、葛原妙子の思い出
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    「おばあちゃんとのことについて、色々な人が色々なことを言っているだろう。あれはみんな違うんだよ」 「幻視の女王」とも評された、戦後短歌史を代表する歌人、葛原妙子。彼女には家族にしか見せなかった別の姿があった──。チャーミングで愛おしい、「異形の歌人」の横顔。 子どもの頃、大森の祖母の家に行く時には何か冒険に出かけるような気持ちになった。かつての病院の敷地内にあった、広い平屋住宅。周囲には枇杷の大樹が緑の葉をさかんに茂らせていた。 孫である著者から見た葛原妙子とは──。戦後短歌史を代表する歌人と、その家族の群像がここにある。 【出版社:書肆侃侃房】 【目次】 はじめに 大森の家 大森の家/祖母の思い出 祖母の生い立ち 葛原妙子の生い立ち/二枚の写真 軽井沢のこと 軽井沢のこと/眩しき金 朱と咲きいでよ ふたつの雛/朱と咲きいでよ/かけす/酒瓶の花/多擵のみづうみ/栗の木はさびしきときに/しずくひとつ、取りさった幸福/切手のこと/素晴らしき人生 室生犀星と祖母 イシのようなひと/畳の上の伊勢えび/實となりてぞ殘れる まぼろしの枇杷 銀靈/貞香と妙子/祖父の思い出/まぼろしの枇杷 あとがき 【著者】 金子冬実 1968年東京生まれ。旧姓勝畑。早稲田大学大学院で中国史を学んだのち、東京外国語大学大学院にて近現代イスラーム改革思想およびアラブ文化を学ぶ。博士(学術)。1995年より2014年まで慶應義塾高等学校教諭。現在、早稲田大学、東京外国語大学、一橋大学等非常勤講師。1996年、論文「北魏の効甸と『畿上塞囲』──胡族政権による長城建設の意義」により、第15回東方学会賞受賞。
  • 詩と散策
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    散歩を愛し、猫と一緒に暮らす詩人ハン・ジョンウォンが綴るエッセイ 雪の降る日や澄んだ明け方に、ひとり静かに読みたい珠玉の25編 オクタビオ・パス、フェルナンド・ペソア、ローベルト・ヴァルザー、シモーヌ・ヴェイユ、パウル・ツェラン、エミリー・ディキンソン、ライナー・マリア・リルケ、シルヴィア・プラス、金子みすゞ、ボルヘス…… 著者のハン・ジョンウォンがひとり詩を読み、ひとり散歩にでかけ、日々の生活の中で感じたことを記している、澄みきった水晶のようなエッセイ集。読者は、彼女の愛した詩人たちとともに、彼女が時折口ずさむ詩とともに、ゆっくりと散歩に出かける。 【出版社:書肆侃侃房】 【目次】 宇宙よりもっと大きな 寒い季節の始まりを信じてみよう 散歩が詩になるとき 幸福を信じますか? 11月のフーガ 悲しみ、咳をする存在 果物がまるいのは 夏に似た愛 心のかぎりを尽くして来たから 永遠のなかの一日 海から海のあいだに なにも知りません よく歩き、よく転びます 国境を越えること みんなきれいなのに、わたしだけカンガルー ひと晩のうちにも冬はやってくる 夢とおなじ材料でできている 夕暮れただけ 窓が一つあれば十分 灰色の力 真実はゆっくりとまぶしくなければ 猫は花の中に いくつかの丘と、一点の雲 今日はわたしに、明日はあなたに 彼女の歩く姿は美しい(送らない手紙) 日本の読者のみなさんへ 訳者あとがき 【著者】 ハン・ジョンウォン 大学で詩と映画を学んだ。 修道者としての人生を歩みたかったが叶わず、今は老いた猫と静かに暮らしている。 エッセイ集『詩と散策』と詩集『愛する少年が氷の下で暮らしているから』(近刊)を書き、いくつかの絵本と詩集を翻訳した。 橋本智保 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。 訳書に、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』(新泉社)、チョン・イヒョン『きみは知らない』(同)、ソン・ホンギュ『イスラーム精肉店』(同)、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』(段々社)、クォン・ヨソン『レモン』(河出書房新社)『春の宵』(書肆侃侃房)、チェ・ウンミ『第九の波』(同)ユン・ソンヒほか『私のおばあちゃんへ』(同)など多数。
  • 日台万華鏡 台湾と日本のあいだで考えた
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    「わたし」の内なる多様性に気づく旅――台湾と日本のあわいより送るエッセー33編 台湾在住で日本人の著者が、2016~2023年 の間“日台のあわい”で書き続けたエッセー。台湾社会や日台の文化比較、歴史的交錯から、映画やアート、ジェンダー、LGBTQにまつわる話題まで広く言及し、リアルな台湾をあわいの視点からあぶりだす。 【出版社:書肆侃侃房】 【目次】 はじめに どうしてわたしは台湾について考えるのか 社会 ジェンダー 日台文化比較 歴史交錯 映画・アート・本 あとがき 台湾と日本、「おもろい」の万華鏡 初出一覧/主な参考文献 【著者】 栖来ひかり 文筆家・道草者。1976年生まれ、山口県出身。京都市立芸術大学美術学部卒、2006年より台湾在住。台湾に暮らす日々、旅のごとく新鮮なまなざしを持って、失われていく風景や忘れられた記憶を見つめ、掘り起こし、重層的な台湾の魅力をつたえる。 著書に『在台灣尋找Y字路/台湾、Y字路さがし。』、『山口、西京都的古城之美:走入日本與台灣交錯的時空之旅』、『台湾と山口をつなぐ旅』、『時をかける台湾Y字路─記憶のワンダーランドへようこそ』、『台日萬華鏡』挿絵やイラストも手掛ける。
  • 私のおばあちゃんへ
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    6人の女性作家が描く“おばあちゃん”アンソロジー 年老いた女になるつもりはなかった。 その日その日を生きているうちに、いまにたどり着いただけ。 いまという日は、自分とはまったく関係のない他人のものでなければならなかった。 【目次】 きのう見た夢 ユン・ソンヒ 黒糖キャンディー ペク・スリン サンベッド カン・ファギル 偉大なる遺産 ソン・ボミ 十一月旅行 チェ・ウンミ アリアドネーの庭園 ソン・ウォンピョン 訳者あとがき 【著者】 ユン・ソンヒ 1973年生まれ。短編小説「レゴでつくった家」(1999年東亜日報新春文藝)でデビュー。短編集に『レゴでつくった家』『そこに、あなた?』『風邪』『笑うあいだ』『枕をする』『日々、エイプリルフール』、中編小説に『やさしい人』、長編小説に『見物人たち』などがある。 ペク・スリン 1982年生まれ。短編小説「嘘の練習」(2011年京郷新聞新春文藝)でデビュー。短編集に『ポール・イン・ポール』『惨憺たる光』『夏のヴィラ』、中編小説に『親愛なる、親愛なる』などがある。 カン・ファギル 1986年生まれ。 2012年に京郷新聞新春文藝に短編小説「部屋」が当選する。短編集に『大丈夫な人』『ホワイト・ホース』、長編小説に『別の人』などがある。 ソン・ボミ 1980年生まれ。2011年、東亜日報新春文藝に短編小説「毛布」が当選する。短編集に『彼らにリンディ・ホップを』『優雅な夜と猫たち』『マンハッタンの蛍』、長編小説に『ディア・ラルフ・ローレン』『小さな町』などがある。 チェ・ウンミ 1978年生まれ。2008年『現代文学』の新人推薦に短編小説「泣いて行く」が当選する。短編集に『あまりに美しい夢』『目連正伝』『雪で作った人』、中編小説に『昨日は春』、長編小説に『第九の波』などがある。 ソン・ウォンピョン 1979年生まれ。2016年、長編小説『アーモンド』で第十回チャンビ青少年文学賞を受賞。短編集に『他人の家』、長編小説に『三十の反撃』『プリズム』がある。現在、映画監督、シナリオ作家としても活躍している。 橋本智保 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。訳書に、鄭智我『歳月』、千雲寧『生姜』、李炳注『関釜連絡船(上・下)』、朴婉緒『あの山は、本当にそこにあったのだろうか』、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』、クォン・ヨソン『春の宵』『レモン』、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』、チョン・イヒョン『きみは知らない』、チェ・ウンミ『第九の波』など。
  • Turn! Turn! Turn!
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    1巻1,650円 (税込)
    直木賞作家の最新エッセイ集。いつかは自分だけの一文に出会える。まずは求めよ。話はそれからだ。 小説と旅は似ている。物語を突き動かすのは葛藤だが、旅だってそうだ。私たちは、自分では処理もできなければ理解もできない衝動に突き動かされて最初の一文、もしくは最初の一歩を踏み出す。魂に抱えこんだ葛藤をどうにかなだめるために。小説と旅がこれからの私を定義していく。今回はその手始めだ。(本文より) 【目次】 1 転機はふいに霧の中から。台湾への旅がはじまりだ! 2 猫と始めた新しい暮らし第二の人生はここから。 3 子どもたちを育んだ町から新天地へ旅立ちのとき。 4 懐かしさと諦観とままならぬ世にも浮かぶ瀬あり。 5 酒なくて何がわが人生ぞプリミティブな酒に酔う日々。 あとがき 【著者】 東山彰良 1968年台湾生まれ。福岡市在住。2002年に第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞し、翌年『逃亡作法 TURD ON THE RUN』でデビュー。『路傍』で第11回大藪春彦賞、『流』で第153回直木三十五賞、『罪の終わり』で第11回中央公論文芸賞、『僕が殺した人と僕を殺した人』で織田作之助賞、読売文学賞、渡辺淳一文学賞を受賞。そのほか『どの口が愛を語るんだ』『怪物』など。
  • 終わりの始まり
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    韓国文学界を背負う一人であるソ・ユミ、待望の初邦訳 恋の記憶、家族の記憶、残酷で美しい春の記憶。 ソ・ユミは、私たち自身の傷と記憶を呼び覚まし、時の流れとは何かを伝えようとする。私たちはいつだって、人生の新しい章を始められるのだ。――櫻木みわ(小説家) 1970年代生まれの韓国女性作家、チョ・ナムジュ、ファン・ジョンウンなどと並び、韓国文学界を背負う一人であるソ・ユミ、待望の初邦訳 【目次】 第一部 第二部 作家の言葉 訳者の言葉 【著者】 ソ・ユミ 1975年ソウル生まれ。2007年「ファンタスティック蟻地獄」で文学手帳作家賞、同年「クールに一歩」で第1回チャンビ長編小説賞を受賞しデビュー 都市に暮らす人々の孤独や葛藤を温かい眼差しで繊細に描く韓国を代表する女性作家。 短編集に『当分は人間』『誰もが別れる一日』『今夜は大丈夫、明日のことはわからないが』長編に『ファンタスティック蟻地獄』『クールに一歩』『あなたのモンスター』『終わりの始まり』『隙間』『ホールディング、ターン』『私たちが失ったもの』エッセイに『ひとつの体の時間』などがある。 金みんじょん ソウル生まれ東京育ち。10代で来日、KBSラジオや京郷新聞などを通して日本のニュースを紹介し日本文化を韓国に伝える活動をしている。 慶應義塾大学総合政策学部卒業、東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士課程単位取得退学。 韓国語の著書に『母の東京 ― a little about my mother』『トッポッキごときで』韓国語への訳書に『那覇の市場で古本屋』(宇田智子著)『太陽と乙女』(森見登美彦著)『海を抱いて月に眠る』(深沢潮著)など。日本語への訳書は『私は男でフェミニストです』
  • キリンが小説を読んだら
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    ここから始まる小説を読むという愉しみ 読売新聞の読書面「本よみうり堂」で紹介された約30年分の名著60冊を1冊で網羅。 あなたは何冊読んだことがありますか? 小説を読むと語りたくなる。その連鎖こそがまさに文学なんじゃないか。 (阿部公彦) 読書は出会い。文芸はものを考える具体的な現場、今後ますます必要だ。 (蜂飼耳) 日本語で書かれた現代文学という枠の中で、読者と共有したかった。 (辛島デイヴィッド) 【目次】 はじめに 目次 chapter1 文学と心 chapter2 文学と言葉 chapter3 文学と社会 chapter4 文学と生命 あとがき 【著者】 読売新聞文化部「本よみうり堂」 読売新聞文化部「本よみうり堂」 秋草俊一郎 暁方ミセイ 阿部公彦 上田岳弘 江南亜美子 カニエ・ナハ 辛島デイヴィッド きむ ふな 佐藤康智 澤西祐典 柴崎友香 田中和生 谷口幸代 谷崎由依 中島京子 沼野充義 蜂飼耳 東直子 土方正志 平野啓一郎 松永美穂 李琴峰 おじキリン
  • わたしの嫌いな桃源郷
    NEW
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    1巻1,760円 (税込)
    不完全なぼくらの、完全な世界へのわるぐち。 ─────志磨遼平(ドレスコーズ) 『花は泡、そこにいたって会いたいよ』の初谷むい、待望の第二歌集。 【収録歌より】 それはたとえば、百年育てて咲く花を信じられるかみたいな話? そばにいるだけがすべてじゃないぜ月は光るだけがすべてじゃないぜ もちもちの愛 もちもちの逃避行 どこまでを希望と呼ぶのだろう 風が強い、でも諦めないフリスビー楽しい 祈りぐせのあった頃 爪切りを貸したら爪と爪が混ざる爪切りの中 永く 生きてね 【目次】 ★ あたしたちは花器として ghost like boyfriend 待ち受けは花畑だった ベイビー、夜に光源。 祈りぐせ 金剛の国 五月の関心ごと プールサイド/落鱗 わたしが歌うかなり真剣なGod knows... ★★ ちるちるみちる ゆざめの季節 芝浜 墓あらしの夜 コール・ミー 終末概論 それからのわたしたちのその途方もなさ 千年後 わたもふ 光の光たる ★★★ わたしの嫌いな桃源郷 【著者】 初谷むい 1996年生まれ、札幌市在住。第一歌集『花は泡、そこにいたって会いたいよ』(書肆侃侃房、2018年)。
  • 家出してカルト映画が観られるようになった
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    伊藤亜紗さん推薦!「「リスク回避」「コスパ重視」の社会が到来する前の時代、まだ若かった先生は、敷かれたレールをひたむきに踏み外していた。北村さんは、最後の「変な大人」なのかもしれない」 日本経済新聞「プロムナード」の大好評連載に書き下ろしを加えて書籍化。『椎名林檎論』などが話題を呼んだ映画研究者の初エッセイ集! 「ここにおさめられたエッセイには、個人の人生の息苦しさと規範から逸れてゆく解放感、日常の些細なシーンにおける疑問や葛藤、そして怒りや歓び、あるいは非日常の時間に遭遇した、かけがえのない経験が記されている。社会が決める正しいルートなどない。多くの人が、他人にではなく、自分自身の人生を豊かに感じられる道を歩んでほしい、そういう願いが込められているように思う」(著者あとがきより) 【目次】 ネコになる/アルバイト/鳥体験/僕が旅に出る理由/倍速視聴される人/靴下のこと/無駄な雑談と移動/レールを踏み外す/サンタクロースは誰だ/本との付き合い方/研究室という空間/テレビゲームと利他/トゲのない世界/推しの氾濫/恩師の忘れられない姿/安全な遊びと学び/メディアのマナー/怒りを飼いならせ/サバイブする文字/大人になること/アンコールワットの片隅で/消えゆく自然の遊具/僕の家族のこと/映画館の暗闇/手書きの温もり/子供の豊かな想像力/空き地と土管/怒れるタクシー運転手/ピンクとメイク/99というナンバー/ボリビアの高地で/手放す勇気/息子と遊ぶ/食べること/学生たちの襲来/あたしのからだ/大学教員の生活/首タオル/レンタルビデオ屋/テレビドラマの食卓/タバコアレルギー/人の温もり/旅先の少女たち/最後の花火が終わったら/家出してカルト映画が観られるようになった/最愛のカートへ/ヒーローになりたい/引っ越し人生/変な人たち/出会い直すこと/偶然性を生きる/あとがき 【著者】 北村匡平 1982年山口県生まれ。映画研究者/批評家。東京科学大学准教授。専門は映像文化論、社会学、メディア論、表象文化論。著作に『美と破壊の女優 京マチ子』(筑摩書房)、『24フレームの映画学 映像表現を解体する』(晃洋書房)、『椎名林檎論 乱調の音楽』(文藝春秋)、『遊びと利他』(集英社新書)などがある。
  • 私が本からもらったもの 翻訳者の読書論
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    あなたが本からもらったものは何ですか? 「光文社古典新訳文庫」創刊編集長の駒井稔を聞き手に、8人の翻訳者が語る本にまつわる数々の思い出。 「WATERRAS BOOK FES」の「翻訳者×駒井稔による台本のないラジオ」待望の書籍化! 「最も原始的なタイムマシン、あるいは書物の危険な匂い」(貝澤哉)と「本箱の家」(永田千奈)、2つのエッセイも収録。 本は人生最高の贈り物である。読書のおもしろさを語り尽くした一冊。(書肆侃侃房) 【目次】 はじめに 駒井稔 第1夜 鈴木芳子(ドイツ文学) 第2夜 貝澤哉(ロシア文学) 第3夜 永田千奈(フランス文学) 第4夜 木村政則(英米文学) 第5夜 土屋京子(英米文学) 第6夜 高遠弘美(フランス文学) 第7夜 酒寄進一(ドイツ文学) 第8夜 蜂飼耳(日本文学) あとがき 駒井稔 【著者】 駒井稔 1956年横浜生まれ。慶應義塾大学文学部卒。1979年光文社入社。広告部勤務 を経て、1981年「週刊宝石」創刊に参加。ニュースから連載物まで、さまざまなジャンルの記事を担当する。1997年に翻訳編集部に異動。2004年に編集長。2年の準備期間を経て2006年9月に古典新訳文庫を創刊。10年にわたり編集長を務めた。 著書に『いま、息をしている言葉で。──「光文社古典新訳文庫」誕生秘話』(而立書房)、編著に『文学こそ最高の教養である』(光文社新書)がある。現在、ひとり出版社「合同会社駒井組」代表。 鈴木芳子 1987年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。ドイツ文学者・翻訳家。『ベビュカン』にて独日翻訳賞マックス・ダウテンダイ・フェーダー・東京ドイツ文化センター賞受賞。訳書にショーペンハウアー『読書について』『幸福について』、フォイヒトヴァンガー『宮廷画家ゴヤ』、ヒュルゼンベック編著『ダダ大全』、ローゼンクランツ『醜の美学』ほか多数。 貝澤哉 1963 年東京生まれ。早稲田大学大学院ロシア文学専攻博士課程単位取得退学。早稲田大学文学学術院教授。著書に『引き裂かれた祝祭 バフチン・ナボコフ・ロシア文化』(論創社、2008 年)、共編著『再考ロシア・フォルマリズム 言語・メディア・知覚』(せりか書房、2012年)。翻訳に、ゴロムシトク『全体主義芸術』(水声社、2007 年)、ナボコフ『カメラ・オブスクーラ』『絶望』『偉業』(光文社古典新訳文庫、2011、2013、2016 年)など。 永田千奈 1967 年東京生まれ。フランス語翻訳者。訳書にシュペルヴィエル『海に住む少女』、ラファイエット夫人『クレーヴの奥方』(光文社古典新訳文庫)、ロマン・ガリ『凧』(共和国)など。 木村政則 英米文学翻訳家。著書に『20 世紀末イギリス小説──アポカリプスに向かって』(彩流社)。訳書にミュリエル・スパーク『バン、バン! はい死んだ』『ブロディ先生の青春』『あなたの自伝、お書きします』(河出書房新社)、サマセット・モーム『マウントドレイゴ卿/パーティの前に』、D・H・ロレンス『チャタレー夫人の恋人』、ラドヤード・キプリング『キム』(光文社古典新訳文庫)、クリストファー・イシャウッド『いかさま師ノリス』(白水社)など。 土屋京子 翻訳家。1956年生まれ。東京大学教養学部卒。訳書に『ワイルド・スワン』(ユン・チアン)、『EQ~こころの知能指数』(ゴールマン)、『トム・ソーヤーの冒険』『ハックルベリー・フィンの冒険』(トウェイン)、『ナルニア国物語』全7巻(C・S・ルイス)、『仔鹿物語』(ローリングズ)、『秘密の花園』『小公子』『小公女』(バーネット)、『あしながおじさん』(ウェブスター)、『部屋』(ドナヒュー)ほか多数。 高遠弘美 1952年3月、長野県生まれ。現在明治大学商学部・大学院教養デザイン研究科教授。著書に『物語 パリの歴史』(講談社新書)『七世竹本住大夫』(講談社)『乳いろの花の庭から』(ふらんす堂)他、翻訳に『珍説愚説辞典』(国書刊行会)ロミ『完全版 突飛なるものの歴史』(平凡社)レアージュ『完訳 Oの物語』(学習研究社)プルースト『失われた時を求めて』(光文社古典新訳文庫、全14巻予定。個人全訳中)、最新刊にF・ピション『プルーストへの扉』(白水社)があるほか著作多数を数える。 酒寄進一 1958 年生まれ。ドイツ文学翻訳家。和光大学教授。2021 年、コルドンの〈ベルリン〉3 部作で日本子どもの本研究会第5回作品賞特別賞受賞。主な訳書にヘッセ『デーミアン』、ヴェデキント『春のめざめ ―子どもたちの悲劇』、ブレヒト『アルトゥロ・ウイの興隆/コーカサスの白墨の輪』、 シーラッハ『犯罪』『罪悪』『刑罰』『コリーニ事件』、ザルテン『バンビ 森に生きる』、フィツェック『乗客ナンバー23の消失』、ゼーターラー『キオスク』ほか多数。 蜂飼耳 1974 年神奈川県生まれ。詩人。立教大学文学部教授。詩集に『食うものは食われる夜』『顔をあらう水』『現代詩文庫 蜂飼耳詩集』など。文集に『孔雀の羽の目がみてる』『空を引き寄せる石』『秘密のおこない』『空席日誌』『おいしそうな草』など。書評集に『朝毎読』、絵本に『うきわねこ』(絵/牧野千穂)など、童話集に『のろのろひつじとせかせかひつじ』など。古典文学の現代語訳に『虫めづる姫君 堤中納言物語』『方丈記』がある。
