歴史・時代小説 - 徳間書店作品一覧

  • 江戸犯科帖(電子復刻版)
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    両国の路上で、微禄の御家人が町人を斬り殺した! 連れていた家来の顔を笑われての無礼討ちだという。侍にはおとがめがないばかりか、出世までするという話だ。侍の同僚であり美人画の絵師でもある田部源四郎は、この一件は巧妙に仕組まれた人殺しではないかと疑い始める。案の定、無礼討ちにあった町人と関係のありそうな人物が身近にいて……。「無礼討ち」「密通始末」「乗込み」「老賊の帰還」「心中ばなし」「新入り」の6篇を収録。

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  • 江戸妻お紺(電子復刻版)
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    お紺は松吉の女房だと思っている。が、世帯は別々だし、松吉には国元の伊勢に本当の女房がいる。商用で江戸に来ている間だけの亭主なのだ。お紺はそれを承知していた。嫉妬がないと言えば嘘になるが、器量でも、女の魅力でも自分のほうが上だ、との思いが心の支えになっていた。夜の営みにも十分に満足していた。ところが、最近になって、松吉の足がめっきり遠のいてきた。女の愛と情を描く傑作八篇を収録。

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  • 江戸悪人帖(電子復刻版)
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    日本橋の川っぷちで腕利きの浪人・大池が斬殺された。ついで情婦の芸者千代次ことおしのも刺されて傷を負う。大池は、おしのを譲ろうと話をもちかけ相当の金品を騙しとっていたようだ。岡っ引の卯之吉は人相見の青眼堂と共に大池殺しの下手人を突き止めようと、街の道場へ乗り込む。調べていくうち、おしのをひこうとした男たちが二人、謎の死を遂げていることを突き止めたが(「後れ毛の女」)。連作捕物帖。

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  • 五右衛門処刑(電子復刻版)
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    三条河原の刑場で、油が煮えたつ大釜に投ぜられようとしているのは、大盗賊の石川五右衛門だった。高貴な女人との恋を得ようと内裏に忍び込み、彼女たちを辱めたもののうまくゆかず、失意にあった彼に、秀吉の暗殺とひきかえの任官話が持ちかけられた……。彼の胸中を知ってか知らずか、四人の男女が、いまそれぞれの思いを秘めて見つめていた。表題作他、己の価値観で生きる人々の時代短篇集。

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  • 孤剣二十六万石(上)(電子復刻版)
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    尾張大納言徳川光友の甥、松平雪丸は柳生兵庫から新陰流の極意をきわめた無双の剣士。その雪丸は越後高田藩二十六万石の養嗣縁組を断わり武者修行に旅立つが、道中、高田藩のお家騒動に巻き込まれ刺客に襲われる。高田藩では藩主の後嗣をめぐり派閥争いが激化、老臣小栗美作は大老酒井忠清に裁決を持ち込むべく奸策を用い江戸へ密使を送った――。史上有名な越後騒動を舞台に描く長篇剣豪小説。

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  • 源三郎武辺帖(上)(電子復刻版)
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    三千石の直参・夏目源三郎は故あって巷の陋屋に起居し、昼は居眠り夜になると起き出すので“夜もすがら先生”と異名をとる。黒羽二重の着流しに月代(さかやき)をのばして一見浪人風だが、腰に下げた印籠は葵の御紋章つき。その印籠になぜか鈴を付けて歩いている。黒船騒ぎの世相を背景に、唐津藩の世継ぎ騒動と悪徳商人の奸計に挑む源三郎の痛快無比の活躍を描く長篇時代小説。

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  • 元禄四谷怪談(電子復刻版)
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    赤穂藩士神谷伊右衛門が同僚の妻と密通し、藩の公金を盗んで江戸へ逐電したのが元禄十二年秋。追捕の手を怯える日々を送るうちに、江戸城松の廊下の刃傷で、赤穂藩は消滅してしまった。安堵する伊右衛門に不安の影が忍び寄る。赤穂浪士復讐の噂だ。不安が悪事を呼んで、殺しを続ける伊右衛門の次の狙いは、我が手で殺した赤穂藩士四谷左門の娘・以和……爛熟の江戸に咲く毒の花。(「元禄十五年の亡霊」改題)

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  • 虚空の影落つ(電子復刻版)
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    徳川幕府が倒れた明治初期、廃仏毀釈の嵐が吹き荒れ、首を落とされた野仏が路傍に転がる信濃路を旅の雲水・虚空が往く。虚空には野望があった。かつて自らも加わり討幕に奔走した赤報隊は、佞臣・岩倉具視の裏切りで指導者は処刑され、虚空はからくも追捕から逃れた。その岩倉と対峙して、信濃二十万の草莽を糾合し、自治国を樹立しようというのだ。歴史ロマンに新境地を拓いた長篇意欲作。

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  • 嘉永四年の予防接種 《姫四郎医術道中3》(電子復刻版)
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    医術の心得ある渡世人と街道筋に噂される乙井の姫四郎、草鞋を脱いだ下仁田宿は文治親分宅。だがそこにはすでに医術修行中の触れこみで乙姫が投宿しているという。名を騙るニセ乙姫、松井田宿の大尽・吉富の末娘の危難を救ったと見せていい仲となり、実はゆすりを企む悪党の一味。だがその無頼の一人が発熱、ついで発疹を見るに及んで流行病の痘瘡と見抜いた姫四郎だったが……。好評股旅連作。

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  • 嘉永三年の全身麻酔 《姫四郎医術道中2》(電子復刻版)
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    関八州随一の名医と謳われながら謀殺された内藤了甫の忘れ形見・姫四郎、今では世を拗ね、“悪”と噂の渡世人。さしかかった小田原城下、この十日ほどに医師三人が殺されたという。その魔手は姫四郎をも襲い、拉致された先は城主大久保家浜屋敷。病床に伏す姫君の見立てを強要された姫四郎、「乳岩」と看破、切開手術を試み、見事、腫瘍除去は果たしたが……(「命を競う小田原宿」)。好評股旅連作。

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  • 嘉永五年の人工呼吸 《姫四郎医術道中4》(電子復刻版)
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    謀殺された名医・内藤了甫の忘れ形見・姫四郎、今では“悪”と噂の渡世人。日光街道宇都宮の城下。太物商いの豪商・野州屋の孫娘がかどわかされ、発見者に百両の賞金が出る、と聞き及んだのが氏家宿は七兵衛親分の手下二人。誘拐犯の上前をはねるべく、近在を駆け巡り、それと覚しきを見つけたが、この幼女、前夜肺炎を起こしかけたところを姫四郎に救われたばかりだった……。好評股旅連作。

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  • 疫病神捕物帳 降って来た赤ン坊(電子復刻版)
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    伝九郎頭巾と聞いただけで、呑太は全身の血が熱くなる。どんな悪人であろうと、それなりの節度がなければならない。それが、この伝九郎頭巾と俗称される盗賊は、押し込み、追い剥ぎ、幼児殺しとその場の思い付きで凶行に及ぶのだ。必死に捜査を続ける呑太の前に、船頭が赤ン坊を抱えて飛び込んできた。(表題作)疫病神と恐れられる男の怒りが炸裂する痛快捕物。巨匠の文庫オリジナル。

