ハーレクイン作品一覧

  • 沈黙の騎士
    5.0
    フランスから来た菫色の瞳の姫君は、イギリスに愛想をつかしていた。ここまで信じられないくらいの災難続きだったけれど、心強い付き添い人である伯母までがけがをしてしまった今、とても婚約者の待つ北の辺境までたどりつけるとは思えない。嘆くセレスト姫に、神は自らのしもべを同行者としてつかわした。教会のステンドグラスから抜け出てきたかのような、神々しいまでの美貌の修道士、ブラザー・ガイを。それはブラザー・ガイにとっては迷惑な話だった。女性にもてすぎてうんざりし、世俗と縁を切ろうと僧門をくぐったのに、“誘惑”がドレスを着て歩いているような娘の供をせよとは!神よ、わたしが“沈黙の誓い”を守れるよう力をお貸しください。だが、神はあえて試練を課されたようだった。自由闊達なフランスの小鳥は、なんとかガイを笑わせようと躍起になる。目指す地に、想像を絶する過酷な運命が待ち構えるとも知らず……。
  • エマと伯爵
    3.0
    あれは十年前、一八〇四年の社交シーズンのこと―――富豪の一人娘のエミリアは、アポロ像のようにハンサムでエレガントなドミニクに恋をした。彼は貧しいが、いずれ爵位を継いでチャード伯爵となる人物。口ごもるくせのある太った不器量な彼女にも、とても優しかった。だが、ドミニクに求婚されたとき、エミリアは断った。財産目当ての求婚だと知ったからだ。結局ドミニクはほかの女性と結婚し、エミリアは社交界から退いた。その後、運命の嵐がエミリアを襲った。父親は破産して自殺。痩せて見違えるほど美しい女性に生まれ変わった彼女は、エマと名前を変え、今は家庭教師として生計を立てている。チャード伯爵から仕事の依頼を受けたとき、財産のない彼女に選択の余地はなかった。この仕事を引き受ければ、彼と一つ屋根の下に住むことになる。ドミニクは、わたしのことに気づくだろうか?
  • 王位を捨てた恋人
    3.5
    アルプス山中にあるルヴィーニア公国の古城で公文書の解読に没頭していた学芸員のタムシンは、驚くべき記録を発見して大公のアラリック殿下に面会を求めた。真夜中になってようやく現れた大公に、タムシンは一族の王位継承ルールにまつわる新発見を告げる。アラリックは事の重大さに色を失ったものの、国の混乱を企む政敵の差し金ではないかと彼女を疑い、監視するために自分のそばに置こうと決めた。そんな思惑などつゆ知らず、何かと親しく接してくる大公に、タムシンはしだいに惹かれていくが……。■王位就任を前に重大な秘密を握るタムシンを警戒しながらも、彼女にしだいに惹かれていくアラリック大公。王位と恋の間で翻弄される二人は? 豪奢な恋物語をご堪能ください。
  • 置き去りにされた花嫁
    3.0
    ケリーはウエディングブーケを手にして、愛する男性、アレコス・ザゴラキスを教会で待っていた。ところが、魅力的なギリシア人の花婿は結婚式に姿を現さない。ケリーは土壇場で冷酷に捨てられたのだった。それから四年後、小学校の教師となったケリーは、ようやくアレコスのことを忘れ去ろうと心に決めた。彼からもらったダイヤモンドの婚約指輪は、思いきってインターネットオークションに出品しよう。だが、そのときケリーは想像もしていなかった。指輪が四百万ドルで落札され、アレコスが落札者として現れるとは。
  • 情熱を知った夜
    3.0
    アンドレアスの秘書ベスは、三年間ひそかにボスに思いを寄せてきた。だが、そんなベスの気も知らず、彼は美貌のモデルと婚約してしまう。もうここにはいられない。ボスの姿を見るのはつらすぎるから。ひとり涙に暮れているところをアンドレアスの兄テオに見つかるが、そのときテオの目が光ったことにベスは気づかなかった。■ベスが弟に思いを寄せていると知り、テオの頭に妙案がひらめいた。弟の婚約者は強欲で底意地が悪く、単なる財産目当ての女だ。なんとしても、二人の結婚を阻止しなければ。そのためには、この地味な秘書を変身させて僕の恋人に仕立て上げ、弟の嫉妬心をあおってベスに目を向けさせてみればどうだろう。
  • 砂漠の国にとらわれて
    2.7
    イサルトが家族で細々と経営する牧場がアラブの小国を治めるシーク・ナディムに買い取られることになった。母を亡くして以来父は酒に溺れ、事業は衰退の一途をたどってきた。かつては名門と言われたが、もう家族で維持するのは無理だろう。ナディムに買収されれば借金も返済でき、牧場の将来は安泰だ。ところが、下見にやってきたナディムは一頭の馬を気に入り、その馬を調教したイサルトに彼の国に随行するよう命じる。病気の父を置いて、この国を離れることなんてできないわ!激しく反発を覚え抗議する彼女に、ナディムは冷ややかに言った――ここが僕のものになった今、君も僕のものだ、と。■冷酷でありながら心の奥に秘めた情熱を持つシーク・ナディム。愛を知らない彼をいつしか愛してしまったイサルトは……。
  • 忘れられた愛の記憶
    3.0
    病室で意識を取り戻したベリンダは目の前の見知らぬセクシーな男性をぼんやりと見つめた。官能的なカーブを描く唇。冷ややかな表情。あなたは……誰?ルークというその人物は、彼女の夫なのだという。だが、ベリンダにはまったく思い出せない。ルークがベリンダの手を取ってキスをした。すると、彼女の体はたちまち敏感に反応した。なのに、彼への感情はなにひとつわいてこない。そればかりか、かすかな恐怖さえ覚えるのはなぜだろう?退院したベリンダはルークとともに屋敷へ向かうが……。■北米で人気急上昇中のイヴォンヌ・リンゼイが綴る、情熱の愛憎劇をお贈りします。結婚式当日、衝撃的な秘密を知った花嫁は事故に遭い、夫に関する記憶をなくしてしまいますが……。愛の記憶がよみがえる過程で夫婦の関係は徐々に変化し、真実の愛へとたどり着きます。
  • 今日から始まる物語
    -
    マリの勤めるホテルが買収され、巨大ホテルチェーンの傘下に入った。そして今日、新しいオーナーのルカ・フィオーリがマリを訪ねてきた。彼には独自の経営プランがあり、思いどおりにホテルを改修するつもりらしい。今のホテルの雰囲気に愛着を感じているマリとしてはおもしろくないが、さらにおもしろくないのは、イタリア人の彼に反発を覚えながらも、そのハンサムな風貌に魅力を感じている自分だった。ところが一方で、マリは胸の奥に大きな不安も抱えていた。それは忘れようとして忘れられない、ある出来事の記憶――男性との付き合いにどうしても臆病になってしまう、心の傷だった……。■イマージュに初登場の作家ドナ・アルウォードの作品をお贈りします。悲しい過去のせいで愛に踏み切れずにいる恋人たちを、カナダの美しい自然が癒していく、心にしみるロマンスです。
  • 孤高の不良公爵
    -
    幻ではない。目の前にいるのは、本当にジオだ。酔っぱらいに襲われたイシーを助けてくれたのは、あの、ジョヴァンニ・ハミルトンだった。子供の頃、イシーの母が家政婦をしていた公爵家の息子。複雑な家庭環境のせいで心を閉ざした少年の、不良っぽく大人びた雰囲気はイシーを夢中にさせたが、彼女が十七歳だったあの夜、幼い恋心は粉々に打ち砕かれた。二度と会いたくないと思っていたジオ。なぜここにいるの?戸惑う彼女を、彼は十年前よりさらにセクシーになった瞳で見つめた。「大人になったな、イシー。そろそろ仲直りしないか?」そう言うと、彼は口もきけずに立ちすくむイシーの唇をふさいだ。■窮地にいたイシーをジオが助け、運命的な再会を果たした二人。再び情熱におぼれますが、ジオの孤独な魂は、決してイシーをそれ以上近づけようとはせず……。
  • 嘘と誘惑のダンス
    -
    パーティの夜、王女アンは沈んでいた。父の容態が思わしくないのだ。彼女を優しくダンスに誘ったのは、首相の息子サム・ボールドウィン。今日もすばらしくハンサムだ。踊るうち涙ぐんでしまったアンは心の支えがほしくて、部屋まで送ってくれた彼と一夜を共にした。三カ月後、アンは妊娠の事実をサムに告げられず悩んでいた。サムが責任を感じてアンと結婚し、王室の一員になれば法律によって、彼の政治家になる夢は絶たれてしまう。それに、あの夜私は彼に嘘をついた……。けれど兄妹たちに諭され、ようやくアンは打ち明ける決意をした。「マスコミには、きみとぼくは友達だと思ってもらうしかないな」サムの答えは、アンのかすかな希望を打ち砕いた。■ミシェル・セルマーのロイヤル・ミニシリーズ〈愛の国モーガンアイル〉の関連作です。D-1450「恋を夢見る白雪姫」で幸せをつかんだルイーザの双子の姉アンが、想いを寄せる男性と夢の夜を過ごします。いつもは冷静なアンの灼熱の恋のゆくえは……?