  • 恐竜時代が終わらない
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    1巻1,760円 (税込)
    リアルにファンタジーが溶け出し、新たな世界へと導く山野辺太郎の真骨頂! やわらかい言葉と適度なペーソスで、作者は奇想を真実に変える。「恐竜時代」とは、人を信じるための胸のくぼみに積み重ねられた、記憶の帯だ。私たちの心の地層の底にもそれは眠っていて、あなたに掘り起こされる日を静かに待っている。 ――堀江敏幸 「恐竜時代の出来事のお話をぜひ聞かせていただきたい」。 ある日「世界オーラルヒストリー学会」から届いた一通の手紙には、こう記されていた。 少年時代に行方をくらました父が、かつてわたしに伝えた恐竜時代の記憶。語り継ぐ相手のいないまま中年となったわたしは、心のうちにしまい込んだ恐竜たちの物語――草食恐竜の男の子と肉食恐竜の男の子との間に芽生えた切ない感情の行方を、聴衆の前で語りはじめる。 食う者と食われる者、遺す者と遺される者のリレーのなかで繰り返される命の循環と記憶の伝承を描く長編小説。 表題作ほか、書き下ろし作品「最後のドッジボール」を収録。 【目次】 恐竜時代が終わらない 最後のドッジボール 【著者】 山野辺太郎 1975年、福島県生まれ。宮城県育ち。東京大学文学部独文科卒業、同大学院修士課程修了。2018年「いつか深い穴に落ちるまで」で第55回文藝賞を受賞。著書に『孤島の飛来人』(中央公論新社)、『こんとんの居場所』(国書刊行会)などがある。
  • 新装版 東西名品 昭和モダン建築案内
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    建築の百花繚乱の時代といわれる1920年代からいまに残る東西の名建築をたどる アール・デコ、スパニッシュ、和洋折衷などの建築様式をはじめ、F.L.ライト、遠藤新などの建築家、病院、学校などの用途別、時計塔、望楼などの構造と、様々なテーマで切り取る。 【目次】 はじめに PART1 建築様式で見る アール・デコ スパニッシュ COLUMN:景観とは誰のものか? PART2 建築家で見る F・ L・ライト 遠藤新 W・M・ヴォーリズ J・H・モーガン COLUMN:郊外と都市文化 PART3 用途で見る 病院 女子大 小学校 転用モダンアパート 現役モダンアパート ホテル 百貨店 駅 COLUMN:関西連邦共和国と東京帝国 COLUMN:看板建築 PART4 構造&リノベーションで見る 時計塔 望楼 外観リノベーション タワー・オン・ザ・ベース COLUMN:モダン楼閣建築 おわりに 【著者】 北夙川不可止 1964年兵庫県西宮市生まれ。同志社大学神学部中退。歌人(「玲瓏」所属)・コラムニスト。二十代より近代建築と景観の保存活用に取り組み「朝日ジャーナル」等で執筆開始。アート・ディレクターとして古楽コンサート、心斎橋大丸原図展などを手掛け、自らも様々なアーティストとコラボ、インスタレーションを行う。著書に歌集『ぬばたま』(エディション・エフ)、共著に「性の用語集」(講談社現代新書)、「産業遺産の記録」(三才ブックス)など。どこに行っても「伯爵」の渾名で親しまれている。 黒沢永紀 1961年東京都新宿区生まれ。早稲田大学文学部卒業。著述家・音楽家・軍艦島伝道師・映像制作ユニットオープロジェクト所属。音楽家として社会人デビュー。 2000 年ごろから軍艦島を取材し、多数の著作で発表する。オープロジェクトでは廃線や廃道などの産業遺産を映像作品化。著書『東京時層探検』(書肆侃侃房)、『軍艦島全景』(三才ブックス)、『軍艦島入門』(実業之日本社)、『軍艦島 奇跡の海上都市完全一周』(宝島社)、DVD『軍艦島』三部作や『廃道』三部作(いずれも日活)など多数。
  • エドワード・サイード ある批評家の残響
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    エドワード・サイード没後20年 文学、音楽、パレスチナ問題など分野横断的に論じた批評家、エドワード・サイード。ポストコロニアル批評の先駆者として『オリエンタリズム』などの著作を残した。イスラエルによるガザへの軍事攻撃が激化。いまサイードの著作が読みなおされている。彼にとって、批評とはどのような営為だったのか? 没後20年をむかえた今、その思考の軌跡をたどりつつ、現代社会における批評の意義を問う。 【出版社:書肆侃侃房】 【目次】 引用の註記について 序章 批評家を批評する テクストは世界のなかにある エドワード・サイードを語る 批評とは何か 批評家の残響を聴く 第一章 ある批評家の残響 声を装うテクスト 批評の限界? コンラッドを聴く 近代の不協和音 友だちにはなれない 第二章 理論は旅をする フレンチ・セオリー? 『はじまり』にフーコーもいた オリエンタリズムの空間 廃墟の批評理論 第三章 文化と社会 批評家と共同体 旅するレイモンド・ウィリアムズ 意図をとりもどす 批評意識は理論に抗う アカデミアからパレスチナへ 終章 人文学に〈新しさ〉は可能か 永遠に新しくあれ 言葉への愛 追記―希望は棄てない 謝辞 【著者】 中井亜佐子 1966年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科教授。専門は英文学。オクスフォード大学博士課程修了(D.Phil.)。著書に、『日常の読書学――ジョゼフ・コンラッド『闇の奥』を読む』(小鳥遊書房、2023年)『〈わたしたち〉の到来――英語圏モダニズムにおける歴史叙述とマニフェスト』(月曜社、2020年)『他者の自伝――ポストコロニアル文学を読む』(研究社、2007年)など。翻訳に、ウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃』(みすず書房、2017)など。
  • 起きられない朝のための短歌入門
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    1巻1,760円 (税込)
    対談に耳を傾けながら短歌の作り方/読み方がよくわかるストレンジャー(よそ者)のための短歌入門書 <扱われるテーマ> 「最初の一首」のつくりかた/スランプののりこえかた/連作のつくりかた/歌に使われがちな語彙 推敲のしかた/テーマ詠の難しさ/いい批評とは何か/破調/虚構の歌/口語と文語 わからない歌/歌集をつくること/学生短歌会/新人賞/同人誌と歌集/短歌と夢/詩的飛躍 速い歌と遅い歌/「人生派」と「言葉派」/作中主体とは何か/信頼できない語り手 ほか 【目次】 はじめに(平岡直子) 第1部 つくる 第2部 よむ 第3部 ふたたび、つくる おわりに(我妻俊樹) 著者作品二十首 【著者】 我妻俊樹 1968年神奈川県生まれ。2002年頃より短歌をはじめる。2016年、同人誌「率」十号誌上歌集として「足の踏み場、象の墓場」を発表。2023年に第一歌集『カメラは光ることをやめて触った』(書肆侃侃房)上梓。平岡直子とネットプリント「ウマとヒマワリ」を不定期発行中。2005年「歌舞伎」で第三回ビーケーワン怪談大賞を受賞し、怪談作家としても活動する。著書に『奇談百物語 蠢記』(竹書房怪談文庫)などがある。 平岡直子 歌人。1984年に神奈川県に生まれ、長野県に育つ。2006年、早稲田短歌会に入会し、本格的に作歌をはじめる。2012年、連作「光と、ひかりの届く先」で第23回歌壇賞受賞。2013年、我妻俊樹とネットプリント「馬とひまわり」( のちに「ウマとヒマワリ」)の発行をはじめる。2021年に歌集『みじかい髪も長い髪も炎』を刊行、同歌集で第66回現代歌人協会賞を受賞。2022年には川柳句集『Ladies and』を刊行。現在「外出」同人。
  • 夏のヴィラ
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    過去と現在が交差し、一瞬煌めいて消える—— 韓国で五つの賞に輝いた珠玉の短編集 いまやペク・スリンの小説は、母語と母国、母性の世界の不均質にまで手を伸ばす。普段は見られない母親の美しさに怯えて泣き出す子どものように、私もまたその過程にすっかり魅了された者のひとりだ。 ——キム・グミ(小説家)『あまりにも真昼の恋愛』著者 「黒糖キャンディー」(『私のおばあちゃんへ』)『惨憺たる光』に続くペク・スリン、待望の最新作 【目次】 時間の軌跡 夏のヴィラ ひそやかな事件 大雪 まだ家には帰らない ブラウンシュガー・キャンディ ほんのわずかな合間に アカシアの林、初めてのキス 著者あとがき 訳者あとがき 【著者】 ペク・スリン 1982年仁川生まれ。短編小説「噓の練習」(2011年京郷新聞新春文藝)でデビュー。2015年、2017年、2019年文学村若き作家賞、2018年文知文学賞、李海朝文学賞、2020年現代文学賞、韓国日報文学賞。著書に短編集『フォーリング・イン・ポール』『惨憺たる光』(書肆侃侃房刊)『今夜は消えないで』、中編小説『親愛なる、親愛なる』、エッセー『やさしい毎日毎日』などがある。 カン・バンファ 岡山県倉敷市生まれ。高麗大学文芸創作科博士課程修了。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。訳書にチョン・ユジョン『七年の夜』『種の起源』、ピョン・ヘヨン『ホール』がある。
  • 月面文字翻刻一例
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    1巻1,760円 (税込)
    いま最も注目される歌人・作家、川野芽生、待望の初掌編集。 誰もが探していたのに見つからなかったお話たちが、こうして本に育っていたのをみつけたのは、あなた。──円城塔 第65回現代歌人協会賞を受賞した歌集『Lilith』など、そのみずみずしい才能でいま最も注目される歌人・作家、川野芽生。 『無垢なる花たちのためのユートピア』以前の初期作品を中心に、「ねむらない樹」川野芽生特集で話題となった「蟲科病院」、書き下ろしの「天屍節」など全51編を収録した待望の初掌編集。 【目次】 Ⅰ 月面文字翻刻一例 月面文字翻刻一例 月の鱗粉 水死 月の夜に 闇の夜に 廃世 月よりもやすらかに 闇の夜に貴方は やわらかい兄 遠き庭より Ⅱ 眠られぬ夜と昼のための物語 不寝番 みどりの狼 陽宮 シメール、帰還兵 上陸 鳥と男と 棲まうもの 塔 黄金の鬣 火とカサンドラ Ⅲ 本盗人 本盗人 花兵 水墓 多情 砂の両手 ものがたりたちの森 女の子たちは工場を出て 薔薇の治世とその再来 いつかゆく水辺へ 星々の沈黙 やまなみ 雑草のように 楽園より 人形遣い 水宴 Ⅳ 桜前線異状なし ごっこ遊び 雑踏の中で 抽斗 砂味 雨の降る場所 柘榴石の夜に 夢のなかで 夏より夏 夏の雨降る 昼の交錯 眠りの地上階 逃亡 さよなら鳥たち 桜前線異状なし Ⅴ 蟲科病院 天屍節 蟲科病院 【著者】 川野芽生 1991年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科在籍中。2017年、「海神虜囚抄」(間際眠子名義)で第3回創元ファンタジイ新人賞の最終候補に選出される。2018年、「Lilith」30首で第29回歌壇賞を受賞し、2020年に第一歌集『Lilith』(書肆侃侃房)を上梓。同書は2021年に第65回現代歌人協会賞を受賞。2022年、短篇集『無垢なる花たちのためのユートピア』(東京創元社)を刊行した。
  • 鍵盤のことば
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    52~60巻1,760円 (税込)
    夜明けが、雨が、そして音楽が——言葉になる瞬間を見に行こう。(黒瀬珂瀾) 夜明けが、雨が、そして音楽が——言葉になる瞬間を見に行こう。 〈あなた〉と深く、指をからめて。(黒瀬珂瀾) 【5首】 あなただれ、黄昏。おまへだれ、雪崩。浮世草子をうしろから読む 言葉なるもののからだに棲むかぎり祈りの部屋は保たれてゐる 改札までつないでゐてねオクトーバー・フールと唱へてはだめですよ つけまつげ冷たく濡れて街灯りはまばたきのたび更新される 鍵盤は押せば鳴るもの鍵盤は発語するのに適訳がない 【目次】 はるしおん かみなりのやうに明るい あきつ、火の島、さびしさの森 降り得ない雪 せかいにきすを 石ころのやうに かみさまの葡萄 鍵盤のことば それきり愛の話をしない 櫛をなくした オクトーバー・フール 演奏会 一本の葱 紅茶が雨を降らせた 穢土 春の服、月の虹 あめのくに 地図を抱く 少年イッポリート 山百合の野を アンダンテ・カルマンド はだれ踏み オルゴール 解説 音楽と連帯 黒瀬珂瀾 あとがき 【著者】 伊豆みつ 石川県生まれ。上智大学文学部国文学科卒業。2014 年、未来短歌会に入会。黒瀬珂瀾に師事。 黒瀬珂瀾  
  • パーティは明日にして
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    1巻1,760円 (税込)
    16歳から27歳までの385句を収録した第一句集。 あたらしくって、なつかしい。サイダーから噴き出す、あの夏の虹みたいに、十七音を駆け抜ける、カラフルな言葉たち。ひりひりと光り出す、やさしい記憶。 ─神野紗希(俳人) 【収録句より】 春光にさらして角砂糖かわいい さっきまでピアノの部屋の蝶だった 桜蘂降る自転車は海の色 ラズベリータルト晴天でよかった シェパードのにおいして今日も雷 蛇衣を脱ぐや瞳に爛と艶 コンビニの花火がしょうもなくて笑う 目をほそめ三日月を研ぐペダル漕ぐ 抱けばきみ定形外や藍の花 漫才師去る足揃う三十三才 【目次】 Ⅰ ひかり Ⅱ 水 Ⅲ エナメル Ⅳ 絵の具 Ⅴ たぶん Ⅵ 艶 【著者】 木田智美 1993年大阪府生まれ。2009年、俳句甲子園出場をきっかけに俳句を始める。俳句雑誌「奎」同人。
  • 歌集 地上絵
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    1巻1,760円 (税込)
    第二回笹井宏之賞永井祐賞を受賞した著者の第一歌集。 I am a 大丈夫 ゆえ You are a 大丈夫 too 地上絵あげる 第二回笹井宏之賞永井祐賞を受賞した著者の第一歌集。 大胆な間違いで鷲掴みされるほんとうのこと、 私にとって橋爪の短歌の最大の魅力はこれだ。 ────宇都宮敦(歌人) 【目次】 Ⅰ 地上絵 星とカメレオン 世界中の鳥の名前 ドレス! わたしの絶望 愛の犬 てんらんかい サイダーの匂い 熱帯夜 岩 階段 夢中 日々 着地 Ⅱ とおざかる星 うかぶわ 風なら 息の根を呼びとめて 銀色の靴 灯台 崖の街 かがやくゼリー 舌を出してね 感覚 ミニチュア   解説 地上絵もらう 宇都宮敦 あとがき 【著者】 橋爪志保 1993年、京都市生まれ。2013年に「京大短歌」に入会し、作歌を始める。現在は、同人誌「羽根と根」の同人として活動中。2020年、「とおざかる星」50首で第二回笹井宏之賞の永井祐賞を受賞。
  • 楽園
    NEW
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    1巻1,870円 (税込)
    これは前進か後退か? 幼い子供を抱えながら、日々の生活に疲弊する男。思い描く理想の人生と現実の狭間でもがき、ある決断を下そうとするが― 夫婦とは、家族とは何かを問う傑作小説。 「ことばとvol.7」掲載の「不服」に、書き下ろし作品「楽園」「パールライトタワー天王寺」を収録した、話題作『学歴狂の詩』の佐川恭一による最新小説! 蓄積した時間の厚みだけが二人をつなぎとめ、しかしそれは真に重要なものではない。確かにともに過ごした時間は、消え去ることのない絶対的なものかもしれない。だがそれだけだ。たんなる事実としてそれはあり、それに束縛されるかどうかは、これも信仰の問題にすぎない。 (『楽園』本文より) 【目次】 不服 楽園 パールライトタワー天王寺 【著者】 佐川恭一 滋賀県生まれ。京都大学文学部卒業。著書に『舞踏会』『シン・サークルクラッシャー麻紀』『アドルムコ会全史』『就活闘争 20XX』などがある。
  • 午後のコーヒー、夕暮れの町中華
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    いつだってわたしを助けてくれたのは、街にある小さな店だった。そこへたどり着けさえすれば、またわたしは生きる力を取り戻すのだ。 街歩きエッセイスト「かもめと街 チヒロ」が、東京の店の情景を描く。 浅草、上野、日本橋、銀座、新橋、神保町、秋葉原 ――東京下町エリアを中心とした全61店 【目次】 揚げたてのチキンバスケット ― 銀座ブラジル 浅草店(浅草) 夢うつつの空間で、クリームソーダ ―丘(上野) はじめまして、黒い天丼 ― 天ぷら 中山(日本橋) 平日のサラリーマンとポンヌフバーグ ― カフェテラス ポンヌフ(銀座・新橋) 喪失と再生のグラタントースト ― カフェトロワバグ(神保町・神田) 【著者】 安澤千尋 1981年生まれ。浅草出身の街歩きエッセイスト。2017年より個人ブログ『かもめと街』を始める。『決めない散歩』『いつかなくなるまちの風景』『たらふく』などの日記やエッセイ、アンソロジーなど多岐にわたるZINEを発行。近年では青土社『ユリイカ』、講談社『群像』への寄稿などで活動し、本書が初の商業出版となる。
  • あおむけの踊り場であおむけ
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    1巻1,870円 (税込)