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  • 隠密鴉(電子復刻版)
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    石見に参り、かの地の動静を調べて参れ――遠国御用の密命を帯びた幕府のお庭番・土屋与三郎は箱職人に姿をやつし、出雲から石見銀山に入った。四万八千石の天領内には、幕府直轄のお囲い村が三十二、間歩(坑道)が二十本あり、毎年五百貫の銀が江戸に送られている。この銀山の実権を握る代官代理の小栗市太夫が、長州藩から謀反の誘いを受けたというのだ……。(「御用銀隠密」改題)

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  • 悪の絵草紙(電子復刻版)
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    老旗本の囲われ者であだっぽい年増のお町、旗本の小姓で稚児上りの桃之助、浪人出身のならず者の甲吉、袋物を商う老舗の当主・鳴海屋市兵衛。こんな面々が夜毎、江戸の巷を徘徊し、奸計と色仕掛けで悪徳商人の富を奪ってゆく。手始めは日本橋の呉服屋・米沢屋だ。桃之助が旗本の長男、お町が御殿女中という趣向で乗込んだ一行を、上客と見て丁重にもてなす米沢屋へ白刃を抜いた甲吉が…。傑作時代連作。

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  • おんな用心棒(電子復刻版)
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    鈴姫は旗本・神保弥十郎の娘。だが、その可憐な容姿からは想像できないもうひとつの顔を持っていた。小太刀の名人にして、五連発短銃を懐中に秘め、要人の警護にあたる用心棒なのだ。時は幕末、尊攘運動が高まり、志士たちは弾圧を受けはじめていた。彼らを匿い、水戸へ逃がすために鈴姫が練った秘策とは……騒擾の世に咲く花一輪。正義の銃声が江戸の空に響く! 長篇痛快活劇。

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  • 大脱出 浮田秀丸行状記
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    関ヶ原の戦いで敗れ、八丈島に流された西軍の将・宇喜多秀家。秀丸は、その庶子として生まれた。立派な若武者に成長した彼は、ある日、島の洞窟で異人の残した宝を見つける。秀丸は、父の仇を討つため、その宝を持って、島抜けを決意する!
  • 霧丸斬妖剣 一心剣
    3.0
    寛永の世、霧丸は江戸にいた。狙うは柳生十兵衛の首! かつての仇敵であり、いまは友誼で結ばれた宗矩の口添えで娶った最愛の妻・鶴を、その息子に斬殺されたのだ。しかも鶴は身ごもっていた。怒りを白刃にこめ、霧丸は十兵衛の行方を追う!
  • 秘剣独眼竜 一心剣
    -
    卒爾ながら一手ご教授願いたい。姓名の儀は梅原才蔵幸行と申す――名を変え、左眼を抉りとって身をやつした霧丸は、道場破りを繰り返しながら路銀を得、江戸に向かった。目指すは柳生宗矩との勝負! 廻国の途上、木刀一本を携えた霧丸を待ち受けるものは…。
  • 薩摩隠密行 一心剣
    -
    真田幸村に従い、冬の陣を闘った宍戸一剣こと霧丸。徳川によって大坂城の堀が埋め立てられ、豊臣家滅亡を予感した幸村らは、秀頼の嗣子・国松を薩摩に移し再興を図ることを決意する。その密命をおびた霧丸、佐助、才蔵らを待ち受けるものは。
  • 一心剣
    3.0
    天下動乱の戦国の世、十二歳の霧丸は、出雲・備後国境の秘境、宍戸谷で平和に暮らしていた。だがある日、谷は何者かに襲われ、父・一貫斎は自ら作った名刀・七星剣で首を刎ねられる。囚われの身となった霧丸は、父の仇討ちを強く誓うが……。
  • 街道の牙
    -
    材木問屋の主が斬り殺された。半壊した橋の修築を落札、工事を終えたばかりだった。 怨みの筋と判断した定町廻りの左門は探索を開始。 が、思うように捗らず、鏡心明智流の剣友、清四郎に助力を頼む。 旗本次男坊の“お控えさま”が必殺の剣を揮う! 書下ろし長篇。
  • 鳥見役影御用 闇の華
    -
    鷹狩りの用立てのほか、隠密も兼ねる鳥見役の乾清右衛門が何者かに斬殺された。 探索に動く気配のない道中方や宿場役人に業を煮やし、真相を探りはじめた独り息子の兵庫は、金品を後ろ楯にした田沼の権勢にまとわりつく陰謀を突き止め……。
  • 江戸城御金蔵破り
    -
    徳川の城を盗んだのだ― 一介の素浪人は腹の中で昂然とつぶやいた。 厳重な警備をくぐり抜けて江戸城に忍びこみ、二百五十余年、一度も破られることのなかった御金蔵を破って、まんまと二千両箱二つを盗み出した漢、藤岡藤十郎を痛快に描く。
  • 死神幻十郎 冥府の刺客
    4.0
    南町奉行同心神山源十郎は三河の代からの直参で、源十郎の代で九代目を数えた。 阿片密売組織の罠にはまり、妻を凌辱されたばかりか、自身小伝馬町の揚屋に収監された。 奉行の沙汰が下り、斬罪の裁決が決まった。 しかし、男は死罪所で死ななかった。身代わりの罪人が死に、地獄の底から舞い戻ったのだ。 一度死んだ男、死神幻十郎は楽翁と呼ばれる老人に迎えられ、闇の剣を疾らせるのだった。
  • はぐれ柳生殺人剣
    -
    八代将軍・徳川吉宗の母、浄円院の逝去により、にわかに動き出した『お庭番』たち。 薬込役の筆頭格、風間家の新之助が失踪した。 佐賀鍋島藩を脱藩した刀弥平八郎や尾張の松平通春の命をうけた尾張柳生の使い手星野藤馬が奔る。 江戸市中では、雲霧仁左衛門が暗躍する。 徳川政権の謎に挑み、柳生の剣が煌めく。
  • 妖魔
    -
    建設省のキャリア組・梶谷の経堂の家が鴉の群れに襲われた。そしてなぜか執拗に梶谷だけが狙われた。TVニュースで事件を知った匠淳之助は、群れを率いているのが、匠が餌を与えている鵜のクロであるのを確認した。現場で知り合った警視庁の徳田刑事が数日後、匠を訪ね、五年ほど前に陵辱されて殺された母娘がクロという名の鵜を飼っていたと告げた(「妖魔」)。人間の狂気と滅びを描く西村文学作品集。
  • 二人の武蔵(上)(電子復刻版)
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    武辺に生きる奥義を「五輪書」に託し、巷説、幾多の決闘譚を生んだ剣豪・二天宮本武蔵。真筆の襖絵は今日も墨痕鮮やかだが、その生涯に謎は多い。足利将軍家指南・吉岡憲法を蓮台野に屠り、洛東一乗寺村下り松で吉岡一門の挑戦を一蹴した“武蔵”像に、二つの若き影が重なる。播州浪人・岡本武蔵、作州浪人・平田武蔵。二人の剣客の交錯するところ、“武蔵”の足跡が記されていった。五味剣豪小説の代表的名作。

