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-〈逆宇宙〉の裂け目から邪教の魔手が伸びる! 魔教・苦止縷得宗の秘儀とは何か? 武蔵不知火市に住む高校生・淡島春夫の周辺の人間が奇怪な変貌を遂げていったのは、すべて“あいつ”が姿を見せるようになってからだった。背に「赤白二テイ歓喜即仏」と書き記した墨染めの衣を身にまとい、目深に被った破れ笠で半ば顔を隠したその男は、尼僧や小男とともに郊外の不知火稲荷で奇怪な祈祷をあげ、異様な冷気と臭気を漂わせながら春夫の家を窺っていたのだ。まるで男から吹きつける地獄の虚無の風に煽られたかのように、淡島家では父の左門の病状が急激に悪化し、執事の秋吉と姉のなつきが邪悪な狂気にとりつかれた。そしてそれは、元日の朝、東の空に黒富士の幻影が出現して人々に不吉な予感を抱かせた大凶事の、ほんの始まりに過ぎなかったのだ…。 衝撃の怪奇と幻想のアクション巨編、末弥純の表紙・挿し絵を纏い、電子書籍で待望の復刊! ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
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-雪降り積もる天保九年正月、定町廻り同心の和籐田三次郎は殺しの現場で、奇妙な男と出会う。 真っ白な狩衣に真紅の袴、立て烏帽子をかぶり、あたかも平安絵巻から抜けだしたような装いである。 言葉をかわした瞬間、鋭い洞察と観察力で、三次郎の妻の出産を見抜いたその男は、従三位権中納言、飛鳥業平──水戸家に逗留するやんごとなき京のお公家さまであった。 三次郎のとまどいと困惑をよそに、探索仕事に興味をおぼえた業平は、八丁堀同心よろしく難事件の探索に乗りだすのだが……。 武家や世間の常識にとらわれぬ江戸時代の名探偵が、隠された謎を解き明かしていく。 大人気となった時代シリーズの新装決定版!
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-フランス帰りの熱血漢が押しつけられた仕事は、コック兼ボディガード兼園丁!? フランス帰りのコック島千尋が勤めて三日目のレストランを飛び出すと、街はドラコニア騎士団とアカシャ公国の銃撃戦のまっ最中。拐われかけたアカシャの王女フリーダ姫を助けたばかりに、島は大使館に雇われ、国会議事堂の中央塔に幽閉された「幸運の一角獣救出作戦」に加わる破目になった。銃火器エキスパートの美少女まり子と新米魔術師大塚を相棒に、ドラコニアの殺人鬼と魔術師に挑む島の活躍が始まる! ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
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-耳元で誰かが「ふふっ」という不快な含み笑いを漏らした その事件の発端は、写真部の友人が撮った一枚の心霊写真だった。柏木勉の背後に映った黒いマントの男……その影は、十年ほど前に妹の睦美をさらおうとした男に瓜二つだったのだ。それを思い出した時、勉にははっきりと、「きいっ」というあのブランコの音が聞こえた。やがて、睦美の周りで奇妙な出来事が起きはじめ……。傑作サイコ・ホラー長篇。 ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
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-大岡越前、最後のご奉公。老中の面前で下す、評定の裁きの行方は!? 本作は、宝暦年間、実際に起きた三河岡崎藩、藩主押し込め騒動をモデルとしている。藩主押し込めとは、乱行、乱心などで藩政を誤った主君を、家臣たちが座敷牢に押し込め、隠居に追い込むことをいい、幕府に黙認されることが多い。 小説では、藩主派、反藩主派の御家騒動が、幕閣の知るところとなり、裁定が評定所に持ち込まれることになった。現地調査に向かった若き評定所留役・宇津木新五郎は、評定のメンバーである寺社奉行・大岡忠相に奮起を促す。評定の多数派を操る老中・松林備前守は、影で御家騒動の糸を引く。老齢に達したかつての名奉行は、はたして松林の陰謀を打ち砕くことができるのか。評定の場での裁きの行方はいかに……。文庫書き下ろし
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3.0小弓公方の家に生まれ、美しく武芸にも優れた足利嶋子。だが関白豊臣秀吉の小田原攻めで北条方についた夫の塩谷惟久は出奔。仕置のため宇都宮に来た秀吉に、嶋子は足利家再興を願い出る。その聡明さを認めた秀吉は、嶋子を側室として迎え入れる。一方、父の逝去によりわずか九歳で古河公方となった足利氏姫は、お家復興を願う嶋子の弟、足利国朝に嫁ぐ。だが国朝は病死。氏姫はその弟である頼氏と再婚し、喜連川家誕生の架け橋となった。豊臣秀吉による関東・奥州仕置、関ヶ原の戦いに勝った家康の幕藩体制強化。ふたつの大きな危機を乗り越え、小藩存続に尽力したふたりの姫の「女子の戦」を描く。
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3.0いかつい顔にげじげじ眉の南町奉行所同心、坂東一徹は、自他ともに認める頑固者で、悪や不正を許さぬまっすぐな男。事件解明のためならば、上司にさえも噛みつく仕事の鬼だが、その性格と容貌がわざわいし、女にはさっぱりもてないという有り様である。ところが文政元年の五月、この一徹に、不釣り合いなほどの別嬪な娘が嫁いできた。まさに美女と野獣の夫婦に、周囲ばかりか一徹本人も戸惑っていたが、その婚礼の場で、なんと殺人事件が発生する。妻を得て、よりいっそう仕事に邁進する一徹であったが、事件の真相を知ったときから、謎の単身赴任を繰り返すはめに……。愛する妻とわかれ、ひとり各地をさすらう名同心の悪党退治!