    犬の骨を犬のようにしゃぶりたいと妹の骨にも思うだろう 第1回CINRA Inspiring Awards穂村弘賞受賞! 「未知の言語体験によって、生まれた時から見慣れてきたはずの世界がまったく新しい表情を見せてくれる。 日本語検定一級の宇宙人が書いた短歌を連想しました」(穂村弘さん) 第4回笹井宏之賞大賞受賞! 自分のからだのなかに未知の窓がいくつも開くような独特の感覚にうろたえる。大胆につかみだされる言葉の弾力と透きとおって不穏な世界に惹きつけられる。 ━━━━大森静佳(栞文より) ここにある歌たちの静かで、人けを離れて、体と身の回りをあらためて見直すような、狭い世界の可能性を追究するような、ひっそりと楽しいあり方に対して私はリアルな共感を覚えずにいられない。 ━━━━永井祐(栞文より) 【目次】 切り株の上 食物網 スムージー 身体の動かせるところ 浮石 ノウゼンカズラ 覆土 べにひかり 紙と皮 暗くなる前に日が暮れるだろう あとがき 【著者】 椛沢知世 1988年東京都生まれ。「塔」短歌会所属。2016年、作歌を始める。第4回笹井宏之賞大賞受賞。第30回歌壇賞次席。
  • 女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選
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    「もうダメかも……」を「楽しく生きよう!」に変える、映画の力でサバイブするための100選 あのヒロインみたいになれたらいいな、私と同じだな、私とは違うけどステキだな……。 映画を見ることで、女性であること、少数派であること、自分自身でいることの楽しさに気づける。 もっと楽しく生きる準備をするために、あなたを待っている映画がきっとある。 クラシックな名作から近年の話題作まで、労働問題、恋愛とセックス、フェミニズム、クィア、人種、民族など、多様な視点から厳選した100本の映画ガイド 【目次】 プロローグ クラシック おとぎ話 労働問題 ギークガール スポーツ 芸術 ファッション 恋愛とセックス 告発と戦い フェミニズム シスターフッド アクションと冒険 ホラー、ファンタジー、SF クィア 人種・民族 階級 からだ 障害と病気 家族 不機嫌なヒロインたち チャレンジ(アート映画) 中学校を卒業してから見よう! エピローグ 初出一覧と参考文献 索引 【著者】 北村紗衣 武蔵大学人文学部英語英米文化学科教授。専門はシェイクスピア、舞台芸術史、フェミニスト批評。 著書に『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』(白水社、2018)、『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』(書肆侃侃房、2019)、『批評の教室――チョウのように読み、ハチのように書く』(ちくま新書、2021)、『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード』(文藝春秋、2022)など。
  • 私の彼女と女友達
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    どこにいても、必ず自分を守って。 それが私たちを守ることになるから。 クィア・労働・女性問題など、今を生きる女性たちをときにリアルに、ときにさわやかな余韻で描き出すチョ・ウリ初の短編集。 表題作「私の彼女と女友達」など八編を収録。初邦訳。 <あらすじ> 「私の彼女と女友達」 五年間同棲している私の彼女、ジョンユンには四人の大親友がいる。ミンジ、ジヘ、ジヨン、スジン。「ジョンユンの彼女なら、私たちの友達も同然でしょ」彼女たちはみんな私に会いたがるけど、私はその誰にも会ったことがない。ジョンユンに誘われても、誰の結婚式にも行かない。 ついにジョンユンの親友たちに会ってみることを決めた日、かつて私が憧れを抱くも苦い決別を迎えたひとりの女性から手紙が届く。 「非婚式にご招待します」 【目次】 【もくじ】 私たちがハンドルをつかむとき 11番出口 ミッション 私の彼女と女友達 ねじ 物々交換 ブラック・ゼロ 犬五匹の夜 著者あとがき 訳者あとがき 【著者】 チョ・ウリ 2011年、短編小説「犬五匹の夜」で大山大学文学賞を受賞し作家デビュー。 女性、クィア、労働に関心を寄せて執筆している。 著書に短編集『リレー』『チームプレイ』、 長編『ラスト・ラブ』などがある。 カン・バンファ 岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学法律学科、梨花女子大学通訳翻訳大学院卒、高麗大学文芸創作科博士課程修了。梨花女子大学通訳翻訳大学院、漢陽女子大学日本語通翻訳科、韓国文学翻訳院翻訳アカデミー日本語科、同院アトリエ日本語科などで教える。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。訳書にペク・スリン『夏のヴィラ』、チョン・ユジョン『七年の夜』、ピョン・ヘヨン『ホール』、ハ・ジウン『氷の木の森』など。韓訳書に柳美里『JR上野駅公園口』、児童書多数。著書に『일본어 번역 스킬(日本語翻訳スキル)』がある。
  • 小さな町
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    1巻1,870円 (税込)
    過去をすべて消しても生きていけるだろうか? 私だけが知らなかった、私のもう一つの物語 幼い頃の記憶。火事に見舞われた小さな町で、亡くなった悲しみに犬を飼う人々。死んだ兄。森の中に隠れて暮らす女性。いなくなった父。母の秘密。夫のスクラップブックと、消えた女優。現在と過去が交錯し、思わぬ真実が立ち上がってくる。 <あらすじ> 病床の母から繰り返し聞かされた、幼少期をすごしたあの小さな町の記憶。そこでは火事で多くの人が亡くなり、私の兄もそのとき死んだのだという。ある日、家出してたどり着いた森の中の家には、女性が隠れ住んでいた。それを機に母と親しくしはじめた彼女が起こした騒動をきっかけに、私の家族は壊れてしまう。 最期まで語られなかった母の秘密。記憶をたどる中、父との再会で告げられた思いもよらない真実とは……。 【目次】 一 反作用 二 至上命令 三 無神論者 四 交換 五 また別の女 六 ステキなしきもの 七 僕たちは失敗したんだ 八 死人に口なし 訳者あとがき 【著者】 ソン・ボミ 1980年生まれ。2009年に21世紀文学新人賞を受賞、2011年に東亜日報の新春文藝に短編小説「毛布」が当選する。短編集に『彼らにリンディ・ホップを』『優雅な夜と猫たち』『愛の夢』、長編小説に『ディア・ラルフ・ローレン』『小さな町』『消えた森の子どもたち』などがある。若い作家賞、大山文学賞、李箱文学賞などを受賞。 橋本智保 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。 訳書に、鄭智我(チョンジア)『歳月』(新幹社)、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』(新泉社)、チョン・イヒョン『きみは知らない』(同)、ソン・ホンギュ『イスラーム精肉店』(同)、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』(段々社)、クォン・ヨソン『レモン』(河出書房新社)『春の宵』(書肆侃侃房)、チェ・ウンミ『第九の波』(同)、ハン・ジョンウォン『詩と散策』(同)など多数。
  • ロシア文学の怪物たち
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    1巻1,870円 (税込)
    『青い脂』(ソローキン)や『穴持たずども』(マムレーエフ)など“怪作”を翻訳してきた著者による「悪」のロシア文学入門。 虚無的な現実を覆う皮膜の下で蠢く怪物たちの饗宴。間違いない、本書は毒にも劇薬にもなりうる。━━━━━木澤佐登志 ロシア文学は現実の不確かさを読者に突きつけ、世界の裂け目に開いた深淵を露わにする。 『青い脂』(ソローキン)や『穴持たずども』(マムレーエフ)など“怪作”を翻訳してきた著者による「悪」のロシア文学入門。 誤解を恐れずに書くが、ロシア文学は危険だ。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によって現実に世界秩序が大きく揺れ動いている今日、それは劇薬ですらあるかもしれない。(「はじめに」より) 【目次】 はじめに プロローグ 悪との遭遇 第1章 ペテルブルグの幽霊 ゴーゴリ『外套』 第2章 怠惰と実存 ゴンチャロフ『オブローモフ』 第3章 病める地下室男の独白 ドストエフスキー『地下室の手記』 第4章 もはや死はない トルストイ『イワン・イリイチの死』 第5章 世界がひずむ音 チェーホフ『六号室』 第6章 「われら」と「彼ら」のはざまで ザミャーチン『われら』 第7章 不可能性の怪物 マムレーエフ『穴持たずども』 第8章 空虚への解脱 ソローキン『マリーナの三十番目の恋』 第9章 もう一つの九〇年代 ペレーヴィン『ジェネレーション〈P〉』 第10章 回帰する亡霊 エリザーロフ『図書館大戦争』 第11章 可能性としての女性文学 ナールビコワ『ざわめきのささやき』/トルスタヤ『クィシ』/スタロビネツ『むずかしい年ごろ』 おわりに あとがき ブックガイド 【著者】 松下隆志 1984年、大阪府生まれ。専門は現代ロシア文学・文化。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、岩手大学准教授。著書に『ナショナルな欲望のゆくえ ソ連後のロシア文学を読み解く』(日本ロシア文学会賞受賞)、訳書にソローキン『吹雪』『親衛隊士の日』、『青い脂』(共訳)、ザミャーチン『われら』、マムレーエフ『穴持たずども』など。
  • フルトラッキング・プリンセサイザ
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    1巻1,870円 (税込)
    選考会で激賞された第5回ことばと新人賞受賞作「フルトラッキング・プリンセサイザ」ほか、一年後をつづった「メンブレン・プロンプタ」、うつヰの学生時代を描いた「チェンジインボイス」を収録。 VRにAI、最新のテクノロジーを題材としながら、読後には人肌のような温みが残る。 読者はきっと、作中人物たちに対して抱く自分の優しさに驚くだろう。それは視点やナラティブがつくり出す仮想現実的な効果であり、それこそが作者が小説に持ち込んだテクノロジーなのだ。(滝口悠生) 情報と身体、科学と物語がますます複雑に交差し、いま「感覚の大気」が変動している。行方がわからないその変動を、この小説家は、現時点で生け捕りにしているかのようだ。(千葉雅也) 映像や3DCGを扱う制作プロダクションに勤めるうつヰの一日は長い。今夜バスタオルで体を拭くのを忘れないようメモするアプリケーションには何が最適か。部長の言うユーキューは「有給」なのか「有休」なのか?仕事を終えると「プリンセサイザ」にログインする。京王線沿線の各駅に配置された王女たちと、仮想空間システムを渡り歩けるソーシャルVRの中で交流するのだ。選考会で激賞された第5回ことばと新人賞受賞作「フルトラッキング・プリンセサイザ」ほか、一年後をつづった「メンブレン・プロンプタ」、うつヰの学生時代を描いた「チェンジインボイス」を収録。 【目次】 もくじ フルトラッキング・プリンセサイザ チェンジインボイス メンブレン・プロンプタ 【著者】 池谷和浩 1979年6月生まれ。栃木県立宇都宮高等学校卒。筑波大学日本語・日本文化学類卒。東京都在住、会社員。現職はデジタルハリウッド株式会社の執行役員として大学事業を統括。「フルトラッキング・プリンセサイザ」で第5回ことばと新人賞を受賞。
  • ブンバップ
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    1巻1,870円 (税込)
    第3回笹井宏之賞永井祐賞受賞! みんなして写真のなかで吸う紙のたばこ 爆発前のSupreme 第3回笹井宏之賞永井祐賞受賞! これ、新感覚です。友達の日記を覗き見してるようでクセになります。━━━SUSHIBOYS(ラッパー) 短歌で生きた音を響かせるには、文体を一から自分でつかみ直すしかない。そう感じさせる一冊である。━━━永井祐(歌人) 【収録歌より】 業務用コーンフレーク買って食べ切れなかったの良かったなって ファイナンスのテーマソングを子どもたちが歌ってる bpmがすこし高い 汚れたしそろそろで洗うコンバース六月はすぐ乾くから夏 肉まんが去年より小ぶりになってる…答えてくれる人たちにtel 清原が薬をやめ続けることを励みに今朝をする人がいる 【栞】 永井祐「僕のバイブスになっていく」 山田航「配られたカードで」 伊舎堂仁「【にせんにじゅう/にせんにじゅうに/にせんにじゅう/ご にせんにじゅうご/にせんにじゅうご】と読むと「ご」のあと首を振れて楽しい」 【目次】 もくじ I 六月の火 Ⅱ キックアウト 退屈とバイブス ベースボール選手 ふみふみ Ⅲ こち亀は警察の職場 続きが見たい 再現映像 撤退戦 Ⅳ 描いてある星座 更新作業 捺印 少しの待ち時間 Ⅴ 陸路 美術(夏) Ⅵ 百合の花募金 ゴシック体 あとがき 【著者】 川村有史 1989年青森県青森市生まれ。群馬県在住。2012年頃より作歌をはじめる。2015年頃まで歌誌「かばん」に所属。2020年、「退屈とバイブス」で第3回笹井宏之賞永井祐賞受賞。2022年、第10回現代短歌社賞佳作。
  • カリコ博士と町医者 アメリカ留学青春記 それぞれの旅立ち
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    ともに科学を生き、将来を夢見た人がノーベル生理学・医学賞を受賞した。 ペンシルベニア大学で、RNAやDNAを用いた最先端の遺伝子治療の開発を夢見て研究生活を共にした若き研究者たち。そのひとり、無名時代のカタリン・カリコ博士の実像と魅力を知る著者が、彼女の苦悩と挫折、そして復活と栄光を描いた実話に基づく異色話題作。 2023年ノーベル生理学・医学賞を受賞した新型コロナウイルスワクチン開発の立役者カタリン・カリコ博士。 彼女を間近かにみてきた著者が伝えたいのは、博士の魅力。夢を決してあきらめないこと。科学研究の素晴らしさ。将来ある若者と、導く大人たちに読んでほしい。 【目次】 序 章 溢れる涙 二〇二三年 秋 第一章 日本国際賞 二〇二二年 春 第二章 ソ連の衛星国 一九九〇年 第三章 自由の鐘、ロッキーの街 一九九一年 第四章 ヒト遺伝子治療研究所 一九九三年 第五章 東欧訛りの女性ポスドク 一九九四年 第六章 時空を超える手紙 二〇二二年 春 第七章 パイオニアたち 二〇二二年 夏 第八章 ノーベル生理学・医学賞 二〇二二年 秋 終 章 賞の面影、夢の途中 二〇二三年 秋 【著者】 村石昭彦 1959年、福岡県出身。米国ペンシルべニア大学循環器科、ヒト遺伝子治療研究所等へ留学。この時、カリコ博士と知り合う。帰国後、福岡県柳川市で開業医となる。
  • わたしはわたしで
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    1巻1,870円 (税込)
    直木賞受賞作『流』の続編「I love you Debby」ほか、珠玉の作品6編を収録。 人生はままならない。諦めの連続だ。 悲しくて。悔しくて。寂しくて。 一瞬成功したかにみえても 待ち受けている落とし穴は底なし。 【目次】 I love you Debby ドン・ロドリゴと首なしお化け モップと洗剤 わたしはわたしで 遡上 REASON TO BELIEVE 初出一覧 【著者】 東山彰良 1968年台湾台北市生まれ。9歳の時に家族で福岡県に移住。 2003年第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞受賞の長編を改題した『逃亡作法TURD ON THE RUN』で、作家デビュー。 09年『路傍』で第11回大藪春彦賞、15年『流』で第153回直木賞、16年『罪の終わり』で中央公論文芸賞を受賞。 17年から18年にかけて『僕が殺した人と僕を殺した人』で第34回織田作之助賞、第69回読売文学賞、第3回渡辺淳一文学賞を受賞する。『越境』『どの口が愛を語るんだ』『怪物』など著書多数。
  • カルチャーセンター
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    1巻1,870円 (税込)
    「どうかな? これは何だろう? 小説なのかな?」 松波太郎はそこにいた。カルチャーセンターで共に過ごしたニシハラくんの未発表小説『万華鏡』が収録され、作家や編集者たちから寄せられたコメントに、松波太郎の説明責任までもが生じてくる文章と空白の連なり……松波太郎は、ニシハラくんに語りかける。「どうかな? これは何だろう? 小説なのかな?」 松浦理英子さん推薦! 「小説を書きたいという欲望に憑かれていた若くほろ苦い日々を、哀惜をこめて振り返る松波太郎は本物の作家である」 【目次】 【著者】 松波太郎 1982年三重県生まれ。文學界新人賞、野間文芸新人賞受賞。著書に『よもぎ学園高等学校蹴球部』、『LIFE』、『ホモサピエンスの瞬間』、『月刊「小説」』、『自由小説集』、近著に『本を気持ちよく読めるからだになるための本』。
  • ベルクソン思想の現在
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    主要4著作を読み解く白熱の徹底討議!まったく新しいベルクソン入門誕生 主要4著作を読み解く白熱の徹底討議!まったく新しいベルクソン入門誕生。 生の思考を独自のかたちでヴィヴィッドに展開した哲学者アンリ・ベルクソン。2022年はベルクソン研究書が次々に刊行された画期となる一年だった。この著者たちが集った連続トークイベントをもとに、大幅に増補されここに甦る。 『時間と自由』『物質と記憶』『創造的進化』『道徳と宗教の二源泉』、ベルクソンの主要4著作を徹底的に読み解いていく。著者全員が参加した座談会「これからのベルクソンをめぐって」も収録。 【目次】 はじめに(平井靖史) 序章 ベルクソンに出会う 第1章 『時間と自由』 檜垣立哉×藤田尚志 第2章 『物質と記憶』 檜垣立哉×平井靖史 第3章 『創造的進化』 藤田尚志×米田翼 第4章 『道徳と宗教の二源泉』 平賀裕貴×藤田尚志 第5章 これからのベルクソンをめぐって 檜垣立哉×平井靖史×平賀裕貴×藤田尚志×米田翼 付録 ブックガイド おわりに(藤田尚志) 【著者】 檜垣立哉 1964年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授。博士(文学)。主な著書に『ベルクソンの哲学 生成する実在の肯定』『バロックの哲学 反- 理性の星座たち』『西田幾多郎の生命哲学』『近代日本思想論 技術・自然・生命』ほか。主な訳書に『ベルクソニズム』(共訳)ほか。 平井靖史 1971年生まれ。東京都立大学哲学科・同大学院博士課程満期退学。福岡大学人文学部教授。専門は近現代哲学、時間と心の哲学、記憶の形而上学。PBJ(Project Bergson in Japan)代表。著書に『世界は時間でできている ベルクソン時間哲学入門』(青土社、2022年)。編著にBergson's Scientific Metaphysics(Bloomsbury, 2023)。共編著に『ベルクソン『物質と記憶』を再起動する 拡張ベルクソン 主義の諸展望』(書肆心水、2018年)ほか。 平賀裕貴 1983年生まれ。専門はフランス文学・哲学。エラスムス・ムンドゥス・プログラム(ユーロフィロソフィー)によりトゥールーズ第二大学大学院に留学。同大学大学院修士課程修了。立教大学大学院博士課程修了。博士(文学)。現在、立教大学兼任講師。著書に『アンリ・ベルクソンの神秘主義』(論創社、2022年)、共訳書にアンリ・ベルクソン『笑い』(ちくま学芸文庫、2016年)がある。 藤田尚志 1973年生まれ。九州産業大学教授。Ph.D(哲学)。専門は哲学、フランス近現代思想。著書に『ベルクソン 反時代的哲学』(勁草書房、2022年)、共編著に『ベルクソン『物質と記憶』を解剖する』(2016年)、『ベルクソン『物質と記憶』を診断する』(2017年)、『ベルクソン『物質と記憶』を再起動する』(2018年)(いずれも書肆心水)、共著にMécanique et mystique(Olms, 2018)ほか。訳書にアンリ・ベルクソン『時間観念の歴史』(共訳、書肆心水、2019年)ほか。 米田翼 1988年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科にて博士号を取得(人間科学)。現在、大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター助教。専門はベルクソンを中心とするフランス哲学、19-20 世紀の英・独・仏の生物学の歴史・哲学。著書に『生ける物質 アンリ・ベルクソンと生命個体化の思想』(青土社、2022年)。主な論文に「個体化の哲学における生殖の問題——ヴァイスマン、ベルクソン、シモンドン」『思想』第1141 号(2019年)、共訳書にジルベール・シモンドン『個体化の哲学』など。