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  • 暗殺剣(上) 陰謀(電子復刻版)
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    家康の覇権獲得に尽力した伊賀忍者集団服部家。だが偉大なる父初代半蔵に較べ、二代目半蔵は頭領としての資質に欠けていた。家康はやむなく服部家の家名を断絶。関ヶ原の合戦後、もはや隠密は不要と思われたが、幕府の本意は別にあった。豊臣方の有力大名を暗殺せよ――戸隠忍者を擁し、いまだ不穏な動きを見せる豊臣方に対し、幕府は伊賀忍者に秘密裡の指令を下したのだ。二代目半蔵の作戦は。時代巨篇。

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  • 暗殺剣(下) 決戦(電子復刻版)
    -
    徳川幕府と豊臣家。表面上は平穏を保っていたが、その裏では伊賀、戸隠の隠密たちによる攻防が繰り広げられていた。真田昌幸、加藤清正ら豊臣家ゆかりの大名が次々と討ち取られ、形勢は伊賀組有利と思えた。追い詰められた戸隠忍者は、再び家康の命を狙う。戸隠忍者の頭領は昌幸の息子・幸村。父の仇討ちに執念を燃やす幸村は、鷹狩りに出かけた家康を忍術でおびき寄せる……。天下分け目の戦いの行方は!?

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  • 剣鬼・岡田以蔵
    5.0
    刃が頭をかすめた。髷がばらばらになる。頭の先が皿となって飛んだのだ。飛んでそのまま川面にふわりと浮いた。白い脳味噌がとろりと流れだした――。激動の幕末、京洛。土佐勤王党の領袖・武市半平太に飼われ、「天誅!」の一声とともに佐幕派を屠り、震え上がらせた男。暗殺におのがすべてを賭け、修羅界を歩んだ凄絶な姿を描く、著者の独壇場!

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  • 顔のない侍
    -
    大刀一閃、御用船の舷から伊勢小弥太の首が飛んだ。田沼意次の寵ゆえに、他の幕閣にうとまれた隠密の最期……のはずだった。が、これ実は大仕掛け。存在を消し顔のない侍となった男は、さらなる密命を帯びることに……。隠れた傑作、復刊!

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  • 鳴門太平記(上)(電子復刻版)
    -
    元禄の世、阿波徳島藩勘定役・船越重兵衛は妻を手籠にした奉行・高松主水一味を妻敵討(めがたきうち)して城下を出奔、主水らの遺児は改易追放の遺恨に無頼の徒となり十八(とはち)組を結成して阿波の国に異変をまきおこしていた。一方乳呑み児の重兵衛の一子・長八郎は十八組に殺されかけたところを根来忍者に救われ、蜂須賀藩隠密・村垣玄斎に養育された……。蜂須賀お家騒動を軸に、重兵衛父子の数奇の運命を描く長篇時代小説。

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  • 明暦群盗図(電子復刻版)
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    戦国の遺風いまだ消えず、巷に浪人があふれていた明暦年間――女遊びがこうじて扶持を失った伊吹進二郎は、ふとしたことから、芝居小屋瓢座(ひさござ)を根城とする群盗の仲間にはいることになった。頭の草間匡助、若衆春日千之助、天草の乱の残党細見喜十郎など、腕に覚えのある面々が揃っていた。いずれもが、世をすねて太く短く生きようとの魂胆。ある夜、日本橋の豪商くじら屋に押し込んだ……。長篇時代小説。

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  • 豊臣秀吉(『秀吉覇権への道』改題)(電子復刻版)
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    天正十年六月、秀吉は本能寺の変から十三日後、山崎の合戦で明智光秀の首を討ち取った。以後、清州会議で根回しの才を発揮し、信長の後嗣を信忠の遺児・三法師に継がせることに成功。この件で柴田勝家と対立するが、賤ヶ岳の合戦で勝家を敗り、ついに小牧山で徳川家康と対決、高度の政治的手腕を発揮し、天下を取る。行動より、行動の基礎となっている秀吉の性格、心理の動きに視点を置いた異色歴史小説。

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  • 風流使者(上)(電子復刻版)
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    頃は天保。甲府に入った男たちがいる。戸田流宗家の老武者・藤木道満。武者修行中の島田虎之助。白面の貴公子・本多左近。なぜか道満は仙台黄門と呼ばれ、助さん、格さんという二人の壮漢を従えている。黄門一行が絹商人和泉屋に逗留中、当の和泉屋が斬り殺された。城下には白覆面の剣士の仕業という噂が流れ、道満一行の姿が消えた。この騒乱に島田虎之助も巻き込まれて……。長篇剣豪小説。

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  • 風流あじろ笠(電子復刻版)
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    寛文四年、幕閣の命により切腹、家名の断絶した旗本奴水野十郎左衛門の遺児菊之進は、七歳にして母と離され、阿波蜂須賀家お預けの身となり、出家した。十余年後、阿波をとび出し、瞼の母をたずねて旅立つ青年晋化僧晋鈴(ふれい)の前に、次々と襲いかかる無法者の凶刃。手にする一管の竹が奏でる母恋しの音色が、今日も江戸の空の下を流れてゆく……。巨匠村上元三の名作時代小説長篇。

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  • 風雲真田軍記(上)(電子復刻版)
    3.0
    方広寺鐘銘事件で豊臣方が窮地に陥った頃、紀州九度山に蟄居中の真田幸村のもとに、大坂入城を要請する密使が遣わされた。幸村麾下忍者・羽尾又四郎は徳川方忍者を捕え、すでに大坂城内にまで間者潜入の事実を掴んだ。盟友・猿飛佐助と大阪へ急行秀頼毒殺をからくも防いだが、すでに大坂城中に慧眼の士なく、幸村らの献策はことごとく淀君の斥けるところとなった……。悲劇の鬼将を描く長篇歴史ロマン。

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  • 八丁堀同心加田三七(上)(電子復刻版)
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    嘉永二年、江戸南町奉行所見習同心・加田三七は御奉行遠山左衛門尉景元に抜擢され、弱冠二十五歳で定廻り同心の大役に就いた。そんなある雨の夜、岡場所の女おきくが殺された。現場の寺裏には足駄の歯跡があり、女の首には黒ずんだ痣があった。三七は岡場所の持主・権兵衛の行方を追ったが、権兵衛もその夕、水死体で発見。首にはやはり黒い痣が(「犬と猫と鼠」)。他十二篇を収録する人情捕物帳傑作。

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  • 如月剣士(上)(電子復刻版)
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    紀伊藩主・吉宗が八代将軍職を継いだ。だが、六代将軍・家宣が尾張家のために遺したという御墨附を手に入れ、吉宗の失政を画策する尾張藩の強硬派津田兵部の宿怨は深い。大岡越前守は怪盗五ツ目小僧を密偵に尾張藩の野望を阻止せんと秘策を練る。また、播州三日月城主・森安芸守は吉宗方の密命を帯びて江戸へ。一方、江戸下谷に道場を構える元紀州藩士・立花隼人正は尾張藩邸に乗込むが……。名作時代小説。

