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李箱文学賞受賞作「心の浮力」を含む最新短編集。
喪失と疎外、自責と愛などをテーマに、家族や介護、格差など同時代の社会問題を通して現代人の生を描く。
「言葉の届かない場所にあるはずの、人の心の複雑な薄闇に、李承雨は言葉で見事に光をあてる。精緻きわまりない八編。」――江國香織
「僕が感じてきたように、母も常に感じてきた、そうでなくてもいつか感じることになる深い後悔と罪悪感については思いが及ばなかった。喪失感と悲しみは時とともに和らぐが、後悔と罪悪感は時が経つほど濃くなることに、喪失感と悲しみはある出来事に対する自覚的な反応だが、後悔と罪悪感は自分の感情への無自覚な反応で、はるかにコントロールが難しいということに気づけなかった。」
母は僕を、もうこの世にいない兄の名前で呼ぶようになった。
夢を追い不器用に生きた兄と、堅実に歩む僕。兄弟と老いた母の愛の形を描いた李箱文学賞受賞作「心の浮力」を含む最新短編集。
【目次】
消火栓のバルブを回すと水が溢れた
空き家
心の浮力
電話に出る(出ない)べきだった
帰宅
声たち
水の上の眠り
サイレンが鳴る時─剝製になった天才のために
作家の言葉
訳者あとがき
日本の読者のみなさんへ
【著者】
李承雨
1959 年生まれ、韓国全羅南道長興出身。1981 年、「エリュシクトーンの肖像」が「韓国文学」新人賞に選ばれデビュー。長編小説に『生の裏面』『植物たちの私生活』(ともに藤原書店)、中編小説に『真昼の視線』(岩波書店)、短編集に『香港パク』(講談社)などがある。大山文学賞、東仁文学賞、李箱文学賞など受賞多数。
平原奈央子
1980 年生まれ、福岡市出身。九州大学文学部史学科(朝鮮史学研究室)卒業。ソウルの梨花女子大学で語学研修、西江大学へ留学。
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