鍵盤のことば

鍵盤のことば

1,760円 (税込)

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夜明けが、雨が、そして音楽が——言葉になる瞬間を見に行こう。(黒瀬珂瀾)

夜明けが、雨が、そして音楽が——言葉になる瞬間を見に行こう。
〈あなた〉と深く、指をからめて。(黒瀬珂瀾)

【5首】
あなただれ、黄昏。おまへだれ、雪崩。浮世草子をうしろから読む
言葉なるもののからだに棲むかぎり祈りの部屋は保たれてゐる
改札までつないでゐてねオクトーバー・フールと唱へてはだめですよ
つけまつげ冷たく濡れて街灯りはまばたきのたび更新される
鍵盤は押せば鳴るもの鍵盤は発語するのに適訳がない

【目次】
はるしおん
かみなりのやうに明るい
あきつ、火の島、さびしさの森
降り得ない雪
せかいにきすを
石ころのやうに
かみさまの葡萄
鍵盤のことば
それきり愛の話をしない
櫛をなくした
オクトーバー・フール
演奏会
一本の葱
紅茶が雨を降らせた
穢土
春の服、月の虹
あめのくに
地図を抱く
少年イッポリート
山百合の野を
アンダンテ・カルマンド
はだれ踏み
オルゴール
解説 音楽と連帯 黒瀬珂瀾
あとがき