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-海野平の合戦に敗れ、自害する寸前だった真田幸隆の前に現われた白比丘尼の正体とは? 下克上が横行する殺伐とした時代に、運命の糸に導かれて真田一族と“道みちの者”が結び付き、血で血を洗う戦国の渦に飲み込まれていく……。 海道一の弓取りと言われた徳川家康と三河軍団に抗い、一歩も引くことのなかった信濃の小大名、真田昌幸の生涯を描いた伝奇時代小説、第1弾。 ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
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-美少女と見まごうばかりに端正な貌の若武者・真田幸村。そして、過剰な折檻により命を落とした竹千代に成り代わり、徳川家康となった醜鳥……。宿命の糸に絡めとられた真田幸村が、天下人・徳川家康に最後の戦いを挑む! 真田幸隆、真田昌幸、そして真田幸村へと三代にわたり伝えられた霊刀白鳥丸、そして「表裏比興」の秘策は果たして結実するのか……。 伝奇時代小説『真田昌幸 家康狩り』(全3巻)の続編となる“家康狩り”シリーズ完結編。 ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
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-三つの燦星が地上で出会う時、この世が混沌と化す……。慶長一八年(一六一三)春、猿飛佐助は、徳川・豊臣両家の命運を決する秘密を記した「燦星秘伝」受け取りのため、幕府金蔵番大久保長安館を訪れた。だが、佐助と同じ星を持つ柳生佐久夜姫によって、その在り処を秘す茶入の片方を奪取された。ここに、家康謀臣本多正純と林羅山一派を加えた三つ巴の争奪戦が始まった! 柳生に捕われた長安の真の意図とは? 「燦星秘伝」の内容とは? 佐助たち真田十勇士は、命を賭けて立川流秘儀の全容を解き明かす。 立川流密教、妖術、必殺剣、忍法入り乱れる痛快無比の伝奇時代小説「真田妖戦記」シリーズ第1弾。 ●朝松健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
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4.0付言しておきたいのは、信長の最大のライバルは、……やはり大坂本願寺であるということだ。そして、その本願寺の軍事力を支えたのが雑賀衆であり、その頭目が「雑賀孫市」だった。(解説/和田裕弘。中公新書『織田信長の家臣団』『信長公記』著者) ときは戦国、織田・浅井・三好ら大大名がしのぎを削るただ中に、紀州・雑賀庄はあった。彼らに転機をもたらしたのは、八咫鴉を祀る夜に蹌踉と現れたひとりの老人。刀月斎を名のる男は、頭領〈雑賀孫市〉を父にもつ三兄弟それぞれに、奇妙な形をした鉄炮を与えたのであった……。 病身を抱えながら鉄炮兵法を編み出す長男・義方、豪放磊落にして武威赫々たる次男・重秀、入神の域に達した狙撃の腕を持ちながら心を閉ざす三男・重朝。兄弟で〈雑賀孫市〉を襲名した彼らは、異なる道を歩み、異なる志を秘めながら戦乱の世を駆け抜ける! いま最も勢いに乗る歴史作家・谷津矢車が放つ硝煙たなびく合戦絵巻!!
