歴史・時代 - 徳間文庫作品一覧

  • 風流使者(上)(電子復刻版)
    -
    頃は天保。甲府に入った男たちがいる。戸田流宗家の老武者・藤木道満。武者修行中の島田虎之助。白面の貴公子・本多左近。なぜか道満は仙台黄門と呼ばれ、助さん、格さんという二人の壮漢を従えている。黄門一行が絹商人和泉屋に逗留中、当の和泉屋が斬り殺された。城下には白覆面の剣士の仕業という噂が流れ、道満一行の姿が消えた。この騒乱に島田虎之助も巻き込まれて……。長篇剣豪小説。

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  • 風流大名 吉原の夕
    値引きあり
    -
    なによりも無粋を嫌う、風流大名の姫路藩主・榊原政岑(まさみね)の楽しみは、身請けした吉原の高尾太夫──今ではしずやと名を改めた恋人との、ふたりきりでの散策だ。今日も浴衣姿で愉しんでいると、遊女の総角(あげまき)と、札差を営む大口屋の長男清太郎とが心中したという瓦版売りの声が聞こえてきた。しずやが禿(かむろ)時代に世話になった総角にいったい何が起きたのか? 事情を知りたい政岑としずやは……。
  • ふたり道三 上
    値引きあり
    3.5
    時は乱世。魔剣・櫂(かい)扇を鍛えた刀工・隠岐允(おきのじょう)の末裔、おどろ丸は乱世第一等の将となるべく、盟友・庄五郎の才知を頼りに、美濃の地に立った。粗暴にして自らの力のみを頼りにしたおどろ丸だったが、庄五郎と出会って「友」を知り、将軍家の寵臣・赤松政則の娘・松姫に思いを寄せ「恋」を知る。野生児にして純な魂の男は、魔剣を手にいかな運命を切り開くか。のちに「斎藤道三」と呼ばれた男の、修羅の人生が始まった……!
  • ふたり女房 京都鷹ヶ峰御薬園日録
    値引きあり
    3.2
    京都鷹ヶ峰にある幕府直轄の薬草園で働く元岡真葛(まくず)。ある日、紅葉を楽しんでいると侍同士の諍いが耳に入ってきた。「黙らっしゃいッ!」――なんと弁舌を振るっていたのは武士ではなく、その妻女。あげく夫を置いて一人で去ってしまった。真葛は、御典医を務める義兄の匡(ただす)とともに、残された夫から話を聞くことに……。女薬師・真葛が、豊富な薬草の知識で、人のしがらみを解きほぐす。
  • 二人の武蔵(上)(電子復刻版)
    -
    武辺に生きる奥義を「五輪書」に託し、巷説、幾多の決闘譚を生んだ剣豪・二天宮本武蔵。真筆の襖絵は今日も墨痕鮮やかだが、その生涯に謎は多い。足利将軍家指南・吉岡憲法を蓮台野に屠り、洛東一乗寺村下り松で吉岡一門の挑戦を一蹴した“武蔵”像に、二つの若き影が重なる。播州浪人・岡本武蔵、作州浪人・平田武蔵。二人の剣客の交錯するところ、“武蔵”の足跡が記されていった。五味剣豪小説の代表的名作。

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  • 奮闘、諸国廻り 悪代官を斃せ
    値引きあり
    -
    日本各地の異変・凶事を治める諸国悪党取締出役という役目を任ぜられた将軍の御落胤・飛川角之進の活躍を描く、書下し時代小説。 旗本の次男として育てられ、将棋は負け無し、剣は免許皆伝、そして見世を出すくらいに料理が得意な飛川角之進。じつは彼は家斉の御落胤。 その出自もあり、各地で起こる異変や悪に対応するため、将軍家斉に諸国悪党取締出役を任ぜられる。 北陸での変事に対処し、もどってきたところ、「信州・飛騨の山中に不穏な影あり」との託宣が出たため、赴くことになった。
  • 別子太平記上 愛媛新居浜別子銅山物語
    値引きあり
    -
    江戸時代、五代将軍徳川綱吉の治世。 伊予国新居郡の南にある別子山で、銅が発掘された。 その情報を得た側用人の柳沢保明は、逼迫する幕府の財政を改善するために、 銅山の開発を勘定頭差添役の荻原重秀に命じた。 彼は諸国の鉱山を歩き廻った後藤覚右衛門を、代官に任じる。 後藤は、大坂の豪商・住友の分家で、銅業を営んでいた「泉屋」に協力を仰いだ。 それが、二百八十三年にわたり、日本の近代化を支えることになる別子銅山の歴史の始まりだった。 愛媛新居浜で、別子銅山とともに生きた人々を描く歴史巨篇。 天正の陣 泉屋の灯 赤銅の峰 待ちぼうけ峠 新居浜浦
  • 紅屋お乱捕物秘帖(電子復刻版)
    3.0
    浅草黒船町の小間物屋「紅屋」の女あるじお乱は、美人でお侠で艶っぽく、皆が振り返るほどの女っぷり。そんな美女が大の捕物好きときた。今日も馴染みの破れ寺に通っては、そこに住みつく、いわくありげな生臭坊主や虚無僧と、事件の推理に花を咲かす。寺に来てはなにかと憎まれ口をきく岡っ引の鎌吉親分も、彼女たちのおかげで大手柄の連続。お乱たちのからだをはった探索で、次々と事件のからくりが明らかに。