  • 永遠の家
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    推理小説?シリアス?ユーモア? 虚構に潜む陰の真実。独特の語り口が読むものを霧の彼方へと誘いこむ。 芸術の破壊と再創造をめざすスペイン文学の奇才が綴る〈虚空への新たな跳躍〉を試みる腹話術師の悲しくも可笑しい幻想的連作短編集。 【目次】 ぼくには敵がいた 別の怪物 お払い箱 底流 古い連れ合い ぼくが願っている死に方 カルメン 展望台の塔 お話の効果 師のもとを訪れる 下着のままの逃走 永遠の家 解説 【著者】 エンリーケ・ビラ=マタス 1948年バルセロナ生まれ。1985年『ポータブル文学小史』がヨーロッパ諸国で翻訳され、2000年『バートルビーと仲間たち』、次いで2003年『パリに終わりはこない』で世界的に評価される。 木村榮一 1943 年、大阪市生まれ。神戸市外国語大学名誉教授。著書に『ラテンアメリカ十大小説』ほか、訳書にバルガス= リョサ『緑の家』、コルタサル『遊戯の終わり』、リャマサーレス『黄色い雨』ほか。 野村竜仁 1967 年、群馬県生まれ。現在、神戸市外国語大学イスパニア学科教授。おもな訳書に、ビオイ=カサーレス『 パウリーナの思い出に』(共訳)、セルバンテス『戯曲集』(共訳)がある。
  • 書評七福神が選ぶ、絶対読み逃せない翻訳ミステリベスト2011-2020
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    翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人によるミステリ好きのための書評本。 書評七福神編著  (川出正樹 北上次郎 酒井貞道 霜月蒼 杉江松恋 千街晶之 吉野仁) おれたちはこの翻訳ミステリーが好きなんだ! 翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人によるミステリ好きのための書評本。この本を読めばミステリがもっと好きになる!? 読んでも読んでも読み切れない! 七福神各位の気持ちを勝手に代弁するとそんなことになるのではないかと思う。本当におもしろい作品ばかり出るんだもの。(あとがきより) スティーヴン・キング、ピエール・ルメートル、ジョー・ネスボ 等520作品収載‼ 【目次】 まえがき 2011年 COLUMN・十一月は変化球の月 霜月蒼 2012年 10年間のベスト 川出正樹 2013年 COLUMN・人工的本格ミステリの復権 千街晶之 私のベスト10 北上次郎 2014年 COLUMN・仏はヘンに宿る 吉野仁 十年間の印象鮮烈な作品5選 酒井貞道 2015年 怒り、暴力、そしてその他の悪いこと 霜月蒼 2016年 COLUMN・世界を知り、人生を選択する少年少女 川出正樹 「今月の一冊」からベスト10を選ぶと 杉江松恋 2017年 COLUMN・選択の基準について 北上次郎 十年間のベスト 千街晶之 2018年 COLUMN・翻訳ミステリー大賞 杉江松恋 見逃された10年間のベスト 吉野仁 2019年 COLUMN・翻訳ミステリー大賞シンジケート 杉江松恋 2020年 COLUMN・翻訳と演奏と 酒井貞道 あとがき 執筆者プロフィール&ひとこと 訳者名さくいん 著者名さくいん 書名さくいん 【著者】 書評七福神 書評七福神
  • ファットガールをめぐる13の物語
    3.6
    人が自分の体を生きることの居心地のわるさを描き出した、注目の作家モナ・アワドのデビュー作。 宇宙はわたしたちに冷たい。理由はわかっている。 インディーズ音楽とファッションをこよなく愛す主人公のエリザベス。特別な人生は望んでおらず、ただ普通にしあわせになりたいだけ。けれど高校でも大学でも、バイトをしても派遣社員となっても、結婚しても離婚しても、太っていても痩せていても、体のサイズへの意識が途絶えることはない。自分と同じ失敗をさせまいとする母親、友だちのメル、音楽を介してつながったトム、職場の女性たち……。彼らとの関係のなかで、傷つけ、傷つけられ、他者と自分を愛する方法を探してもがく。 【目次】 宇宙にさからう時 最大のファン 全身写真 そんなことなら わたしの嫌いなあの子 それって欲張り 母にとってのセクシーな人 Fit4U あの子はなんでもしてくれる フォン・ファステンバーグとわたし カリビアン・セラピー アディション・エル 海のむこう 謝辞 訳者解説 【著者】 モナ・アワド 1978年カナダのモントリオール生まれ、ボストン在住。ブラウン大学、エディンバラ大学、デンヴァー大学で創作と英文学を学ぶ。現在はシラキューズ大学で創作を教えている。デビュー作品集『ファットガールをめぐる13の物語』に続くポップでキュートな怪作Bunny(2019年、未邦訳)は、The Ladies of Horror Fictionベスト作品賞受賞。2021年8月に第3作All's Well が刊行予定。 加藤有佳織 慶應義塾大学文学部准教授。アメリカやカナダの文学、世界各地のカッパ(的な存在)に関心がある。共著に『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(書肆侃侃房、2020年)、翻訳にトミー・オレンジ『ゼアゼア』(五月書房新社、2020年)。 日野原慶 大東文化大学にてアメリカ文学を教えている。「身体」「自然」「環境」「廃棄」「排泄」などに関心があり、それらにつながる現代のアメリカ小説や、ノンフィクション作品(とくに自然や環境をテーマにしたネイチャーライティングや、病や体をテーマにしたエッセイなど)を研究している。共著に『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(書肆侃侃房、2020年)。
  • 花と夜盗
    NEW
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    1巻1,980円 (税込)
    英娘鏖 はなさいてみのらぬむすめみなごろし 現世(うつしよ)のカオスにひそむ言葉の華麗な万華鏡(ミクロコスモス) ────谷川俊太郎 『いつかたこぶねになる日』などエッセイでも活躍する俳人・小津夜景。 田中裕明賞を受賞した『フラワーズ・カンフー』に続く6年ぶりの第二句集。 【収録句より】 漣が笑ふいそぎんちやくの朝 蟬生(あ)れて死んで愛してゐた時間 莨火(たばこび)を消して裸足の身を焦がす 香水のちがふ白河夜船かな パピルスや死後千年の音階図 君の瞳(め)を泳ぐおらんだししがしら かささぎのこぼす涙をおつまみに 露実るメガロポリスよ胸も髪も 逃げ去りし夜ほど匂ふ水はなく 後朝のキリマンジャロの深さかな 【目次】 一 四季の卵 春はまぼろし 駒鳥の隣人 ルネ・マグリット式 カフェとワイン ポータブルな休日 狂風忍者伝 冬の落書き 花と夜盗 胸にフォークを 二 昔日の庭 陳商に贈る 貝殻集 今はなき少年のための AQUA ALLEGORIA 研ぎし日のまま サンチョ・パンサの枯野道 三 言葉と渚 水をわたる夜 夢擬的月花的(ゆめもどきてきつきはなてき) 白百合の船出 【著者】 小津夜景 1973年北海道生まれ。2013年「出アバラヤ記」で第2回攝津幸彦賞準賞、2017年句集『フラワーズ・カンフー』で第8回田中裕明賞を受賞。その他、著作に漢詩翻訳つきの随筆集『カモメの日の読書』『いつかたこぶねになる日』、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者・須藤岳史との共著『なしのたわむれ 古典と古楽をめぐる手紙』などがある。
  • そこまでして覚えるようなコトバだっただろうか?
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    1巻1,980円 (税込)
    ────コトバとも分かり合えない著者真骨頂の四篇 たった一音が発音できずに自国から疎外された〝クィ〟が望む真の「故郷」 サッカーからヒトの起源にまで自国をとび出し還っていく「イベリア半島に生息する生物」 ひらがな、カタカナ、漢字……アトラクションさながら文字を乗り越えていく「あカ佐タな」 〝お金を払ってまで覚えないといけないようなモノだっただろうか?〟著者デビュー作「廃車」「LIFE」に登場した猫木豊が子の国語習得の前で立ちつくす「王国の行方――二代目の手腕」 【目次】 故郷 イベリア半島に生息する生物 あカ佐タな 王国の行方──二代目の手腕 【著者】 松波太郎 1982年三重県生まれ。文學界新人賞、野間文芸新人賞受賞。著書に『よもぎ学園高等学校蹴球部』、『LIFE』、『ホモサピエンスの瞬間』、『月刊「小説」』、『自由小説集』、『本を気持ちよく読めるからだになるための本』、近著に『カルチャーセンター』。
  • 逸脱のフランス文学史
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    1巻1,980円 (税込)
    『聖アレクシス伝』『狐物語』からパトリック・モディアノ、アニー・エルノーまで。新たな角度から提示される、わくわくするフランス文学講義! レーモン・クノーやジョルジュ・ペレックらによる前衛的な実験文学集団「ウリポ」。 言語に秘められた潜在的可能性を追求した彼らの営為を研究してきた著者が、「ウリポ」の視点からフランス文学史を新たに捉え直す。古典から現代作品まで25の名作でたどるフランス文学案内。 「私がウリポの作家たちを身近に感じるのは、彼らが深刻さを拒んでいるからです。この深刻さというやつは、フランス文学の風土のいたるところで感じられるもので、ちょっとは自分を皮肉る必要がありそうなときでも消えはしません」(イタロ・カルヴィーノ) 【目次】 【紹介される作品】 フランソワ・ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエルの物語』 ジャン=ジャック・ルソー『告白』 ドニ・ディドロ『運命論者ジャックとその主人』 スタンダール『パルムの僧院』 オノレ・ド・バルザック『従兄ポンス』 シャルル・ボードレール『悪の華』 ギュスターヴ・フロベール『感情教育』 ギュスローヴ・フロベール『ブヴァールとペキュシェ』 ジュール・ヴェルヌ『神秘の島』 レーモン・ルーセル『ロクス・ソルス』 アンドレ・ジッド『贋金つかい』 マルセル・プルースト『失われた時を求めて』 アニー・エルノー『戸外の日記』 ほか 【著者】 塩塚秀一郎 1970年、福岡県北九州市生まれ。専門は近現代フランス文学。 東京大学教養学部(フランスの文化と社会)卒業。同大学院人文 科学研究科修士課程(仏語仏文学専攻)修了。パリ第3大学博士 (文学)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書に 『ジョルジュ・ペレック 制約と実存』『レーモン・クノー 〈与太郎〉的叡智』、訳書にジョルジュ・ペレック『さまざまな空間』『煙滅』、レーモン・クノー『あなたまかせのお話』『リモンの子供たち』(日仏翻訳文学賞受賞)などがある。
  • カメラは光ることをやめて触った
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    1巻1,980円 (税込)
    我妻俊樹の短歌を初めて集成する待望の第一歌集。 夏の井戸(それから彼と彼女にはしあわせな日はあまりなかった) 我妻俊樹の短歌を初めて集成する待望の第一歌集。 誌上歌集「足の踏み場、象の墓場」から現在までの歌を含んだ唯一無二の686首。 電子版にはおまけの栞は付属致しませんので、ご了承下さい。 【目次】 Ⅰ カメラは光ることをやめて触った 喫煙する顔たち 偶然はあれから善悪をおぼえた 窓をみせる穴 どちらも蜘蛛の巣の瞳 花瓶からきこえてくる朗読 学園への執着 その緑地 カメラは光ることをやめて触った サマーグリーン 星に見えない何か 猛獣 ポップアップ殺し ストロボ・ストロンボリ 小鳥が読む文章 想像 水中を去れ、空中が受けとめる 夜の二十四時間 飴玉がとけるという通信 ビター・キャンディ・オークション 愛唱性 Ⅱ 足の踏み場、象の墓場 きみが照らされる野草 貝殻と空き家 窓を叱れ 大きなテレビの中の湖 美談 完璧な野宿 よろめきとして 光る旅 ある県立 煙る脚 皮膚 森へ映ろう 午前2時に似ている 神社+神社 いらない炎を顔につけて 【栞】 瀬戸夏子「それなのにまばたきの」 平岡直子「わたしはみることをやめてみられた」 【著者】 我妻俊樹 1968年神奈川県生まれ。2002年頃より短歌をはじめる。2003年から4年連続で歌葉新人賞候補。2008年、同人誌「風通し」に参加。平岡直子とネットプリント「ウマとヒマワリ」を不定期発行。2016年、同人誌「率」10号誌上歌集として「足の踏み場、象の墓場」発表。2005年に「歌舞伎」で第3回ビーケーワン怪談大賞を受賞し、怪談作家としても活動する。
  • 愛しいあなた
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    1巻1,980円 (税込)
    『父の初七日』監督脚本のエッセイ・リウ。映画の原作エッセイがベストセラーとなった著者の初短編小説集。 何を書くか、どうコラージュするのか、その細かな取捨選択に宿る煌めき。 読みながら、自分が出会ってきたあらゆる愛しい人を思い浮かべたけれど、読み終える頃にはこの小説が、愛しいあなたになっていた。――金原ひとみ(小説家) 子供が欲しい。でもそれってホルモンのせい? でも、過ぎてしまえばそれでいいなんて私は思わない…「愛しいあなた」。私は年上の人しか好きになれないんです。父の秘密と私の恋…「失明」。台湾の現代女性の愛と痛みを衝動的に描いた短編小説集10編。 【目次】 愛しいあなた プレゼント ものにできない マシューとクレア わたしたち 失明 レーシック 日めくりカレンダー 上海・新・桃花源記 記憶喪失と失踪 著者あとがき 訳者あとがき 【著者】 劉梓潔 1980年、台湾・彰化県生まれ。小説家、脚本家、台湾・逢甲大学人文社会学院専任教授。国立台湾師範大学社会教育学系卒業。著作に長編小説『希望你也在這裡』、『外面的世界』、『真的』、短編小説集『自由遊戯』、『遇見』、エッセイ集『化城』、『父後七日』など。映像作品に台湾映画『痴情男子漢』(脚本)、『父後七日』(監督・脚本)、台湾ドラマ『滾石愛情故事』(脚本)、『徴婚啓事』(脚本)など。受賞歴に金馬奨最佳改編劇本賞、台北電影節最佳編劇賞、林栄三文学賞、聯合文学小説新人賞など多数。 明田川聡士 1981年、千葉県生まれ。獨協大学国際教養学部専任講師。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は台湾文学・台湾映画。著書に『戦後台湾の文学と歴史、社会』、『越境する中国文学』(共著)、『台湾研究新視界』(共著)など。翻訳に黄崇凱『冥王星より遠いところ』、李喬『藍彩霞の春』、李喬『曠野にひとり』(共訳)など。
  • 冥王星より遠いところ
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    1巻1,980円 (税込)
    文学キャンプ出身の「七年級」作家・黄崇凱。台湾における尊厳死問題を示唆した長編デビュー作。 どんなに大切な時間も、やがて忘れ去られてしまう—— この小説の語り手はその運命に本気で抗おうとする。「惑星X」の存在を信じ続けた天文学者と同じ、狂気と紙一重の切実さで。 モザイクのように繫がる過去と未来、現実と虚構が、日本を越え、アメリカも越えて、遠く太陽系の果てに新しい地平をつくる。――滝口悠生(小説家) 文学キャンプ出身の「七年級」作家・黄崇凱、日本で初めての単行本。台湾における尊厳死問題を示唆した長編デビュー作。 【目次】 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 遠いニッポン 黄崇凱 訳者あとがき 【著者】 黄崇凱 1981年、台湾・嘉義市生まれ。小説家。国立台湾大学歴史学系卒業、同大学歴史学研究所修了。著作に長編小説『新宝島』(2021年)、『黄色小説』(2014年)、『壊掉的人』(2012年)、短編小説集『文芸春秋』(2017年)、『靴子腿』(2009年)など。短編小説「水豚」(邦題:カピバラを盗む)は文学ムック『たべるのがおそい vol.3』(2017年)に掲載。受賞歴に金鼎賞(2018年)、呉濁流文学賞(2018年)など多数。 明田川聡士 1981年、千葉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。獨協大学国際教養学部専任講師。専攻は台湾文学。著書に『戦後台湾の文学と歴史、社会』(単著、関西学院大学出版会、2021年近刊)、『越境する中国文学』(共著、東方書店、2018年)、『台湾研究新視界』(共著、台北・麦田出版、2012年)、翻訳に李喬『藍彩霞の春』(単訳、未知谷、2018年)、李喬『曠野にひとり』(共訳、研文出版、2014年)など。
  • まぶしい便り