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-醜悪な屍食鬼がはびこるなか、陸上自衛隊内部に巣くう恐るべき陰謀が…! 共時通信記者の田外竜介は、旧日本軍の高射砲を発掘する元砲兵隊長を取材中に、壕内で、若い男女の射殺死体を発見した。それは、浜辺で連続失踪している男女のものだった。さらに内部には、黒い毛に覆われた屍食鬼(グール)の姿が…。一方、次々と現れる屍食鬼を黙々と始末する自衛官。そして、陸上自衛隊内部の“民族遺産監理室”で極秘裏に進められる恐るべき陰謀とは!? 本格オカルト・ホラーの傑作が、ノベルス刊行時の表紙・挿し絵(天野喜孝)を纏い、電子で復刊! ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
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3.0元普請奉行が殺害され亡骸には奇妙な細工! 七福神巡り殺人が続く。 向島七福神巡りの名所で連続する不思議な殺人事件。元筆頭同心の父源之助と新任同心の息子源太郎は、事件の裏に潜む巨悪に挑む。 弥生一日、江戸庶民が向島七福神巡りで最初に訪れる「三囲稲荷」で侍が殺された。しかも、咽喉を抉られた亡骸には奇妙な細工が……。侍は元普請奉行で千五百石の直参旗本であった。さらに他の七福神巡りの名所でも……。謎を解くべく北町奉行所の元筆頭同心で今は「居眠り番」の蔵間源之助と定町廻り同心に昇進した息子の源太郎による「親子御用」が始まった。
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-プロレスから長刀(なぎなた)まで、学園を格闘の嵐に呑みこまんと五人の同志は集まった! 理論だけは強いプロレス狂の少年・西城めぐみは、かねてから設立を画策中の“格闘技同好会”の顧問は、倫理の教師・大伴俊作以外にはないと確信した。そして今、めぐみを始め、女だてらのボディビルダー・赤城小夜子、変態ペーパー格闘技者・翔星東二郎ら格闘技同好会の旗の下に結集する五人と大伴は、部室となるべき精武館をパンク軍団から奪還すべく立ち上がった! 常軌を逸した超個性派集団・格闘技同好会の設立、彼らを木陰からそっと見守る正体不明の妖しき美人教師・喜久香の恐るべき私生活秘話、涙なくしては笑えない今世紀最過激な初合宿の三本立てで送る、熱血青春格闘技小説の第一弾! 島本和彦の表紙・挿し絵を完全収録して、ついに電子書籍で復刊! ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
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3.3この男、正義の味方か。大悪党か。 職も金も許嫁も失った次郎吉は、万事窮して盗賊に。 前代未聞の悪漢登場。 圧倒的な興奮、一気読み必至の時代小説! 許嫁・お里の借金を返すため盗みに入り、所払にあった鼠小僧次郎吉。真人間に戻ろうと決意し四年ぶりに江戸に帰るも、職にはつけず、お里から祝言の予定を告げられる。相手は金儲けのためなら殺しも厭わない呉服屋の呉兵衛。生活に困窮し呉兵衛への恨みも募らせていた次郎吉は、町の仁医・七兵衛の裏稼業を手伝うことに。それをスキャンダル命の瓦版師・亀蔵に嗅ぎつけられ、さらに、お里の真の思惑も明らかになってきて……。
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-織田信長が大魔主となるための儀式で切り離した己れの“負”の部分は誰か、そして何を狙うのか? 長年に亘った一向宗との抗争に終止符が打たれようとする日、織田信長は真の世界の覇者となるために、立川流の秘儀や南蛮魔術などを併せた儀式を執り行ない、大魔主としての新たなる生命を得た。その際、邪魔になる信長自身の“負”の部分は、分身“修羅鏡”として切り離されたが、その正体と行方は不明のまま、焼け落ちる石山本願寺の地底伽藍にいた人物であることだけがわかっていた。該当するのは、巫女姿の少女・お凶、足軽強盗・どぶ六、立川流の沙門・白凰坊。果たして、その三人のなかの誰か!? あの〈逆宇宙〉シリーズの外伝とも言うべき伝奇時代小説の傑作が、電子書籍で復刊! ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
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-征夷大将軍──幕府の長であるこの将軍は、全国の武士を従える棟梁でもあった。よって、この位をめぐり徳川家では度々、権力争いが起きている。だが、次期将軍の第一候補者でありながら、権利をあっさりと放棄した人物も実在した。上州館林藩主松平清武、その人である。清武は、三代家光の孫にして六代家宣の実弟という血筋。いわゆる直系男子であった。が、七代家継が危篤に陥った折、年齢や藩政の実績を理由に将軍就任を拒み続ける。これには、清武の真意があった。城に居ては庶民の目線を失う。長屋に暮らしながら悪人退治をしたかったのである。紀州から迎えた八代吉宗を市中から支え、享保の改革の片棒を担いだ清武……。熱く、波乱に満ちたその活躍を描く、期待の新シリーズ!