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  • 紅屋お乱捕物秘帖 心中くずし(電子復刻版)
    3.0
    理由ありの男と女の難事件にめっぽう強いのが、お乱姐さん。露草寺に住みつく住職、虚無僧と、若い二人の妹分とともに、岡っ引の鎌吉親分を助けての大活躍。不審な夫婦心中や、マムシを使った“責め”の末の妾殺し(?)などが、彼女たちの周りに次々と起こり――。お乱は、艶然とした美貌と持ち前の推理力で、事件にかかわる人々の嘘を見抜き、色と金でもつれにもつれた男女の謎を痛快に解き明かしていく。

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  • 北辰群盗録
    3.5
    五稜郭開城から五年、開拓が進みつつある北海道各地で、共和国騎兵隊を名乗る盗賊団が跋扈していた。明治政府に対して「戦争は続いている」と主張する頭目は兵頭俊作。討伐隊に元幕臣の矢島従太郎が送り込まれた。兵頭と矢島は五稜郭で闘った同志だった。原野に銃声が響く。時代の転換期に翻った共和国の旗は幻だったのか?
  • 北天に楽土あり 最上義光伝
    値引きあり
    4.6
    伊達政宗の伯父にして山形の礎を築いた戦国大名・最上義光(もがみよしあき)。父との確執、妹への思い、娘に対する後悔、甥との戦(いくさ)。戦場を駆ける北国の領主には、故郷を愛するがゆえの数々の困難が待ち受けていた。調略で戦国乱世を生き抜いた荒武者の願いとは……。策謀に長けた人物とのイメージとは裏腹に、詩歌に親しむ一面を持ち合わせ、幼少期は凡庸の評さえもあったという最上義光の苛烈な一生!
  • ホット・スクランブル 緊急発進
    3.3
    航空自衛隊小松基地のパイロット辰巳彰一尉は機密プロジェクト“ホット・スクランブル”の訓練要員。緊迫するアジア情勢―日本の空の安全を守るという危機意識から生まれたそれは未来型シミュレーターで、仮想敵国とのあらゆる状況での戦闘を模擬訓練できる。ある日辰巳は訓練中に灰色の雲に突入、その後、未知の機体との熾烈なドッグファイトに巻き込まれた。その正体は―。
  • 彫辰捕物帖(一)(電子復刻版)
    -
    江戸で評判の刺青師・彫辰。刺青中の女客の痛みを痛みを和らげるため自らの肉針を使うその秘術に、料亭〈湖月〉の女将・お竜もすっかり虜に。そんなある日、岡っ引の三星屋喜蔵が奇妙な殺人事件の話を持ち込んできた。仏具商〈金竜堂〉の出戻り娘・加代が離れで変死したという。五体に傷はなく、しかも密室状態だった。困惑する喜蔵を尻目に、彫辰は鮮やかな推理を展開(「刺青渡世」)。他四篇の傑作時代推理。

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  • 魔王の子、鬼の娘
    値引きあり
    3.0
    織田信長が、本能寺で明智光秀に急襲され、 炎の中に消えたとき、嫡男である信忠もまた 二条城で攻められ、炎の中で死んだはずだった。 しかし、彼は目覚めた。 遠く離れた信濃の地で、顔に鬼の面が貼りついたまま。 そこには諏訪四郎勝頼の娘と名乗る美しく不思議な少女がいた。 天下の情勢が気になり、京へ向かう信忠に同行する娘。 しかしその行く手に、異形の“魃鬼(オニ)”たちが襲いかかる……。 日本ファンタジーノベル大賞受賞者が描く歴史伝奇小説。 第一章 邂逅 第二章 鬼の城 第三章 月の怒り 第四章 初演 第五章 八百姫 第六章 元興寺 第七章 大暗黒天
  • 松平蒼二郎始末帳一 隠密狩り
    値引きあり
    -
    常の如く斬り尽くせ。一人たりとも討ち漏らすな。将軍家斉公お抱えの隠密集団、相良忍群の殲滅を命ずる五十がらみの男は、かなりの家柄の大名らしい。そしてその男を父上と呼ぶ浪人姿の三十男――蒼二郎は、いったんはそれを諫めるも、亡き母の仇こそ彼らであると聞かされ、“隠密狩り”を決意する。後日、洲崎の浜には、相良忍群、二十四体の骸が横たわっていた。剣豪小説の傑作!
  • 松平蒼二郎無双剣 一 無頼旅
    値引きあり
    3.0
    曇天の下、奥州街道を白河へと下る旅姿の侍の名は、松平蒼二郎。陰流の遣い手である蒼二郎は、かつては実父である白河十一万石の当主松平定信に命じられ、悪人を密かに誅殺する闇仕置を行っていた。今はある壮絶な覚悟をもって、その地を目指している。蒼二郎が守らんとする母子は、本来、蒼二郎を仇と思うべき存在であった……。大好評の剣豪小説シリーズ、第二期の開幕! (『松平蒼二郎無双剣 陰流・闇始末 悪人斬り』改題)
  • まろほし銀次捕物帳
    3.0
    岡っ引きにして、一角流十手術に伝わる特殊な小武器“まろほし”の遣い手・銀次は今、咲きほこる紅梅と見紛う痣が花叢のように肌に浮く娘の死骸を目の前にしていた―。先頃から追っている別の事件と同じ筋と直感した銀次は、急ぎ下手人を挙げようと奔走するが、ほとんど手掛かりが得られぬまま、料理屋へ通いで勤めている器量良しの十七、八の町娘たちが次々と失踪してしまう…。シリーズ第一弾。