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  • 徳川秀忠<上>(電子復刻版)
    -
    慶長五年九月、天下を二分した関ヶ原の決戦に、徳川家康の三男・秀忠は真田氏攻略に時日を費やし遅参、激怒した家康との謁見もかなわず、凡将との風評が立った。だが真相はちがう。万一、家康が敗れた際、温存した秀忠軍で再決戦を挑むという家康の遠謀を察知したうえでの遅参だったのだ。関ヶ原の役後、天下に君臨する家康の背後に隠れながら、秀忠はその本領を発揮しはじめるのだった……。時代大作第一弾。

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  • 天保六道銭(電子復刻版)
    -
    江戸時代も天保まで下ると、諸藩の財政も軒並み火の車。九州松浦藩もその例にもれず、国家老・松浦蔵人は起死回生の賭けに出た。海産物商・森田屋清蔵に禁制の抜荷の罪を着せ、ついでに用立て銀をも帳消しにしようとの算段だが、実は森田屋は海賊を裏稼業の悪党、易々と罠に嵌まる相手ではない。ご存知、河内山宗春ら”天保六花撰”の面々を巻き込んで逆襲に出るのだった。士も悪なら商も悪、痛快無比の対決篇。

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  • 塚原卜伝(電子復刻版)
    5.0
    足利政権の末期、京に一人の若者が現われた。若者の名は、塚原新右衛門高幹(たかもと)。常陸の国鹿島に伝わる剣技をたずさえて、兵法修行の旅に出た、後の剣聖・塚原卜伝の若き日の姿であった。十有余年後、鹿島に戻った新右衛門は、一朝、鹿島神宮の神木の前で、ついに秘伝“一の太刀”を完成する。新当流の一流をたてた彼は、やがて新たな修行の旅へ出た。剣に命を賭けた男を描く傑作時代長篇。

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  • 鎮西八郎為朝(上)火の巻(電子復刻版)
    -
    六条判官源為義の八男為朝は、京での狼藉を権臣藤原信頼にとがめられ、大宰府へ放逐された。しかし為朝を迎える大宰府も大弐藤原実正の悪政に民衆は飢え、豪族たちの思惑渦巻く戦乱の地であった。阿曾忠国父娘の窮状を救い、阿蘇に招かれた為朝は、やがて九州を平定すべく、鎮西八郎として軍を起こし、ついには大宰府までを鎮圧したが……。一代の豪弓為朝の炎の生涯を描く名作歴史大作。

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  • 第三の浪士(上)(電子復刻版)
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    慶応四(明治元)年、鳥羽伏見の戦いに参陣し、敗れた桑名藩は藩主が江戸滞在中に降伏してしまう。人間の節義に生きる吉村杏四郎、硬骨漢大谷大作、梅沢保介ら三人の藩士は降伏の藩論に抗して徹底抗戦を叫び江戸へ走った。その前夜、保介の許婚加代の父理兵衛が何者かに殺害され、骸のかたわらには杏四郎の印籠が残されていた。杏四郎を父の仇と狙う加代は、町娘お琴とともに江戸へ向った。時代小説巨篇。

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  • 戦国無双剣(上)(電子復刻版)
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    時は天正。欧州上の山、月岡城主右馬頭満兼殺しの濡れ衣を着せられた芥味弥一郎は故郷を出奔。廻国修行の旅の途中、会津で歩を止めた弥一郎は、実相寺住職残夢和尚を通じて無々道人から吹毛剣を伝授される。一方、父満兼暗殺の主謀者里美越前へ復讐を誓う百代姫は、仇との偽装結婚を謀り越前の命を狙うが果せず、思いを寄せる弥一郎を尋ねて西国へ。戦国の世を舞台に壮大なスケールで描く長篇時代ロマン。

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  • 千 姫(電子復刻版)
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    徳川二代将軍秀忠の長女千姫は、慶長八年、政略により豊臣秀頼に嫁した。齢七.が、義母淀君に疎んぜられ、大坂落城に際しては城を脱出、祖父家康に救われる。後年、本多忠刻に再嫁、この時、戦功に千姫を望んだ坂崎出羽守は花嫁強奪を企図、破れて自刃した。その忠刻もほど経ず逝き、千姫は再び寡婦となった。戦乱と政略の渦中に浮き沈みしながら、愛うすき宿命に従う女の哀れを描く。名作歴史ロマン。

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  • 神変桜姫(上)(電子復刻版)
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    朝廷の公家勢力から武家へと権力が移行しつつある鎌倉時代、落ちぶれた名門公卿の血を引く野分姫と地方豪族の領主・鷲尾義治との宿命の出会いがあった。だがその後義治は、京の水で磨かれた白拍子の肌に惑溺し、野分の方を、嫉妬に狂う氷のように美しい夜叉へと変えた。奇しき因縁により生じた宿業の綾は、その後誕生した桜姫を絶世の美女へと成長させ、そして鷲尾家全体を数奇な運命へといざなっていく。

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  • 色の道教えます(電子復刻版)
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    老中の書面を携えて無刻飛脚が勢州薦野藩へ走った。東海道五十三次を六十時間で繋ぐという無刻。その二人組の一人が江戸娘お衿(きん)、晒木綿で胸を締め上げ男装したお侠(きゃん)の姿を一目見ようと評判を呼んだ。だが薦野へ飛んだお衿らを刺客が追った。書面は、藩主弱年のため世子なく、そのための閨房の秘策を伝授したものであったという。裏長屋の先生月瀬右馬允も一件に絡んでいるらしい……。痛快時代小説。

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  • 織田信長《合本》(電子復刻版)
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    尾張・那古野城主信秀の嫡子として戦国の世に生を享けた、古今独歩の英雄織田信長は、幼名を吉法師といい、その異様な衣裳と奇異な行動ゆえに、大うつけ殿と仇名された。十五歳にして梟雄斎藤道三の娘濃姫と祝言をあげ、父の死去により家督を相続したのは十八歳のときだった。守護斯波義統(しばよしむね)を討って清州城を手にした信長を襲った最初の試練は、京を目指し西上する今川義元の大軍であった。歴史大作。

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  • 女人用心帖(上)(電子復刻版)
    -
    “女盗っ人”の風来坊・蜂太郎、今日も両国の雑踏で、武士に追われた若い女スリ・お蝶を助けたはいいが、荒れ寺に連れ込み、手籠めにして悦に入っている。その蜂太郎に奇妙な依頼人が現われた。一両やるから、さるお屋敷に忍び入り、奥方と密通しろというのだ。二つ返事で引受けはしたが、目隠しされ、駕籠で連れられて行った先に待ち受けていた事件は……。某藩お家騒動を舞台の痛快時代長篇。

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  • 女人狂乱 延命院事件(電子復刻版)
    -
    谷中延命院の住職・日潤の美男ぶりが江戸で評判になって八年。日潤は大奥の中臈・梅村と情を通じ、以来、寺院に日参する女たちは引きも切らず、夜毎、狂乱の痴態が繰り広げられていたのだ。見逃せなくなった寺社奉行・脇坂は密偵として奈江を放つが、奈江は自らも日潤の性技に溺れてしまう――。関係した女が数百人ともいわれ、十一代将軍家斉の治世を揺るがせたスキャンダルを、濃密な筆致で描いた官能絵巻。