  • 告白は結婚式で
    1.5
    ブリスベンの病院に勤める産科医のマーティは心を痛めていた。自動車事故にあって早産したナタリーという妊婦が、治療のかいもむなしく亡くなったのだ。そこへ、赤ん坊の父親であるスペイン人外科医――カルロス・キンテーロが現れた。彼はスペインでナタリーとつかの間の関係を持ったが、彼女が妊娠していた事実はまったく知らなかったという。赤ん坊に情が移っているマーティの姿を見るや、カルロスはとんでもない話を持ちかけた。“僕の妻になって子供を育ててほしい”と。
  • 愛は嘘とともに
    3.0
    母の死後、まだ幼い異父弟ジーノを育てているリビーのもとに、イタリア巨大企業の後継者ラウル・カルドゥッチが訪ねてきた。彼の養父、そしてジーノの実父でもある先代が亡くなり、遺言によってジーノに莫大な財産が遺されたという――母子ともにイタリアで暮らすことを条件として。問題は、リビーがジーノの母親だとラウルが信じていることだ。貧しい私が母ではなく姉とわかれば、弟は連れていかれてしまう!とはいえ、病気がちな弟に良い環境を与えてやりたいとも思う。たとえ財産狙いと思われても、母親と偽ってイタリアへ行こう。私への軽蔑の念を隠そうともしない、この尊大な男性と……。
  • 楽園の罠に落ちて
    4.0
    ソフィーは兄のジェイクから相談を持ちかけられて困惑した。モニカという女性と結婚したいのだが問題があるという。モニカの兄ダニエルは両親の死以来、妹を自分の手で育ててきた。それゆえ保護者意識が強く、ジェイクとは以前から仲が悪い。そこで、なんとかあいだを取り持ってもらえないかというのだ。ソフィーはダニエルの会社に出向き、ようやく面会までこぎつけた。だが、成功した男のオーラをまとう彼の魅力に気圧されて説得は失敗。さらにきつい言葉を浴びせかけられてしまう。「財産目当ての男になど妹は渡さない!」彼の目の奥に怒り以上の何かがあるとソフィーは気づき、愕然とした。
  • 恋に落ちた復讐者
    -
    ある夜、カーラは兄とその恋人アレグラとともに車で出かけるが、兄が事故を起こし二人は死亡、カーラだけが軽傷で助かってしまう。両親の死後、カーラは粗暴で金銭ずくの兄に虐げられてきた。兄は大富豪の娘アレグラの財産を狙い、時に私も巻き込んだけれど、二人がいなくなった今、すべてを忘れて故郷に帰ろう。そう決心し、仕事先に挨拶に行くと、一人の男性客に目がとまった。黒髪に浅黒い肌をした、なんて優雅な男性なのかしら。これまで恋人もいなかったけれど、ロンドン最後の夜に慰めがほしい。だがひとときの夢を見た翌朝、その男性エンツォは冷酷に告げた――自分はアレグラの兄で、復讐のために君を抱いたのだ、と。■生まれて初めて愛した男性は、よりにもよって彼女に復讐を企んでいた! 愛と憎しみの交錯するこの恋のゆくえは? 砂漠を舞台とするアビー・グリーンのストーリーは来月のハーレクイン・ロマンスから刊行予定です。こちらもお楽しみに!
  • 秘密めいた再会
    4.0
    フィービーとギリシアの大富豪ジェドは交際して一年、今なお二人は互いに夢中だった。彼に抱かれ、愛されて、幸福感に酔っていたフィービーは、ある日妊娠を知り、喜び勇んで彼に打ち明ける。だが、思いもかけないジェドの言葉に打ちのめされた。「愛人の妊娠を望む男など、この世にいない」ショックのあまり彼女は流産し、失意のうちにジェドの前から姿を消す。だが五年後、ある舞踏会で再会し、フィービーは動転した。彼女にはジェドと二度と会いたくない理由があった……。■傲慢なヒーローに対して簡単にはくみしない、凛としたヒロインが印象的な作品を描くジャクリーン・バード。今作も期待に違わぬ出色の出来で、読みごたえたっぷり。最後まで目が離せません!
  • 二人は恋人未満 トラブル・イン・ベガス I
    -
    アレックスは傷心の親友を連れて、女四人でラスベガスにやってきた。夢のような週末を過ごして、いやな現実を忘れるためだ。訪れたのは、宮殿のようにきらびやかなホテル〈マッケンドリック〉。滞在を楽しんでいたアレックスは、ふとしたはずみから、産気づいたコンシェルジュを助け、彼女の仕事までこなしてしまう。そのようすがホテルのオーナーのワイアットの目にとまり、社員が産休を取るあいだ、手伝ってくれないかと持ちかけられる。だめよ、そんなこと。二度と男にはお節介を焼かないと誓ったくせに。つい最近も、尽くすだけ尽くして肝心の恋に破れたばかりじゃないの。でも、困っている相手を見過ごせない性格は、もう走りはじめていた。まるで、ワイアット以外、目に入らないかのような勢いで。■親友四人がラスベガスで週末を――それは傷心を癒すための旅行。でも、彼女たちにはそれぞれすてきな出会いが待っていました。
  • 見えない罠 ニューオリンズ・ナイト III
    4.0
    ★愛する女性はこの手で守る。今度こそ、永遠に。★<僕はグリーンのナイトドレス姿の君をベッドに縛りつける--->ハリウッドでトップ女優として活躍するローレライのもとには、常軌を逸した手紙が数多く届くが、この送り主は特別だった。サディスティックな文面に、ローレライしか知り得ない些細な事柄。送り主は間違いなくストーカーだ。それも、とても危険な・・・・・・。結局、次の撮影では護衛の私立探偵を雇うことになった。ロケ地のニューオリンズはローレライの故郷であり、苦い初恋の思い出を捨ててきた街でもある。そして空港でローレライを出迎えた男性こそ、十六歳の彼女に癒えない心の傷を残した張本人だった。「君をがっかりさせないよ。やつはこの手でつかまえる」十年前よりさらに魅力的になったマイケル・オマリーの言葉を、ローレライはまたしても無条件に信じた。
  • 恋人の嘘 ニューオリンズ・ナイト II
    4.0
    ★ハンサムでプレイボーイの実業家。その真実の姿は・・・・・・?★お金持ちの男性とは付き合わない。それはアランと別れたあとブリスが決めたルールだった。だから、パリのとあるパーティで魅力的な男性に会ったときもきつく自分に言い聞かせた。シェイン・ブルーサードは世界中を飛び回る実業家。そんな人と付き合って、傷つくのはもうたくさん。借金の返済や電気代を心配する生活が私には似合っている。だが、ブリスがいくらデートの誘いを断ってもシェインは屈しなかった。実は、彼の執拗な誘惑には理由があったのだ。確かに彼はブリスを追っていた---宝石泥棒の容疑者である彼女を逮捕するために。
  • 誘惑は夢の中で
    -
    ★真実の愛に目覚めたとき、夢は現実へと変わった……。★エマは心理学を専攻している大学院生だ。修士論文のテーマに“夢判断”を選んだものの、完成まであと一歩というところで、行きづまってしまった。被験者になってくれる男性が一人足りないのだ。彼女は、名うてのプレイボーイと評判のニックに頼むことにした。成功して暇を持てあまし、夢もよく覚えているという彼は、被験者にぴったりだと思われたが……。セッションを重ねるたび体が勝手に反応してしまう。エマは研究者としての自分に危うさを覚えた。興味があるのは彼の夢で、彼自身ではないはず。それなのになぜ、みだらな想像をかきたてられるのだろう?しかも、なぜ彼の見る夢はすべてセックスがらみなの?
  • ハートのささやき
    -
    ★恋に落ちたかどうかはすぐわかる。ハートのささやきに耳をすませばいい。★ぼくの人生には何かが欠けている。麻薬組織に潜入して傷を負った事件以来、カートはそんな思いに悩まされていた。捜査中、彼は愛してはいけない組織の女性を愛した。彼女の言葉を信じ、そして裏切られた。もう見かけだけの女性にだまされたりはしない。残されたのは銃の傷痕とからっぽのハートだけだ。ある日、カートはダナという美しい女性に出会う。ダナは管轄内で起きた強盗事件の証人だった。肩まで届くブロンドの髪に大きなブルーの瞳。謎めいた雰囲気とすがるようなまなざし。カートは矛盾する二つの思いに引き裂かれそうだった。二度とあの過ちを繰り返したくない。いや、ダナのすべてを自分のものにしたい・・・・・・。
  • お城の恋はむずかしい
    -
    ★平民との結婚は、だめ! だめ!かくして王さまの恋は燃え上がった。★アドリア海に面した美しい王国モンロヴィア。ハンサムでお金持ち、おまけに知的なモーガン国王は、理想の結婚相手として女性たちのあこがれの的だった。お城の絵画の修復のためにアメリカから派遣されたスザーナも、有名な国王を一度は間近で見たいと思っていたが機会がない。ところが、ある日、溶剤にまみれて一心に作業していると、だれかがアトリエに入ってきて彼女の後ろに立った。「いつもそんな絵筆を使うのかい?」男の低い声が尋ねる。黙っていると、質問は次から次へと続いた。スザーナは苛立ちを抑えきれなくなった。「悪いけど、まわりをうろついて仕事の邪魔をしないでくれる?」「それが国王の特権なんでね」スザーナがあわてて振り向くと、モーガン国王が微笑んでいた。
  • シークを愛したら
    -
    ★手の届かない人を愛してしまった。婚約者のいる一国の王を・・・・・・。★ヘンリーが行方不明!思いがけない知らせを受けて、ジェンセンは急遽、中近東のスマル王国へ飛んだ。兄ヘンリーは雑誌社の仕事で取材活動中、消息を絶ったらしい。それにしても、なんという暑さ。強烈な光と熱気で窒息しそうだ。こんな異国で手がかりもなく、どうやって捜せばいいのだろう。頼みにしているマイケル・ハサーンという、ヘンリーの大学時代の親友とも連絡が取れないのに。大使館でも、兄に関する情報は得られずじまいだ。途方に暮れ、ホテルの部屋に戻ると、突然、後ろから腕が伸びてきた。「暴れるな」口元を手で覆われ、はがいじめにされる。ジェンセンは男の手に噛みつき、必死になってもがいた。「私はマイケル・ハサーンだ。落ち着いてくれ」なんですって?いったいどういうつもりなの?
  • 恋人はボディガード
    4.0
    ★“ホワイトハウスへ異動を命ず”一本の電話は出会いのプレリュードだった。★異動を命じられ、休暇を返上してホワイトハウスにやってきたニックは、大統領のひとり娘、アシュリーの警護にあたることになった。アシュリーは写真よりはるかに美しかったが、窮屈な生活に嫌気がさしていて、不機嫌な様子だ。反目しあうふたりの関係は、アシュリーのスキー旅行にニックが同行することになって一触即発の状態に・・・・・・。しかし、旅行中に大統領夫妻が誘拐され、ふたりは正体のわからない追っ手から逃げることになる。反発はいつの間にか恋へと変化するのだが、冷静で屈強なニックを前に、アシュリーは素直になれない。仕事に私情を持ち込みたくないニックとのあいだには、大きな壁が立ちはだかっていて・・・・・・。
  • プリンセスの休日
    4.0
    ★王宮の外でプリンセスが見つけた恋---そこに幸せな結末などあるはずもなかった。★ソフィーはカルパティア王国の若きプリンセス。みんなに美しいと崇められた祖母や母とは違い、地味で、救いがたいほどやぼったいプリンセスだ。公務に追われる毎日、愛してもいない相手との縁談話。そんな日々に、満たされない寂しさを募らせていた彼女は、アメリカで会議に出席した帰り、ついに行動に出た。眼鏡をコンタクトレンズに替え、髪をブロンドにブリーチし、流行の服に着替え、ボディガードの目を盗んで逃げだしたのだ!そして、身を隠した町で、ハンサムな男性スティーヴに出会う。地味なお姫様という自分を隠したまま、彼に惹かれていくが・・・・・・。
  • 別れのための一夜 オルシーニ家のウエディング III
    3.5
    エルは仕事に身が入らず、ミスを繰り返していた。というのも、恐ろしい手紙が届いていたからだ。それは明らかに、彼女への危害を予告するものだった。気分を変えようと、休憩室に入ったエルは、侵入者を発見し凍りついた。悲鳴をあげようとしたが、瞬時にすべての動きを封じられる。「ファルコ・オルシーニだ。きみを救うために来た」相手が名乗ったのを聞いても、エルは頑として助けを拒否した。脅されていることを誰にも知られたくない理由があるのだ。だが、侵入者は引き下がらず、強引にエルの唇を奪った。 サンドラ・マートンがニューヨークを舞台に名家の息子たちの恋模様を描くミニシリーズ〈オルシーニ家のウエディング〉。今月は次男ファルコのストーリーです。本当は愛し合っているのに波瀾含みの様相の二人の恋。いったいどうなるのでしょうか?