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  • まろほし銀次捕物帳 怒り一閃<新装版>
    値引きあり
    3.0
    子どもの涙は見捨てておけぬ。おとっつあんの無実は晴らすぜ。幸せ壊した悪党は許せねえ。 「おとっつぁんを返せ」敵意を剥きだしに、幼い伊助は叫んだ。どうやら父親の岩吉が、盗人の汚名を着せられ、無実の罪で何者かに死に追いやられたらしい。本当の下手人を捕まえていない「まぬけな岡っ引き」と銀次を罵る伊助だったが、涙を流していた。心をつき動かされた銀次の、仇討ちに向けた秘策とは―。おめえの優しいおとっつぁんを陥れた悪党は、おれが捕まえてやるからな。 ※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 怒り一閃」を加筆修正した新装版です。
  • まろほし銀次捕物帳 丑の刻参り<新装版>
    値引きあり
    3.0
    閃く“まろほし”! 斃れる下手人! 駕篭かきの仲間うちで、“稲荷明神のご神木に、徳兵衛と筆された藁人形が打ち付けられている”という噂が広まりはじめた頃の朝、「大変だ!丸松屋が押し込みにやられた」魚屋の彦吉が上げた一声で、車坂町にある両替屋へ向けて、岡っ引きの銀次は駆け出した。番頭の話では、殺されたのは主人の徳兵衛と内儀のお繁だという…。噂の“丑の刻参り”と繋がりはあるのか?銀次の“まろほし”が閃く。斃れる下手人! ※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 丑の刻参り」を加筆修正した新装版です。
  • まろほし銀次捕物帳 閻魔堂の女<新装版>
    値引きあり
    4.0
    電光の如く奔る秘武器“まろほし”! 神田の呉服屋が襲われた。五百両のほかに、反物がごっそり持ち去られ、手代の姿が消えたのだ。奉公人を仲間に引き入れるという盗みの手口から、岡っ引きの銀次らは上州党と目星をつけるが、三年前に江戸から行方を晦ましたままだった…。※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 閻魔堂の女」を加筆修正した新装版です。
  • まろほし銀次捕物帳 火怨<新装版>
    値引きあり
    -
    冴える勘、流れる涙、光る武器。大人気作家、絶好調シリーズ。おれが逃さぬ、その悪行! 足抜きしようと夜道を必死に走る若い男と女。が、無情にも追っ手に捕まり殺された。しかも、相対死に見せかけられて…。明くる朝、車坂町の稲荷に向かった銀次が目にしたのは、下駄屋の智助と八百屋のおしま、ふたりの死骸だった。料理茶屋信津屋の若い衆によれば、おしまは女中として働いていたが、昨晩から姿を消したという……。人気時代作家が贈る、大好評シリーズ特別書下し長編!! ※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 火怨」を加筆修正した新装版です。
  • まろほし銀次捕物帳 凶盗<新装版>
    値引きあり
    4.0
    大泥棒一味に必殺剣を遣う武士が・・・。貧しいならば奪ってよいのか? 太物問屋の小泉屋に押し込みが入った。番頭と手代は、どす黒い血に染まっていた。岡っ引き銀次と昵懇の剣客・向井藤三郎は、刀傷から、必殺剣の脇霞を遣う古賀弥九郎が下手人と睨んだ。古賀は妻のゆきを斬り殺したという噂がある男だけに臭う。だが、何ゆえ貧しい暮らしを支えた若い妻を殺したのか?逆袈裟から袈裟へ、その連続技が凄まじく迅い古賀に、銀次のまろほしは一閃するのか。 ※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 凶盗」を加筆修正した新装版です。
  • まろほし銀次捕物帳 死狐の怨霊<新装版>
    値引きあり
    4.0
    秘武器まろほしと神道無念流の剣が交錯する⁈ 薬種問屋の娘が行方知れずになった。「二百両を出せば勾引した連中と話をつけてやる」と売り込んできた、元御用聞きの常蔵を怪しいと睨んだ銀次。手下の松吉と探索を続けていると、なぜか昵懇である神道無念流の達人、向井に突き当たり……。(大人気書下し時代長篇)※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 死狐の怨霊」を加筆修正した新装版です。
  • まろほし銀次捕物帳 滝夜叉おこん<新装版>
    値引きあり
    5.0
    銀次が救った軽業師の若い娘に一体なにが? 数年前に巷を騒がせた盗人、土蜘蛛一味が再び姿を現したという噂を銀次が耳にして間もなく、米問屋が押し込みに遭った。奉公人を殺害した畜生働きなのだが、義賊と呼ばれた土蜘蛛一味と盗みの手口が同じなのが銀次は気にかかり……。(書下し長篇)※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 滝夜叉おこん」を加筆修正した新装版です。
  • まろほし銀次捕物帳 愛弟子<新装版>
    値引きあり
    4.0
    鳥羽亮の“岡っ引き”が読めるのは、このシリーズだけ! 刹那、煌めく 五日の間に同じ手口で、二件の辻斬りが起こった。岡っ引き銀次と昵懇の剣客向井は、死骸に珍しい太刀筋の傷痕があったと耳にし、愛弟子だった河合を思い出した。河合は、初太刀で袈裟に斬り落とし、二の太刀で刃を返しざま胴を薙ぎ払うという荒技を得意としていたのだ。向井は真相を確かめるべく、夜毎に身を潜めて辻斬りを待つが、下っ引きたちから下手人と疑われ・・・・・。(文庫オリジナル)。 ※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 愛弟子」を加筆修正した新装版です。
  • まろほし銀次捕物帳 豆太鼓<新装版>
    値引きあり
    4.0
    銀次のまろほしと向井の剣の冴えを楽しんで下さい、鳥羽亮 岡っ引き銀次の耳に入ってきた、人さらいの知らせ。薬種問屋のひとり娘で五つになるお房が、三日ほど前に母と浅草寺へお参りにいったときから姿を消したままだという。が、妙なことに、親も奉公人もお房を急に深さなくなったらしい…。※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 豆太鼓」を加筆修正した新装版です。
  • まろほし銀次捕物帳 与三郎の恋<新装版>
    値引きあり
    5.0
    悪に一撃、まろほしの閃光! たまさか救った娘と殺しとのかかわりは? 男ふたりに痛めつけられていた母子を助けた与三郎。母子は、与三郎が岡っ引き銀次の手先となる前に住んでいた町で瀬戸物問屋を開いていた御内儀と娘だった。その二日後、明神下の空き地で、刺し殺された店者が見つかった。どうやら下駄屋の主人らしい。銀次とともに探索にあたった与三郎は、殺しと母子には、何らかのかかわりがあると睨む。 ※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 与三郎の恋」を加筆修正した新装版です。
  • まろほし銀次捕物帳 夜鷹殺し<新装版>
    値引きあり
    4.0
    斬られたのは哀しき夜鷹 下谷の泥溝板横丁で夜鷹が殺された。十日前に料理屋の女中が斬り殺された時と同じ手口だった。金目の物を身に着けていないことから、物盗りや辻斬りの仕業ではないとみた岡っ引きの銀次は、神道無念流の達人向井らと探索をはじめるが……。 ※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 夜鷹殺し」を加筆修正した新装版です。
  • まろほし銀次捕物帳 老剣客<新装版>
    値引きあり
    4.0
    勘の閃き 秘武器の煌めき。ひでぇ野郎どもは軒並み退治。 岡っ引きの銀次と親しい向井藤三郎が構える神道無念流道場の門弟松浦が撃ち殺された。鬢には白髪、顔には皺が見てとれる一刀流を遣う老齢の剣士に、木刀で立ち合いを挑まれたすえのことだった。何か遺恨があってのことと読む銀次のすぐそばで、太物問屋千島屋の娘が死骸に取りすがり、泣き声を上げていた…。娘は松浦とかかわりがあるのか。 ※本作品は、「まろほし銀次捕物帳 老剣客」を加筆修正した新装版です。
  • 万延元年のニンジャ茶漬け
    値引きあり
    -
    アメリカの南北戦争で傑出した活躍をし、あるいは奇談を引き起こした海軍少将サムエル・スイード・デュラン。名家の出身で偉丈夫の彼は、なんとニンジャに憧れていた! 折しも、遣米使節団が立ち寄ったボルチモアで、村垣淡路守の摩訶不思議な挙動に惹きつけられていく。西洋文明に取って、未知な国ニッポン。異文化交流で起きることとは……「万延元年のニンジャ茶漬け」。京都で捕まったどろぼうに接見した女性弁護士は、彼の素性を探ると……「太秦の次郎吉」。さいたま出身だが、京都に憧れ大学に通ったのに、就職で神戸に住むことになった女性に巻き起こる騒動とは……「鈴蘭台のミモザ館」。デビュー作の『秘剣こいわらい屋』や『まぼろしのパン屋』で描いてきた、ちょっとコミカル、あったかくて、微笑ましい人間たちを、虚実織り交ぜて描かれる不可思議な三つの物語!
  • 天皇の刺客 上
    値引きあり
    -
    内憂外患の波が押し寄せる、京の都。幕府の存続を図るため、幕閣は尊王思想を増長させる『日本書紀』を秘かに焼き尽くす計画を進めていた。しかし、草莽の志を抱く植松頼助・猿投十四郎たち一団は、それを阻止すべく立ち上がる。さらに、人々にその志を啓蒙するため、天皇の功績を摺り物にして頒布することに。尊王の志士たちと幕府隠密たちとの熾烈な戦いがはじまった――。
  • 満つる月の如し 仏師・定朝
    値引きあり
    3.9
    藤原氏一族が権勢を誇る平安時代。内供奉(ないぐぶ)に任じられた僧侶隆範(りゅうはん)は、才気溢れた年若き仏師定朝(じょうちょう)の修繕した仏に深く感動し、その後見人となる。道長をはじめとする貴族のみならず、一般庶民も定朝の仏像を心の拠り所としていた。しかし、定朝は煩悶していた。貧困、疫病に苦しむ人々の前で、己の作った仏像にどんな意味があるのか、と。やがて二人は権謀術数の渦中に飲み込まれ……。(第32回新田次郎文学賞受賞作)
  • 水戸黄門 天下の副編集長
    値引きあり
    4.0
    『国史』が成らねば水戸藩は天下の笑いもの。一向に進まない編纂作業に業を煮やした前水戸藩主・徳川光圀公(実在)は、書物問屋の隠居に身をやつし、遅筆揃いの不届き執筆者どものもとへ原稿催促の旅に出た。お供は水戸彰考館の覚さん(実在)、介さん(実在)をはじめ、鬼机(デスク)のお吟など名編修者たち。まずは下田を訪れた御老公一行は、なにやら不可解な陰謀にぶち当たる! 痛快時代エンターテインメント。
  • 緑の底の底
    3.0
    ぼくは日系三世で、カラカス大学の学生。ベネズエラとコロンビアの国境地帯にある町プエルトアヤクチョで、叔父を待っていた。叔父は文化人類学者で、オリノコ河源流の奥地に住むという白いインディオの調査にN.Y.からやってきたのだ。彼らの聖域を侵した者は、皆殺しにあうという。白いインディオとは、大航海時代のドイツ人奴隷の末裔なのか? オリノコ河を遡るカヌーの旅は、惨劇の始まりだった。