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  • 柔(上)(電子復刻版)
    -
    明治初めの東京。帝大生の矢野浩は、路上でもみあう深川芸者を助けようとしたが、逆に二人組の職人に足蹴にされる始末。通りかかった小柄な老僧が、いとも簡単に職人たちを投げとばしてしまった。名を愚庵和尚、手練の技は柔。圧倒された矢野は弟子入りを乞うが和尚は許さず、くいさがる矢野に女弟子・妙に相手をさせた。宙を舞うこと六度、悶絶した矢野は、やっと入門を許された。長篇柔道小説。

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  • 参謀本部の密使(電子復刻版)
    -
    1903年(明治三十六)、騎兵大尉仙石小一郎は、参謀次長田村怡与造(いよぞう)に特別諜報謀略将校として特別任務を命ぜられた。公使館付武官明石元二郎に極秘に文書を手渡すことの他に、シベリア鉄道の実態を調査することだった。また、諜報員梶村浩次は、白ロシア革命党員のフョードラと協力して情報を入手していく――。日露戦争前夜、ロシア革命の内情を描く、日本軍精鋭の諜報活動の実像に迫る会心作。

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  • 紅屋お乱捕物秘帖(電子復刻版)
    3.0
    浅草黒船町の小間物屋「紅屋」の女あるじお乱は、美人でお侠で艶っぽく、皆が振り返るほどの女っぷり。そんな美女が大の捕物好きときた。今日も馴染みの破れ寺に通っては、そこに住みつく、いわくありげな生臭坊主や虚無僧と、事件の推理に花を咲かす。寺に来てはなにかと憎まれ口をきく岡っ引の鎌吉親分も、彼女たちのおかげで大手柄の連続。お乱たちのからだをはった探索で、次々と事件のからくりが明らかに。

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  • 江戸おんな坂(電子復刻版)
    -
    四谷塩町の老舗箪笥問屋・大野屋の内儀おつやは、暗闇坂で腹痛を覚えていたところ、若い男に送ってもらった。市村吉之助と名乗った男は、おつやを舞台に誘う。売れない芝居役者の言葉に、おつやはまだ自分が女として見られているという華やいだ気持を取り戻した。一度だけと、おつやは吉之助が出ている中村座へと足を運んだが……(「暗闇坂十三夜」)。女の哀歓と情艶がにじむ十一篇。(『江戸の女坂』改題)

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  • 元禄太平記(前編)(電子復刻版)
    -
    元禄、五代将軍綱吉の治世、その寵を一身に集め出世の階段を駆けのぼった人物がいた。その名を柳沢保明。綱吉の寵童から大名、御側御用人、そして幕閣の最高権力者へと、その勢いは果てしがないように見え、保明の心に奢りの影が射し始めた。その頃、恒例の勅使参向で保明は勅使御馳走役に浅野内匠頭長矩を任じた。高家筆頭吉良上野介、保明、長矩と運命の糸は交わり、浅野家の悲劇は始まる。時代長篇。

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  • 元禄太平記(後編)(電子復刻版)
    -
    吉良上野介への復仇を胸に大石内蔵助は、亡君の弟大学による浅野家再典のため種々の要路を通じ工作を進めてきた。しかし、路の最後には必ず大老並に登りつめた柳沢保明改め吉保が存在し、すべてを握り潰し、あらゆる望みを絶っていった。血気にはやる同志をなだめながら、情勢を見守っていた内蔵助も大学の芸州浅野家お預けの決定に一縷の望みも絶たれ、ついに吉良家討入りの決定を下した! 時代長篇完結篇。

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  • 元禄葵秘聞(上)(電子復刻版)
    -
    僧・隆光の妄言から生類憐れみの令が出され、江戸にも退廃の影が落ちる五代将軍・綱吉の御代。柳生帯刀(たてわき)十七歳。武道指南役にして、市中安寧を託される監察も。夜毎、町人に変装して旗本の賭場に潜り込んでは情報の収集に当たる。綱吉の元御小姓が謀殺され、事件は幕閣中枢に巣くう側用人らに揉み消されてしまった。悪の根元は大奥か。即刻、帯刀は側妾の若菜を送り込み、大奥の耳目とした。時代長篇。

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  • 剣光斜めに飛べば(電子復刻版)
    -
    新将軍の即位時に諸国査察を任務とする巡察使。だが泰平の続く中、贈賄・饗応に堕す彼らに代わって真正巡察使を名乗り悪を糾弾する紫右京之介。江戸の町医慶庵が失踪した。行方を探るうち、美濃岩村藩の家督相続をめぐるお家騒動に関わりがあると判明、右京之介は勇躍その渦中へと飛び込んだ。狂剣、魔剣が火花を散らす修羅場に一陣、血を呼ぶ剣風が吹きすさぶ。傑作時代長篇。

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  • 剣の舞(電子復刻版)
    -
    生来の気性なのか、あまりの粗暴さゆえに鬼夜叉と綽名された少年夜叉丸は、ある一件から悪徳代官に反逆したために伊豆大島を追われ出ることになった……。元服を機に伊藤弥五郎景久と名を改めたのち、募る剣の求道心のまま、鐘巻自斎門下で修業。一刀流の根本理念を見出したが、自斎の卑怯な闇討ちに遭い、師弟の縁を絶つ――。一切を払捨し一刀斎と名乗った弥五郎は相馬原の野末の彼方に去る。

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  • 剣には花を(上)(電子復刻版)
    -
    なぜか、微醺をおびて巷を徘徊する染は、故あって切腹した旗本・牧下頼母のお内儀。その侠気と美しさで評判の女だ。北辰一刀流・千葉周作の門下で剣一筋、修行の日々をすごす山岡鉄太郎は、染をめぐる奇妙な事件に巻き込まれ、刀を振う羽目になった。風雲の幕末。江戸を背景に、怪剣士、謎の砂文字の女、そして浮世絵師がいり乱れ……。豪放にして赤心の人、剣聖・山岡鉄舟の若き日々を描く長編時代小説。

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  • 狂恋 二人の小町(電子復刻版)
    -
    江戸市中で小町娘と評判をとった二人の娘、八百屋お七と柏屋お駒。しかしその恋は対照的だった。お七は純情一途、対してお駒は無軌道な性にのめり込む。やがて二人の恋が複雑にもつれ合い、殺人事件、江戸の大火・天和放火事件を引き起こす……。俳人・松尾芭蕉は、門弟の町奉行所同心・小野寺儀十を従えて、もつれた謎を解いて行く。史実をもとに巨匠が描く官能時代小説の決定版!(『狂乱 春の夜の夢』改題)

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  • 寛永独妙剣(上)(電子復刻版)
    -
    徳川三代将軍家光の治世、泰平の世が続き、武士も文弱に流れたとはいえ、まだ豊富家残党の策動が絶えなかった。無骨一徹の旗本大久保彦左衛門の次男大八郎は父に似ず、その軟弱ぶりを、水野十郎左衛門ら旗本奴白柄組に嘲笑される始末。そんな頃、浜竜四郎と名乗る剣客が無法者を懲らしめているという噂が流れた……。青年武士大八郎をめぐる剣と愛慕の渦を描く長篇時代小説。