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3.0人生そのものが 博打なんだよ 転がる賽に金は生えぬ 罪深き人 欲求は満たされる事を知らない ――――柳亭左龍 てめえらは、何度俺から奪えばそれで気が済むんだ。 軽井沢の有名旅籠の次男として育った理吉。裕福な環境で恵まれた生活を送っていたものの、なぜか家族との距離を感じ、心はいつも満たされずにいた。そうした心の飢えを埋めるかのように兄・新吉のものをくすねては、新吉と喧嘩になる毎日。やがて新吉は侠の世界に飛び出すが、理吉は家業の手伝いをするのみ。旅籠の下働きの定丸に誘われるままに、博打を覚えたがために家を追われ、西海屋に流れ着く。番頭の慶蔵のもとで頭角を現すが……業と欲に呑まれ、因縁に絡み取られていく―― 因果と侠の中で揺れ、流転と転落の男の物語――小説 古典落語シリーズ第4弾! 松浦シオリ・装画
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4.0大河でも注目!本当は武士になりたかった男。 かの有名な忍び、服部半蔵。その二代目は武士だった? 戦国時代に名を馳せた伊賀忍者、服部半蔵保長。その長男・正成は、家を継ぐべく育てられた。しかし忍びの仕事は闇に紛れ命を奪う影の仕事。七歳のある日、初めての任務が下されたが、そのあまりの理不尽さに悩んだ正成は、思わず家を飛び出してしまう。影に生きる忍びではなく、太陽の下、正々堂々と戦う武士になると心に決めて。 時は流れ、渡辺守綱の家で修行を積んだ正成は上ノ郷城で初陣を迎えた。戦場には密命を帯びた父・保長もいた。しかし直後、謎の忍び・梟に父を殺され、さらには正成も命を狙われる羽目に。 変わらず忍びを厭う正成だったが、保長を失った服部家を継ぐよう主君・松平元康に命じられてしまう。武士としては、主からの命令に逆らえるはずもなく、不本意ながらもここに二代目・服部半蔵が誕生したのだった。 しょったれとは、三河地方で「半端者」の意。武士にも忍びにもなりきれない半蔵は、それでも人と縁を繋ぎ、もがきながら死地を駆け抜ける。2023年大河ドラマでも注目のキャラクターが多数登場。気鋭の歴史時代小説作家による、忍びエンタメの最高峰、待望の文庫化! ※この作品は単行本版『しょったれ半蔵』として配信されていた作品の文庫本版です。
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-“赤い魔女”と凶獣の死闘の先に、全ての謎が明かされる! 札幌市郊外の学園都市が謎の爆発を起こし、瀬田寒原野に犬頭状の陥没が現れてから半年余り。今は立入り禁止となっているその周辺で、またも怪事件が発生していた。オカルトライター兼占い師の稲村虹子は、その事件の霊査を依頼され、札幌へ向かうが、彼女を待ち受けていたのは、黒魔術によって三たび目覚め、札幌に向かって首をのばす巨大な犬の顎であった。忌まわしき凶獣は甦るのか!? 本格オカルト・ホラーの傑作が、電子で復刊! ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
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5.0一九〇三年に生を受けるも生い立ちがまったく異なる二人の男が、関東大震災をきっかけに思いもよらぬ運命へと導かれる。 ジェフリー・アーチャー『ケインとアベル』を思わせる傑作大ロマン小説! ひとりは、東北の寒村の生まれの柾木謙吉。 もうひとりは、大阪の銀行家の息子で、何不自由なく育った水町祥太郎。 講義録の出版で大成功をした笠尾喜十郎の家で書生をしていた謙吉は、関東大震災当日、喜十郎の娘・華枝を、華枝の腹違いの兄・喜之が手篭めにしようとしている現場に遭遇し、勢いあまって殺してしまう。 浅草へ外出していた喜十郎一家は全員亡くなり、震災の混乱に乗じて謙吉は喜之を演じるようになった。 謙吉は、喜之が行く予定だったロンドン留学で学力や人脈を培い、帰国後、内務官僚になる。 一方、祥太郎は、ひょんなことから、映画監督や地方紙の社長と知り合い、映画制作に関わることに。 関東大震災から終戦直後までを背景に二人の男の波乱万丈の人生が、東京・大阪の“二都”から上海や満州国の首都・新京(いまの長春)までもを舞台に展開します。 笑いあり涙もあり活劇あり、そして踊りや歌も入った、まさに大衆小説の王道的傑作です。
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-最も残虐な人間と、最も邪悪な神々が手を組み、史上最悪の軍隊が誕生した。とどまるところを知らぬ悪鬼の所業は世界を震えあがらせる。激動の時代、急激な勢力拡大を果たしたナチスドイツ。しかしその背後には、知られざる闇の力が存在していた。その禁断の力にふれたものはみな奇怪な運命に翻弄されてゆく……。 史実と虚構をたくみに織りまぜ、異形のものどもの存在を描き出した戦慄の魔術的連作集。邪悪なる七篇を収録。※この電子版では、内容の原点回帰を目指して、ハヤカワ文庫版を底本としています。 *〝伍長〟の自画像 *ヨス=トラゴンの仮面 *狂気大陸 *1889年4月20日 *夜の子の宴 *ギガントマキア1945 *怒りの日 ●朝松健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、かつて誰も書かなかった〈異形の戦場〉と化した京都を描いた『血と炎の京』で高い評価を得ている。