  • 七日だけの恋人
    -
    エラリーはうんざりし、嫌悪で気分が悪くなりそうだった。男爵の娘である彼女は、父親の遺した屋敷を宿に改装したが、この週末、大富豪ラレンツ・デ・ルカが滞在していた。だが、彼は恋人らしき連れの女性をいとも冷淡にあしらい、あろうことかエラリーにまで誘いをかけてきたのだ。まるで、かつて不貞をはたらき、女性を軽々しく扱った父みたいに。それでも父親を愛し続けた母親はみじめな生涯を送ることになった。だから、私は決して誰も愛さないと心に誓っている。ところが、その夜ラレンツと二人きりになったとき、彼が口にした言葉にエラリーの心は大きく揺れた。 人を愛することを知らなかった男女が出会い、一週間だけの恋人関係を楽しんだあと二人は……。愛の奥深さを知るせつないラブストーリーです。豪奢な雰囲気もお楽しみください。
  • 愛するがゆえの罰
    3.8
    エラの姉はギリシア人の男性と結婚したが、夫婦ともに交通事故で亡くなり、幼い娘カリーが残された。カリーは今、後見人のアリスタンドロス・クセナキス――海運会社を経営する富豪の邸宅で暮らしているという。実は七年前、エラはアリスタンドロスと知り合って恋に落ち、結婚の約束までしながらも、土壇場で婚約を解消したのだった。エラはカリーを引き取ろうと考え、ロンドンからギリシアに飛んだ。ところが、久しぶりに再会した彼は驚くべき条件を提示してきた。仕事を辞め、このギリシアの邸宅に引っ越してきて、いつでも彼の要求に応えて体を捧げる愛人になれというのだ。 本書は、ニンテンドーDSソフト『大人の恋愛小説 DSハーレクインセレクション』に収録された『甘美な代償』を改題して書籍化したものです。
  • きみの声が聞こえる
    4.0
    ★闇をついて、時を超えて、きみの声が聞こえる。★ただ未来や遠くの場所の出来事が見えるというだけで、グローリーは人々から“魔女”と疎まれてきた。ある吹雪の夜、彼女は凄惨な事故の幻影(ビジヨン)を見て飛び起きる。横転した車、血まみれの男性――“彼”が助けを求めている!そう確信したグローリーは嵐のなか病院に駆けつけ、特殊な血液型の彼を救うために、みずからの血液をささげた。そしてワイアット・フィールドというその男性に不思議な絆を感じつつ、名も告げずに去った。数カ月後。何者かによる放火で家族も家も失ったグローリーは、恐怖と悲しみに震えながら、虚空を見つめていた。“ワイアット……どこにいるの? 私を助けて!”
  • 三カ月だけフィアンセ
    -
    ★婚約者のふりをするだけなのだから、キスは禁止、もちろんその先も……。★パリの有名料理学校への留学から戻ってきたチェルシーは、親友からすばらしいキッチンのある住居を提供された。ただし、交換条件がひとつ。初恋の相手だった、親友の兄デイビッドの婚約者役をつとめること。ホテルの入口で、デイビッドは婚約者役の到着を待っていた。ぼくこそが副社長にふさわしい器だと印象づけるのに必要なのは、取締役の面々とその伴侶たちの厳しいチェックに耐えうる婚約者。まじめな優等生然とした彼女なら完璧だ。だが現れたのは、グラビアモデル並みにセクシーな赤いドレス姿の女性。これがあのチェルシー? デイビッドは仰天した。
  • 帰ってきた侯爵夫人
    3.6
    9年ぶりにロンドンの自宅に戻ったジェニファーは決心していた。夫であるロクサム侯爵と正式に離婚し、自分の道を歩むのだと。あの日、彼のもとを去ったのは、不貞の罪を決めつけられたから。誤解を解こうにも、夫は固く心を閉ざしてしまった。以後、人の助けも借りて、貧しいけれど幸せな日々を得たのだ。一方、ロクサム侯爵は不信と感慨、そして嫉妬に駆られていた。彼が酒にひたって放蕩の日々を過ごしているうちに、幼かった妻は、美しく自信あふれるレディに変身してしまった!秘密めいたその瞳に、どんな過去を隠しているのだ?
  • 尖塔の花嫁
    3.5
    亡くなった娘に顔かたちが似ているという理由で、グレンダはエディス・ハートウェルに引き取られた。裕福な養母はグレンダを大切に育ててくれたが、後ろ暗い秘密を打ち明けたのは、死の床でだった。じつはエディスは、娘を将来嫁がせる見返りとして、マルローという一族から莫大な援助を受けていたという。わたしを引き取ったのは、娘が亡くなったことを隠し、贅沢な暮らしを続けるため……。グレンダは驚愕したが、エディスの名誉のためにも、結婚するしか選択肢はなかった。ロワールの城に住む、顔に恐ろしい傷を持つマルローと。 HQ草創期に活躍した作家、ヴァイオレット・ウィンズピアの未邦訳作品をお届けします。フランス、ロワール地方の古城を舞台にした、重厚なロマンスの世界をご堪能ください。
  • ナニーの恋人宣言
    -
    家事代行会社に勤めるエリーは、休暇中の経営者から留守を任され、張り切っていた。ところが初日から、いきなり問題が起こった。世界的なホテルチェーンの代表であるマックから、住み込みの養育係(ナニー)兼メイドの派遣を依頼されたのだ。ナニーの派遣は業務にないが、顧客の彼を逃すわけにはいかない。エリーはみずからその仕事を引き受けることにした。だが、美術館のように美しいマックの屋敷には不可解なことばかり。妻の姿がなく、マックは肝心の子供たちの世話を任せようとしない。この屋敷では、いったい何が起こっているの……?やがてエリーは、子供たちの母親について驚くべきことを聞かされる。 ハネムーン中の友人から会社の留守を預かり、意気込むエリー。前作「ミリオネアの償い」(I-2166)にも登場した、“マジック”こと、エリーのにぎやかな恋の顛末をどうぞお楽しみください。
  • 幸せは今ここに
    -
    不慮の事故で最愛の夫と娘を亡くして四年、エレノアは、いつまでも思い出にばかり浸る生活から抜け出そうと、得意の家事の腕を生かして住み込みの家政婦の仕事を得た。派遣先はロンドン郊外の古い屋敷。主人のマークは海外出張が多く、留守がちだと聞いている。前任の家政婦から渡された鍵で、エレノアは人気のない屋敷に入った。そして、主人がいつ帰ってきても迎えられるように、部屋の片づけや料理の準備に忙しく働いた。なのに、まさか深夜に当のマークと顔を合わせるとは思わなかった。暗がりで寝室を間違えて……思わず目を覆いたくなる姿の彼と。
  • スペイン式プロポーズ
    3.0
    大企業で働くアンドレアは、ある日突然の呼び出しを受けた。若くしてこの企業帝国を率いる伝説的人物、ガブリエル・クルスに。そして、彼と初対面を果たしたとたんに気を失いかけた。五年前、恋に落ちたスペイン人ルシオに瓜二つだったのだ。でも、名前が違う。それに当時、彼は貧しい放浪生活を送っていた。ただ、もしも彼がルシオ本人なら、こうしてはいられない。私には彼に隠しておくべき重大な秘密があるのだから……。ところが、そんなアンドレアの混乱と不安をよそに、ガブリエルは不敵な笑みを浮かべて言った。「驚いたな、僕を見てだれだかわからないとは」 圧倒的なパワーで周囲を翻弄するスペイン人大富豪が魅力的!C・ウィリアムズのラテンヒーローがお好きなら、『イタリア式縁結び』もお楽しみに。
  • 舞い降りた天使
    4.0
    ★天使が舞い降りたこの町で 今、愛の伝説がひもとかれる・・・・・・。★ダービーは保育士。いつもは保育園で子供たちに囲まれている。それが今は悲しい知らせを携え、見も知らぬ男の家の前にいた。男は戸口に立ちつくし呆然としている。突然やってきた女に妹の死を告げられても、信じられないのだろう。彼の名はギャレット・カラム。女性には不自由しないタイプのようだ。そんな、家庭とは無縁とも思える男に子供たちのことを託し、彼の妹は事故で夫とともに逝った。ダービーはその最後をみとり、遺言を伝えに来たのだ。まさか途方にくれたギャレットに、住み込みの養育係として雇われるとは思ってもいなかった。「君はどこか天使に似ている。僕たちを助けてくれた」あの事故の真相を知っても、あなたはそう言ってくれるかしら?ダービーには、隠さなければならない過去があった・・・・・・。
  • マイアミ・ラプソディー
    -
    ★ふたりで過ごす夢のような南国の夜。思わずあなたの言葉を信じてしまいそう。★ミッシェルは母親からの電話に大きなショックを受けていた。母は滞在先のリゾートホテルで出会ったすてきな男性に頼まれ、彼のプロジェクトに投資するつもりだという。冗談じゃないわ!会ったばかりの男性に資金援助するなんて。未亡人となった母にバカンスをすすめたのはミッシェルだったが、まさか詐欺師に引っかかるとは予想もしていなかった。あわててホテルに駆けつけたミッシェルは、問題の男性ラッキー、そして自称”ラッキーの甥”ジョナサンを紹介された。しなやかな長身、浅黒く美しい顔、大胆なまなざし。いつもそういう男性を王子様だと思い込み、泣かされてきた彼女は本能的に彼を警戒し、詐欺の仲間だと決めつける。とにかくジョナサンの態度はどこか不自然だった。ミッシェルにつらく当たったり、突然誘惑してみたり。彼の本心はいったいどこにあるのだろう。
  • 身代わりプリンセス
    3.0
    ★ミーガンが生まれて初めて愛した人は結ばれるはずのない王子様だった★地中海に面する美しい王国、ボマール。アメリカから観光で訪れたミーガンは、婚約祝賀行事の直前に姿を消した王女にそっくりなことから、代役を引き受けることになってしまった!ボマールのガブリエル王女と隣国の皇太子ニコラは、ともに華麗な浮名をながして世界中のマスコミをにぎわせてきた美男美女。このロイヤルカップルの誕生に、国中がわきたっている。だが実は、この結婚は、親同士が強引に決めたもので、王子と王女は愛し合ってはいなかったのだ。王女を装い、華やかで夢のような王宮の行事をこなすうち、ミーガンは、ひとりの男性としてニコラを知り、惹かれていく。事情を知らないニコラも、婚約者の変わりように驚き、彼女への愛を示すようになる。けれども、それは決してかなわぬ恋だった。ニコラは王国の皇太子。彼が婚約しているのは王女であり、ミーガンは、その身代わりなのだから・・・
  • 記憶喪失の花嫁
    3.0
    ★記憶を失ったまま初々しい花嫁でいてほしい。そうすれば、危険から守ってやれる。★目覚めると記憶をなくしていた。かすかな距離を置いて横に眠る男性は、だれ?クロゼットにウエディング・ドレスがかかっているけれど、私のものだろうか?となると、彼は花婿?でも、私は自分の名前さえわからない。困惑状態の彼女以上に、起き上がった花婿は混乱した。やがて事態を理解した彼の説明は---自分たちは新婚旅行中で、彼はゼーン、私はホイットニー。私はプールで滑って頭を打ったらしい。でも・・・・・・熱々カップルのはずなのに、なぜ彼の愛撫はぎこちないの?抱えきれない疑問に押しつぶされそうな彼女を見つめながら、ゼーンはまだ真実を明かさないことにした。危機が去るまで、このままでいよう。
  • 裏切りの刃
    3.0
    「横領容疑であなたに逮捕状が出ています」初めて愛した男性ブレットとついに結ばれた直後、幸せの絶頂にあったテッサは刑事の言葉に耳を疑った。なんですって? 私は一介の経理事務員よ。生まれこそ貧しくとも、横領なんてするわけがないのに。でも、社長の信任のあついブレットなら無実を証明してくれるはず。一縷の望みを彼に託したテッサは、やがて残酷な現実を知る。テッサを告発したのはブレット本人であり、彼がテッサに近づいたのは捜査のためだったということを。絶望の淵に沈んだ彼女は、勇気を奮い起こし唯一残されたプライドをかけて汚名を晴らそうと決意した。 世界的大ベストセラー作家リンダ・ハワードが描く、愛憎入りまじるロマンティック・サスペンスの傑作!濃密な心理描写とセクシーなラブシーンをご堪能ください!