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  • 南町奉行所脇同心 飢狼
    値引きあり
    -
    同心や与力たちは微禄ゆえに、町人からの袖の下を貰い、不正には目をつむり、あまつさえ懐を肥やすことを考える。 そんな腐敗した奉行所の中で、仕事一途ゆえに煙たがられていた同心の山沖征四郎。 家庭を顧みることもなかったが、二十五年連れ添った妻が病死したことで、生き方を変えてみることにした。それは「死神」から「生仏」に変わったと陰口されるほどの変貌ぶりだった。 しかし、掏摸の男から預かった密書をきっかけに事件に巻き込まれて……。
  • 見破り同心 天霧三之助
    値引きあり
    3.3
    質屋の三浦屋六兵衛が、離れで出刃包丁により惨殺された。三浦屋にとっては、娘の佐代が旗本の惣領との婚礼を間近に控えた折の惨事だった。南町奉行所臨時廻り同心、天霧三之助は探索に乗り出す。六兵衛の遺体の不自然さに気づいた三之助は、下手人像を絞り込み、追い込んでいく。だがそんなさなかに、六兵衛が死んだ同じ離れで第二の刺殺事件が起きた。長篇時代ミステリー。
  • 婿殿開眼一 密命下る
    値引きあり
    3.0
    1~10巻508~515円 (税込)
    算術不得手の勘定方!? しかし剣術に覚えあり 旗本八万騎一の美人を娶り、婿入りして勘定方の役務に邁進する笠井半蔵。 実は算盤が大の苦手ときた。代々の家のお役目に誇りを持つ妻・佐和の尻に敷かれてはや十年、一向に算術の腕は上がらず宮仕えはつらい日々だった。 ところがある日、登城中の勘定奉行が謎の刺客連中に襲われた窮地を、若き日に鍛えた天然理心流の剣の腕で救う。 これをきっかけにして、半蔵にはある人物の陰の警固の命が下るのだった。 時代剣戟シリーズ第一弾!
  • 無宿人 御子神の丈吉1(電子復刻版)
    -
    渡世から足を洗って三年、細工師としての腕を認められた丈吉は恋女房のお絹との間に小太郎も生まれ、穏やかに暮せるかに見えた。しかし、宿怨を抱く国定忠治の舎弟・開雲の長五郎らに留守を襲われ、お絹は散々に弄ばれたあげく、赤子と共に惨殺された。愛しい者を失って堅気に何の未練があろうか! 復讐の鬼となった丈吉は、恋女房の形見のシゴキ帯を腰に、旅にでた。紋次郎の産みの親が放つ会心の股旅連作。