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3.0第一次大戦後、ヒトラーの台頭とともに1933年に政権を掌握し、1945年には崩壊したナチスドイツ。その陰には邪神を信仰するものたちの恐ろしい魔術とさらなる闇が存在していた。 緻密に織り込まれたオカルトは、どこまでが史実でどこまでが虚構なのか―区別がつかないほどのリアリティと戦慄で迫りくる。アドルフ・ヒトラーの生誕自体が邪悪な存在による意図的なものであるとしたら…。その恐怖と狂気が再び甦る日も、いや、それは既に甦っているのかもしれない。
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-やくざが大名になる!? 世継ぎ騒動に揺れる美濃恵那藩から影御用。 十二歳で大名家を出された若君が十一年ぶりに帰った。長男が急逝したためである。 若君は果たして本物なのか。居眠り同心、捨て身の探索。 徳川譜代の名門、美濃恵那藩十万石の江戸藩邸から公用方の大浦喜八郎が、北町奉行所から帰途の蔵間源之助に、越中橋の袂で声をかけた。くれぐれも口外無用にと、内密の影御用を依頼してきたのである。元凄腕の筆頭同心で今は居眠り番と揶揄される源之助に、十二歳で大名家を出て十一年ぶりに帰ってきた藩主次男の真贋を探索してほしいというのである。
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-「あ、マスター、お水持ってきてくれないか」「旦さん、ちょっと肩揉んどくれやす」「おい、貴様、何か食い物もってこい」ミンタカ、アルニタク、アルニラム……うっかり女悪魔3人の封印を解いてしまい、大学講師・神奈三四郎の平穏な日常は完膚なきまでに破壊されてしまう。おまけに謎の黒魔術集団まで現れ、追い回されるはめに!? 伝奇・ホラー作家が描いた異色のスラップスティック・コメディ、その幕が今開く! ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
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3.0不可解な辻斬りが続発。背中から斬りつけ、銭六文だけを残す……。 六文は三途の川の渡し賃。単なる洒落ではあるまい。 四万五千石の大名の後継ぎに絡む「影御用」を受けて、元筆頭同心の源之助は……。 不可解な辻斬りが続発。侍ばかりが背中から斬りつけられ、遺体には銭六文だけが残されていた。北町奉行所の元筆頭同心で今は閑職“居眠り番”の蔵間源之助に駿河三島藩四万五千石の藩主後継から、奇妙な影御用が舞い込んだ。側室にと見初めた町娘の素性調査。あまりに単純な御用に思えたが、折りからの辻斬り事件との絡みで、意外な展開が待ちかまえていた。
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-「たとえどのような御方からの下され物であれ、茶碗は茶碗ではないか…」体面ばかりが重んじられる、武家勤めに不満を持っていた美濃恵那藩士朽木三四郎は、藩主、長山影綱の催した茶会で、神君徳川家康公から、下賜された茶碗が割れていた罪を自ら負い、藩を離れた。そして、日光街道、水戸街道への江戸から最初の宿場である。千住宿にやって来た。新たに寺子屋を始めた朽木は、縄暖簾『小春』のおはるや娘おさと、そこに集う岡っ引の治平、新吉親子らの人情あふれる市井での生活に、本当の人生を感じ始めていた。そんなある日、教え子が水死体となって発見されるという事件が起こった。
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-魔と暴力と銃と刀が渦巻く蝦夷の地に吹く一陣の旋風! 明治二年五月。新政府軍の猛攻にさらされて陥落寸前の五稜郭から、一人の青年が蝦夷の大地に降り立った。志波新之介、十六歳。上役である土方歳三の壮絶な最期を目の当たりにしながら、一人生き残った新之介は、敗残兵として新政府軍に追われる身となる。土地に生きるアイヌ達と交わり、追っ手やそこに巣くう魔と戦ううち、新之介は総裁榎本武揚が隠したとされる軍資金十八万両の噂や、それにまつわるスペンサー・カービンの謎に絡め取られていく。はたして北の果てに新之介を待つものは? 血と硝煙とならず者。男の誇りをかけたノンストップガンバトルアクション! 文庫版の表紙イラスト+ノベルス版の挿し絵、そのノベルス版においても未収録だった雑誌「獅子王」連載時の挿し絵をすべて復刻。さらに巻末にはノベルス版の表紙カラーイラストを特別収録した豪華版。 ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