  • 瞳の中の楽園
    3.5
    姉の遺児である双子の赤ん坊を育てているギャビーは、ある日、ギリシア有数の大富豪、アンドレアスに面会を申し込んだ。アンドレアスこそが、この赤ん坊たちの父親なのだ。亡き姉は彼と一夜の関係を持って妊娠し、ひそかに出産したのだった。しかし、話を聞いたアンドレアスは身に覚えがないようすで、ギャビーを手切れ金目当てと決めつけ、冷たくあしらう。プレイボーイと知りつつ彼に一目惚れしたギャビーは失望を噛み締め、子供たちは自分で育てていこうと心に決めた。ところが――翌日アンドレアスは自分にそっくりな男性を彼女に引き合わせた。「僕の双子の兄だ。赤ん坊たちの父親は、実は兄なんだ」
  • 星と砂とシーク
    3.0
    「まさか、そんな」ハナーの口からつぶやきがもれた。もしこれがあの人なら、ここにいるだけで村が危なくなる。看護師として、北アフリカで医療活動を続けるハナーは、救援物資を村に届けてくれたトラックの運転手を見て驚いた。途中で武装勢力に襲われ、傷ついているばかりではない。彼はハナーの祖国の英雄、アーリム・エル・カナールだったのだ。世界でもっとも有名なレーシング・チームのドライバーであり、石油と天然ガスを掘り当て、国に繁栄をもたらしたシーク。でも、その栄光は三年前に終わりを告げた。兄を事故で失って以来。彼は今祖国を捨て、失踪中の身。こんなところで会おうとは……。ハナーは背後に迫る追っ手の影を感じていた。
  • 億万長者と無垢な家政婦
    3.0
    愛していた男性から手ひどい裏切りを受けて以来、ルイーザは休暇も取らず家政婦の仕事に明け暮れてきた。男性の興味を惹かないよう、黒縁眼鏡をかけて髪をひっつめ、だぶだぶの灰色のスーツで地味に装って。だが、アルゼンチン出身の億万長者ラファエル・クルスに五年間仕えるうち、彼への思慕が抑えきれなくなってしまう。ラファエルは次々に美しい女性と浮き名を流すプレイボーイ。彼が新しい恋人とデートに出かけた夜、ルイーザは悲しみに耐えきれず、ひとりキッチンで泣いていた。そこに早めにデートを切り上げたラファエルが帰宅して……。■起伏に富んだストーリーで読者を引きつける、J・ルーカスの新作をお届けします。長い間、女らしさを封印してきたルイーザがラファエルの愛で劇的に美しく変化していく過程が見どころです!
  • 愛されたくてついた嘘
    4.0
    ローアンは、ホテルのロビーで弁護士を待っていた。夫の元にいる息子と面会できないか相談するためだ。じつは彼女は二年前、出産直後に病院から黙って姿を消していた。妻や母になる心の準備ができていないという置き手紙だけを残し、本当の理由は告げないままに。なぜならローアンと夫イサンドロの結婚は契約結婚で、もし真実を明かせば、契約に反すると思われただろうから。そのとき小さな男の子がロビーを駆けてきて、彼女の足元で転んだ。背後から父親らしき男性が現れる。まさか、そんな!顔を上げると、そこには氷のように冷たいイサンドロの目があった。
  • 一夜だけでも
    4.0
    「いくら払えば、今夜僕と過ごしてくれるかな?」突然訪ねてきた男性の問いに、マリンはショックを受けた。よくよく聞けば、決して変な意味ではなく、彼の同伴者として姉の代わりにパーティに出席してほしいという。男性の名はジェイク。姉が勤める広告会社の経営者で、名うてのプレイボーイとして知られていた。彼の危険に満ちた雰囲気に臆したものの、失業の危機にあった彼女は、多額の報酬に屈して承諾する。だがジェイクの身勝手な思惑から、次の週末も、マリンは彼の恋人として過ごす羽目に陥った。■報酬が目当てで恋人役を演じていたはずのマリン。いつしかジェイクの本物の恋人になりたいと願うようになるのですが……。S・クレイヴンが描くせつない恋物語をお楽しみください。
  • 青い瞳の大富豪
    3.0
    ウィローはイギリスの片田舎のコテージに引っ越した。つらい離婚から一年。ようやく新しいスタートを切るのだ。隣には豪奢なマナーハウスが建ち、実業家が住んでいるという。いったいどんな人なのかしら? 気難しいお年寄りとか?ぼうっとしていた彼女は、焚き火の勢いが増したのに気づかなかった。■モーガンは、隣家の庭から火の手が上がるのを見つけた。いったいどういうことだ? 引っ越した早々に、もう火事を起こすとは! すぐに駆けつけて火を鎮火したモーガンは、あらためて隣人をまじまじと観察した。今度はもっと厄介な炎が、彼の中で燃え上がりはじめた。
  • 永遠を誓うギリシア 前編
    3.0
    ビリーは八歳のとき、地中海に浮かぶ島に母と移り住んだ。よそ者であるうえに、母の奔放な行状のせいでつまはじきにされていた彼女を、一人の少年が救ってくれた。それがアレクセイ・ドラコス――ビリーの現在のボスだ。今や彼の個人秘書として、恋の後始末までも引き受けている。彼に焦がれながらも相手にされないつらさに耐えていたビリーは、あるとき母の愛人から乱暴されそうになり、思わずアレクセイの所有する大型ヨットに逃げこんだ。翌日、突然熱いキスで誘惑してきた彼にビリーは言った。「あなたが征服した女性の一人になるのは、いや!」■絶大な人気を誇る作家リン・グレアムの新作を二カ月連続でお届けします。今月はビリーとアレクセイの出会いから結婚に至るまで、そして来月は二人の結婚式以後の予想外な展開へと続きます。
  • 心があなたを忘れても 我が一族アネタキス I
    4.8
    彼の子供がおなかにいる――その事実を知ったマーリーは、一人物思いにふけっていた。子供の父親クリュザンダーはゴージャスなギリシア人実業家で、ふたりはいま、一つ屋根の下に暮らしている。妊娠を打ち明けたら、クリュザンダーはどんな反応をするだろう?彼がふたりの関係をどう考えているのか確かめようと、マーリーはさっそく、仕事から戻ったクリュザンダーに問いかけた。「ぼくらの間に関係なんてものはないよ。きみは“愛人”だ」返ってきた辛辣すぎるその言葉に、マーリーは凍りついた。だが運命は、さらなる悲劇を彼女に用意していた。■期待の新人作家マヤ・バンクスが、ギリシアの三兄弟を描く〈我が一族アネタキス〉。一話目は長男クリュザンダーの登場です。愛人が会社の機密情報をライバルに渡していたと知り、激怒して彼女を家から叩きだしたのですが……。
  • ときめきを君に
    3.0
    広大な敷地に使用人夫婦と暮らす富豪の老人に雇われ、カリーナが専属看護師として移り住んでから九カ月がたった。気難しいシルバー翁に辛抱できず、何人も看護師が替わったらしい。でもカリーナはすぐに孤独な老人の強がりを理解し、持ち前の同情心とユーモア感覚のおかげで、互いに会話を楽しみながら打ち解けた関係を築きあげていた。シルバー翁には息子が一人いるが、何年も前に家を出たという。どうやら仲違いしたようで、屋敷の中には息子の写真が一枚もない。ところが十二年ぶりに帰郷すると便りがあり、老人は気が高ぶっていた。親をこんなに心配させるなんて、どんな人かしら?みんなが寝静まった夜、カリーナはその当人を迎えることになった。グレーの目をした傲慢な男――アントニオは彼女の予想を超えていた。
  • 友達にさよなら
    -
    ソフィが勤める病院に、脳腫瘍の摘出手術を請われてオランダ人医師レイク・ファン・ターク・テル・ヴェイスマ教授が招かれた。世の中はなんて狭いのかしら!石畳に靴のヒールがはさまって途方にくれているところを助けてくれた男性が彼だったのだ。ソフィは再会を嬉しく思ったが、教授は突然彼女のフラットを訪ねてきた。「君をドライブに誘いたいんだ。ひょんな出会いだったが、僕たちは友達になれると思ってね」いったいどういうこと? しかしソフィはわけもわからないまま教授の申し出を受けていた。
  • ローマがくれた愛
    -
    デザイナースクールに入る資金をつくるため、キャロラインはモデル事務所と契約した。ファッション業界のことも学べるんだわ。そう思うと胸が躍ったが、現実は厳しかった。デザイナーは二流、モデル料も半分は事務所の斡旋料と家賃に消え、貯金どころではない。ある日のショーのあと、招待客を接待していたキャロラインは下品なバイヤーに言い寄られ、その場を動けず困惑していた。「どうしたんだい? 今夜は僕とつき合う約束だっただろう」振り向くと、ショーの時彼女をじっと見つめていた男が立っていた。「夜のつき合いも仕事のうちだ。隠す必要はないさ」白馬の騎士が助けに来てくれたと思ったら、人を侮辱して!そこに留まるか男についていくかの選択を迫られた彼女は……。
  • 美しい夢をあなたと
    4.0
    継父にうとまれたせいで、ローラは十六歳のときから自活の道を歩むしかなかった。医師になる夢を実現した今では、国際救護団体(GAO)で医療支援に携わっている。財政破綻のために医療制度が崩壊しているアルゼンチンには、ラ・クリニカという意欲的な病院がある。そのことを知ったローラは四人のチームでアルゼンチンに来たが、せっかくの支援活動を邪魔する者が現れた。ラ・クリニカの設立者で院長でもあるアルマンド・サラザールだ。彼はローラを部下扱いし、支援チームを医療現場から遠ざける。しかし、それは彼女を襲う試練の幕開きに過ぎなかった。■ディザイアでも人気のオリヴィア・ゲイツ。イマージュでは、医療現場を描いたロマンスをお届けしています。アルゼンチンを舞台にした本作は、究極の状況に置かれた主人公たちの物語です。
  • あの日の恋をもう一度
    4.0
    たった一人の肉親だった祖父の死後、メイは途方にくれていた。三十歳の誕生日までに結婚しないと屋敷の相続権を失うなんて……。あの日以来、恋人はいない。しかも、三十歳の誕生日は間近。一方、アダムは妹が置き去りにした赤ん坊を前に困り果てていた。手紙には、頼るべきはメイ・コールリッジとある。深窓の令嬢メイとの身分違いの恋を諦めたあと、アダムは実業家として成功。今はセレブの仲間入りを果たしていた。その日、偶然公園で会い、十三年ぶりに言葉を交わした二人は互いの窮状を打ち明け、そして……偽装結婚に合意した。