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    悲しみのトンネルの先にあふれる明るい光のように 長い時間を経て届いた切ない和解の挨拶 「遠い国や長い歴史を超えて、封印していた恋の秘密が解き明かされるとき、私たちはきっと前よりも少し成長している。」――島本理生(小説家) 美しい文章とあたたかなまなざしで描くペク・スリンの初長編にして最高傑作 派遣看護師としてドイツに渡っていた伯母を頼り、母と幼い妹とともに西ドイツに移り住んだヘミ。悲劇的な事故により心に傷を負ったまま、孤独な日々を過ごすヘミだったが、伯母と同じ派遣看護師のおばさんたちの子どもであるレナ、ハンスと過ごすうち、徐々に日常を取り戻していく。ある日ハンスから、再発の可能性がある大病を抱える母親・ソンジャの初恋の相手を探してほしいと頼まれる。ソンジャおばさんの日記を手がかりに捜索を始めたヘミだったが、急遽家族で帰国することに。 大人になったヘミは、ある日、大学時代にほのかな恋愛感情を抱いていたウジェと偶然再会する。彼との会話をきっかけに、ヘミは再び、ソンジャおばさんの初恋の相手探しを再開する。 【目次】 まぶしい便り 参考文献 著者あとがき 訳者あとがき 【著者】 ペク・スリン 短編小説「嘘の練習」(2011年京郷新聞新春文藝)でデビュー。2015年、2017年、2019年若い作家賞、2018年文知文学賞、李海朝文学賞、2020年現代文学賞、韓国日報文学賞。著書に短編集『惨憺たる光』『夏のヴィラ』(書肆侃侃房刊)『フォーリング・イン・ポール』、掌編小説『今夜は消えないで』、中編小説『親愛なる、親愛なる』、エッセー『やさしい毎日毎日』『とても久しぶりに幸せだという感じ』、近刊に『春の夜のすべて』などがある。 カン・バンファ 岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学法律学科、梨花女子大学通訳翻訳大学院卒、高麗大学文芸創作科博士課程修了。梨花女子大学通訳翻訳大学院、韓国文学翻訳院翻訳アカデミー、同院アトリエなどで教える。韓国文学翻訳院翻訳新人賞受賞。和訳書にペク・スリン『惨憺たる光』『夏のヴィラ』、チョン・ユジョン『七年の夜』『種の起源』、キム・チョヨプ『地球の果ての温室で』『派遣者たち』『惑星語書店』など。児童書の韓訳も手掛ける。著書に『일본어 번역 스킬(日本語翻訳スキル)』(共著)。
  • 空と風と星と詩 尹東柱日韓対訳選詩集
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    1巻2,090円 (税込)
    2025年2月16日没後80年 彼の詩を読みながら、ゆかりの地をたどり、彼の歩いた地と彼の心を感じてほしい。 空を仰ぎ、星をかぞえ、 時代の朝を待った尹東柱(1917−1945) 自選の19篇を中心にした日韓対訳選詩集 韓国で最も愛される澄明な詩群 詩人の生涯を詩と写真でたどる旅 日本語と韓国語の詩をそれぞれ収載 【目次】 はじめに 2023 シンガポール 体感と独断による正直現地情報 シンガポール絵日記 2023 インド 体感と独断による正直現地情報 インド絵日記 2024 ウズベキスタン+日帰りタジキスタン 体感と独断による正直現地情報 ウズベキスタン、日帰りタジキスタン絵日記 2024 内モンゴル 体感と独断による正直現地情報 内モンゴル絵日記 2025 ふたたびのインド 南インド絵日記 あとがき 【著者】 尹東柱 1917年12月30日、旧満洲の北間島(現・中国延辺朝鮮族自治州)生まれ。1941年ソウルの延禧専門学校(現・延世大学校)を卒業。1942年日本に留学。東京の立教大学を経て、京都の同志社大学在学中の1943年に治安維持法違反(独立運動)の容疑で捕えられ、懲役2年を宣告される。福岡刑務所に収監され1945年2月16日に獄死した。1948年遺族と友人たちにより、尹東柱が遺した詩集『空と風と星と詩』が出版された。 伊吹郷 1940年生まれ。1984年『尹東柱全詩集 空と風と星と詩』(記録社/影書房)翻訳出版。1990年李陸史詩文集『青ぶどう』、1991年宋友恵著『尹東柱評伝』の抄訳版『尹東柱 青春の詩人』を筑摩書房より出版。 尹仁石 1956年生まれ。成均館大学校名誉教授。尹東柱の甥。尹一柱の長男。遺族代表として、長年にわたり保管していた尹東柱の遺稿・遺品を、2013年に尹東柱の母校・延禧専門学校(現・延世大学校)に寄贈。『写真版尹東柱自筆詩稿全集』(民音社、1999年)、『空と風と星と詩―原本対照尹東柱全集―』(延世大学校出版部、2004年)の編集に参与。
  • LPの森/道化師からの伝言 石田柊馬作品集
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    1巻2,090円 (税込)
    瀬戸夏子さん推薦! 「どうしようもなくかっこいいのに、そんなことを言ったら嫌われてしまいそうだ。含羞のダンディズムに導かれてわたしたちは現代川柳の真髄を知ることになる」 川柳性を徹底的に突き詰め、「妖精は酢豚に似ている絶対似ている」などの作品でも知られる現代川柳の先駆者・石田柊馬(1941~2023)。没後2年目に出版となる、晩年の作品と「道化師からの伝言」「世紀末の水餃子」ほか代表的な評論を収載した作品集。 【収録句より】 高齢者と呼ばれナスカの地上絵よ 少年もコンビニも美しい突起 キャラクターだから支流も本流も その森にLP廻っておりますか こうなればじゅごんじゅごんと呼ばせてやる 【目次】 【目次】 第一部 川柳句集 Ⅰ ナスカの地上絵 Ⅱ LPの森 Ⅲ 井上上等兵の150年 第二部 川柳評論 道化師からの伝言 松本芳味ノート 川柳味の変転 世紀末の水餃子 詩性川柳の実質 冨二考 あとがき 【著者】 石田柊馬 本名・石田宏。京都市生まれ。十代の後半で川柳と遭遇。「平安川柳社」入会。「川柳ジャーナル」終刊時の編集者。「川柳サーカス」「コン・ティキ」を経て「バックストローク」「川柳カード」「川柳スパイラル」の同人として現代川柳の第一線で活動をつづけた。句集にセレクション柳人2『石田柊馬集』、『ポテトサラダ』。共著『現代川柳の精鋭たち』『セレクション柳論』『はじめまして現代川柳』。 小池正博 1954年生まれ。「川柳スパイラル」編集発行人。日本連句協会副会長。句集『水牛の余波』(邑書林)『転校生は蟻まみれ』(編集工房ノア)『海亀のテント』(書肆侃侃房)。評論集『蕩尽の文芸 川柳と連句』(まろうど社)。編著『はじめまして現代川柳』(書肆侃侃房)。
  • 水脈を聴く男
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    井戸で発見された溺死体のお腹から取り出された胎児。彼には大地の「水脈を聴く」能力が宿っていた──。 ひどい頭痛に悩まされるマリアムは井戸の深淵からの「おいで、おいで」という囁きに導かれ、ついには溺死体として発見される。しかし、その体には胎児が宿っていた。無事(サーレム)に救われたことでサーレムと名付けられた息子は、耳を澄ませると地中を流れる水の音が聴こえるようになる。その噂はあっという間に広がり、避けられ孤立するようになるが、水源を探し当て村を襲った干ばつから救うことで必要とされるようになる。その評判は遠方まで轟き、15歳の少年は「水追い師」として各地で引く手あまたになるのだが──。 アラビア半島に位置し、雨のほとんど降らない小国オマーン。地下水路(ファラジュ)による独自の灌漑システムは、峻険な岩山や荒涼とした砂漠の地を潤してきた。『バグダードのフランケンシュタイン』などが過去に受賞したアラビア語圏最高の文学賞「アラブ小説国際賞」に輝いた、水をめぐる傑作長編。 「気候変動や水資源の枯渇が世界的な課題となっている今日、この小説が描く「水に囚われる人間の姿」は、過去の物語ではなく、今まさに現代社会が直面する現実の縮図として読み解くことができる」(本書解説より) 【目次】 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 第八章 第九章 第十章 第十一章 エピローグ 解説 訳者あとがき 【著者】 ザフラーン・アルカースィミー(Zahran Alqasmi) 1974年オマーン生まれの小説家・詩人。これまでに4冊の小説と10冊の詩集を刊行している。4作目となる『水脈を聴く男』(2022年)が、2023年度のアラブ小説国際賞(International Prize for Arabic Fiction)を受賞し、一躍注目を集める。 ⼭本薫 慶應義塾⼤学総合政策学部准教授。東京外国語⼤学外国語学部アラビア語学科卒業、東京外国語⼤学博⼠(⽂学)。専⾨はアラブ⽂学。訳書にエミール・ハビービー『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』(作品社、2006年)、アダニーヤ・シブリー『とるに⾜りない細部』(河出書房新社、2024年)など。 マイサラ・アフィーフィー(Maisara Afifi) エジプト出⾝。カイロ⼤学卒業後、1996年に来⽇。通訳者として働きながら、平野啓⼀郎『⽇蝕』、村上春樹『騎⼠団⻑殺し』ほか、森鴎外、太宰治、三島由紀夫らの⽇本語⼩説をこれまでに約20冊、アラビア語に翻訳している。
  • 往信
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    1巻2,090円 (税込)
    朗読をかさねやがては天国の話し言葉に到るのだろう ぼくの街、森、湖辺(うみべ)から きみの駅、埠頭、観覧車へと 連絡橋を渡っていく切手たち。そして鳩。 ──────飛浩隆 【収録歌より】 はるのゆめはきみのさめないゆめだからかなうまでぼくもとなりでねむる いちめんに銀杏つぶれラブコメの最後はかならずラブが勝つこと 関係を名づければもうぼくたちの手からこぼれてゆく鳳仙花 にしんそばと思った幟はうどん・そば 失われたにしんそばを求めて 香港の十分おきに雨が降る映画のなかの雨の香港 【栞】 川野芽生「過誤に殉じて」 榊原紘「あこがれ」 平岡直子「風穴」 【目次】 湖辺で 春睡綺譚 良い旅を あのひとに ラブ・コメディ そのあとの 夏の日記 ベリー・サマー 走る セオリー パーリデイ pro(f|c)essor 到達 rain radar 往信 探偵と天使 草津、湯畑のそば 具象と灯籠 まちあるき たばかり 橋と水/ペテルブルク 早春賦 百年前 【著者】 佐々木朔 1992年生まれ。神奈川県横浜市出身。早稲田短歌会を経て、現在「羽根と根」同人。
  • 大江満雄セレクション
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    1巻2,090円 (税込)
    ぼくらを感激さすものは ぼくら自身がつくらねばならぬ (「雪の中で」より) ハンセン病療養所の入所者による合同詩集『いのちの芽』を編んだ詩人大江満雄の代表的な仕事を精選した作品集。 プロレタリア詩運動の中心で活躍した後、戦争詩の時代を経て、戦後の激動期を生き抜いた大江満雄。常に混交のなかに身を置き、社会の片隅で生きる人たちへのあたたかいまなざしにあふれた作品群を残した。単行本初収録作品を含む詩63篇と散文8篇を収録する。 「大江満雄は、多様で異質な人たちが、どうすれば互いに理解し合うことができるかを探究した詩人だ。他者との相互理解に至るために、独自の詩の世界を切り拓き、新たな対話思想を展開した。その詩学の輝きは、現在も魅力を失っていない」(編者解説より) 【目次】 詩(「日本海流」「四万十川」「四方海」「癩者の憲章」ほか63篇) 散文(「詩の絶壁」「ライ文学の新生面」「日本思想への転向者フェレイラ」ほか8篇) 編者解説 編者あとがき 大江満雄年譜 【著者】 大江満雄 1906年高知県生まれ。詩人。10代で父とともに上京。原宿同胞教会にて受洗。詩を書き始める。プロレタリア文学運動の中心で活躍。そのため治安維持法違反で検挙、転向。以後、戦争詩を書く。戦後はヒューマニズムを基調とする思想的抒情詩を多数発表した。詩集に『血の花が開くとき』(1928年)、『日本海流』(1943年)、『海峡』(1954年)ほか。その他、ハンセン病療養所入所者の合同詩集『いのちの芽』編集、解説。多くの評論、児童文学の作品ものこした。1991 年心不全により死去。享年85。 木村哲也 1971年生まれ。国立ハンセン病資料館学芸員。2023年に企画展「ハンセン病文学の新生面 「いのちの芽」の詩人たち」担当。『詩集 いのちの芽』(岩波文庫、2024年)解説を執筆。著書に『『忘れられた日本人』の舞台を旅する──宮本常一の軌跡』(河出文庫、2024年)、『来者の群像──大江満雄とハンセン病療養所の詩人たち』(編集室水平線、2017年)、編著に『内にある声と遠い声──鶴見俊輔ハンセン病論集』(青土社、2024年)など。
  • たやすみなさい
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    1巻2,090円 (税込)
    第一歌集『サイレンと犀』につづく5年ぶりの第二歌集 カバーイラスト:安福 望 自分が見落としていた記憶を 連れて来てくれる とてもやさしく 体験を(こんなに簡単に) 捏造してくれる とてもあたたかく 大嗣くん あの時間を 丸ごと カプセルに閉じ込めたような言葉達は それぞれの経験が誰のものにもなり得る そんな可能性(未来)を 示唆しているかも知れないよ 国府達矢(ミュージシャン) 21世紀前半のなにげない日常に潜む、 こわれやすい奇跡を、琥珀の中に永遠に 閉じ込めてしまうような作品の数々。 ポップスのように、映画のように。 短歌って今もこんなに アクチュアルなものだったのか。 七尾旅人(シンガーソングライター) 【著者選】 写メでしか見てないけれどきみの犬はきみを残して死なないでほしい 返信はしなくていいからアメリカっぽいドーナツでも食べて元気だして もう一軒寄りたい本屋さんがあってちょっと歩くんやけどいいかな ゆぶね、って名前の柴を飼っていたお風呂屋さんとゆぶねさよなら 二回目で気づく仕草のある映画みたいに一回目を生きたいよ 【目次】 文書1 側溝に積もる桜をAmazonが緩衝材にする世界線 いつもは乗らない 大きな過去が左へ進む 海岸線のギターフレット ゆぶねさよなら わたしだけのうるう The Future is Mine Silent Sigh (reprise) 公共へはもう何度も行きましたね わたしの愛 さまざまな音 みえる、みだれる 【著者】 岡野大嗣 1980年、大阪府生まれ。歌人。2014年に第一歌集『サイレンと犀』(書肆侃侃房)。2017年、木下龍也との共著歌集『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』(ナナロク社)。反転フラップ式案内表示機と航空障害灯をこよなく愛する。 Twitter:@kanatsumu
  • ピロスマニ 放浪の画家と百万本の薔薇
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    女優マルガリータとの運命的な出会いと失恋、別れ。失意のうちに世捨て人として孤独に人生を終えたピロスマニの人生が甦る感動のグラフィックノベル。 ピカソが絶賛し、ジョージアでは国民的人気を誇る放浪の画家ピロスマニ。彼がモデルとなった名曲「百万本のバラ」は歌手・加藤登紀子によって日本でも大ヒット、現在も歌い続けられている。 ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使推薦!! ニコ・ピロスマニの絵は一度観ただけで心に届く不思議な力を持っています。愛に人生を捧げたピロスマニは、同時に貧しく世にも儚い生涯を送ることになったのです。この本では、我らが愛する「ニコ」という人物を垣間見ることができます。 【あらすじ】 小さな店を営みながら貧しくも気ままに暮らす画家ニコは、街にやってきたフランス人女優・マルガリータに運命的な恋をする。毎日毎日贈りものを届け、ついには自分の店まで売り払って荷車9台分の赤いバラを贈ろうと思いつく。ジョージアで愛される偉大な画家ニコ・ピロスマニが人生を捧げた、マルガリータへの愛の物語。 【目次】 ピロスマニ 放浪の画家と百万本の薔薇 訳者あとがき 【著者】 ギオルギ・ガメズ ジョージアのアーティスト。漫画家兼イラストレーターとしても活躍。トビリシ国立美術アカデミーを卒業。街角の壁から書籍、雑誌の表紙、印刷物、オンラインメディアなどで活動。 児島康宏 コーカサスの言語の研究者。ジョージア(グルジア)文学・映画の翻訳。福井県あわら市出身。トビリシ在住。
  • 埃だらけのすももを売ればよい ロシア銀の時代の女性詩人たち
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    1巻2,090円 (税込)
    詩集とはある世界観の具現であった 詩集とはある世界観の具現であった ロシア文学におとずれた興隆期「銀の時代」(1890~1920年代)。 ロシアの古書店で著者がたまたま見つけた詩集を手がかりにして、100年前の忘れられた15人の女性詩人たちのことばを一つずつ拾い上げる。 「web侃づめ」の好評連載が書き下ろしを加えて書籍化! 『女の子たちと公的機関』が増刷を重ねる著者による珠玉のエッセイ集。 「鮮烈である。もう埋もれさせはしない。忘れ去られ、あるいは神秘化された女性詩人たちの生き様と詩作を掬い出すかのようなこの本は、そんな祈りにも思える。」━━━━━水上文さん 【登場する詩人】 アンナ・アフマートワ/リジヤ・ジノヴィエワ=アンニバル/ジナイーダ・ギッピウス/チェルビナ・デ・ガブリアック/ソフィア・パルノーク 【目次】 【目次】 まえがき 1 遠い異国を見つめて アデリーナ・アダーリス 2 もっとも忘れられた詩人 マリア・モラフスカヤ 3 戦争と詩を書くこと アンナ・アフマートワ 4 詩は私の祈りである ジナイーダ・ギッピウス 5 二つの魂を生きて チェルビナ・デ・ガブリアック 6 私の身体は私のもの マリア・シカプスカヤ 7 誰も見ぬ涙を詩にして リュボーフィ・コプィローワ 8 風そよぐ音にも世界は宿り エレーナ・グロー 9 「女の言語」を創出せよ ナデージュダ・ブロムレイ 10 昼の太陽と幸福と、そして夜の闇と テフィ 11 すべての詩は啓示となる アデライーダ・ゲルツィク 12 わが歌は私が死んでも朝焼けに響く ガリーナ・ガーリナ 13 テクストの彼岸にいる私 リジヤ・ジノヴィエワ=アンニバル 14 ロシアのサッフォーと呼ばれて ソフィア・パルノーク 15 私は最期のときも詩人である マリーナ・ツヴェターエワ 「銀の時代」主要人物 参考文献 あとがき 【著者】 高柳聡子 1967年福岡県生まれ。ロシア文学者、翻訳者。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。おもにロシア語圏の女性文学とフェミニズム史を研究中。著書に『ロシアの女性誌━━時代を映す女たち』、訳書にイリヤ・チラーキ『集中治療室の手紙』、ローラ・ベロイワン「濃縮闇━━コンデンス」など。2023年にロシアのフェミニスト詩人で反戦活動家のダリア・セレンコ『女の子たちと公的機関 ロシアのフェミニストが目覚めるとき』の翻訳を刊行。
  • カッコの多い手紙
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    《手紙には何度も(カッコ)を使いましたね》 ミュージシャンで、フェミニズムの同志。先行き不明のコロナ禍に交わされたイ・ランとスリークふたりの往復書簡。 猫と暮らすこと、妊娠する身体、憂鬱な心の話を分かち合い、ヴィーガニズムや反トランスジェンダー差別を語り合う。私的なことと社会的なこと、共感と対話のあいだを行き来しながら紡がれる優しくゆたかな言葉たちは、あたらしい距離を測りつづけている。 【目次】 こんなご時勢にお元気ですかと聞くのは失礼でしょうか? もうひとり、名前が2文字のスリークへ 猫と話すことができたなら ジュンイチが不快に思うのが“わたし”だったらどうしよう ジュンイチとランイへ “ヤバい、妊娠した?”って思うのは私ひとりじゃないみたいですね もしも私が妊娠したらどうするかパートナーに聞いてみました ランイみたいな物乞いの子がいるかと思って 廃墟が“夢の家”になるまで アーティスト“イ・ラン”が何かを作る過程 いい音楽って何なのか何を考えるの、ただ作るだけ♫ ある種の痛みは決して忘れられません ゆっくりと確実にくずおれつつあります タトゥーを入れて温泉に行きたいです タトゥーだらけの両腕で温泉に入る方法♨ 健康ではないジュンイチと私がともに生きていく姿を見守ってください 私は今日も勉強しに行きます この文章、次の文章を書けるだろうか オープンにして生きる、隠して生きる スリークとどんなふうに付き合えばいいのかまだ悩んでいます 胃薬そのもの リョンファへ 【著者】 スリーク 京畿道九里市生まれのミュージシャン。本名はキム・リョンファ。アルバムに『COLOSSUS』、『LIFE MINUS F IS LIE』があり、2022年にはシングル『있잖아(あのね)』を発表した。オムニバスや同僚ミュージシャンの作品への参加も多い。2020年にMnetで放送された音楽リアリティショー「グッド・ガール」に“地獄から来たフェミニストラッパー”として登場して話題を集めた。誰も傷つけない歌を作りたいという。元野良猫のットドゥギとインセンイと暮らしている。 イ・ラン ソウル生まれのアーティスト。イ・ランは本名。アルバムに『ヨンヨンスン』『神様ごっこ』『オオカミが現れた』。『悲しくてかっこいい人』(2018、リトルモア)、『アヒル命名会議』(2020、河出書房新社)、『何卒よろしくお願いいたします』(2022、タバブックス)ほか、多くのエッセイ、小説、書簡集が日本語訳されている。音楽、文学、イラスト、映像などマルチに活躍している。元野良猫のジュンイチと暮らしている。 吉良佳奈江 静岡生まれの翻訳家・韓国語講師。翻訳にチョン・ミョングァン「退社」「たべるのがおそい」vol.7(2019、書肆侃侃房)、ソン・アラム『大邱の夜、ソウルの夜』(2022、ころから)、チャン・ガンミョン『きわめて私的な超能力』(2022、早川書房)など。家族と植物と暮らしている。