【著者】
伊豆みつ
石川県生まれ。上智大学文学部国文学科卒業。2014 年、未来短歌会に入会。黒瀬珂瀾に師事。

黒瀬珂瀾

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新鋭短歌シリーズ のシリーズ作品

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  • 鍵盤のことば
    1,760円 (税込)
    夜明けが、雨が、そして音楽が——言葉になる瞬間を見に行こう。(黒瀬珂瀾) 夜明けが、雨が、そして音楽が——言葉になる瞬間を見に行こう。 〈あなた〉と深く、指をからめて。(黒瀬珂瀾) 【5首】 あなただれ、黄昏。おまへだれ、雪崩。浮世草子をうしろから読む 言葉なるもののからだに棲むかぎり祈りの部屋は保たれてゐる 改札までつないでゐてねオクトーバー・フールと唱へてはだめですよ つけまつげ冷たく濡れて街灯りはまばたきのたび更新される 鍵盤は押せば鳴るもの鍵盤は発語するのに適訳がない 【目次】 はるしおん かみなりのやうに明るい あきつ、火の島、さびしさの森 降り得ない雪 せかいにきすを 石ころのやうに かみさまの葡萄 鍵盤のことば それきり愛の話をしない 櫛をなくした オクトーバー・フール 演奏会 一本の葱 紅茶が雨を降らせた 穢土 春の服、月の虹 あめのくに 地図を抱く 少年イッポリート 山百合の野を アンダンテ・カルマンド はだれ踏み オルゴール 解説 音楽と連帯 黒瀬珂瀾 あとがき 【著者】 伊豆みつ 石川県生まれ。上智大学文学部国文学科卒業。2014 年、未来短歌会に入会。黒瀬珂瀾に師事。 黒瀬珂瀾  
  • まばたきで消えていく
    1,760円 (税込)
    命の際の歌が胸を突く 残酷すぎるこの世だけれど、人間を知りたいと心から願っている。(東直子) 命の際の歌が胸を突く  残酷すぎるこの世だけれど、人間を知りたいと心から願っている。肝を据えて見つめ直す愛おしい日々。(東直子) 【5首】 寝ころんであなたと話す夢をみた 夏で畳で夕暮れだった これは異性のための表情(待って)(もう行こうよ)(わたしたちでいたいよ) 生まれ変わったら台風になりたいねってそれからは溶ける氷をみてた いつまでも少女でいてとコンタクトレンズを踏みつぶすような祈り 煙草入り缶チューハイが倒れてる ふたりはふつうに暮らしましたでした 【目次】 Ⅰ そのみずうみに浮かぶものたち 夏が終わったら起こしてね ハローワールド だってきみは猫舌だった Ⅱ 八月三十二日 ふかづめ セブンスター、あるいは永久歯 ひかる積乱雲 Ⅲ Splitting of the Breast しゃんぐりら 三月の双子素数 あおい火葬場 Ⅳ さよならぼくのともだち わんぱくランド ヘヴンリー・ヘヴン 菜の花 Ⅴ 天才じゃなくても好き 下北沢23時17分 Twin Reverb 解説 心の命綱としての短歌 東 直子 あとがき 【著者】 藤宮若菜 1995 年生まれ。2012年、福島遥の短歌に出会い本格的に作歌を始める。日本大学藝術学部卒業。 東直子  
  • 工場
    1,760円 (税込)
    知性を持った感情が生み出す言葉は強く、やさしい。そっと鷲摑みされた工場と家庭の現場。(藤島秀憲) 知性を持った感情が生み出す言葉は強く、やさしい。そっと鷲摑みされた工場と家庭の現場。「心の花」から今、二人目の石川不二子が生まれた。(藤島秀憲) 【5首】 女でも背中に腰に汗をかくごまかしきかぬ作業着の色 実験室の壁にこぶしの跡があり悔しい時にそっと重ねる 鈍色のスクリューパーツをひとつずつブラシでこする子の歯のように 夕暮れの砂場を掘れば少しずつ獣の手足になる息子たち 教材として触られてカブトムシ脚を一本どこかに落とす 【目次】 作業着の色 フレコン 安全靴 鉄の音 3Lのズボン 小湊線 きっと他人であった シャボン玉 無影灯 ユーラシア 太陽を抱えるように 神様のレゴ 脚を一本 木製パレット 薄いほほえみ ご安全に 重心 ひとさじの試薬 女性用更衣室 汚れの形 Sサイズ 工事許可証 男の身体 猫飼う予定 抵抗をしない鳩 小さな水面 昇温 解説 「今は現場」の人 藤島秀憲 あとがき 【著者】 奥村知世 2015年より短歌結社「心の花」に所属。第29回歌壇賞次席。第2回群黎賞受賞。 Twitter @Leo_Tomoyo 藤島秀憲  
  • 君が走っていったんだろう