  • 愛されない愛人
    3.5
    十代で母親を亡くし、さらには交通事故で父親も失ったうえ、自身も重傷を負ったマリナを新たな悲劇が襲う。オーストラリア有数の実業家ウェイクフィールドの卑劣な企みにより、弟が一族の会社を騙し取られたのだ。思わずウェイクフィールドのパーティに乗り込んだものの、追い払われそうになったマリナは、ひとりの男に救われる。端整な顔に厳しい表情を浮かべたその男の名はローナン。莫大な資産を持つ裕福な実業家だという彼は、ある条件と引き換えにマリナが会社を取り戻すための協力をしようと申し出る。その条件とは、ローナンの愛人を演じるというものだった。■魅力的な外見を持ちながら、男性を避け家族のために生きてきた純粋なヒロインが愛人を演じることになり……。アニー・ウエストのシークをヒーローとした作品も現在ハーレクイン・ロマンスから発売中です。合わせてお楽しみください!
  • スペインの一夜
    4.0
    マギーは婚約者から自分が養女であるのを知らされ、婚約破棄された。心の痛手を癒すためスペインを訪れるが、散策中に迷ってしまう。やっと目的の建物を見つけ、そこを目指して通りを渡ったときバイクにぶつかりそうになり、居合わせた男性に助けられた。黒髪に優雅な雰囲気を持つスペイン貴族のような男性……。ラファエルと名乗るその男性の誘いに彼女は思わずうなずいていた。ラファエルは通りを渡ろうとしている女性を見て愕然とした。なんてことだ! 友人と瓜二つのその女性は、予定外の妊娠の結果、友人が外国に養子に出した娘に間違いない。復讐にやってきたのか?彼女を友人から遠ざけるためには、僕が今夜を一緒に過ごすしかない。
  • エーゲ海に捨てた恋
    3.5
    イザベルは日常から逃れ、ギリシアの孤島での休暇に向かった。だが、奥まった静かなビーチを目指して岩場をわたっているとき、運悪く足を滑らせて転落し、裸同然の姿で気を失ってしまう。意識が戻った瞬間、浅黒い肌に逞しい体をした男性の姿が目に入った。なんてゴージャスな男性! でも、明らかに嫌悪の表情をしている。男性はビーチの所有者ルーカスで、大成功した実業家だというが、けがをして動けない彼女を家に滞在させてくれながらも、なぜか冷淡な態度をとりつづける。大富豪の気を引くために私が裸体をさらしたとでも思っているのね。実は彼の態度には別の理由があるとはイザベルは知るよしもなかった。
  • 六人目の花嫁
    4.0
    親友の結婚式でブライズメイドを務めたタミーは、パートナーとして組んだ花婿の付添人フレッチャーに魅了された。彼は天才的頭脳で事業を成功に導き、巨万の富を築いた億万長者。しかも親友が言うには、傲慢なプレイボーイだという。実際、タミーに向けられた彼のまなざしはとても情熱的で、思わずその暗黙の誘いに応えたくなるほどだった。けれど、彼が求めているのが一夜限りの関係なのは明らかだ。その唇から愛の告白や約束の言葉がこぼれることはないだろう。だからタミーは愚かな夢は捨て、きっぱりと彼をはねつけた。まさか二人目の親友の結婚式にも彼が現れるとは思いもせずに。■親友同士の六人の女性は、仲間の誰かが結婚するときはブライズメイドを務めるという固い約束を結んでいました。そしてタミー自身の恋模様は……? ハーレクインを代表する作家エマ・ダーシーの作品は現在ハーレクイン文庫からも刊行されています。
  • 荒野のランデヴー ラスト・チャンスへようこそ I
    -
    偏屈な恋人と二年つき合ったあげくに振られた写真家のドミニクは、再び自由な自分を見つけて自信を取り戻すため、昔から憧れていた土地、ワイオミングへやってきた。カメラを携え、宿泊している牧場の敷地へ散歩に出かけたところ、太陽に照りつけられ、汗に光る男の背中を見つける。ドミニクは思わずシャッターを切り、そのセクシーさに息をのんだ。男は振り返ってドミニクの全身を眺めまわすと、にやりと笑った。「君も写真に撮りたくなるほどホットだよ」何かがドミニクの全身に音をたてて戻ってくる。男は続けた。「さて、ホットな二人としては、何をしようか?」■最高にセクシーで、熱いハートを持つチャンス三兄弟の登場です。ヴィッキー・L・トンプソンによる〈ラスト・チャンスへようこそ〉は、次男の獣医ニックとドミニクのロマンスで幕を開けます。3カ月連続で刊行いたしますので、どうぞご期待ください!
  • 嘘つきなダイヤモンド ラブ&ビジネス I
    3.0
    突然、ニューヨークまで訪ねてきたジェイソンを前に、ローレンは思わず、ふくらみかけた腹部に手をやった。仕事仲間だったジェイソンとベッドをともにしたのは、四カ月前。既に彼は、転職してサンフランシスコへ行くことが決まっていたため、そのあとはお互い、別々の道を歩むはずだった。だから、妊娠が発覚してもジェイソンには連絡せずにいたのだが、どうやら友人の一人が彼に知らせてしまったらしい。「ぼくと婚約して、サンフランシスコに来てくれないか?」子供のためだけに結婚するなんて――ローレンが断ると、ジェイソンはある提案を持ちかけてきた。■今月より六カ月にわたってお届けする〈ラブ&ビジネス〉第一話です。サンフランシスコを拠点にした大手広告代理店〈マドックス・コミュニケーションズ〉。そこで働く社員たちの恋模様を描きます。洗練された街で生まれる、小粋なロマンスをお楽しみください。
  • 独りぼっちのエンジェル キング家の花嫁 VII
    -
    デイジーはキャンプ場での料理人の求人に応募するため、ジェリコ・キングが運営する山荘を訪ねた。さすが裕福なキング家の人間だけあり、山荘は城と見紛うほど豪華だ。元軍人のジェリコは、デイジーの亡き弟が生前尊敬していた同僚。一年前に戦地で弟が死んだとき、ジェリコはデイジーに手紙をよこし、“僕にできることならなんでもする”と約束してくれたのだ。だがジェリコは、デイジーの華奢で女っぽい姿を目にするなり、山での生活には向いていないと決めつけて追い返そうとする。ジェリコをなんとかして説得しようと、デイジーは心に誓った。どうしても彼のそばにいたい、ひそかな理由があったから。■名家キング家の男たちを描く、モーリーン・チャイルドの人気ミニシリーズ〈キング家の花嫁〉の最新作をお届けします。
  • 恋を夢見る白雪姫
    -
    トーマスアイル国の王女ルイーザは、末っ子として両親やきょうだいから過保護に育てられたため、二十七歳にしてうぶで無邪気すぎるともっぱらの噂だ。そんなルイーザが、ある舞踏会の席で一人の男性に出会った。彼の名はギャレット・サザーランド。国内有数の裕福な実業家だ。常々、おとぎばなしのような恋を夢見ていたルイーザは、ギャレットを見た瞬間に運命を感じる。一方のギャレットも、ルイーザへの好意を隠そうともせず、純真すぎるプリンセスの恋は、向こう見ずに走りだした。この出会いが仕組まれたものだとは、夢にも思わぬまま。■ミシェル・セルマーのロイヤル・ミニシリーズ〈愛の国モーガンアイル〉の続編です。これまでの簡単なあらすじがついています。前向きで可愛らしいルイーザの恋をお楽しみください。
  • 今宵ワルツを
    -
    我ながら本当にどうかしている。見も知らぬ男性のヨットに乗って地球半周の航海に出るなんて。オーストラリアの港町で、カフェのシェフをしているジェニーは、店に来たヨットマンの誘いに応じた大胆な自分に驚いていた。南米のホーン岬を経由してヨーロッパへ戻る旅に、ラモンと名のる男性と二人で向かうことになったのだ。彼は地中海沿岸の小さな王国セフェウスへ帰るところで、シェフ兼クルーとして雇ったわたしに下心などないと言っている。それに、もしうまくいかなければ途中で船を降りればいいのよ……。ジェニーは港に停泊している優美なヨットに思いをはせた。そして父が子供のころ行ったことがあるというセフェウス王国にも。■ロイヤル・ロマンス三部作〈地中海の王冠〉を刊行し、好評だったマリオン・レノックス。彼女が地中海を舞台に、新たな王家の物語を書きました。戴冠式から舞踏会まで、魅惑の宮廷絵巻をご堪能ください。
  • とらわれの楽園
    -
    イゾベラは十代のころ、人気モデルとして活躍していた。だが、ストレスの多い仕事に疲れはてて引退を決意した矢先、悲劇的な出来事が起こり、消えることのない傷を体に負った。それから十数年後の今、イゾベラはブリスベンにある研究室に勤務している。ぶかぶかの実験用白衣で体を隠し、不格好な眼鏡をかけて、女であることを捨てたような生活を送りながら。そんなある日、イゾベラはギリシア人の雇主――アレクサンダー・ザフィリデスと初めて顔を合わせた。そのうえ、魅力的な彼と楽園のような島に行くはめになり……。
  • 妻と呼ばないで
    3.0
    秘書のクロエは、イタリア人実業家の上司――ロレンツォ・バレンテにひそかに思いを寄せてきた。だが、名家出身の億万長者である彼にプロポーズされることなどありえないと考えていたので、今日ベネチアの教会で結婚式を挙げた幸せに彼女は身を震わせた。ところが、その夜クロエがふともらした言葉にロレンツォは激怒し、恐ろしい事実を明らかにする。絶望のあまり、クロエは彼の大邸宅から逃げ出した。三カ月後、イギリスの小さな村で暮らすクロエの前に、険しい表情を浮かべたロレンツォが姿を現し……。
  • 思い出は遠く切なく
    3.0