  • 結晶質
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    1巻2,090円 (税込)
    第4回笹井宏之賞神野紗希賞受賞の著者による第一歌集。 雪山を裂いて列車がゆくようにわたしがわたしの王であること 第4回笹井宏之賞神野紗希賞受賞の著者による第一歌集。 安田さんの歌には、「それでも」言葉を信じて光のほうを向き直す、高潔な魂が震えている。 ──────神野紗希 【目次】 Ⅰ 遠くのことや白さについて Ⅱ 円になる ひるなかの耳 席を立つ 舟を出す weather twig default new moon agnes apologize 水煙草がほしいだけ さくら Ⅲ 花のつるぎを手放しなさい 叫声 きみの土地から 立ちつくしたい 蛍石 箱 瞼 些事 つばさ 火の話 鉱石 【著者】 安田茜 1994年、京都府生まれ。「立命短歌」「京大短歌」「塔」出身。現在は「西瓜」所属。2016年、第6回塔新人賞。2022年、第4回笹井宏之賞神野紗希賞。
  • たましひの薄衣
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    1巻2,090円 (税込)
    満を持して刊行される、菅原百合絵待望の第一歌集。 ほぐれつつ咲く水中花――ゆつくりと死をひらきゆく水の手の見ゆ 人間が荒れ狂う今世紀にこのような美しい歌集が生まれたことをことほぎたい。(水原紫苑) 静謐で深い歌の探求が続けられていたことに胸を打たれる。(野崎歓) 【収録歌より】 ネロ帝の若き晩年を思ふとき孤独とは火の燃えつくす芯 たましひのまとふ薄衣(うすぎぬ)ほの白し天を舞ふときはつかたなびく 水差し(カラフ)より水注(つ)ぐ刹那なだれゆくたましひたちの歓びを見き 一生は長き風葬 夕光(ゆふかげ)を曳きてあかるき樹下帰りきぬ 【目次】 Ⅰ Figures sans figure 声の静寂 L,amante à venir シレーヌの歎息 渡河 水際の窓 想念の湖 Ⅱ Sérénité 記憶の舫 水差し 光を漁る 静かの海 レテ河の舟 Ⅲ 禱るひと 存在の黄昏 Clair de lune Ⅳ 静物画の日々 風の痕跡 夜の沈思 Partir, c,est mourir un peu 青海波 À chacun sa solitude マキャヴェリの孤独 昼のテラス 不在の在 オルフェウスの弦 ナイト・プール 花咲く乙女たち 禁色 あとがき 【著者】 菅原百合絵 1990年生まれ。東京出身。「東京大学本郷短歌会」「パリ短歌クラブ」元会員(現在いずれも解散)。「心の花」会員。パリ・シテ大学(旧パリ第七大学)博士課程修了。専門は18世紀フランス文学。
  • マレー素描集
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    48の掌編のつらなりによって現在のシンガポール社会を巧みに描き出したマレー系作家による短編集。 シンガポールがイギリス領の一部だった19世紀末に総督フランク・スウェッテナムが執筆した『Malay Sketches』。それから100年以上を経た現在、アルフィアン・サアットによって新たに同名の作品が書かれた。イギリス人統治者が支配下にあるマレー人の文化や気質を支配言語である英語を用いて読者に紹介するという『Malay Sketches』の構図を大胆に再利用するかたちで本書は誕生する。 【目次】 改宗 ふれあわない手 三人姉妹 パヤ・レバー 午前五時 村のラジオ 日没後の礼拝のあと 泊まり ゲイラン・セライ 午前六時 ハントゥ・テテクのお話 冷ややかな慰め 犠牲 タンピネス 午前七時 わかりやすいのにして 朝の迎え 浅いフォーカス テロック・ブランガー 午前八時 ポイ捨ての女の子 ハントゥ・クムクムのお話 証拠 タンジョン・パガー 正午 穴 清め 送り出し パシ・パンジャン 午後三時 吠え声 ポンティアナクのお話 床屋 ブキ・バトック 午後五時 誕生日プレゼント 外国語 同窓会 ベドック 午後七時 トヨールのお話 やり直し 引き出し パヤ・レバー 午後八時 重力 夜のシンガポール お客 カンポン・グラム 午後十時 借り物の男の子 プレイバック 兄と弟 カラン 深夜十二時 星の丘 バスの後ろにいる男の子 子ども カキ・ブキ 午前三時 解説 【著者】 アルフィアン・サアット 1977年シンガポール生まれ。ラッフルズ・ジュニアカレッジ在籍時から演劇の創作で注目される。1998年に詩人としてデビューを飾り、1999年には短編集『サヤン、シンガポール』を発表。マレー語と英語での創作活動を続け、シンガポールでは多数の受賞歴を誇る。ほかに詩集『記憶喪失の歴史』『透明な原稿』、戯曲『アジアン・ボーイズ』三部作、『ナディラ』(いずれも未訳)。 藤井光 1980年大阪生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。東京大学文学部教授。主要訳書にS・プラセンシア『紙の民』、H・ブラーシム『死体展覧会』、M・ペンコフ『西欧の東』(以上、白水社)、D・アラルコン『ロスト・シティ・レディオ』、T・オブレヒト『タイガーズ・ワイフ』、A・ドーア『すべての見えない光』(第3回日本翻訳大賞受賞)、R・マカーイ『戦時の音楽』(以上、新潮社)、N・ドルナソ『サブリナ』(早川書房)など。
  • 象の旅
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    ノーベル賞作家サラマーゴが最晩年に遺した、史実に基づく愛と皮肉なユーモアに満ちた傑作。 象は、大勢に拍手され、見物され、あっという間に忘れられるんです。それが人生というものです。 ノーベル賞作家サラマーゴが最晩年に遺した、史実に基づく愛と皮肉なユーモアに満ちた傑作。 【目次】 象の旅 訳者あとがき 【著者】 ジョゼ・サラマーゴ 1922年、ポルトガルの小村アジニャガに生まれる。様々な職業を経てジャーナリストとなり50代半ばで作家に転身。『修道院回想録』(82)、『リカルド・レイスの死の年』(84)、『白の闇』(95)で高い評価を得て、98年にノーベル文学賞を受賞。ほかに『あらゆる名前』(97)、『複製された男』(2002)など。2010年没。 木下眞穂 上智大学ポルトガル語学科卒。ポルトガル語翻訳家。訳書に『ブリーダ』(パウロ・コエーリョ)、『忘却についての一般論』(ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ)、『エルサレム』(ゴンサロ・M・タヴァレス)など。『ガルヴェイアスの犬』(ジョゼ・ルイス・ペイショット)で2019年に第5回日本翻訳大賞を受賞。
  • 路上の陽光
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    チベット文学を牽引する作家ラシャムジャ。代表作「路上の陽光」をふくむ日本オリジナルの短編集。 日本を舞台にした短編「遥かなるサクラジマ」も収録! 10歳の少年が山で父の放牧の手伝いをしながら成長していく姿を描く「西の空のひとつ星」、センチェンジャの横暴におびえる中学校の教室を舞台に気弱な男子ラトゥクが勇気を持つにいたる「川のほとりの一本の木」、村でたった一人の羊飼いとなった15歳の青年が生きとし生けるものの幸せについて考える「最後の羊飼い」など8作品を収める。 ラサは懐の深い町だ。見た目も言語も異なる様々な民族が、あらゆる通りを川の流れのように行き交っている。(本文より) 【目次】 路上の陽光 眠れる川 風に託す 西の空のひとつ星 川のほとりの一本の木 四十男の二十歳の恋 最後の羊飼い 遥かなるサクラジマ 訳者解説 【著者】 ラシャムジャ 1977年、チベットのアムド地方ティカ生まれ。チベット語の小説を雑誌等に発表している。現在30‒40代のチベットの作家の中で最も注目される一人である。 星泉 1967年千葉県生まれ。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・教授。チベット語研究のかたわら、チベットの文学や映画の紹介活動を行っている。訳書にラシャムジャ『雪を待つ』、ツェワン・イシェ・ペンバ『白い鶴よ、翼を貸しておくれ』、共訳書にトンドゥプジャ『ここにも躍動する生きた心臓がある』、ペマ・ツェテン『ティメー・クンデンを探して』、タクブンジャ『ハバ犬を育てる話』、ツェラン・トンドゥプ『黒狐の谷』がある。『チベット文学と映画制作の現在 SERNYA』編集長。
  • 雨に打たれて アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ作品集
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    アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ作品集 1930年代、ナチスに迎合する富豪の両親に反発し、同性の恋人と共に中近東を旅したスイス人作家がいた。 同じように世界に居場所を失い、中近東に流れ着いた人々がいた。 旅先で出会った人々を繊細な筆致で描いた、さすらう魂の吹き溜まりのような短編集。 シュヴァルツェンバッハは冷徹な観察者の眼差しと簡潔な文体で、オリエントの国々を彷徨う異邦人の荒涼とした自由、追放者の勲章としての孤独、そして過酷な運命を優美に描いてみせる。───山崎まどか 【目次】 約束の地 移民 輝かしきヨーロッパ 雨に打たれて 別れ ベニ・ザイナブ 帰郷を目前にして 耐えに耐え…… 伝道 三日連続の徹夜酒 悩みは五十歩百歩 ヴァンの婚約 告知 女ひとり 訳者解説 【著者】 アンネマリー・シュヴァルツェンバッハ 1908年スイスのチューリッヒ生まれ。作家、ジャーナリスト、写真家。大学では歴史学を専攻し、23歳で博士号を取得。レズビアンだったが、27歳のとき、同性愛者のフランス人外交官の男性と結婚。ナチから逃れるようにして中近東を旅し、帰国後創作活動に入るが、薬物依存症に陥る。1939年、ふたたび中近東への自動車旅行を試みるが、その途上、第二次世界大戦が勃発し、帰国。1942年不慮の自転車事故で34年の生涯を閉じる。 酒寄進一 ドイツ文学翻訳家、和光大学教授。主な訳書に、2012年第9回本屋大賞翻訳小説部門第1位のフォン・シーラッハ『犯罪』、2021年日本子どもの本研究会第5回作品賞特別賞受賞のコルドン「ベルリン三部作」、ヘッセ『デーミアン』、ブレヒト『アルトゥロ・ウイの興隆/コーカサスの白墨の輪』、ケストナー『終戦日記一九四五』、ノイハウス『母の日に死んだ』、コルドン『ベルリン1919 赤い水兵』、ザルテン『バンビ 森に生きる』などがある。
  • 青き時雨のなかを
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    1巻2,090円 (税込)
    絶句形式のうた、四行詩は歯切れよく スタッカートのようにリズミカルで、鋭い 【収録歌より】 今宵ある 頭痛は青き夕ぞらの しらしらとして 鷺より尖る 眼前の エスカレーターは止まりいて 恐竜の骨 光る夜の底 核のなき 世界をめざすという誓い さらなる兵器を 引き寄せながら グローバル経済は死す という声す 否つかのまの 燦たる眠り 【目次】 青き時雨のなかを 【著者】 加藤孝男 歌人、東海学園大学人文学部教授。1960年、愛知県岡崎市生まれ。1984年、まひる野会に入会。篠弘に師事。歌集に『曼荼羅華の雨』など。『近代短歌史の研究』、『与謝野晶子をつくった男―明治和歌革新運動史』(2020、第16回日本詩歌句随筆評論大賞優秀賞受賞、第19回日本歌人クラブ評論賞受賞)など多数。
  • 理想の彼女だったなら
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    こんな未来なんて想像もできなかった。そもそも未来なんて思い描けなかった━━。 トランス女性の作者による声や経験が主体性を持って読者に届けられる。 ストーンウォール図書賞受賞はじめ大きな支持を集めたトランスガールの青春小説。川野芽生さん推薦! むしろ、ごくありふれた、青春の物語。それが、彼女には、彼女たちには、なかった。これまでは。 ━━━━川野芽生 「本書の、最もすばらしい部分は(略)トランスジェンダーの若者が、自分を尊重できるようになっていく物語、となるだろう」(訳者あとがきより) 【あらすじ】 アマンダ・ハーディは、ある出来事から高校最後の年を新しい街で過ごすことになる。彼女にはある目的があった━━できるだけ目立たず、人との関わりを避け、ただ日々をやり過ごす。卒業したら自分を知る者のいない場所に消える。すべては自分の人生を生きられる未来のため。ここは通過点にすぎない。それでも転校先での数々の出会いは、彼女の心の氷を溶かしてゆく。その先に見出したものとは━━? 【目次】 理想の彼女だったなら 作者からの覚え書き 謝辞 訳者あとがき 【著者】 メレディス・ルッソ テネシー州チャタヌーガ出身。『理想の彼女だったなら』はストーンウォール図書賞ヤングアダルト部門を受賞したほか、ラムダ文学賞とウォルター・ディーン・マイヤーズ賞でファイナリストに選出されるなど大きな評価を得ている。長篇第二作目Birthday(2019)のほか短篇“The Coronation”(2020)や、エッセイ“The Most Important Act of Resistance” (2017)なども発表。彼女の作品はこれまで11言語に翻訳されている。 佐々木楓 クィアな文学や映画を研究。フェミニスト。トラウマやPTSD、発達障害の問題に関心がある。共著に『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(書肆侃侃房、2020)。
  • 裏組織の脚本家
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    1巻2,200円 (税込)
    人生の台本を書き換えられるとしたら、誰の人生を“サンプル”にしますか? 台北・西門町にある浮木(フームー)という居酒屋には、闇の組織「ワラビ」のメンバーが潜伏している。屋根裏の小部屋「ワラビの部屋」に「新しい人生の台本」を抱えて入れば、人生を変えることができる。ただし、それには条件があった……。 台湾発のSFファンタジー <あらすじ> 恋人と母を自動車事故で失った何景城(ホージンチョン)は、物語のなかで彼女たちを生かしたいと、二人が登場する小説をインターネットで発表していた。ある日、謎の組織「ワラビ」から声がかかり、人生の台本を書く「脚本家」として組織に加わることになる。 病気のため車椅子になった林雨琦は、順風満帆な羅夫人の人生をサンプルとし新しい人生を生きようとするが、彼女が亡くなったと聞き……「トラックを駆ける女」。事故死した恋人の劇団仲間、劉筱漁が事故のあと劇団を去り、借金のためナイトクラブで働いていると知った何景城は「ワラビの部屋」の話を持ち掛けるのだが……「マクベス夫人」など。 手に入れた人生は正しかったのか。恋人の死は偶然ではなかったのか。ワラビの部屋とは……。依頼者たちの人生が交錯していくミステリー仕立てのファンタジー小説。 【目次】 第1章 トラックを駆ける女 第2章 暗闇に覆われた英語教師 第3章 マクベス夫人 エピローグ 番外編 巨人の悩み 訳者あとがき 【著者】 林庭毅 1986年、台中生まれ。作家。主な著作に長編小説『災難預言事務所』(台北・奇幻基地出版、2023年)、『冤伸倶楽部』(台北・奇幻基地出版、2022年)、短編小説集『夜夜夜談 BBS marvel板詭異誌』(台北・城邦原創出版、2013年)など。 明田川聡士 1981年、千葉県生まれ。獨協大学国際教養学部准教授。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門分野は華語文学・華語映画。近年の主な著書に『戦後台湾の文学と歴史・社会』(単著、関西学院大学出版会、2022年)、『中国語現代文学案内』(共著、ひつじ書房、2024年)、『越境する中国文学』(共著、東方書店、2018年)など。近年の主な翻訳に劉梓潔『愛しいあなた』(書肆侃侃房、2022年)、黄崇凱『冥王星より遠いところ』(書肆侃侃房、2021年)など。
  • koro
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    1巻2,200円 (税込)
    『悪友』で熱烈な支持を集める著者の、無二の進化を遂げた渾身の第二歌集。 第1回定家賞次席! 眼の奥に錆びた秤が一つあり泣けばわずかに揺れる音する 【栞文より】 「救われたくない。ゆるされたくない。そう何度も叫んでいる。(中略)できれば全て脱ぎ捨てたいのだ。そうすればふたたび穢れず生きていける」(江戸雪) 「榊原の美意識は現代短歌において実に独自性が高い。そしてその根底には、神秘への思慕がある」(黒瀬珂瀾) 「この作家の器の大きさに感嘆した。自在な言葉が相応な重さを持って宇宙の謎に拮抗している。人間が人間である悲苦から逃げることなく、現代人の知性によって真っ向から対峙している。(中略)怖るべし・怖るべし・怖るべし」(水原紫苑) 【収録歌より】 銀漢に表裏があれば手触りは違うのだろう 指輪を外す 百合のように俯き帽子脱ぐときに胸に迫りぬ破約の歴史 額縁を焼(く)べてきたかのような貌ゆっくり上げてただいまと言う ボトルシップの底に小さな海がある 語彙がないから恋になるだけ ヘアバームのくらいにおいだ泣くのなら最初の一粒から見ていたい 【目次】 夢寐奇譚8 I TAKEOUT ONLY かつて栄えていた都市 敗者復活戦 天窓 水際 果報は奪う Le paradis 目の敵 II Geschichte 大逆転 余沢の先 ハーケン 対価 白と黒 あるト書き 花束 王 低温注意報 囮 木偶も麒麟も 雪原を征く 不凍港 III 絶縁 グッド・モーニング 死ぬまでのすべての春 悪い影響 みずうみ FLOW 謀反 アンバー Classic あとがき 【著者】 榊原紘 1992年愛知県(三河)生まれ、奈良県在住。第2回笹井宏之賞大賞受賞、第31回歌壇賞次席。2020年、第一歌集『悪友』刊行。短詩集団「砕氷船」の一員。
  • デカンの風がやむとき
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    1巻2,200円 (税込)