    1,760円 (税込)
    目を閉じた人から順に夏になる光の中で君に出会った 1000年たっても青春である 視界が開ける。いつもの世界が新しくなる。 若い世代の生きづらさに寄り添う歌。 ─千葉聡 【5首】 目を閉じた人から順に夏になる光の中で君に出会った 海だってあなたが言えばそうだろう涙と言えばそうなんだろう 雨に会うそのためだけに作られた傘を広げて君を待ってる 花にルビをふるように降る雨、雨の名前は誰にも分からないけど 「幸せに暮らしましたが死にました。けれど死ぬまで幸せでした」 【目次】 いつ見ても今が見えない 真夏の背骨 もし俺が Breathless 青の温度 天才児たち 顔 真冬の星座 そうだね、僕ら 少年兵 青空 瞼は 第四次ロボット革命 防風林 目をしてる 優しい人に 蝶 燃える街 二十四時間リレーマラソンで優勝したことがあります ルール・ザ・ワールド・ウィズ・ワクチン 海への切手 瞬き/足跡 雨も雨の音 ザラメの夜 アトリエ エトワール 君の名前 水風船 雨 ルビ 手品 アジサイ 月とシリアル 父さんが 日曜日より あなたが言えば 最後の童話 解説 一〇〇〇年たっても青春である 千葉 聡 あとがき 【著者】 木下侑介 1985年横浜生まれ。穂村弘氏の「短歌という爆弾」を読んでから作歌を始め、「短歌ください」(穂村弘氏選)、「東京歌壇」「短歌の時間」(東直子氏選)にて入選を重ねる。枡野浩一氏の「かんたん短歌blog」にて、エッセイ「アイハブノークエスチョン」採用。「いつまでもその初々しさを失わず、愚直に丹念に書き続けられたら、あなたは「本物」になれると思う」(枡野浩一氏)と評された。長距離走とブルーハーツ、ハイロウズ、クロマニヨンズの音楽を愛している。趣味は懸垂。好きな作家は坂口安吾とシモーヌ・ヴェイユ。 千葉聡
  • エモーショナルきりん大全
    1,760円 (税込)
    アリス お茶もういいよ アリス 泣かないで 薇ほどけば春が終わるよ 上篠翔の短歌の特徴はスピードである。 そして、スピード感とスピードとはちがう。 スピード感はスタイルであり、スピードは本質だ。 口語のスピードの快感を存分に味わってほしい。 ─藤原龍一郎 【5首】 アリス お茶もういいよ アリス 泣かないで 薇ほどけば春が終わるよ っこ って何 生きあいっこするわたしたち朝から氷くちうつしてく 能あるきりんは首を隠す んなわけねーだろ剝きだして生きていくんだ光の荒野 花みたい、それはやさしい揶揄でしたいいよ花ならお墓に似合う 【目次】 Ⅰ ‐花曜日編‐ ‐夏の魔物編‐ ‐水没都市編‐ ‐ODQ編‐ ‐センチメンタル/サンタマリア編‐ ‐八月三十二日編‐ Ⅱ ハロー、アンダー・ピッパラ ハレルヤ、アングラ・サマー・ノイズ ライク・アン・アップル・スーサイド グッバイ、ジェノサイド・シーズン Ⅲ 春の 鳥葬 光、刺す、少女 春と修羅 春ねむりへの Love/Hate ART‐SCHOOLへの TOHOシネマズ新宿 煤と緑青 句点の花(A面) 土色の音楽 アンチアパテイア 双極性の犬わんわん 器官なき身体 A Brighter Summer Day ‐ラブ山椒魚編‐ 解説 快楽のスピード 藤原龍一郎 あとがき 【著者】 上篠 翔 玲瓏所属。粘菌歌会主催。2018年「エモーショナルきりん大全」で第二回石井僚一賞を受賞。インターネットをやっています。 Twitter:@KamisinOkkk メール:msb9.xx12@gmail.com 藤原龍一郎
  • ねむりたりない
    1,760円 (税込)
    母さんの自作だったと後に知るお伽話で燃えていた町 幻の心臓が鳴りやまない 燃えやすくて凍りやすい感情に居場所を与える。 今ここに生きるために。未来を確かめるために。 ─東 直子 【5首】 母さんの自作だったと後に知るお伽話で燃えていた町 くるぶしは小さな果実 夕闇に熟れゆくきみを起こせずにいる あの女も使ったかなぁ出汁巻のうずに差し込む基礎体温計 一歩ずつ脱ぎ捨てていくサンダルのごときクリップ海に焦がれて 枯れるのも咲くのも花の意志ならばわたしの体はだれの福音 【目次】 Ⅰ ミナモ きみも海鳴り 都庁 庭のない家 糸より細く リビングルーム Ⅱ ツツジ ユーラシア 永い背泳ぎ しゅらしゅら あまおう 夕方の蜘蛛 Ⅲ コハク ジューンブライド 月餅 だれかの福音 ダウンカレント Ⅳ ルリ 夏の氷点 魔物 実在しない鳥 未明 気球のゆくえ 産毛にミルク 解説 肉体と感情が落ち合う場所 東 直子 あとがき 【著者】 櫻井朋子 1992年生まれ。 2017年、新聞歌壇に投稿を始める。 同年、東京歌壇(東京新聞・東直子選歌欄)年間賞。 東 直子