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  • 嘉永六年のアルコール中毒 《姫四郎医術道中5》(電子復刻版)
    -
    噂が噂を呼ぶ乙井の姫四郎、医術を使う渡世人。道中合羽に三度笠、右手に数珠を巻きつけて、さしかかった甲州街道は横山宿。姫四郎がのぼせを癒してやった年増後家、その女のひさぐ居酒屋に寄寓して酒毒に溺れる五十男。元は歴とした日野の大店の主・平右衛門。のめりこんだ賭場で身代を失い、愛娘二人までも借金のカタに……。酒毒を断てば娘二人を救ってやると請け合った姫四郎だったが……。好評股旅連作。

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  • 嘉永二年の帝王切開 《姫四郎医術道中1》(電子復刻版)
    -
    野州無宿、乙井の姫四郎。関八州随一の名医と謳われた父は、ある夜、正体不明の武士の闇討ちに斬死、母、二人の兄弟もその道連れとなる。一人難を逃れ上訴したが、何故か却下される。世を拗ねた姫四郎、この日を境に“悪”と噂の渡世人となる。「右手の数珠は人助け、左の長脇差は殺めの道具」と嘯きながら踏みこむ裏街道。見様見真似の医の術が、やがて街道筋の評判に……。股旅連作。

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  • 加田三七捕物帖(電子復刻版)
    -
    明治の御代も七年になるというのに、荒れ果てた旗本屋敷で、老女二人が昔ながらの大奥づとめそのままに暮らしていた。ある日、この屋敷出入りの古道具商が殺され、若い下男の弥助が自首した――本郷湯島でそば屋・翁庵(おきなあん)をいとなむ、元八丁堀同心・加田三七は、この事件を見すごすわけにはいかず、昔、目明かしだった幸助を連れて現場に顔を出した(「二人の老女」)。ご存知、加田三七の活躍を描く捕物帖。

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  • 加田三七 捕物そば屋(電子復刻版)
    -
    旧幕時代、南町奉行所同心であった加田三七は明治四年、湯島で蕎麦屋を始めた。だが、蕎麦屋の旦那で収まる三七ではない。界隈で事件が起これば、警察に頼まれもしないのに、かつての輩下・幸助を従え探索に飛び出す始末。そんな三七のもとに、土蔵の白壁に幽霊が出て母の様子が変だと、遊郭の息子が妙な話を持ち込んだ(「幻の像」)。文明開化の世を舞台に私設探題を自任する加田三七・捕物そば屋事件簿十八篇。

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  • 右京介巡察記(電子復刻版)
    -
    徳川の世、将軍の代替り時に諸国の施政査察を任務とする巡察使も、太平の続く中、贈賄・饗応に堕していた。一人、三重・藤堂、信州・真田両藩の乱脈ぶりを追求しようとした巡察副使・瀬名伝右衛門は謀られて切腹、家名は断絶した。十五年後、父の無念を晴らすため遺児・市太郎は紫右京介と名乗り出府、家治の十代将軍就任に際し真正巡察使を自称、佞臣汚吏の糾弾に立った……。傑作時代長篇。

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  • 維新の烈風《吉田松陰と高杉晋作》(電子復刻版)
    -
    〈吉田松陰と高杉晋作。この二人の生涯をたどれば、明治維新の概略を知ることができる。アヘン戦争、ペリー来航、安政大獄、攘夷戦、長州征伐……極東に延びてきた世界史の触手や、顕在化した幕政矛盾と直接、間接に関わりながら、松陰と晋作の人生は展開されていった。安政四年秋、松陰と晋作の運命的な出会いから、歴史はかすかな屈折を始めた〉(あとがきより)。松陰・晋作の生涯に維新史を重ねた力作長篇。

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  • お江戸探索御用 上〈迷路の巻〉(電子復刻版)
    -
    事はこみいっている。日本橋玄冶店の万探索を生業とする佐太郎たちに、旗本・松平織部から、誘拐された十歳の養嗣子・伊織の探索依頼があったのだ。妻との間に子はないが、妾とは一子を生した。また織部の兄は廃嫡されたが、兄の子が成人のみぎりは家督譲渡の約があった。一方、妻はかつてさる旗本と密通し、これまた一子を生したと。何がどうなっているのか。これにやくざ者や悪徳商人もからむのだから……。