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  • 死神幻十郎 冥府の刺客
    値引きあり
    4.0
    南町奉行同心神山源十郎は三河の代からの直参で、源十郎の代で九代目を数えた。 阿片密売組織の罠にはまり、妻を凌辱されたばかりか、自身小伝馬町の揚屋に収監された。 奉行の沙汰が下り、斬罪の裁決が決まった。 しかし、男は死罪所で死ななかった。身代わりの罪人が死に、地獄の底から舞い戻ったのだ。 一度死んだ男、死神幻十郎は楽翁と呼ばれる老人に迎えられ、闇の剣を疾らせるのだった。
  • 明暦群盗図(電子復刻版)
    -
    戦国の遺風いまだ消えず、巷に浪人があふれていた明暦年間――女遊びがこうじて扶持を失った伊吹進二郎は、ふとしたことから、芝居小屋瓢座(ひさござ)を根城とする群盗の仲間にはいることになった。頭の草間匡助、若衆春日千之助、天草の乱の残党細見喜十郎など、腕に覚えのある面々が揃っていた。いずれもが、世をすねて太く短く生きようとの魂胆。ある夜、日本橋の豪商くじら屋に押し込んだ……。長篇時代小説。

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  • 妻敵にあらず 足引き寺閻魔帳
    -
    与惣次行きつけの居酒屋に忘れられた風呂敷包み。中には位牌と骨壺、それに十両もの金が。最近馴染みになった老人・吉助が置いていったのだ。経緯を聞いた宗徳は与惣次を連れて吉助の住居を訪れたが、すでに引き払われていた。長屋の住人の話では、一緒に暮らしていた女が流行病で亡くなったという。そのとき突然、紀州犬の豪の吠え声が響いた。見ると袴姿の若侍が逃げてゆく背中が……。