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-財産を秘す〈八宝塔〉を追え! 道術を使う美少女姉妹と日本男児が大暴れ 東大生の高利貸・猪熊と元特攻のヤクザの用心棒・松浦が黒ずくめの男たちに襲われ、誘拐された先は香港(ホンコン)。ここでも始まる銃撃戦の中から、道術を使う美少女姉妹が喚起した旋亀で脱出した二人は、自分たちが三十五億円の宝を匿してアジア中を転移している八宝塔を開く〈宝鑰(トレジャー・キー)〉であることを知る。旧日本軍、ナチスの残党、英国情報部にCIA、中国秘密工作隊、さらには仙頭幇に麻薬シンジケートと、〈宝鑰〉争奪戦は入り乱れて香港から澳門(マカオ)へ! ●朝松 健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、妖怪と人間との心温まる交流をユーモアたっぷりに描いた〈ちゃらぽこ〉ほかの妖怪時代コメディなどを発表している。
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3.0直球のフーダニットとトリッキーなサスペンス、二本の中編を収録。驚愕の結末は、巻末に──。数々の不可能犯罪を解決してきた弁護士・森江春策。彼は幻の映画の上映会に招かれ、潮が満ちると孤島と化す地・天眼峡に建つホテル《月琴亭》にやってきた。しかしそこに集った他の四人は、それぞれ異なる理由で呼び出されたことが判明する。クローズド・サークルで起きた殺人事件に名探偵が挑む直球のフーダニット!(「月琴亭の殺人」)磯島健太が死んだ。いい加減なのに憎めない、わたしの元恋人が――。頼りない恋人を見切ってシングルマザーという選択肢を選んだライターの“わたし”は、妊婦が電車内でトラブルに見舞われて急死した事件を取材中、奇妙な違和感を覚えた。被害者女性の周辺では事故死が相次いでいるのだ。この不気味な事実に着目したわたしだが……。(「ノンシリアル・キラー」)2つのミステリが重なるとき、世界は反転する──芦辺拓、一世一代の大仕掛け!※収録しております「ノンシリアル・キラー」「解決編」は、電子書籍版収録にあたり、紙書籍版と仕様が異なる部分がございます。
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4.0行間から血の匂いが立ち上ってくるかのような迫力。 応仁の乱を描いた小説中の最高峰だ。――田中芳樹 応仁の乱――それは地獄の戦さだった。 かつて栄華を誇った都は燃え落ち、縦横に走る塹壕に切り刻まれ、泥と屍に覆いつくされた。 連なる屋敷は高い土壁に守られて砦と化して、中枢は地下の壕内に設けられた。 日が沈めば夜襲が行なわれ、矢が飛び交い、兵どもは無造作に殺されてゆく。 そこにあったのはあたかも近代戦争のごとき総力戦、終わりの見えぬ中で人間がひたすら消費されてゆく戦だった。 行軍中に東軍・細川勝元が拾った瀕死の男。 額に「犬」の文字の刻まれた男は、西軍の山名宗全に虐殺された集落の生き残りだった。 男は宗全への憎悪を胸に、地獄の戦場に血路を切り開く。 しかし敵方には中国渡りの最新兵器たる投石器を駆使する軍師がおり、苦戦を強いられる。 一方、この大戦さの中にあって、これを収拾しようという姿勢もみせぬ将軍・足利義政の妻・日野富子は、 渇いた心の救いを希い、戦火のなかを蓮如に面会すべく動き出そうとしていた。 京を灰燼に帰した応仁の乱とはいかなる戦争であったのか。 その血みどろの風景を壮絶に描きつくす書き下ろし歴史伝奇小説。
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3.8博打好きの殿様に襲いかかる忍び精鋭4人! 尾張徳川家の北隣、美濃北山三万石の舵取りを誤り、弟・重二郎に藩政をゆだねて出奔した殿さま・百目鬼一郎太は、博打に目がないのが玉に瑕。中山道板橋宿の手前で、江戸三大青物市場のひとつ、駒込土物店を差配する槐屋徳兵衛主従三人を危難から救ったのが縁で根津に身を落ち着けることになる。北山藩上屋敷には、時の将軍・家斉の娘で一郎太が愛して止まない正室静がいたが、表立って顔を見ることは叶わない。重二郎可愛さに、嫡男・一郎太の命を狙う実母桜香院とその腹心の国家老・黒岩監物が江戸入りしたからだ。監物と入れ替わり、国元に戻ることになった江戸家老・神酒五十八によれば、黒岩家の用人が密かに木曽御嶽山の麓にある羽摺りの隠れ里に向かったという。一郎太とともに江戸で暮らす五十八の嫡男・神酒藍蔵は力士と見紛う偉丈夫だが、無類の心配性。あれこれ気を揉む藍蔵を尻目に、江戸の賭場八十八か所巡りを企てる一郎太。一方、監物の放った羽摺りの精鋭4人は、江戸に潜入して虎視眈々と手を打っていた。四天王と異名をとる羽摺りとの死闘、そして、ついに鬼一の秘剣・滝止の由来が明らかになる!