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  • 極楽安兵衛剣酔記
    4.0
    1~11巻628~693円 (税込)
    子持ちの女将が切り盛りする料理屋に居候の安兵衛は、実は旗本の三男坊。気ままな暮らしぶりから、極楽とんぼと呼ばれているが、ひとたび剣を抜けば、遣い手に。義理人情に厚く、嫌と言えない安兵衛は、毎度持ち込まれる難題に奔走して……。人情溢れる時代小説。
  • 暴れ旗本八代目 けんか凧
    4.0
    融通の利かない無骨な武門として幕閣に煙たがられている、三河以来の“かみなり”旗本大河内家。今日も切腹覚悟で諫言に及ぶ大目付の父政盛と、毎日ぶらぶらと瓢箪様(ひょうたんよう)の一粒種右京が怒りの太刀を一閃、江戸の悪人どもを大掃除する。痛快悪人退治劇!
  • 横濱太平記<新装版>
    -
    祝・開港百五十周年 いま、明かされる横浜開港の謎 小田原藩の奥右筆で、惨殺された父・大川浄蓮の仇討ちを見事果たした浄之進は、犬山蓮次郎と名を変え、武士の身分を捨て、かながわの宿で、古くから歯医者をしていた小野加平太のところへ妻・お静とともに見習いに入る。ある日、加平太が火盗に襲われて殺され、目の不自由な娘・お光は行方不明になるが…。話題を呼ぶ大型時代ミステリー。本作品は「横濱太平記」を加筆修正した新装版です。
  • 湘南太平記<新装版>
    -
    世は闇、されど夜の闇こそ真 馬入川の渡しで何者かに惨殺された小田原藩の奥右筆・大川浄蓮の息子・浄之進は、父の仇討ちのため犬山蓮次郎と名を変え、富山の薬売りと称する謎の女・お静を道連れに諸国行脚の旅に出る。新境地に挑んだ著者渾身の大型時代ミステリー! 本作品は「湘南太平記」を加筆修正した新装版です。
  • 姫様お忍び事件帖 つかまえてたもれ〈新装版〉
    3.8
    じゃじゃ馬、鶴姫が巻き起こす珍騒動に、 まわりは振り回されっぱなし。 まったくもう! 大爆笑時代コメディ!! 「芋侍のにいちゃん、可愛いねえちゃん半刻ほど貸せよ」 武州槻山藩主から休みをもらって江戸に出た小坂亀治郎は、 道を尋ねてごろつきに囲まれた。 怪しい侍から助けてやったお鶴ちゃんが、 なぜか旅の道連れになってしまい、吉原遊びを断念したばかりだった。 武州訛りで風采の上がらぬ亀治郎と、 お鶴ちゃんこと御三卿清水家の鶴姫の、 心がほっこり爆笑珍道中の始まり始まり。 書下しシリーズ第一弾!※本作品は『姫様お忍び事件帖 つかまえてたもれ』を加筆修正した新装版です。
  • はぐれ十左暗剣殺
    -
    北町奉行所の隠密廻り同心・鏑木十左は、老中・松平定信から呼び出され、火付盗賊改方への出仕を命ぜられる。急なことに戸惑いながらも、自らの気質を買ってくれる同僚たちにやりがいを感じ、かねてより巷を騒がせていた“葵小僧”という凶悪な押し込み盗賊の探索にあたることになった。着任早々、難事件に取り組むことになった十左の新たな戦いを描く。好評シリーズ、新章第一弾!
  • 父子十手捕物日記
    4.0
    名同心の父から十手を受け継いで二年、美味い物と娘の尻ばかり追いかけている文之介。時には近所の餓鬼から悪戯されるが、筋はいい剣術と持ち前の人の善さが功を奏し、難事件も見事落着。幼なじみの中間・勇七を随え、今日も江戸の町を行く!
  • 暮れがたき 夢草紙人情ひぐらし店
    4.0
    新吉原の華やかな表通りに隠れた場所に、ひぐらし店と呼ばれる裏店がありましてねえ。場所が場所でございますから、堅気の仕事をしている者はほんのひと握り。後は大道芸や芝居小屋の中売り。噺家とも呼べないろくでもない奴に、仕事師とくる。おんや、そんなひぐらし店に似つかわしくない、滅法界、品をした女ごがやって来ましたよ…。心に染みる人情物語。
  • 大太刀軍兵衛奔る 稲葉山城乗っ取り
    -
    駿遠三の太守・今川義元のもとで武勇を誇った戦国武者・本条軍兵衛直隆。桶狭間で主を討たれた軍兵衛は国元を離れ妻・光江を連れて流浪の旅に。商家で賑わう自由都市堺にようやく流れ着いた。軍兵衛は堺の警護役のたばね、守護番頭として食い扶持を得るのだった。豪商小西の荷駄の警固役で腕を振るなど傭兵働きのさなか、風雲急を告げる美濃・稲葉山城の様子を知る。そして不遇をかこつ名軍師・竹中半兵衛に稲葉山城乗っ取りの助力を請われるのだった。
  • ご落胤隠密金五郎 しのび姫
    3.0
    闇を縫い、薩摩藩邸に潜び込んだ一人の男。名は水野金五郎、時の将軍側用人水野出羽守忠成の妾腹だ。水野家家老土方縫殿助の依頼で抜け荷の証拠を掴もうとした金五郎は、琉球衣装の美しい娘に見とれるうち敵に見つかり逃げる羽目に。数日後、金五郎は侍たちに取り囲まれた娘を助ける。娘は金五郎が見とれた琉球王朝の姫だった。将軍の側室になるのを拒み逃げた姫を匿うことになったが…。
  • 南町奉行所脇同心 飢狼
    -
    同心や与力たちは微禄ゆえに、町人からの袖の下を貰い、不正には目をつむり、あまつさえ懐を肥やすことを考える。 そんな腐敗した奉行所の中で、仕事一途ゆえに煙たがられていた同心の山沖征四郎。 家庭を顧みることもなかったが、二十五年連れ添った妻が病死したことで、生き方を変えてみることにした。それは「死神」から「生仏」に変わったと陰口されるほどの変貌ぶりだった。 しかし、掏摸の男から預かった密書をきっかけに事件に巻き込まれて……。
  • 長谷川平蔵残心帳
    -
    御祐筆見習いの里見梧郎は、元上役で火付盗賊改方の長官・長谷川平蔵宣以が病に伏せっていると聞き、見舞いに訪れた。 平蔵は医者にもかからず、強がりを見せている。そして梧郎に、ケリをつけたはずの事件に残る気がかりを記した残心帳ともいうべきものを見せた。 日々の仕事に飽いていた彼は、その中の七年前の押し込み事件で、捕縛しそこねた犯人に注目し、探索することを請け負い…。
  • 空蝉同心隠書 盗人の上前
    4.0
    里見梧郎は、主筋にあたる旗本家との諍いで、火付盗賊改方の長官・長谷川平蔵の預かりとなった。そして、「居ると気づかせない人になれ」と言われ、書誌役を任ぜられる。 ある日、押し入った先を皆殺しにする強盗事件が起きた。調べ始めた矢先、北町奉行所の“真犯人は主人に遺恨のある元使用人”という明らかな嘘で、事件を横取りされてしまう。 梧郎は、真相を隠密裡に探り始めた。
  • かげろう医者 純真剣 明日草の命
    3.0
    初めて惚れた女は、初めて治せなかった患者だった― 無常を感じ、医術を捨てたはずが、落ちぶれた今では、表沙汰にできぬ傷病を金次第で治しては口を糊している沢木浩太郎。 快復の望みない者を永眠らせる仕事を始めた小間物屋のお遼。堅気となった経緯を、かたくなに口を閉ざして話さない元伝説の盗賊木鼠の佐七。それぞれ事情ありの三人がこの世にはびこる悪人どもを一刀両断する。 書下し武侠小説。
  • いろは双六屋 明烏
    4.0
    時は文政時代――。 主人公は本所で口入屋を営む双六屋の若旦那。 仕事を探して訪れる人々に、新たな勤め先を紹介している。 しかし、若旦那が受け持つ客は、大店の元主、手癖の悪い男、身持ちの悪い女、博打好きな男などなど、「わけあり」の者ばかり。 勤め先を紹介してやったものの、騒ぎが絶えないのが常。父親にはいつも怒られているが、柳に風と気にする風もない。 人生は双六のようなもの。何度でもやり直せる。たとえ失敗しても、「いろは」からまた始めればいい。 これが若旦那の口癖。双六屋の奉公人たちも、ご多分に漏れず「わけあり」な男揃いだが、みな若旦那を慕っている。 困った客が引き起こす騒ぎに翻弄されながらも、懸命にそれを解決しようとする若旦那を、影から支えているのだった。
  • 喜知次
    4.0
    菊枕は頭痛持ちにきくというので先祖が植えた菊が咲き、花を摘み始める頃、妹ができた。 日野小太郎は五百石の祐筆の嫡男だ。赤い頬の妹を“喜知次”と呼んだ。 友人の牛尾台助の父は郡方で、百姓の動き不穏のため、帰宅が遅い。少年の日々に陰を落とすのは、権力を巡る派閥闘争だった。 幼なじみの鈴木猪平の父親が暗殺される。武士として藩政改革に目覚めた小太郎の成長に、猪平が心に秘めた敵討ちと喜知次への恋心を絡めて、清冽に描く傑作時代小説。
  • はぐれ十左御用帳 女侠
    3.0
    佃新地にある女郎屋の主人からの報せで、偽小判を使った正体不明の男を追っていた北町奉行所の隠密廻り同心・鏑木十左。が、男は殺されてしまった。下手人たちが持っていた提灯に浮かび上がった丸に十文字の紋様から、現将軍の御台所・篤姫の実家である薩摩藩の影が浮かび上がる。それを老中・松平定信に報告するも、意外な返事に十左は……。
  • 黒頭巾旋風録
    4.0
    天保八年、臨済宗の僧侶・恵然は蝦夷地アッケシにある幕府建立の国泰寺に赴任する。蝦夷は松前藩の圧政と悪徳商人の非道にアイヌの人々の血と涙が流れる大地であった。ある日、処刑寸前のアイヌの青年を助けたのが、黒装束を翻した騎馬の男だ。鞭を武器に刀や銃を持つ武士と闘う黒頭巾の正体とは? そして、一陣の疾風が巻き起こしたのは。鞭を武器に刀や銃を持つ武士と闘う黒頭巾のヒーロー登場。胸のすく痛快歴史冒険活劇。
  • 身命を惜しまず 安藤帯刀と片倉小十郎
    3.0
    戦国武士は、俸給のためなら主を変えたが情で結ばれた主君のためには、命を賭けた。家康の抜擢で紀伊徳川家の礎を築いた勇将・安藤帯刀は、諫言も辞さず、切腹覚悟で幼き主君を守り抜く。一方、伊達政宗を奥州の覇者に押し上げた智謀の人・片倉小十郎は、若き主君の器量を最大限に活かすため、主君の病んだ右眼を自ら抉った。己を捨て、主のために戦い抜いた名臣たちの清々しき生き様!