    激しい雨の中、ソフィーはロンドンの街をとほとぼ歩いていた。まさか、あんな場所でニコスと再会するなんて。四年前、父の客として訪れた彼にソフィーは恋をした。だが結ばれた直後、ニコスは理由も告げずにアテネへ発ったのだ。その日から彼女の人生は暗転し、地獄の日々が続いた。突然、ソフィーの横でタクシーが止まった。ニコスが怒鳴った。「乗れ!」拒むソフィーを強引に乗せたニコスは、彼女をなじった。「あんないかがわしいパーティで何をしていた?」欲望とドラッグに満ちた部屋――それが二人の再会の場だった。
  • 愛の囚われ人
    3.3
    リリーは地中海の小国モンテビアンコの留置場で震えていた。本当はこんな国になんて足を踏み入れたくなかった……。仕事でやむなく来ただけで、滞在もわずか二日の予定だったのに、街で買った土産物に盗品があったせいで出国できなかったのだ。でもまさか、ここで彼と出くわすことはないわよね?そんな彼女の心配が現実となった。目の前に男性が現れたのだ。ニコ・カヴェリ! かつて夢のような一夜をともにした男性――そして彼はあろうことか、この国の皇太子でもある。「これはどういうことだ! この子は誰なんだ?」問いつめるニコの手には、彼とそっくりな男の子の写真があった。■お互いに惹かれながらも、素直になれずにすれ違うリリーとニコ。二人の恋のゆくえは? 実力派新人作家リン・レイ・ハリスが描く、華やかな王族のロマンスをお楽しみください。
  • さまよえる砂漠の王 シークの憂い I
    4.0
    ハイダル王国の若き女王ライラは、複雑な思いを抱えながら婚礼の準備に取りかかっていた。自らを犠牲にしてでも国民を幸せにすること――それが女王としてのつとめだと理解はしている。クセイ王国の国王ザヴィアンとの政略結婚は、十年も前から決められていたことだし、不満はない。でも……。婚礼が済み、ハネムーンでザヴィアンの人柄に触れ、ライラは思いがけず彼に強く惹かれている自分に驚いた。だが、彼の手首にある謎の傷跡を目にしたとたん、妙な胸騒ぎを覚えた。やはり彼には何か秘密があるのかしら?■こちらは昨年好評をいただいた〈ダイヤモンドの迷宮〉の続編です。今作はハーレクインコミックスでも今月同時発売となりますので、是非あわせてお楽しみください!
  • ミリオネアの償い
    -
    一人で起業した家事代行会社がようやく軌道に乗り始め、リズはその朝、張り切って最初の顧客の家を訪れた。しかし、そこにいたのは腰にタオルを巻いただけの男性。なのに、リズが驚いたのは彼のそんな姿ではなかった。その男性こそ、リズが三年前に別れた夫、ケインだったのだ。二人は六年前に結婚したが、直後に起きた不幸な事故のせいで、彼は心を閉ざすようになり、リズは孤独に耐えかねて家を出た……。再会した今、リズは改めてケインへの思いを意識した。ひょっとしたら、彼とやり直せるかもしれない。でも、ケインともう一度向き合うためには、リズは彼にどうしても打ち明けなければならないことがあった。
  • 恋人は王子様
    -
    妹の婚約お祝い会に出席したエミリーは、ばつの悪い時間を必死にやり過ごしていた。妹の結婚相手が、よりによって自分を棄てた恋人だなんて。どんなに冷静を装っても、心は屈辱に打ちのめされていた。と、そのとき、携帯電話が鳴った。新しい顧客で友人になったばかりのミスター・タリムだ!応答したエミリーの口から、思いがけず大胆な言葉が飛び出した。二十分後、エキゾチックで精悍な紳士の登場に、場内はざわめいた。エミリーはすぐさま彼の前まで行くと、その唇にキスをした。■妹に恋人を奪われたうえ、婚約者のいるシークに恋してしまった不運なヒロイン。ですが、思いもよらないハッピーエンドが彼女を待っていました。砂漠の王子様との情熱の恋をご堪能ください。
  • 伯爵の甘い罠
    -
    メグはカステルフィーノ伯爵邸の壮麗な庭園改築のデザイナーとして屋敷に住み込むためトスカーナを訪れる。だが豪奢な屋敷に着くと、出迎えたのは老伯爵ではなく、見覚えのある男性の不機嫌な顔だった。ジャンニ・ベリーニ! 数カ月前に偶然出会い、ひと目で惹かれたが、プレイボーイで有名な彼はメグに気を持たせただけで去っていった。その彼がどうしてこの屋敷に? しかも、明らかに迷惑そうだ。老伯爵が数日前に亡くなり、息子のジャンニが伯爵の称号を継いだが、庭園に興味のないジャンニは改築をとりやめるつもりだとメグは知る。それでも老伯爵との契約を主張するメグに、彼はあっさり折れた――メグとのひとときの情事を楽しむために。
  • 展覧会の絵
    -
    偶然ロリー・オーモンドの個展が開かれるのを知ったゾーイは、その展覧会に行ってみずにはいられなくなった。ロリーはかつての恋人……でもまさか、七年前に描かれた自分のヌードと対面するとは思わなかった。動揺を隠せないまま、逃げるように画廊をあとにすると、帰り道で一人の青年に声をかけられた。画廊で見かけた男だ!関わり合いになりたくなかったが、熱心さに負けて話を聞くと――その青年が思いを寄せる少女がロリーに夢中になっている、あなたはロリーをよく知っているはずだから、彼女に忠告して危険な恋から救い出してほしい、というのだ。
  • 偽りのレクイエム
    -
    「きみはその曲をリック・デイカーのために書いたのか?」通りで次作のバラードを謳っていたタンジーは、その言葉に凍りついた。とうとう現れたわね、レオ・デイカー。リックの母親違いの兄。家出した十七歳のリックは、二カ月タンジーのフラットに居候したあと自分を見つけたいと出ていった。誰にも居場所は教えないでと言い残して。「弟のことで話がしたい。母親が……癌で、会いたがっているんだ」頬を打たれたようなショックだった。でもリックのことは言えない!お役には立てませんとその場は切り抜けたものの、タンジーは彼の端整な外見の下に潜む危険な野性を感じて不安だった。レオはどんな手を使っても弟の居場所を聞き出そうとするに違いない。そして彼女の恐れは、やがて現実となるのだった。
  • いくたびも夢の途中で
    4.0
    「あなたとは結婚しないわ」プルーデンスは婚約者のトニーに、いきなり言った。もう限界だった。新婚の妹夫婦が招いてくれたホームパーティなのに、彼は終わりかけたころに現れて、忙しいからとすぐに帰ろうとする。婚約して四年、仕事にかこつけて結婚さえこの調子で待たされてきた。そんな彼女の悩みを聞き、自分の下で働かないかと勧めてくれたのが、妹の夫の友人で、パーティに来ていたベネディクトだった。でも、彼はオランダから来た医師。そばで働くには、プルーデンスが彼の自宅に住み込まなければならない。婚約者との関係に思い切って決着をつけられたものの、彼女はイギリスから見知らぬ外国へ行くことへの不安を覚えていた。■懐かしくも優しいロマンスの世界を、今もなお読者に伝えてくれるベティ・ニールズ。今回は、長い旅のはてにたどりついた中世の城、ウォリック城でのヒーローの告白が感動を呼びます。ご期待ください。
  • 遠い日のフィアンセ
    4.0
    アレグラは十八歳の誕生パーティに現れた裕福な男性――ステファノに心を奪われ、一年後に彼との結婚が決まった。だが、結婚式の前夜に父親とステファノの会話を耳にして、衝撃のあまり家と故郷を捨てた。この結婚が男たちの“取り引き”に基づいたものだと知ったのだ。あれから七年、アレグラはロンドンで自活しながら、過去のことを忘れて前向きに生きようと務めていた。ところが、従妹の結婚式でステファノと再会し、いまも彼の魅力にあらがえないことを思い知らされる。ある目的のためにステファノが近づいてきたとは想像もせずに。
  • ベニスのシンデレラ
    3.0
    一人旅でイタリアのベニスにやってきたジリアンは現地の男性と恋に落ち、やがて結婚することになったものの、式の最中に彼に騙されていたことを知り、傷心のなか逃げだした。以来、帰国して自分の失敗を家族に打ち明ける勇気も出ず、かといって、もうお金も底をつきそうで途方に暮れていた。そんなとき、ジリアンの前に思わぬ救世主が現れる。ひょんなことから知り合った公爵家の若き当主ジャンニから、産休中の秘書の代わりを務めてほしいと頼まれたのだ。ジリアンは藁にもすがる気持ちで引き受けることにするが……。
  • 誘惑は罪
    3.0
    ヴァージニアは家族経営の会社で重要なポストを任されている。そのキャリアに加え、男勝りな性格と冴えない容貌が災いして、なかなか男性には女として見てもらえない。そんなヴァージニアに誘いをかけてきたのが、ディロン。最近会社にやってきたセキュリティ部門の責任者で、男らしくセクシーな彼に、ヴァージニアは夢中になる。だが、運命の人に出会えたと思っていた矢先、事件は起きた。デートの最中、車内でディロンに睡眠薬をのまされたのだ。いったいどういうこと? 混乱しつつ、彼女は意識を失い……。
  • 今だけはこのままで 情熱を知った日 I
    4.0
    カッサンドラは世界的に有名なピアニストにして作曲家。だが、人前に出るのが怖くなり、数年前に演奏活動をやめてから、他人と接するのはチャリティで引き受けるピアノのレッスンのみ。今回生徒になったのは、ピアノを弾いたこともない実業家ネオ。若くして大富豪と言われ、華やかな噂の絶えないギリシア人男性だ。カッサンドラは不安に駆られながら自宅で彼を出迎え、息をのんだ。■ネオは親友が無理やり手配したピアノのレッスンに仕方なく向かった。息抜きだと親友は言うが、毎晩のように美女たちと過ごしているのだ。しかも、家に引きこもっているピアニストが先生だという。どんな地味な女性だろう。彼は苦笑しながら相手の家を訪ねたが……。■人気作家ルーシー・モンローのミニシリーズ『情熱を知った日』をお届けします。傲慢なギリシア人大富豪に恋するヒロインたちのゴージャスな恋をご堪能ください。
  • 傷ついたシンデレラ 男たちのER I
    3.0