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  • もののけ犯科帳 雷獣びりびり
    値引きあり
    3.0
    「にゃん」となくのは黒猫ではなく、城を吹き飛ばすほどの雷を操る雷獣!? けれどもあまり怖くはないが──「クロスケさんはまだ小さいだけなのです!」……。あやかしを取り締まる“妖怪改方(あらためかた)”の刀弥(とうや)は、まだまだ未熟な雷獣クロスケと、雷獣が懐いて離れない許嫁(いいなずけ)の統子(とうこ)とともに不可解な事件を一刀両断! 天狗が山から下りてきたり、幽霊と天ぷら対決をしたり、お江戸は毎日大騒ぎ! (「大江戸あやかし犯科帳 雷獣びりびり」を改題)
  • 問答無用 〈新装版〉
    値引きあり
    5.0
    御徒衆の佐久間音次郎は、妻と子を惨殺され、下手人と思われる同僚を襲撃した。見事敵討ちを果たしたはずが、その同僚は無実だった。獄に繋がれた音次郎は死罪が執り行われるその日、囚獄・石出帯刀のもとへ引き立てられ、驚くべきことを申し渡された。「これより一度死んでしまったと思い、この帯刀に仕えよ」。下された密命とは、極悪非道の輩(やから)の成敗だった。音次郎の修羅の日々が始まった。
  • もんなか紋三捕物帳
    値引きあり
    3.0
    湯島天神下に住む桶師の鬼三郎には、法で裁けない奴らを懲らしめている裏の顔がある。ある日、訪ねてきた旗本から、素行の悪い男を葬ってほしいと頼まれた。しかし相手は、南町奉行の大岡越前守に朱房の十手を与えられた岡っ引の紋三(もんぞう)。十八人の子分を持ち、大江戸八百八町のあちこちで、悪い奴らをとっ捕まえようと目を光らせている。総じて評判の良い男だった。大江戸痛快捕物帳、出版各社合同企画でスタート!
  • 柳生三代の鬼謀
    値引きあり
    4.0
    大和(やまと)国の土豪柳生宗厳は、廻国修行中の上泉伊勢守に負かされ、己の未熟を悟る。伊勢守に弟子入りした宗厳は、師より無刀取りの会得を託され、艱難辛苦の末に奥義書四巻を受け継いだ。柳生新陰流の祖、石舟斎こと宗厳。徳川将軍家兵法指南役となり、天下に新陰流の名を轟かせた二代目宗矩。廻国修行で己の剣を磨き流派の深化に努めた三代目十兵衛三厳。偉大なる剣客の実像に迫る長篇歴史小説。
  • 柳生の剣(電子復刻版)
    -
    群雄割拠する下克上の戦乱の世、大和国添上郡に小豪族の子として生まれた柳生宗厳は、父家厳とともに三好長慶に、後に松永久秀の陣に属し、合戦に明け暮れながらも、剣の道を極めるべく修行に励んだ。やがて大和随一の剣士と謳われるが、新陰流の上泉伊勢守秀綱と立合って一敗地にまみれた宗厳は、直ちに秀綱の門に入り、剣の奥義《無刀取り》を会得すべく心血を注ぐが……。柳生流の神髄を描く傑作時代小説。

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  • 疫病神捕物帳
    値引きあり
    -
    呑太の元に殺しの報が届いた。高利の金貸しが刺し殺されたという。五人の手先たちを駆使した聞き込みの結果、呑太にとって大恩ある岡っ引・銀造の孫娘の名が挙がった。衆人にはその冷酷かつ非常なお調べのためか“疫病神”と忌み嫌われる呑太だが、今は亡き銀造にだけは義理を欠いたことはない。恩人の孫娘――鬼の如き呑太の眼が光を増す(人を信じない男)。名匠渾身の傑作時代小説集。(『疫病神呑太』改題)
  • 疫病神捕物帳 降って来た赤ン坊(電子復刻版)
    -
    伝九郎頭巾と聞いただけで、呑太は全身の血が熱くなる。どんな悪人であろうと、それなりの節度がなければならない。それが、この伝九郎頭巾と俗称される盗賊は、押し込み、追い剥ぎ、幼児殺しとその場の思い付きで凶行に及ぶのだ。必死に捜査を続ける呑太の前に、船頭が赤ン坊を抱えて飛び込んできた。(表題作)疫病神と恐れられる男の怒りが炸裂する痛快捕物。巨匠の文庫オリジナル。

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  • 矢立屋新平太版木帳
    値引きあり
    4.0
    かわら版は江戸時代の新聞であり、その記者を当時は矢立屋と呼んだ。寺子屋師範にして矢立屋の顔も持つ柿谷新平太は、お上の許可を得ずに出版するもぐりのかわら版専門。ネタが大ネタであればあるほどよく売れるのだが、ネタに鼻が利く性分ゆえに、次々と事件に巻き込まれてしまい……。市井の人々との暖かな交流とともに、泥棒、殺人という江戸の闇までをも描く、新感覚時代ミステリー! 【ドラマ情報】BS朝日二夜連続放送・2015年12月4日(金)、5日(土)夜6時半~/出演:北村一輝・中村雅俊・中村橋之助・若村麻由美・南沢奈央
  • 野望の憑依者(よりまし)
    値引きあり
    4.0
    時は鎌倉時代末期。幕府より後醍醐帝追討の命を受け上洛の途に就いた高師直(こうのもろなお)は、思う。「これは主人である尊氏に天下を取らせる好機だ」。帝方に寝返った足利軍の活躍により、鎌倉幕府は崩壊。建武の新政を開始した後醍醐帝だったが、次第に尊氏の存在に危機感を覚え、追討の命を下す。そのとき師直は……。野望の炎を燃やす婆娑羅者(ばさらもの)・高師直の苛烈な一生を描いた南北朝ピカレスク、開演。
  • 山同心花見帖
    値引きあり
    -
    徳川幕府最後の年となる慶応三年二月。上野寛永寺で将軍警備の任についていた若き山同心、佐倉将馬(さくらしょうま)と森山建(もりやまたける)に密命がくだった。江戸市井に住み、各藩の秘花を守れという。花木を愛し、「花咲爺」の異名を持つ将馬には願ってもないお役目。しかも、将馬が密かに恋する山同心目代の娘・美鈴が同居を申し出る。このお役目に隠された、真の目的とは……。書下し傑作時代小説!
  • 柔(上)(電子復刻版)
    -
    明治初めの東京。帝大生の矢野浩は、路上でもみあう深川芸者を助けようとしたが、逆に二人組の職人に足蹴にされる始末。通りかかった小柄な老僧が、いとも簡単に職人たちを投げとばしてしまった。名を愚庵和尚、手練の技は柔。圧倒された矢野は弟子入りを乞うが和尚は許さず、くいさがる矢野に女弟子・妙に相手をさせた。宙を舞うこと六度、悶絶した矢野は、やっと入門を許された。長篇柔道小説。