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  • 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一
    4.2
    貞元二〇年(西暦八〇四年)。遣唐使として橘逸勢らとともに入唐した、若き留学僧・空海。洛陽での道士・丹翁との邂逅を経て長安に入った彼らは、皇帝の死を予言する猫の妖物に接触することとなる。憑依された役人・劉はすでに正気を失っていたが、空海は、青龍寺の僧とともに悪い気を落とし、事の次第を聞くことになった。 ◆日中共同製作で映画化! 豪華キャスト競演! 『空海 ―KU-KAI― 美しき王妃の謎』 監督:チェン・カイコー 公開:2018年2月24日 配給:東宝 KADOKAWA

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  • 緑の底の底
    3.0
    ぼくは日系三世で、カラカス大学の学生。ベネズエラとコロンビアの国境地帯にある町プエルトアヤクチョで、叔父を待っていた。叔父は文化人類学者で、オリノコ河源流の奥地に住むという白いインディオの調査にN.Y.からやってきたのだ。彼らの聖域を侵した者は、皆殺しにあうという。白いインディオとは、大航海時代のドイツ人奴隷の末裔なのか? オリノコ河を遡るカヌーの旅は、惨劇の始まりだった。

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  • 柳生の剣(電子復刻版)
    -
    群雄割拠する下克上の戦乱の世、大和国添上郡に小豪族の子として生まれた柳生宗厳は、父家厳とともに三好長慶に、後に松永久秀の陣に属し、合戦に明け暮れながらも、剣の道を極めるべく修行に励んだ。やがて大和随一の剣士と謳われるが、新陰流の上泉伊勢守秀綱と立合って一敗地にまみれた宗厳は、直ちに秀綱の門に入り、剣の奥義《無刀取り》を会得すべく心血を注ぐが……。柳生流の神髄を描く傑作時代小説。

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  • おれは半次郎(電子復刻版)
    -
    安政五年、薩摩藩郷士・中村半次郎弱冠(はたち)半農半士の身分ながら立身出世を夢みてひたすら示現流を磨き、西郷らの知遇をえて激浪の地・京の藩屋敷詰めとなった。剣技を買われ、各藩の密命をおびる暗殺剣士らと交わり、人斬り半次郎と恐れられる。やがて鉄砲組指揮官、さらに西郷によって折衝係の大任を拝した半次郎は、倒幕の旗頭となっていた。中村半次郎(桐野利秋)の青春期を活写する時代小説長篇。

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  • 風流大名 吉原の夕
    -
    なによりも無粋を嫌う、風流大名の姫路藩主・榊原政岑(まさみね)の楽しみは、身請けした吉原の高尾太夫──今ではしずやと名を改めた恋人との、ふたりきりでの散策だ。今日も浴衣姿で愉しんでいると、遊女の総角(あげまき)と、札差を営む大口屋の長男清太郎とが心中したという瓦版売りの声が聞こえてきた。しずやが禿(かむろ)時代に世話になった総角にいったい何が起きたのか? 事情を知りたい政岑としずやは……。
  • もののけ犯科帳 雷獣びりびり
    3.0
    「にゃん」となくのは黒猫ではなく、城を吹き飛ばすほどの雷を操る雷獣!? けれどもあまり怖くはないが──「クロスケさんはまだ小さいだけなのです!」……。あやかしを取り締まる“妖怪改方(あらためかた)”の刀弥(とうや)は、まだまだ未熟な雷獣クロスケと、雷獣が懐いて離れない許嫁(いいなずけ)の統子(とうこ)とともに不可解な事件を一刀両断! 天狗が山から下りてきたり、幽霊と天ぷら対決をしたり、お江戸は毎日大騒ぎ! (「大江戸あやかし犯科帳 雷獣びりびり」を改題)
  • さばけ医龍安江戸日記
    -
    富める者も貧しき者も、わけへだてなく治療するお助け医者--菊島龍安(きくしまりょうあん)を人は「さばけ医」と呼ぶ。今日も母を喪った幼子のために身銭を切って治療する龍安だが、その名を騙る医者が現れた。しかも偽医者は治療と称して病に苦しむ人々を毒殺していったのだ! 偽医者の正体と目的は? 人の命をもてあそぶ者がいた時、癒やしの手は裁きの剣となる!
  • はぐれ十左暗剣殺 笑う女狐
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    賭場で召し捕られた男の密告から、老中首座・松平定信の暗殺計画を察知した火付盗賊改方の同心・鏑木十左。長官である松平左金吾は、もう一人の長官・長谷川平蔵とともに、暗殺を阻止するべく、探索を始める。そして、十左は国元に向かう定信を守るため、隠密の紫乃らとともに奥州路へ向かった。その頃、江戸では、事件の首謀者を捜索中の平蔵が、怪しげな美女を追っていた…。新章シリーズ第四弾!
  • はぐれ十左暗剣殺 悪の華
    3.0
    下野国の下級武士・由利権八は、常日頃、上級武士たちから、いじめを受けていた。彼は、溜まりにたまった不満を野心に変え、出奔する。その数年後、火付け盗賊改方の同心・鏑犬甘八兵衛が、急死した娘の死因に不審があると、相談にやってくる。探索を引き受けた十左は、本所・深川・両国の貸元の親分たちをも怖れさせる無法者たちの存在を知り…。新章シリーズ代三弾!
  • 若さま包丁人情駒
    4.0
    主人公は旗本の三男坊(実は、将軍家斉の御落胤)で部屋住みの飛川角之進。将棋が得意で、根津の湯屋の二階で町人たちを相手にその指導をしている。この快男児がさまざまな事件に巻きこまれ、ときには悪人を成敗し、またときにはともに人情に泣く。人気作家が描く、時代小説の新シリーズ開幕。
  • 夢草紙人情おかんヶ茶屋
    3.3
    四十路半ばとは思えぬ嫋やかな美しさを備える女将・お蝠が営む『おかんヶ茶屋』に出てくる惣菜は、ごく普通の家庭料理だが、豊潤で心を和ませるあたたかい味だ。人は癒やしを求めこの茶屋に集まってくる。そんな中、欽哉が人足寄場から戻ってくることに。みんなに温かく迎えられ、歓迎会ではお蝠の惣菜を口にし、うめぇ、うめぇと涙をこぼす。欽哉は火消し人として精を上げることを決めるも、食事もせずに引きこもってしまった。欽哉の想いとは?

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