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父を看取り、私の身体に刻まれた記憶を辿る。
祖父が案じ、私から次男へと引き継がれた、カラスに似た足指。
懐かしさに手を伸ばしたあの日から、
穏やかなはずの日常が、静かに「すべり」始める。
希望は卑しい者の言葉であると考えさせられる。——建築家・石山修武
あらすじ
郊外で家族と暮らす「私」は、次男の足指に自分と同じ「歪み」を見つける。大陸から引き揚げ、土建屋として生きた父。その最期を看取り、ある懐かしさから、「私」はかつて暮らした町に向かう。そこで投函した一通の手紙。しかし、郷愁は、思いもよらぬ事件へと「私」を連れ去っていく――。
世代を超えて流れる血と、一瞬で姿を変える日常。「私」は、祖父が案じていた「歪み」のある足指に語りかけるように、かつてあったものを、ひとつずつ拾っていく。
【目次】
カラスに似た足指
【著者】
宮本浩典
1969年5月岡山県生まれ。
早稲田大学理工学部建築学科卒業。家庭教師。
郊外の風景と父を看取る日々をもとに、小説『カラスに似た足指』を書く。
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