    空港に揺れる国旗はゆうゆうとデカンの風を手繰り寄せつつ インド↔日本 無意識の混沌が押し寄せてくる イメージと音による シュルレアリスムの世界 ――加藤治郎 【収録歌より】 目に見えぬものに追われて夕暮れの西ベンガルに息をひそめる 水差しの静けさだけを受け入れて僕は光とひとつになった てのひらに僕の頭は支えられ喉にふくらむ粥の甘さは 地に落ちた蜻蛉の動く小刻みに蟻には蟻の歩幅があって 来た道もゆくべき場所も失って椎弓を這うデカンの風は 【目次】 Ⅰ インド脱出、そして不確かな記憶 インド脱出 記録としての小文(1) 数か月の日本滞在 星の上澄み インド再赴任と短い滞在 コルカタ もうろうと インド再脱出と日本での強制隔離 短い日本滞在 Ⅱ カルナタカ州へ再々赴任、そしてデカンの風がやむとき デカンの風(六月) デカンの風(七月) COVID +ve アユーダ・プジャ 柿渋色の大地に 西ベンガルへの旅 1 西ベンガルへの旅 2 西ベンガルへの旅 3 駐在の終わりに 帰任準備 記録としての小文(2) Ⅲ 帰国から令和六年元旦まで 帰任して 1 帰任して 2 インドより奇妙な 1 インドより奇妙な 2 インドより奇妙な 3 父の死に 令和五年夏 アモルフな境界 御堂筋 VUCAの時代 日本を生きる 時の継ぎ目に あとがき 【著者】 須田覚 1965年 長崎市生まれ 1996年‐2000年 イタリア駐在 2018年‐2023年 インド駐在 2020年7月 第一歌集『西ベンガルの月』刊行 現在 会社役員、未来短歌会会員、つくば市在住
  • 人殺しは夕方やってきた
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    山の中で一人、壮絶なサバイバル闘争を繰り広げる女性を描いた長篇小説『壁』で世界を震撼させたマルレーン・ハウスホーファー。多くのフェミニスト、作家たちに影響を与えた彼女の、短篇小説名作集がついに邦訳! 山の中でたった一人、壮絶なサバイバル闘争を繰り広げる女性を描いた長篇小説『壁』で、世界を震撼させたマルレーン・ハウスホーファー。 多くのフェミニスト、作家たちに影響を与えた彼女の、知られざる短篇小説名作集がついに邦訳! 西崎憲さん(作家・翻訳家・音楽家・「惑星と口笛」主宰)賞賛!! ここが抒情の終着点 先はない なんというみずみずしさ。本からこぼれだすのは、少女や友達、家や風景、おもしろい夢をみる女性や人を殺してしまった男性たち。永遠は子供の形で現れ、細部は不可知を囁く。マルレーン・ハウスホーファーはドイツ語園で最良最高の抒情を達成した。 収録作はオーストリアの村で生まれ育ったマルレーン・ハウスホーファーの少女時代を彷彿させる。共に暮らした人々や動物たち……そして、平和な暮らしを一変させる戦争の影。 文学ムック「たべるのがおそい」vol.4収録の「さくらんぼ」「雌牛事件」「フォン・ガイエン氏の夜の出逢い」ほか、かなしみにユーモアをまぶした切なく心あたたまる作品集。 【目次】 1 少女時代の思い出 美しきメルジーネ ぞっとするような話 雌牛事件 さくらんぼ 初めてのキス おばあちゃんが死ぬ ドラゴン 懺悔 2 大人の生活 小さな幸せ 人殺しは夕方やってきた 日曜日の散歩 おもしろい夢を見る女性 ミルテの木、もしくは軽率なマティルデ フォン・ガイエン氏の夜の出逢い お話 とりわけ奇妙な愛の物語 人喰い 3 戦争の影 クワガタムシ 司令官の死 一九四五年の春 国家の反逆者 間借り人たちのクリスマス 恐るべき忠節 ウィロー夫妻 変身 もろびと声あげ(イン・ドゥルチ・ジュビロ) 訳者あとがき 【著者】 マルレーン・ハウスホーファー 1920年生まれのオーストリアの作家。ウィーンとグラーツの大学でドイツ文学を学び、夫と二人の子どもとともにシュタイヤーで暮らし、1970年に亡くなった。オーストリア文学史における非常に重要な女性作家の一人とされる。シュニッツラー賞やオーストリア国家賞(文学部門奨励賞)を受賞している。没後、代表作『壁』が世界的に有名になった。 松永美穂 翻訳家、早稲田大学文学学術院教授。ベルンハルト・シュリンク『朗読者』(新潮社)の翻訳で2000年に毎日出版文化賞特別賞受賞。カトリーン・シェーラー『ヨハンナの電車のたび』(西村書店)で2015年日本絵本大賞翻訳絵本賞受賞。そのほかヘルマン・ヘッセ『車輪の下で』(光文社古典新訳文庫)やインゲボルク・バッハマン『三十歳』(岩波文庫)など。
  • 精神の生活
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    この痛みを何と呼んだらいいのか? 「流産」というテーマを克明かつ赤裸々に描いた傑作小説。 このままならない身体とのつきあい方を、誰も教えてくれない。トイレの個室で不安をひとり抱きしめているひとがいる。そこで何が起こっているか、あなたは本当に知っているだろうか。────────永井玲衣(哲学研究者/『水中の哲学者たち』) この痛みを何と呼んだらいいのか? 「流産」というテーマを克明かつ赤裸々に描いた傑作小説。 不安定な地位にある大学非常勤講師のドロシーは、図書館のトイレで出血を確認する。流産したことを親友にも母親にも打ち明けることはできない。大学で講義し、セラピーに通い、産婦人科を訪れるが、どこにいても何をしていても世界から認めてもらえない気がしてしまう。3月の終わりからの1ヶ月半、予測不能なキャリアのなかで、自分の身体に起きた「流産」という不可解な出来事と知性によってなんとか折り合いをつけていく。 「TIME」年間トップテン・フィクション(2021年)選出! 【目次】 三月の終わり その翌日 五日後 数週間後 翌週の土曜の夜 十日後 日本の読者への手紙 訳者解説 【著者】 クリスティン・スモールウッド 2014年にコロンビア大学で英文学の博士号を取得し、これまで5本の短編小説をThe Paris Review、n+1、Vice などの文芸誌で発表している。また数多くの書評やエッセイをThe New Yorker、Bookforum、The New York Times Magazine、Harper’s Magazine 等に寄稿する批評家でもある。現在、ブルックリンに夫と二人の息子と住んでいる。 佐藤直子 東京都内の大学で非常勤講師として英語を教えている。現代アメリカ小説における「偶然性」のテーマに関心がある。
  • 死んでから俺にはいろんなことがあった
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    俺はただ家に帰りたいだけなのに、それがそんなにおかしいか? ポルトガルの作家が移民の置かれた立場の悲哀を不条理かつユーモラスに描く傑作長編。 郵便配達をしていた俺は故郷の「くに」から逃げてきた。妻のカルラと幼い息子とともに「島」で不法滞在している。買い物をした帰りに乗っていた地下鉄が故障で止まってしまい、右も左もわからない場所で降ろされてしまった一家。なんとか家にたどり着こうとあれこれ画策するが、やることなすことすべてが裏目に出て━━。周囲から存在を認められず、無視され続ける移民の親子は、果たしてどうなるのか? 【目次】 ツキを呼び込む やりすぎだよ コソボチームのシャツ むしゃぶりつきたくなる 神さまの大間違い 偽りの思い出 幻ってやつは 自分で自分を刺す 好きで自分勝手になったわけじゃない 俺たちの四十キロ 訳者あとがき 【著者】 リカルド・アドルフォ 1974年にアンゴラに生まれるが、アンゴラの独立により幼少時にポルトガルに帰国。2003年に短編集『すべてのチョリソーは焼くためにある』でデビュー。初長編『ミゼー』はポルトガルでベストセラーとなる。『東京は地球より遠く』では日本で働く外国人のサラリーマンの目から見たおかしな日本の日常を描いた。同書からは2019年刊の『ポルトガル短篇小説傑作選 よみがえるルーススの声』に3篇が収録されている。ドラマや映画の脚本の執筆や絵本も発表するほか、広告界でも国際的に活躍している。2012年より東京に在住。 木下眞穂 上智大学ポルトガル語学科卒。ポルトガル語翻訳家。訳書に『ブリーダ』(パウロ・コエーリョ)、『忘却についての一般論』(ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ)、『エルサレム』(ゴンサロ・M・タヴァレス)、『象の旅』(ジョゼ・サラマーゴ)など。『ガルヴェイアスの犬』(ジョゼ・ルイス・ペイショット)で2019年に第5回日本翻訳大賞を受賞。
  • Another Good Day!
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    1巻2,310円 (税込)
    晴れの日も雨の日も「今日も良い日だね(Another good day!)」と言ふ人ありてけふは晴れの日 日本もふるさとも遠く 母語の通じぬニューヨークに六年 事件を追ってカメラを回す 日々の移ろいをただ詠いつぐ 【収録歌より】 土くれを押しのけて地に立つ芽かな傍若無人にみどりかがやく ちぎれ雲ちぎれつくしてからつぽの空にすつからかんと宵やみ さびしさは夕日にむかふ虹のいろひとときを冴え都市は闇へと 孤独にも金また銀の孤独あり 錆びたる鉄の孤独を吾に Windows のレジストリのごと膨らめる背嚢を負ひ真夏日を行く 【目次】 ぴろろぴろ 日差しの匂ひ 小さき炎ら ハドソン川 豊旗雲 忍者マーチ されども神は ハナミヅキ みどりのそら ほたるび どしてなの 吹かれてぞゆく 立ちけるにほひ ひがしの街へ 詠みつぎにける 消え去らむのみ July 4th うんうんと 猫妻 女主人 白い家 またあひませう いつか死ぬ人 流木 よろこび Another Good Day! 我が意に背く すべきことなど 猫の寝言 兄弟 あとがき 【著者】 矢部雅之 1966年3月、東京都新宿区生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。 評論「死物におちいる病―明治期前半の歌人による現実志向の歌の試み」で第21回現代短歌評論賞受賞。 第一歌集『友達ニ出会フノハ良イ事』(ながらみ書房)で第48回現代歌人協会賞・第10回日本歌人クラブ新人賞を受賞。 神奈川県在住。竹柏会「心の花」会員。
  • 韓国映画から見る、激動の韓国近現代史 歴史のダイナミズム、その光と影
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    近年ますます存在感を高めている「韓国映画」を題材に、そこから透けて見える歴史や社会問題を解説。韓国という国のダイナミズムをより深く、より立体的に理解するための一冊である。 植民地支配、南北分断と朝鮮戦争、長きにわたる軍事独裁、そして国民の手で勝ち取った民主化……。「3・1独立運動」「済州島4・3事件」「光州事件」「6月抗争」など激動そのものだった韓国の近現代史とそのなかで形作られてきた「儒教的家父長社会」。近年ますます存在感を高めている「韓国映画」を題材に、そこから透けて見える歴史や社会問題を解説。韓国という国のダイナミズムをより深く、より立体的に理解するための一冊である。 『パラサイト 半地下の家族』『タクシー運転手~約束は海を越えて~』『KCIA 南山の部長たち』『1987、ある闘いの真実』『ベイビー・ブローカー』『ミナリ』『はちどり』『息もできない』『キングメーカー 大統領を作った男』『高地戦』『金子文子と朴烈』『グエムル-漢江の怪物-』『焼肉ドラゴン』『私の少女』……韓国映画44本から激動の歴史を読み解く。 【目次】 はじめに 凡例 第1章 韓国と日本・アメリカ・北朝鮮 韓国と日本 韓国とアメリカ・北朝鮮 コリアン・ディアスポラ コラム監督論①チャン・リュル あらゆる境界を越えて東アジアを周遊する 第2章 軍事独裁から見る韓国現代史 朴正煕政権 全斗煥政権 コラム監督論②イ・チャンドン 作品に見る光州事件と1980年代韓国現代史 第3章 韓国を分断するものたち 格差 儒教的男性社会 マイノリティ コラム監督論③女性監督の系譜 映画『オマージュ』が復元する女性(映画)史 第4章 韓国の〝今〟を考える 政治とメディア 社会問題 コラム監督論④キム・ギヨン 〝怪物〟監督の全盛期に見る韓国社会の深層 おわりに 韓国近現代史年表 韓国歴代大統領詳細 索引 i 初出一覧 ii 主な参考文献・検索サイト v 【著者】 崔盛旭 1969年韓国生まれ。映画研究者。明治学院大学大学院で芸術学(映画専攻)博士号取得。明治学院大学、東京工業大学、名古屋大学、武蔵大学、フェリス女学院大学で非常勤講師として、韓国を含む東アジア映画、韓国近現代史、韓国語などを教えている。著書に『今井正 戦時と戦後のあいだ』(クレイン)、共著に『韓国映画で学ぶ韓国社会と歴史』(キネマ旬報社)、『日本映画は生きている 第4巻 スクリーンのなかの他者』(岩波書店)、『韓国女性映画 わたしたちの物語』(河出書房新社)など。
  • 日本語ラップ 繰り返し首を縦に振ること
    NEW
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    1巻2,420円 (税込)
    「韻踏み夫」がついに本名で世に問う、渾身のヒップホップ批評! RHYMESTERの宇多丸を最も重要な日本語ラップ批評家だと位置づけつつ、ヒップホップとは「“一人称”の文化」だというテーゼに注目。 ヒップホップの本質を「反復=肯定」と概念化し、思想的に展開。作品論の実践として、SEEDA の『花と雨』を具体的に読み解いていく。 ヒップホップ批評の新たなマスターピース、ここに誕生。 「韻踏み夫」がついに本名で世に問う、渾身のヒップホップ批評。大和田俊之さん推薦! 【目次】 序文 第一部 日本語ラップの「一人称」 第一章 日本語ラップ批評宣言 いとうせいこうから宇多丸へ 第二章 「一人称」の翻訳性 第三章 「空虚」な「一人称」からストリートへ 第四章 ヒップホップ・フェミニズム 第五章 「J」の殺戮者としての日本語=反日ラップ 第六章 ポスト68年としてのヒップホップと日本語ラップの皮肉な勝利 第二部 反復=肯定の思想 第一章 微分、一義性、反復=肯定 第二章 中性的なものの反復=肯定 第三章 非感性的類似と韻 第四章 同じであること、非人称的ナルシシズム 第五章 反復的な生の救済のドラマ 第三部 ディスクールの詩学 第一章 ラップの詩学 第二章 ミュトス、ミメーシス、隠喩 第三章 SEEDA『花と雨』 「一人称」のディスクール━━あとがきにかえて 【著者】 中村拓哉 1994年生まれ。福岡県出身。早稲田大学文化構想学部中退。批評家。2015年より、「韻踏み夫」名義で批評家/ライター活動を開始。著書に『日本語ラップ名盤100』(イースト・プレス、2022年)。論考に「六八年の持続としての批評──絓秀実『小説的強度』を読む」(赤井浩太・松田樹責任編集『批評の歩き方』、人文書院、2024年)など。本書よりペンネームを改名した。
  • 到来する女たち 石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の思想文学
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    不揃いなままで「わたし」が「わたしたち」になる──。 1958年に創刊された雑誌『サークル村』に集った石牟礼道子、中村きい子、森崎和江が聞書きなどの手法で切り拓いた新たな地平を、『中上健次論』が話題を呼んだ著者が「思想文学」の視点で読み解く。 【目次】 はじめに 第1章 はじまりとしての『サークル村』 第2章 母の肖像/群像──中村きい子『女と刀』 第3章 連なり越えゆく世界を感受する──石牟礼道子『椿の海の記』 第4章 不透明な他者と女同志の絆──森崎和江『遙かなる祭』 註 あとがき 【著者】 渡邊英理 熊本県生まれ、鹿児島県(霧島市・鹿児島市)育ち。大阪大学大学院人文学研究科教授。日本語 文学、批評/批評理論、思想文学論。主要著書に、単著『中上健次論』(インスクリプト)、共編著『クリティカルワード 文学理論』(三原芳秋・鵜戸聡との編著、フィルムアート社)、共著『〈戦後文学〉の現在形』(紅野謙介・内藤千珠子・成田龍一編、平凡社)など。
  • メイ・モリス 父ウィリアム・モリスを支え、ヴィクトリア朝を生きた女性芸術家
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    “私は普通の女ではありません。昔からそうでした。誰もそう思ってはいなさそうですが”――メイ・モリス モリス商会創設150周年 刺繍は高度な技術とセンスを必要とする芸術ですが、それに携わってきた女性たちは芸術家として扱われてきませんでした。この本はそんな刺繍に人生を捧げた女性アーティストの姿を浮き彫りにします。 ――北村紗衣 アーツ&クラフツ運動の巨匠ウィリアム・モリスの娘、メイ・モリス。彼女は父の影に隠れながらも「ハニーサックル」などモリス商会の代表的なデザインを手がけた才能豊かなアーティストだった――。刺繍、服飾、ジュエリーなど多岐にわたる作品を創り出し、激動のヴィクトリア朝を生き抜いた彼女の功績はこれまでなぜあまり知られていなかったのか?一人の女性として、そして時代の先駆者として生きたメイ・モリスの生涯を紐解く。 モリス商会の原点であるレッド•ハウス。アーツ&クラフツが繁栄したハマースミスの街。メイにとって終の棲家となったケルムスコット•マナー。メイによる大作が誕生したメルセッターなど、モリスゆかりの地に、メイの幼少から晩年までをたどる写真、メイが描き遺した水彩画とスケッチなど、画像を50点以上掲載。 【目次】 プロローグ 第一部 両親の出会い 第二部 商会のはじまり 第三部 幼少時代 第四部 少女期 第五部 十代 第六部 学生時代 第七部 社会主義 第八部 ハマースミス 第九部 別れ 第十部 メイ・モリスとして 第十一部 そして世界へ 第十二部 別れと出会い 第十三部 ケルムスコット 第十四部 晩年 エピローグ あとがき 人物相関図 メイ・モリス略歴 メイとモリスとアーツ&クラフツゆかりの地 参考文献 【著者】 大澤麻衣 日本大学芸術学部卒。デザイナー、アーティスト、版画家。イギリス南東部のスタジオにて、危険な薬剤を使わないノントクシック・エッチングの技術を研究しながら主に凹版画の教室を主催している。著書に『イギリスの小さな教会』(書肆侃侃房)がある。 ホームページ:mai-osawa-art.com インスタグラム:@maiosawaart
  • ブルーノの問題
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    現代アメリカ文学を代表する作家のひとり、アレクサンダル・ヘモンの最初期短編集 故郷喪失者は言語の中でのみ生きることができる たとえどこにいようが故郷には決していないのだから 原書が刊行されてから二十数年が経過し、サラエヴォ包囲自体は過去の出来事になったかもしれないが、むろん優れた小説はこの程度の時間で古びるものではないし、そもそもユーゴスラヴィアの惨事と消滅そのものは過去の話であっても、同じような事態が日々世界で生じていることは言を俟(ま)たない。(柴田元幸) ヘモンがナボコフとのあいだに感じる親近感は語彙という面からくるものではなく、故郷を喪失した作家が共通して抱える「埋め合わせてくれるものは言語だけ」という感覚だという。(秋草俊一郎) A・ヘモンによる『島』は、彼が英語で書いたもっとも初期の作品のひとつである。ヘモン氏はボスニア人であり、一九九二年にアメリカを旅行中、ボスニアでの戦争により帰国の道を絶たれてアメリカに移住した。『島』 を書いたのは一九九五年の春、もはや母語で小説を書くこともできず英語でもまだ書けなかった三年間を耐えた末のことだった。 スチュアート・ダイベック(『プラウシェアーズ』 1998年春号) 【目次】 島 アルフォンス・カウダースの生涯と作品 ゾルゲ諜報団 アコーディオン 心地よい言葉のやりとり コイン ブラインド・ヨゼフ・プロネク&死せる魂たち 人生の模倣 訳者あとがき 【著者】 アレクサンダル・ヘモン 1964年、旧ユーゴスラヴィアの構成国だったボスニア・ヘルツェゴビナ社会主義共和国の首都サラエヴォで生まれる。1992年渡米後、サラエヴォがセルビア人勢力によって包囲されたことで帰国不能になりアメリカに留まる。母語ではない英語で作品を発表するようになり『ノーホエア・マン』で高く評価。代表作に『世界とそれがかかえるすべて』など。映画『マトリックス レザレクションズ』ではラナ・ウォシャウスキー、デイヴィッド・ミッチェルと脚本の共同執筆も務めた。 柴田元幸 1954年生まれ。東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウン、スチュアート・ダイベックなどアメリカ現代作家を中心に翻訳多数。著書に『アメリカン・ナルシス』、訳書にジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』、エリック・マコーマック『雲』など。講談社エッセイ賞、サントリー学芸賞、日本翻訳文化賞、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』日本語版責任編集、英語版編集。 秋草俊一郎 1979年生まれ。日本大学准教授。専門は比較文学・翻訳研究など。著書に『アメリカのナボコフ―塗りかえられた自画像』、『「世界文学」はつくられる 1827-2020』、訳書にドミトリイ・バーキン『出身国』、ウラジーミル・ナボコフ『ナボコフの塊 エッセイ集1921-1975』、アレクサンダル・ヘモン『私の人生の本』、ホイト・ロング『数の値打ち―グローバル情報化時代に日本文学を読む』(共訳)など。