    「赤ちゃんのお父さんはどうしたの?」産婦人科医のレベッカは、兄に連れられて病室を訪れた少女に尋ねた。十八歳のエイミーは歯を食いしばったまま何も答えない。心配する兄のゲイブにも、どうしても相手の名を言わず、六カ月になるおなかの子供にもなんの関心も示さないという。もしかしてエイミーは誰かから暴力を受け、望まぬ妊娠をしたのでは?彼女の目に浮かぶ罪悪感と恐怖に、レベッカはふとそんな気がした。ゲイブはかつて婚約者とおなかの子供を事故で失った経験があるため、赤ん坊がちゃんと生まれてくることを望み、レベッカに助けを求める。だが、レベッカにはエイミーの気持ちがよくわかった。なぜならレベッカ自身、心ない暴力の犠牲者だったのだから……。
  • 最後のダンスはボスと
    -
    ★ダンサーの私に、秘書になれですって?★シドニーで過ごす最後の夜、ダンサーのスターは友人に誘われ、地上五十階のビルの屋上で繰り広げられるパーティに参加していた。本当なら今頃、恋人とダンスカンパニーを立ち上げているはずだった。だが彼に裏切られ、資金のためにと使った全財産を失った。しかも根回しをされたので、新天地メルボルンにも仕事の当てはない。スターは半ばやけになって、一人シャンパンをあおっていた。だから、スーツ姿のゴージャスな男が声をかけてきたときも、そっけなく応じた。私はゲームをする気はない、と。「私が興味があるのは、メルボルンに仕事があるかということだけ」すると彼はセクシーに微笑んだ。「それなら僕の個人秘書になればいい」
  • 砂漠の恋人 無邪気なかけひき I
    -
    ペトラは生まれて初めて訪れた母の祖国ズーランで悩んでいた。傲慢で欲深い祖父が、自分のビジネス・パートナーとペトラとの縁談を勝手に進めていることを知ってしまったのだ。かつて、ズーラン在任の外交官であったペトラの父と、遊牧民の血を引く母は祖父の反対を押し切って駆け落ちした。祖父は母を勘当しただけでは飽きたらず、今度はわたしをビジネスの道具として利用するつもりなんだわ!リゾートのビーチでかわされる女性たちの噂話を耳にして、ペトラは計画を思いつく。数時間後、彼女は圧倒的なオーラを放つ魅力的な男性に声をかけていた。■アラブの小国を舞台にエキゾチックな貴公子たちとのロマンスを描く『砂漠の恋人』。今月のヒロインは、祖父のずる賢い企みに反発して男性を誘惑しようとするペトラ。ところが、思わぬハプニングが……。
  • 忘却の陰に
    2.5
    飛行機事故に遭ったシブリーは、ひどい怪我を負い、生死のさかいをさまよった。一流の医師、ロドリゴのおかげで一命はとりとめたものの、脳への損傷がひどく、目覚めたときには記憶をいっさい失っていた。痛みと戸惑いの中、ぼんやりとわかるのは、ロドリゴを以前から知っていたこと、そして、どうしようもなく彼に惹かれていることだけ。もしかして……私たちは恋人同士だったのかしら?そんな甘い想像をふくらませるも、やがて徐々に記憶が戻るにつれ、シブリーは知りたくもない現実に打ちのめされていく。■期待の作家オリヴィア・ゲイツがお届けする新作は、ミステリアスな雰囲気に包まれた、読み応えのある一作。真実が紐解かれていくほどに、二人の恋はすれ違い……最後まで目が離せません!
  • ブーツをはいたシンデレラ
    -
    ジョシーは駆け出しのイベントプランナー。長くアシスタントを務めてきたイベント企画会社で三カ月前に共同経営者となり、新たな仕事への意欲に燃えていた。でもまさかアフリカまで来て結婚式を演出しようとは思わなかった。いくら人気サッカー選手とその花嫁にふさわしい式のためとはいえ、ロンドンからスタッフや機材をすべて飛行機で運ばなければならない。それに式場となるサファリリゾートのツリーハウスで隣り合わせた男。彼は一体何者? シャワーから出たところに声をかけてくるなんて。しかも新郎新婦のブライダルスイート用の部屋に居座ってしまっている。あの危険なまなざしと唇は、誘惑を仕掛けてくるようで気になるけれど、ここはスイート用の部屋を確保することを第一に考えなくては……。■ミニシリーズ〈すりかわったエンジェル〉が好評だったリズ・フィールディング。今月はかつて「すみれ色のウエディング」(I-1986)に登場した、ジョシーのその後の物語をお贈りします。
  • 悲しいすれ違い
    -
    オライアン・デリカリス――ライアンは貧しい家に生まれたが、努力の末に会社を興して億万長者となった。今は生まれ故郷のギリシアで政治家になるべく選挙戦を戦っている。しかし対立候補に支持率で水をあけられ、よき家庭人であることを有権者にアピールする必要に迫られていた。■リビーは不安に怯えながらアテネにある最先端のビルを訪れた。五年前に親に勘当されてまで結婚したものの、三カ月で別居に至った夫、ライアンに正式な離婚を求めるためだ。最上階のオフィスで再会した夫に書類を取りだして見せるやいなや、リビーは冷酷な言葉を浴びせかけられ……。
  • 許されぬ密会
    3.0
    ニコラス・デュプレが審査員ですって?娘のフェリシティから“才能発掘コンテスト”の話を聞き、セリーナは愕然とした。フェリシティが自ら手紙を書いて依頼したところ、彼はすぐに快諾し、娘たちの小学校にやってくるというのだ。元ピアニストのニコラスは地元出身の世界的な著名人で、セリーナのかつての恋人だった。故郷を捨てて久しいのに、なぜ帰る気になったのだろう。まさか、絶対に知られてはならない秘密を嗅ぎつけたの?大切な愛娘フェリシティの出生に関する、ある重大な事実を……。■セクシーで洗練された作風が人気のミランダ・リーが約半年ぶりの登場です! 13年の歳月を経てなお、消えることのない情熱の炎――。円熟した大人のロマンスをお楽しみください。
  • プリンスを愛した夏
    4.0
    ロンドンでパーティ・プランナーの助手として働くメリッサは、カジミーロ国王が主催する舞踏会を手伝うために、地中海の島国、ザフィリンソスへ赴いた。彼女には心に、ある決意を秘めていた。機会をうかがって国王に直訴するのだ――私の一歳になる息子ベンはあなたの子供です、と。願いが通じて謁見がかなったものの、カジミーロはメリッサのことをまったく覚えていなかった。本当に、あの熱く親密な日々を忘れてしまったというの?動揺した彼女の耳に聞こえたのは、血も涙もない彼の罵倒だけだった。■華やかな王族のロマンスを得意とする作家、シャロン・ケンドリックの最新作をお届けします! なお、本作は『プリンスを愛した過ち』の関連作品です。
  • ムーン・リバーをあなたに
    3.5
    フルールは親友の田舎の豪奢な屋敷で過ごす休暇を楽しみにしていた。ところが、正門を探して広大な敷地をさまよい歩いているとき、敷地の管理人らしき男に見咎められ、ぶしつけに追い払われてしまう。しかも腹立たしいほど高慢なその男は、親友の兄セバスチャンだった!普段は彼しか暮らしていないこの屋敷に滞在し、しばらくのあいだ静養することを決めたばかりなのに……。けれど、領地の管理で忙しい彼と顔を合わせることもないだろう。そう思い直していた矢先、親友が兄に話しているのを偶然耳にする。“フルールの相手をしてあげて、そうすれば元気になるから”と。気まずさと恥ずかしさに頬を赤く染めたとき、彼はフルールに気づいた。
  • ボスとスキャンダル デボンシャーの三兄弟 I
    -
    上司との恋で心に傷を負い、職場を去ることになったアストリッド。社内恋愛だけは金輪際するものかとかたく胸に誓うも、社長アシスタントとして採用された新しい職場で、早くもその決意は崩れそうになる。ボスのヘンリーは、十年ほど前に活躍していた元ラグビー選手で、当時アストリッドが夢中になった相手だったのだ。いくら憧れの人がボスでも、好きになってはだめよ!アストリッドは何度となく、そう自分に言い聞かせた。ところがある日、ヘンリーと二人きりになった際に、いきなり激しく唇を奪われてしまい……。
  • デイジー・ベルの恋
    -
    デイジーは、叔父が経営する小さな遊園地の整備士だ。年代ものの回転木馬やゴンドラ、蒸気機関車など、幼いころから慣れ親しんだ古い遊具と毎日格闘している。心から愛する仕事のため、小さな体はいつも煤だらけだ。ある日、遊園地の経営を助けるため、敏腕コンサルタントがやってきた。フィリックス・ギズボーンと名乗る彼は、若く、すらりとした長身で、スーツを完璧に着こなすその姿に、デイジーの胸は熱くなる。でも、彼みたいな人がわたしに目を向けてくれるはずがないわ。デイジーは必死でそう自分に言い聞かせるが、思いがけず、フィリックスからディナーに誘われて……。■ハーレクイン・ロマンスでも活躍中の、ケイト・ハーディの新作をお届けします。フィリックスからディナーに誘われたデイジー。彼はあくまでもビジネスだと言いますが……。固く閉じていたデイジーの心がしだいに花開いていく過程を、お楽しみください。

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  • 永遠に覚めない夢
    -
    あこがれのイタリアの海、白い砂浜、さんさんと降り注ぐ太陽の光。しかし、せっかくの休暇に、リサはすっかり退屈していた。そのとき悲鳴が聞こえ、救急科医の本能から駆けつけてみると、少年が一人、岩場から落ちて意識を失っていた。病院まで付き添ったリサは、そこで同じ救急科医のマッテオと出会う。あまいマスクのイタリア男そのものの彼に積極的に迫られても、一人で旅するはめになった理由を思い出して、リサはおびえた。かつて永遠に続くと思っていた幸せは、もろくも崩れ去ってしまった。理想の男性なんて、世界のどこにもいないのよ。もう二度と、誰かを愛したりしないようにしなくては……。■イタリア人男性との恋――優しくて親切なのだけれど、はたしてどこまで本気なのか……。でも、この作品の場合はちょっと違っていました。ジョージー・メトカーフが描く、海辺で始まるドラマティックな恋をお楽しみください。
  • 求む、ゴージャスな恋人!