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4.0最凶の敵、黄龍!お前だったのか! 突きの鬼一こと百目鬼一郎太と供侍・神酒藍蔵の江戸暮らしは風雲急を告げていた。実母桜香院とその腹心の国家老・黒岩監物が放った羽摺り四天王の生き残り3人が虎視眈々と一郎太の命を狙っている。さらに、一郎太と藍蔵が世話になっている草創名主・槐屋徳兵衛の一人娘・志乃の幼馴染みで、女郎屋から逃げ出してきたお竹が助けを求めてきた。もとより窮鳥を放り出すような一郎太ではない。難問山積、今度ばかりは一郎太も、賭場八十八か所巡りを自重するしかあるまいと高を括っていた藍蔵が、がっくりと肩を落とした。船頭・千吉の船で浅草花川戸の壺振り・お艶とともに向かった先は、大身旗本の屋敷の賭場だ。駒札の引き換えに最低十両は要ると聞いて、お竹を身請けする金が工面できると踏んだ一郎太だったが、さらに難問を抱え込む破目に陥る。大枚二十両を懐に、引き上げようと戻った船に武家娘が悲鳴を上げて飛び乗ってきた。窮鳥二羽にかてて加えて、じりじりと包囲網を狭めてくる羽摺りの者との激闘、また激闘。秘剣・滝止が難問すべてを解決したと思われたが、そうは問屋が卸さなかった!シリーズベストセラー!大好評、突きの鬼一シリーズ第4弾。
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3.5屋形船炎上!謎の浪人団めがけ、八艘飛び! お家騒動で殺された母・桜香院の四十九日法要は御成道沿いの天栄寺で行われた。参列者は嫡男・一郎太と正室の静、兄・一郎太の跡を継いだ北山藩当主・重二郎。それに一郎太の警護役にして無二の忠臣・神酒藍蔵、一郎太の江戸暮らしを物心ともに支える駒込土物店の差配・徳兵衛とその愛娘・志乃。 葉桜に目をやり、母の思い出に浸るかとみえた一郎太が場所柄もわきまえず、博打場に行くぞ、と言い出した。呆れ果てて絶句する藍蔵と、その場に顔を見せた興梠弥佑。弥佑はいわば病み上がり、一連の騒動で負った短筒の傷が快方に向かい始めたばかりだ。 博打には勝ったが、好事魔多し。一郎太ら三人は大川を舟で戻る途中、その後、思いもよらぬ経緯を辿ることになる怪事件に遭遇する。一艘の屋形船を取り囲む四艘の猪牙舟。襲撃者は浪人者十数人。やおら猪牙舟から火矢が放たれた。炎に包まれる屋形船に飛び移った一郎太が目にしたのは、幕府の要人と思しき二人の人物。しかも、その一人には見覚えがあった。 自由気ままな江戸暮らしに、次から次に持ち上がる難事件。鬼一シリーズ新たな展開! 大人気シリーズ! 大好評書き下ろし痛快時代小説第7弾。
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3.0秘術を尽くす忍び!迎え撃つ“秘剣滝止”! 北山城下の寒天問屋から多額の賄賂を手にしていた江戸家老・黒岩監物がついに牙をむいた。次男・重二郎を溺愛するあまり、監物と手を組んで嫡男の一郎太追い落としを謀っていた桜香院が翻意したと見るや、忍びの棟梁・東御万太夫に殺害を命じたのだ。これまでの恩讐を越え、少しは母と心が通い合うようになった一郎太は江戸屋敷に桜香院を訪ね、監物の不穏な動きを耳に入れる。時あたかも、国元より「重二郎の一粒種・重太郎が病に倒れた」の報に接した桜香院は、取るものも取りあえず江戸を後にする。陰ながら桜香院一行を警固する一郎太と、竹馬の友にして国家老・神酒五十八の嫡男・藍蔵。その後を追って、隙あらばと機を窺う万太夫。さらに一郎太の身を案じ、慌ただしく旅装を整え、北山に旅立つ正室・静。昼九つ近く、一行は甲州街道布田五宿に差し掛かった。指定の御膳所で昼食を摂るはず、と読んだ一郎太は、思い当たった善桐寺に先回りする。間一髪、敵の魔の手を防いだ一郎太だったが、それは御嶽山麓の隠れ里で待ち受ける万太夫との死闘の始まりにすぎなかった!?大好評書き下ろし痛快時代小説第6弾。突きの鬼一シリーズ前半のクライマックス!