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  • 夢草紙人情おかんヶ茶屋
    値引きあり
    3.3
    四十路半ばとは思えぬ嫋やかな美しさを備える女将・お蝠が営む『おかんヶ茶屋』に出てくる惣菜は、ごく普通の家庭料理だが、豊潤で心を和ませるあたたかい味だ。人は癒やしを求めこの茶屋に集まってくる。そんな中、欽哉が人足寄場から戻ってくることに。みんなに温かく迎えられ、歓迎会ではお蝠の惣菜を口にし、うめぇ、うめぇと涙をこぼす。欽哉は火消し人として精を上げることを決めるも、食事もせずに引きこもってしまった。欽哉の想いとは?
  • 夢の夢こそ
    値引きあり
    5.0
    人形浄瑠璃が縁で二人は出逢った。男は尾道で造酒屋を営む忠三郎。女は廻船問屋の後妻・お夕。お夕が後妻に入った経緯を知った忠三郎は、次第に彼女に心を寄せていくが、婿養子の身でできることは限られる。そんな中、お夕が窮地に追い込まれることに。お夕を救おうとする忠三郎。忠三郎への気持ちを明かすお夕。世間から後ろ指を指されようとも、二人は覚悟を決めた。
  • 用心棒血戦記
    値引きあり
    3.0
    武者修行の旅の途中、隠密葵十三郎(あおいじゅうざぶろう)は暗殺されかけていた岩田藩の跡継ぎ松太郎を救った。その腕を見込まれて用心棒に雇われることになった十三郎は、お家騒動の渦中に巻き込まれていく。謀反を起こした家臣らが、城代家老の片岡を人質にして、国許へ帰る松太郎一行を皆殺しにしようと罠をしかけてきた――。田宮流居合の太刀捌きが夜の闇にきらめく、圧巻の剣戟時代小説。
  • 妖草師
    値引きあり
    3.3
    九代将軍・家重の治世。紀州藩の京と江戸の両屋敷に怪異が兆した。京では元藩士が“花が匂う”と称して、夜な夜な東山へと出かけていき、江戸では見事な庭園に、マダラ蓮と血色の苔がはびこりだした。 京の下級公家・庭田重奈雄は、人の念が乗り移った異界の妖草駆逐の秘術を使う妖草師であった。藩の要請を受けた重奈雄は、紀州徳川家への恐るべき怨念の存在を知ることに――。第1回徳間文庫大賞(書下し部門)受賞作。
  • 妖魔
    値引きあり
    -
    建設省のキャリア組・梶谷の経堂の家が鴉の群れに襲われた。そしてなぜか執拗に梶谷だけが狙われた。TVニュースで事件を知った匠淳之助は、群れを率いているのが、匠が餌を与えている鵜のクロであるのを確認した。現場で知り合った警視庁の徳田刑事が数日後、匠を訪ね、五年ほど前に陵辱されて殺された母娘がクロという名の鵜を飼っていたと告げた(「妖魔」)。人間の狂気と滅びを描く西村文学作品集。
  • 横濱太平記<新装版>
    値引きあり
    -
    祝・開港百五十周年 いま、明かされる横浜開港の謎 小田原藩の奥右筆で、惨殺された父・大川浄蓮の仇討ちを見事果たした浄之進は、犬山蓮次郎と名を変え、武士の身分を捨て、かながわの宿で、古くから歯医者をしていた小野加平太のところへ妻・お静とともに見習いに入る。ある日、加平太が火盗に襲われて殺され、目の不自由な娘・お光は行方不明になるが…。話題を呼ぶ大型時代ミステリー。本作品は「横濱太平記」を加筆修正した新装版です。
  • 慶喜暗殺 太鼓持ち刺客・松廼家露八
    値引きあり
    3.0
    江戸幕府が倒れ明治に変わって混乱極める世。土肥庄次郎は元旗本。彰義隊に参加するも生き残り、旧幕臣を見殺しにしたあげく静岡に蟄居することになった最後の将軍・徳川慶喜を誅さんと付け狙う日々。同時期に静岡に滞在した、清水次郎長、坂本竜馬を斬った男といわれる今井信郎、唐人お吉、探検家・松浦武四郎らとの交流を交え、絶望の果て幇間として名を馳せた破天荒な男を描いた、書下ろし長篇時代小説。評論家・縄田一男氏の解説と推薦帯が付きます。
  • 義元、遼たり
    値引きあり
    3.0
    「海道一の弓取り」と称された今川義元。幼いころに仏門に出され、師父・太原雪斎とともに京都での学びの日々を送っていた栴岳承芳(のちの今川義元)は、兄・氏輝に呼び戻され駿府に戻る。やがて氏輝は夭逝、還俗し家督を継ぐことになった義元に、同じく仏門にあった兄の玄広恵探が対抗、『花蔵の乱』と呼ばれる家督争いが起こる。心を鬼にしなければならぬ――仏の道を捨て今川家総領としての道を選んだ、若き日の義元に焦点を当てた長篇歴史小説。
  • 世直し! 河童大明神
    値引きあり
    -
    「喜八どんが死んだと聞いたが、本当かえ?」父の弔問に訪れた奇妙な輩。生前世話になったと次々にキュウリを供えていく彼らは、河童(かっぱ)だった! 「世の為人の為」と合羽橋(かっぱばし)の架け替えに尽力した父に共鳴し手伝ったという間柄に、驚くばかりの喜助だった。ある日、子攫(さら)い事件が発生。人買い船が関係していると睨んだ喜助は「水は目であり耳」と河童が話した事を思い出し、助けを求めにゆく。
  • 四方吉捕物控1 後家ごろし(電子復刻版)
    -
    四方吉親分は、艶っぽいおとし姐さんと二人暮しだ。子分はおれ・富太郎一人。版下彫りで生活をまかなう貧乏所帯。池の端仲町の出合茶屋で年増女が絞れた。死体は素っ裸。脂の乗ったその秘所を仔細に検べるのは、これも貧乏医者の空庵先生。けど先生、ただの助平じゃない。時には驚くような手掛かりを見つけてくれるのだ(表題作)。捕物帳連作。『嗅ぎつける』『乱れ咲き』『えぐられた女』『後家ごろし』『みだらな紐』『堅いつぼみ』『不運な女房』の8篇を収録。