    -
    イヴは、インターネットの恋人紹介サイトを熱心に見ていた。恋人がいないせいで肩身の狭い思いをするのはもうこりごり。今までの五人の相手とのデートは退屈でたまらなかったけれど、友人の結婚式には絶対みんなが驚くような恋人を連れて参列したい。と、一枚の写真に視線が釘付けになった。輝く青い目、端整な顔……。■待ち合わせたバーに現れた美女を見て、ブライスは目をみはった。これが、あの引っ込み思案の本の虫だったイヴなのか。八年ぶりに連絡してきた彼女の言う“取り引き”とはいったい……?イヴが唇を開いた。「一カ月だけ私のデート相手になってほしいの」
  • 砂塵に散った恋
    3.0
    「君は自分の行動がわかっているのか? 僕が当局に通報すれば……」アントーニアは人を蔑むような口調で言う男性をにらみつけた。重要な目的のため、中東の王国シネバルに船で向かったが、海賊に襲われ、嵐の海に飛び込んで豪華なヨットにたどりついた。中に忍び込み、パンを手にしたところを船の持ち主に見つかったのだ。あとひと息でシネバルなのに、ここでつかまるわけにはいかない。この威厳に満ちた態度の男性は、本当に私を警察に突き出すつもり?だが意外なことに、アントーニアが怪我をしていると知ると、男性は手当をしてくれ、船にそのまま滞在することも許してくれた。二人は徐々に打ち解け、ある夜とうとう愛を交わす――互いに憎み合うべき運命の相手だとは想像もせずに。■ドラマチックなストーリーが得意なスーザン・スティーヴンスが、冷たいシークとの恋のゆくえを描きます。ハーレクイン・ディザイアの「シークと籠の小鳥」の関連作です。
  • 取り違えられた花嫁
    3.5
    ニーナのもとを、ある日、ゴージャスな男性が訪ねてきた。大富豪マルチェッロ家の長男マルク! ああ、ついに彼がやってきた。数カ月前、双子の妹が未婚のままマルクの弟アンドレの子を産んだ。お金目当てだったが、アンドレは親子鑑定も拒んだまま事故死した。育児を放棄した妹に代わって、ニーナが姪を育てることにしたのだ。妹は、腹立ちまぎれにマルチェッロ家に写真を送りつけたらしく、それを見て、マルクはアンドレの子だと確信したのだという。「君のように素行の悪い女に僕の姪を任せるわけにはいかない」私を妹と間違えているのね。でも、事実を話せば姪を奪われてしまう。妹のふりを続けるニーナに、マルクは驚くような提案をした。
  • 罠に落ちた天使
    3.5
    ニューヨークで生まれ育ったレオニダス・パルナッソス――レオは、父親の海運会社を引き継ぐためギリシアに帰国した。後継者をアテネの社交界に披露すべく、パルナッソス家の壮麗な邸宅でパーティが開かれた。そこでレオは美しい女性に出会い、目が釘づけになる。■パーティで給仕係をつとめていたエンジェルは、突然目の前に現れたギリシア神のような男性に息をのんだ。二人きりのテラスで唇を奪われたとき、その男性がレオニダス・パルナッソスだと知り、彼女はおびえた。エンジェルは、彼が復讐に燃える仇敵の家の娘だったのだ。
  • 情熱に焦がれて
    -
    ★ときめきが欲しいと願うのは、そんなにいけないことですか?★アイリーンは不安にさいなまれていた。親の期待に応えるためとはいえ、愛も喜びも感じない相手と、このまま婚約していいの?安定がいちばん大切だと言われても、情熱とは何かさえ知らずに、生涯暮らしていくなんて。これが逃れられないさだめなら、自由なうちに一度だけ、熱く激しいスリルを味わってみたい。そう、ずっと夢見てきた奔放な一夜を。ついにアイリーンは自制心をかなぐり捨てて、あやうい冒険へと踏み出した。
  • 時の果実が熟すまで
    4.0
    マリエルが故郷のオーストラリアへ帰ってきた。ヨーロッパでモデルとして成功をおさめ、有名なフランス人フォトグラファーと暮らしていた彼女が、なぜ突然戻ってきたのか。しかも元日、新年のパーティの最中に。美しいマリエルを囲む男たちのなかに割って入ったのは、幼なじみのデインだった。「ぼくがマリエルを送っていく」十年前、マリエルにさよならのキスをして去ったデインは、今や富豪の実業家で“今年いちばんの独身男”に選ばれるほどの人物だ。彼女が帰ってきた理由はわからないが、デインには、このまたとないチャンスを利用する、ある計画があった。

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  • 百万ドルの一年間
    -
    上司からくだされた辞令に、ホリーはすっかり気落ちしていた。上司の弟、ジェフが会社経営を手伝うことになったため、しばらくそのアシスタントを務めろと命じられたのだ。ジェフといえば、ものすごくハンサムで魅力的だけれど、牧場経営を好んで田舎に暮らす、風変わりな人。根っからシティ・ガールのホリーとは馬が合うはずもなく、実際働きはじめてからも、正反対の二人は衝突を繰り返した。そんなある日、話があると、ホリーは彼に呼び出される。何事かといぶかっていると、ジェフはとんでもないことを言い出した。「ぼくの妻になってくれないか、一年だけでいいから」■D-1427「午前零時にさめる夢」の関連作品をお届けします。ヒーローは、前作のヒーローの双子の弟、ジェフ。自由を愛する彼の恋物語を、どうぞお楽しみください。

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  • おいしい恋の作りかた
    4.0
    シエナは途方に暮れて休暇をとり、叔母のレストランの扉を叩いた。高級レストランのマネージャーに念願の昇進が決まったとたん、新任の料理長がろくでなしの元婚約者だと知らされたのだ。ところが扉を開けた男性を目にした瞬間、つかのま悩みを忘れた。ブレット・キャメロン――十代のころ叔母の店で修行し、成功をおさめた新進気鋭のシェフだ。そしてシエナの初恋の相手……。彼に温かい歓迎の笑みを向けられ、たちまち顔が赤くなる。野暮ったい少女から変身したのに、彼の魔法にかかったままのようだ。するとブラットは叔母が旅行で留守だと告げ、驚くべき提案をしてきた。叔母を助けるため、ここでしばらく一緒に店を開けないか、と。■レストランで生まれる恋を描く本作は、各章が“恋のレシピ”の一つ一つの手順に沿っている力作。期待の新人作家ニーナ・ハリントンの心温まる物語です。

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  • 偽りの別れ
    -
    パーディタは心臓の具合が悪い父親に代わり、金策のためにロンドンの街を走りまわっていた。経営する会社が財政上の危機に瀕していたのだ。しかし、融資してくれそうな取引先はなかなか見つからない。そんなある日、パーディタは思いがけない人物を目撃した。三年前、カリフォルニアで結婚してすぐに破局を迎えた男性――ジャレッド・デンジャーフィールドだ。陰気な笑みを浮かべたジャレッドの顔を見たとたん、パーディタはやみくもに駆けだし、その場から逃げた。ほどなく彼が有望な融資先の重役として現れるとも知らずに。

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  • ティアラよりも輝く日
    3.0
    カラシア国大公ガードの結婚式に、プリンセス・セリーナは参列した。プリンセスとはいえ、かつての王国が祖父の代に共和国となったため、国を追われた、実体のない亡命中の王族だ。かつてはガードの結婚相手と噂されたセリーナだが、彼女の心をとらえたのは、その日の花嫁の兄アレックスだった。富豪のアレックスは、ガーデニングのコラムを書いているセリーナに、自然豊かなニュージーランドへ自分と一緒に来ないかと誘ってきた。急な申し出に驚き、ゴシップのたねになると懸念したものの、セリーナは彼の強引な説得に屈して承諾してしまう。だがそれは、ある陰謀に荷担した疑いのかかる彼女への罠だった!■本作はR-2489『愛を捨てる理由』、R-2545『愛と気づくまで』の関連作品です。華やかな王族のロマンスを得意とするロビン・ドナルドの最新作をご堪能ください!

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  • 嵐の夜のめぐり逢い
    3.0
    ゴールドコースト近辺で猛烈な嵐に遭遇したブリジットは、偶然通りがかったアダムという男性と一緒に小屋に避難した。九死に一生を得たふたりはベッドをともにし、情熱的に愛し合う。だが翌日救助されると、彼はブリジットに別れを告げた。自分はひとりの女性に縛られるタイプの男ではないと言って。三週間後、彼女は新聞にアダムの写真が載っているのを見つける。彼は名門ボーモント家の出だが、噂によれば、父と兄によって家を追い出され、独力で億万長者になったという。ブリジットは激しい衝撃を受けた。わたしとは身分違いだから、彼は正体を告げずに立ち去ったのだ!

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  • 砂の揺りかご
    -
    エラは日々制作に励む、若きガラス工芸家。海辺の屋敷の離れを借りて、ひとり静かに暮らしている。ある夜、日課の散歩をしている途中で見知らぬ男性と出会った。闇の中で顔ははっきりと見えないが、エラはなぜか興味をそそられた。話しているうちに、彼が祖母から屋敷を相続したハリドだとわかった。翌日、母家に呼び出されたエラは、初めて明るい中で彼を見る。これほど美しい男性は見たことがない。でも、その顔の右側は……。ひどい火傷の跡で肌が引きつれていた。衝撃を受けるエラに、ハリドは追い討ちをかけるように言い放った。「この屋敷は売りに出す。さっさと出ていってもらおうか」■魅惑の砂漠のヒーローが、もし双子だったら……。ミニシリーズ〈砂漠の絆〉でバーバラ・マクマーンが描くのは、ひと味違ったシークたちの物語です。ぜひお楽しみください。

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