  • ショート・ショート・ヘアー
    1,760円 (税込)
    旅客機の窓はきらめくそれぞれのパーパス・オブ・ユア・ヴィジットをのせ 生まれたての感情を奏でる かけがえのない瞬間を軽やかに閉じ込めた歌の数々。 日常と非日常と切なさと幸福が、渾然一体となって輝く。 ─東 直子 【5首】 旅客機の窓はきらめくそれぞれのパーパス・オブ・ユア・ヴィジットをのせ 君の背にロールシャッハが咲いていてそれでも好きと思えたら夏 スーパーで出くわすような気まずさと夜の校舎のような嬉しさ 日々のバカ 開きっぱなしの踏切でほとぼりが過ぎ去るのを待って サササドリと母が呼んでる鳥がいてたぶんこれだな、サササと走る 【目次】 タクトをふるう あいもかわらず 恋人上京編 ADV \4,500 / DOOR \5,000 +1D O氏について 富士山麓のおいしいアルカリイオン水 夜間避行 ひみつののりもの ラストオーダー 産む/生まれる 三人家族 解説 自在な視線で描く「日々のバカ」 東 直子 あとがき 【著者】 水野葵以 1993年4月30日、東京都生まれ。2018年より作歌を始める。 「タクトをふるう」で第62回短歌研究新人賞候補作、「三人家族」で第3回笹井宏之賞最終選考候補作。短歌ネットプリント「ウゾームゾーム」を不定期配信中。著作に、短歌と写真のZINE「あいもかわらず」。 Twitter / Instagram:@TomAoi_24 東 直子
  • 老人ホームで死ぬほどモテたい
    1,760円 (税込)
    母は鳥 姉には獅子と羽根がありわたしは刺青(タトゥー)がないという刺青(タトゥー) 思わぬ場所から矢が飛んでくる 自分の魂を守りながら生きていくための短歌は、パンチ力抜群。絶望を嚙みしめたあとの諦念とおおらかさが同居している。 ─東 直子 【5首】 母は鳥 姉には獅子と羽根がありわたしは刺青(タトゥー)がないという刺青(タトゥー) 風呂の水が凍らなくなり猫が啼き東京行きの切符を買った 故郷の母と重なりしメスライオン 深夜のナショナル・ジオグラフィック 沼津という街でxの値を求めていた頃会っていればな シロナガスクジラのお腹でわたしたち溶けるのを待つみたいに始発 【目次】 スナックはまゆう エグザイルによろしく xの値を求めていた頃 海物語 ヤニとマカロン 国民年金 夜 バズらない夏 有休で泥だんご 捕食者 グッドなピープル たのしい地球最後の日 新堀ギターをさがしてごらん 解説 根源的な存在理由を求めて 東 直子 あとがき 【著者】 上坂あゆ美 1991年8月2日、静岡県生まれ。東京都在住。 2017年から短歌をつくり始める。 銭湯、漫画、ファミレスが好きです。 Twitter:@aymusk 東 直子
  • イマジナシオン
    1,760円 (税込)
    いずれ夜に還る予約のようである生まれついての痣すみれ色 言葉で世界が変形する。 不思議な日常なのか、リアルな非日常なのか、 穏やかな刺激がどこまでも続いてゆく。 短歌が魔法だったことを思い出してしまう。 ─山田航 【5首】 いずれ夜に還る予約のようである生まれついての痣すみれ色 花びらがひとつ車内に落ちていて誰を乗せたの始発のメトロ 手のひらの川をなぞれば思い出すきみと溺れたのはこのあたり おふたり様ですかとピースで告げられてピースで返す、世界が好きだ 海の日の一万年後は海の日と未来を信じ続けるiPhone 【目次】 Ⅰ 仮想上の観覧車 一生分の虹を見ていた 転生譚 この世の次の Ⅱ カトラリーズ 雨過天晴 書物の灯 ありとあらゆるさよならに Ⅲ わたしは街の細胞だった くるぶしに桜 Sign 空を裁つ Ⅳ 犬の眼線 Ⅴ はやぶさとひかり 夏の弧 冬の達人 群青 解説 比喩という「変身魔法」 山田航 あとがき 【著者】 toron* 大阪府豊中市出身。現在は大阪市在住。Twitterで短歌に出会い、2018年4月からウェブサイト「うたの日」に投稿をはじめる。新聞歌壇、雑誌などへの投稿をしつつ、現在は塔短歌会、短歌ユニットたんたん拍子、Orion所属。 山田航

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