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  • 頼山陽 上
    値引きあり
    3.0
    言葉の力で幕末の歴史を変えた男、頼山陽。自由闊達な売れっ子クリエイター、反骨の文筆家として文化・文政年間を鮮やかに生き、歴史書『日本外史』で国を憂える幕末の若者たちの心を尊皇へと傾けたひとりの男の人生を描ききった本作は、第27回新田次郎賞を受賞。高い評価を得たほか、天才を支えた家族の温かな描写で、多くの年配の読者から熱い支持を得た。この上巻では儒家として名高い父に反発して放蕩を繰り返す、若き青年・山陽の姿を描く。
  • 蘭と狗 長英破牢
    -
    破牢を企てた高野長英の付け火で巻き添えを食い、焼死した女房の復讐を誓った岡っ引の瓢六。お上に飼われた狗から逃れながらも、当代随一の蘭学をもって、世直しに滾る長英。幕末の波に翻弄されたふたりの人生。第6回時代小説大賞受賞作。

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  • 乱丸 上〈新装版〉
    値引きあり
    -
    猛将・森三左衛門の三男として美濃・金山城に生をうけた森乱丸。 それは織田信長が天下布武を決意した年のことだった。 やがて才気溢れる若者に成長した乱丸は、天下人を目指す信長の側近くに小姓として侍ることになる。 魔王の覇道を共に歩む近習衆、そして名だたる戦国武将たち。 美しき若武者の目に映じた彼らの姿と心の裡とは……。 主君の大望を果たすため、乱丸は自らの命を賭ける! (宮本昌孝✕火坂雅志「特別対談」を収録) 【目次】 第一章 氷渡り銀狐 第二章 天下布武の子 第三章 初恋 第四章 安土へ 第五章 山百合 第六章 二条御新造 第七章 北国の風雲 第八章 猿の綱渡り 第九章 信長の烈火 第十章 名月相撲 第十一章 龍の玉 第十二章 乱丸、変貌 第十三章 刺客 第十四章 兄弟、揃う 第十五章 母の書状 対談 「格好いい男」を書きたい!
  • 龍之助一両剣 狐退治
    -
    江戸薬研堀の裏長屋に住む浪人、佐分利龍之助。傘張りで糊口を凌いでいるが、時折用心棒を引き受ける。日当は一両。ある日、南町奉行所の同心・星野謙蔵からの依頼が舞い込んだ。近頃頻発している辻斬りに備えての夜廻りに同行することになったが……。馬庭念流を極めた龍之助の剣が、今夜も流星のごとく鮮やかに一閃する。

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  • 龍の袖
    値引きあり
    -
    北辰一刀流、千葉道場の主定吉の娘として生まれた佐那は十代にして免許皆伝、その美貌も相まって「千葉の鬼小町」と呼ばれていた。ある日、佐那が道場に行くといきなり手合わせを申し込まれた。土佐の坂本龍馬と名乗ったその男は、日本だけでなく世界を見据える広い視野を持っていた。そんな龍馬に佐那は次第に惹かれていく。龍馬もまた佐那に想いを寄せ、二人は許嫁として互いの家族も認める存在となった。京都へ赴く龍馬のために佐那は坂本家の桔梗紋入りの袷を仕立てるが、龍馬はそれに袖を通すことなく非業の死を遂げる。悲しみの中、佐那は袷の右袖をほどき、龍馬の形見とした――。「私の人生は、この袖に翻弄され、この袖に泣き、この袖に守られてきた――」大政奉還後の日本の道筋を作るため奔走した坂本龍馬。その許婚として龍馬を待ち続けた千葉佐那。運命に翻弄された二人の愛の物語。
  • 若さま包丁人情駒
    値引きあり
    4.0
    主人公は旗本の三男坊(実は、将軍家斉の御落胤)で部屋住みの飛川角之進。将棋が得意で、根津の湯屋の二階で町人たちを相手にその指導をしている。この快男児がさまざまな事件に巻きこまれ、ときには悪人を成敗し、またときにはともに人情に泣く。人気作家が描く、時代小説の新シリーズ開幕。
  • 若殿八方破れ
    値引きあり
    4.0
    寝込みを襲われた。いったい誰が己の命を狙うのか。辛くも凶刃から逃れた信州真田家跡取りの俊介は頭をしぼる。国元で暮らす腹違いの弟力之介の祖父にして、国家老でもある大岡勘解由(かげゆ)の仕業なのか。闇討ちの裏が明らかにならぬまま、今度は忠臣の辰之助が殺された。筑後有馬家に関わる男の所行と分かったが、俊介は思いもせぬ縁談が進んでいることを知り……。御法度である私情の仇討旅に出た若殿一行を待ち受けるのは? 傑作廻国時代活劇!

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