  • サメと救世主
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    サメに救われた少年には奇跡の力が宿りはじめる。これは真実か、ただのイカサマか? ハワイで生まれ育った注目の作家によるデビュー長編! はじまりは1995年。ハワイ島に暮らすフローレス家は、「豊かな」生活を求めて、オアフ島を目指す。そのさなか、息子のナイノアが海に落ち、サメによって助けだされる。サメに救われた少年には、奇跡の力が宿りはじめる。これは真実か、あるいはただのイカサマか? こうして家族の未来は大きなうねりに巻きこまれる。時を2000年以後に移して、描きだされるのは、楽園ではないハワイ。それは現代の豊かさをめぐるアメリカの矛盾、世界の矛盾を映しだす場だ。ほんとうの「豊かさ」とは何か━━。 ハワイとアメリカ本土(メインランド)を舞台に、ある一家の波乱にみちた運命がつづられる。バラク・オバマのベストブックリスト(2020年版)にも選ばれた、ハワイで生まれ育った作家による渾身のデビュー長編。 明かされる真実へと、ぐいぐい引きこまれろ。ウォッシュバーンはとてつもなく優れた新時代の書き手だ。この長大な家族の物語は、サメの牙のようにするどい。ページははじけて火花を散らす、そして、君をすっかり変えてしまう。 ━━━━━トミー・オレンジ(『ゼアゼア』) 【目次】 第一部 救われる 第二部 昇る 第三部 壊れる 第四部 よみがえる 謝辞 訳者あとがき 【著者】 カワイ・ストロング・ウォッシュバーン ハワイ島のハマクアコーストに生まれ育つ。2020年出版の『サメと救世主』により、PEN/Hemingway Award for Debut NovelとMinnesota Book Awardを2021年に受賞。現在は、ミネアポリス在住。 日野原慶 大東文化大学にてアメリカ文学を教えている。共訳書にモナ・アワド『ファットガールをめぐる13 の物語』、共著に『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(ともに書肆侃侃房)。
  • 私が諸島である カリブ海思想入門
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    1巻2,420円 (税込)
    カリブ海思想について新たな見取り図をえがく初の本格的な入門書。 西洋列強による植民地支配の結果、カリブ海の島々は英語圏、フランス語圏、スペイン語圏、オランダ語圏と複数の言語圏に分かれてしまった。それらの国々をそれぞれ孤立したものとしてではなく、諸島として見るということ。カリブ海をひとつの世界として認識し、その独自の思想を体系化する画期的著作。これからのカリブ海思想研究のためのリーディングリストを付す。 「web侃づめ」の大好評連載が大幅増補され、ついに書籍化! この海の下で我々は手を取り合う━━。カリブ海思想研究の俊英による待望のデビュー作。 【目次】 序章冒険の季節 第1章ひとつの世界としてのカリブ海 第2章1492を越えて、人間であること 解呪の詩学 第3章カリブ海を定義する者へ 存在論的不純性 第4章神話とカリブ海 悲しくも希望に満ちた叙事詩 第5章出会いを押し進めるために 相互歓待 第6章カリブ海の社会モデル論 プランテーション、多元、クレオール 第7章環カリブ海的経験のクレオライゼーション この海の下で、我々は手を取り合う 第8章カリブ海によるクレオール的時政学 海が歴史である 第9章ミサイルとカプセル 円環性の実践としての弁潮法 第10章ニヒリズムに抗うクロス・カルチュラルな想像力 カリブ海的身体と幻肢 第11章カリブ海のポストモダンの地平 カリビアン・カオス(前編) 第12章カリブ海のポストモダンの地平 カリビアン・カオス(後編) 第13章押し付けられた言語は誰の存在の家か 私−像を描く言語 第14章クレオール礼賛の裏で カリビアン・フェミニズム 第15章クレオールの精神 カリビアン・クィア・スタディーズ 【著者】 中村達 1987年生まれ。専門は英語圏を中心としたカリブ海文学・思想。西インド諸島大学モナキャンパス英文学科の博士課程に日本人として初めて在籍し、2020年PhD with High Commendation(Literatures in English)を取得。現在、千葉工業大学助教。主な論文に、“The Interplay of Political and Existential Freedom in Earl Lovelace's The Dragon Can't Dance”など。
  • 白い鶴よ、翼を貸しておくれ チベットの愛と戦いの物語
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    亡命チベット人医師が遺したチベット愛と苦難の長編歴史小説 1925年、若きアメリカ人宣教師スティーブンス夫妻は幾多の困難を乗り越え、チベット、ニャロン入りを果たした。現実は厳しく布教は一向に進まなかったが、夫妻は献身的な医療活動を通じて人びとに受け入れられていく。やがて生まれた息子ポールと領主の息子テンガは深い友情で結ばれる。だが、穏やかな日々も長くは続かない。悲劇が引き起こす怨恨。怨恨が引き起こす復讐劇。1950年、新たな支配者の侵攻により、人びとは分断され、緊迫した日々が始まる。ポールもテンガもその荒波の中、人間の尊厳を賭けた戦いに身を投じてゆく。 【目次】 この本について 第1部 第2部 第3部 第4部 第5部 訳者解説 【著者】 ツェワン・イシェ・ペンバ チベットのギャンツェ生まれ。医師であり作家。1941年にインドのイギリス式学校に入学して英語を身につけ、1949年にロンドン大学に留学。医学を学び卒業後はブータン、インドなどで外科医として活躍。1957年にチベットで過ごした日々をエッセイに綴った『少年時代のチベット』をロンドンで出版。1966年にはチベット人として初めての長編小説『道中の菩薩たち』を出版。その後創作活動から離れていたが、晩年ようやく実現したチベット旅行をきっかけに『白い鶴よ、翼を貸しておくれ』を執筆後病没。享年79歳。 星泉 1967年千葉県生まれ。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・教授。チベット語研究のかたわら、チベットの文学や映画の紹介活動を行っている。訳書にラシャムジャ『雪を待つ』、共訳書にトンドゥプジャ『ここにも躍動する生きた心臓がある』、ペマ・ツェテン『ティメー・クンデンを探して』、タクブンジャ『ハバ犬を育てる話』、ツェラン・トンドゥプ『黒狐の谷』などがある。『チベット文学と映画制作の現在 SERNYA』編集長。
  • パンクの系譜学
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    1巻2,500円 (税込)
    パンクとは常に問い、それについて行動を起こすことだ━━。音楽だけでなく、アート、思想、運動の側面からも「パンク」の根源に迫る画期的著作。 労働者階級の若者による現状への怒りからイギリスで生まれたとされるパンク。その叫びのルーツには、アナキズムやコミュニズムといった思想、そしてダダから脈打つ前衛芸術史も刻まれていた。 奴隷制からポピュラー音楽の誕生、その後のフォーク、スキッフル、ガレージ、パンクへの道のりに、シチュアシオニト・インターナショナル、キング・モブといった運動が交差し、セックス・ピストルズ以降に現れたOi!、クラス、ポジティブ・フォース、ライオット・ガール、クィアコア、アフロパンク、アジアのパンクシーン、そして橋の下世界音楽祭へとつながっていく。 パンクの抵抗の系譜を辿りつつ、正史の陰に隠れた歴史に光をあてる画期的著作。Punk!展、ゲリラ・ガールズ展ほか、話題の展示のキュレーションを行う研究者による初単著。松村圭一郎さん、毛利嘉孝さん推薦! 【目次】 はじめに 第1部 パンクの思想とその文脈 第1章 アートスクール 第2章 共産主義(コミュニズム) 第3章 アナキズム 第2部 パンクの音楽における系譜 第4章 アフリカ系アメリカ人の歴史 第5章 フォーク 第6章 スキッフル 第7章 ガレージ 第8章 パンク 第3部 パンクのアートにおける系譜 第9章 DADA(ダダ) 第10章 レトリスム 第11章 シチュアシオニスト・インターナショナル 第12章 キング・モブ 第4部 セックス・ピストルズ以降 第13章 Oi! 第14章 アナーコ・パンク 第15章 ハードコア・パンク 第16章 ライオット・ガール 第17章 パンクと人種 第18章 パンクとクィア 第5部 アジアのパンクシーン 第19章 インドネシアのパンクシーン 第20章 ミャンマーのパンクシーン 第21章 日本のパンクシーン おわりに 【著者】 川上幸之介 1979年、山梨県生まれ。専門は現代美術/ポピュラー音楽。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズMAファインアート修了。現在、倉敷芸術科学大学准教授。キュレーションに「Bedtime for Democracy」展、「Punk! The Revolution of Everyday Life」展、「ゲリラ・ガールズ展 『F』ワードの再解釈:フェミニズム!」など。
  • ジェーンの物語 伝説のフェミニスト中絶サービス地下組織
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    妊娠して困ってない? <ジェーン>に電話して! 中絶が違法だった半世紀前の米国シカゴ。女たちが女たちを助けようと立ち上がった違法の地下組織「ジェーン」。安全な中絶手術を求め駆け込んだ女性たちの数は推定1万1000人。激動の歴史を赤裸々に描いた衝撃的なノンフィクション。 「願っていたのは、この歴史を読むすべての人が私たちの中に自分自身を見いだし、「私もこうしていたかもしれない」と思ってくれること」(本文より) 【目次】 日本の読者のみなさんへ はじめに ヴィンテージ・ブックス版(二〇二二) プロローグ 第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章 第7章 第8章 第9章 第10章 第11章 第12章 第13章 第14章 第15章 第16章 第17章 第18章 第19章 第20章 第21章 第22章 第23章 第24章 第25章 第26章 第27章 エピローグ 謝辞 訳者あとがき 参考文献 【著者】 ローラ・カプラン 米シカゴの伝説のフェミニスト中絶サービス地下組織「ジェーン」のメンバーで、シカゴのエマ・ゴールドマン女性健康センターの創設メンバー。ナショナル・ウィメンズ・ヘルス・ネットワークの理事を務めていたこともあり、様々なコミュニティー・プロジェクトに携わっている。 塚原久美 中絶問題研究家、公認心理師、臨床心理士、中絶ケアカウンセラー。著書『日本の中絶』、『中絶技術とリプロダクティヴ・ライツ』(勁草書房:山川菊栄賞、ジェンダー法学会西尾学術賞)、訳書『中絶がわかる本』など。日本人のリプロの環境を改善することがライフワーク。
  • 左川ちか全集
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    1巻2,970円 (税込)
    詩の極北に屹立する詩人・左川ちかの全貌がついに明らかになる──。 詩の極北に屹立する詩人・左川ちかの全貌がついに明らかになる──。 萩原朔太郎や西脇順三郎らに激賞された現代詩の先駆者、初の全集。 すべての詩・散文・書簡、翻訳を収録。編者による充実の年譜・解題・解説を付す。 【目次】 詩篇 翻訳詩 散文・日記・書簡 翻訳文 年譜 解題 島田 龍 解説 詩人左川ちかの肖像 島田 龍 ブックガイド 【著者】 左川ちか 詩人・翻訳家。本名川崎愛。1911年生まれ。北海道余市町出身、十勝地方の本別町で幼少期を過ごす。庁立小樽高等女学校卒業後に上京。10代で翻訳家としてデビュー。J・ジョイス、V・ウルフ、ミナ・ロイなど、詩・小説・評論の翻訳を残す。1930年に筆名を「左川ちか」と改め詩壇に登場する。同郷の伊藤整を始め、北園克衛・春山行夫・西脇順三郎・萩原朔太郎らに高く評価、詩誌『詩と詩論』『椎の木』『マダム・ブランシュ』などで活躍した。将来を嘱望されたが1936年に死去。享年24。 島田龍 東京都中野区出身。立命館大学文学研究科日本史専修博士後期課程単位取得退学。現・立命館大学人文科学研究所研究員。専門は中世~近現代における日本文化史・文学史。関連論考に「左川ちか研究史論―附左川ちか関連文献目録増補版」(『立命館大学人文科学研究所紀要』115号)、「左川ちか翻訳考:1930年代における詩人の翻訳と創作のあいだ―伊藤整、H・クロスビー、J・ジョイス、V・ウルフ、H・リード、ミナ・ロイを中心に」(『立命館文学』677号)など。
  • パトリシア・ハイスミスの華麗なる人生
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    残された膨大な日記と手紙、インタビューから 謎のベールに包まれたサスペンスの巨匠の全貌に迫る 生まれながらに背徳と残虐、愛への渇望に苦しむ。「愛される」よりも「愛する」を選んだ孤独の女性作家。生誕100年を迎え、いま明らかにされる苦悩と野心、ゆがんだ愛。母親への愛憎のすべては小説作品の中に埋め込まれた――。 ハイスミスが保管していた資料、友人、敵、仲間の思い出、そして強迫観念的な人生の貴重な記録。(Financial Times紙) 力強く、時に美しい伝記であり、1ページたりとも無駄がない。細部の積み重ねにより、20世紀の偉大な作家の忘れがたい肖像を生み出している。 ーーNew Statesman紙 ハイスミスは、彼女のいたずら好きなヒーローと同じように、逸脱した風変わりな人だった。 ーーJ. G. Ballard, Daily Telegraph Summer Reads トルーマン・カポーティが絶賛した才能 20世紀を代表する作家 パトリシア・ハイスミス 代表作 『キャロル』自らの体験を基に男性作家名で発表したレズビアン小説 『見知らぬ乗客』ヒッチコックによって映画化された長編デビュー作 『太陽がいっぱい』アラン・ドロン主演で知られる名作映画の原作 【目次】 プロローグ 第1章 彷徨い続ける者 1921以前 第2章 暗い星のもとに 1921 ‐ 1927 第3章 ばらばらな家族 1927 ‐ 1933 第4章 抑圧 1933 ‐ 1938 第5章 自由の味 1938 ‐ 1940 第6章 愛の遍歴 1940 ‐ 1942 第7章 自分という牢獄 1942 ‐ 1943 第8章 念入りに培われたボヘミアン 1943 ‐ 1945 第9章 未知のかすかな恐怖 1945 ‐ 1948 第10章 愛しのヴァージニアたち 1945 ‐ 1948 第11章 ヤドー、シャドー、シャドー、ヤドー! 1948 第12章 わたしはひと目で恋に落ちた 1948 ‐ 1949 第13章 どの街にもキャロルはいる 1949 ‐ 1951 第14章 ふたつのアイデンティティ 犠牲者にして殺人者 1951 ‐ 1953 第15章 パット・H 別名リプリー 1953 ‐ 1955 第16章 内なる妖怪の支配 1955 ‐ 1958 第17章 愛しすぎた男 1958 ‐1959 第18章 法を破る人々へのひそやかなる好意 1959 ‐ 1960 第19章 究極の神経症 1960 ‐ 1962 第20章 しがらみからの自由 1962 ‐ 1964 第21章 愛は外へと出ていくもの 1964 ‐ 1967 第22章 きらめく虚空 1967 ‐ 1968 第23章 嘘・偽物・贋作 1968 ‐ 1969 他 【著者】 アンドリュー・ウィルソン イギリスのジャーナリスト、小説家、伝記作家。「オブザーバー」、「デイリー・テレグラフ」、「ザ・ガーディアン」といった一流紙で活躍後、ハイスミスの伝記で伝記作家としてデビュー。ハイスミス以外にもハロルド・ロビンズ、シルヴィア・プラス、アレキサンダー・マックイーンなどの伝記を手掛ける。本書『パトリシア・ハイスミスの華麗なる人生』は2004年度エドガー・アラン・ポー賞を受賞している。 柿沼瑛子 英米文学翻訳家。主訳書『妄想の世界史 10の奇想天外な話』(ビクトリア・シェパード)、『誰?』(アルジス・バドリス)、『Gストリング殺人事件』(ジプシー・ローズ・リー)、『魔術師の帝国』(C・A・スミス、共訳)、『わが愛しのホームズ』(ローズ・ピアシー)、『キャロル』(パトリシア・ハイスミス)、『ヴァンパイア・クロニクルズ』シリーズ/『眠り姫』シリーズ(アン・ライス)など訳書多数。
  • 汗と笑いと煩悩のアジアミックスカルチャー絵日記
    12/12入荷
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    海外紀行エッセイシリーズ、KanKanTrip mini 第一弾! スケッチブックとペンを持って 文化、宗教がミックスしたアジアの地へ さまざまな宗教施設が隣り合う国境地帯の街や、アジアに広がるヨーロッパのような街並み。気になるその景色を自分の目で見てみたい! スケッチブック片手に、文化が混ざりあう景色や食べ物、人々の暮らしを綴った記録に加え、〈体感〉と〈独断〉による「正直現地情報」も満載。前作『汗と涙と煩悩のチベット・ネパール・インド絵日記』につづく、絵日記エッセイ第二弾。 【目次】 はじめに 2023 シンガポール 体感と独断による正直現地情報 シンガポール絵日記 2023 インド 体感と独断による正直現地情報 インド絵日記 2024 ウズベキスタン+日帰りタジキスタン 体感と独断による正直現地情報 ウズベキスタン、日帰りタジキスタン絵日記 2024 内モンゴル 体感と独断による正直現地情報 内モンゴル絵日記 2025 ふたたびのインド 南インド絵日記 あとがき 【著者】 安樂瑛子 逗子生まれ池袋育ちの絵描き。 子供の頃からアジア、アフリカの文化に魅かれ、各地の人々の暮らし、動植物、風景を描く。 旅先で絵日記を描くことがライフワークで、著書に『汗と涙と煩悩のチベット・ネパール・インド絵日記』(書肆侃侃房)がある。 絵画と旅行記を通して、その土地の文化や自然、旅の楽しさを発信している。 部屋にこもって何時間も絵を描いた後のビールが大好き。

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