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3.0東照神君のお宝、頂戴仕り候! 藍蔵から借りた一両を五両にして賭場を出た矢先、頭巾の侍が一郎太の行く手を塞いだ。過日、実母・桜香院の四十九日の法要が執り行われた天栄寺に現れた侍だ。 「身ぐるみ脱いで置いていけ」と言いざま斬りかかってきた。しかし、なぜか頭巾の奥の目に敵意がない。彼我の腕前にも、かなりの差がある。一郎太は浅手を与えて捕らえようとしたが、逃げ足が存外早かった。 その晩、根津の屋敷に戻った一郎太を訪ねて、北町奉行所定町廻り同心・服部左門が現われた。またぞろ大事が出来したか。翌朝、待ち受けていた北町奉行・飯盛下総守が一郎太と藍蔵に大身旗本二瓶家の家臣二人を引き合わせた。 小姓の石戸益次郎が、やおら頭巾を取り出して被ってみせた。天栄寺の侍だ。なぜ、こんな手の込んだ真似をしたのか。二瓶家用人・坂井昌兵衛によれば、屋敷の蔵から家康公より頂戴した家宝の小さ刀が盗まれたという。奉行直々に依頼された探索が始まった。 「東照神君のお宝、頂戴仕り候」――妙な書付を残していった盗賊の背後に見え隠れする元御庭番の影。さらに、一郎太の前に江戸屈指の豪傑にして突きの名人・桜木龍陣斎が現れる!大好評書き下ろし痛快時代小説第9弾。
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4.0弥佑死す!?そんなことがあってたまるか! 血相を変えて飛び込んできた北町奉行所同心・服部左門の一言が、一郎太と藍蔵を絶句させた。犯行現場の路地に横たわる弥佑は、正面から袈裟懸けに一刀両断されたらしい。 野次馬をかき分けるようにして弥佑の父・照元斎と検死医・源篤が現われた。正面から挑んで、弥佑ほどの遣い手を倒す者が江戸にいるとは思えない。 案の定、首筋に針の穴のような跡が見つかる。紫に変色した唇や指先は、弥佑が呼吸困難に陥った兆候だ。トリカブトを塗った吹矢を使用したに違いない、と照元斎が断言する。下手人は椎葉虎南、初老ながら並外れた業前の持ち主だという。 弥佑はこれまで陰になり日向になり、一郎太の身辺を警護してきた。さっそく、弥佑の住処を探し当てた一郎太は、文机に残された、誰が新田与五右衛門に漏らしたのか、と記された覚書を見つけて呆然とする。 新田は御広敷膳所台所頭の地位を利用して悪事を働き、一郎太に成敗されたばかりだ。弥佑が新田を調べていた!? では、新田が一郎太の命を狙っていると踏んで、秘かに警護しようとしていたのか。一郎太と藍蔵の必死の探索が始まる。 大好評書き下ろし痛快時代小説第8弾!
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3.0恐るべし熔化の術!秘剣・滝止敗れたり!? 次男・重二郎を溺愛するあまり、なりふり構わぬ振舞いに出る実母・桜香院に腹心の江戸家老・黒岩監物が目を剥いた。北山藩の財政は、伊豆国諏久宇の飛び地に産する良質の天草から作る寒天収入に支えられていた。桜香院が跡目相続の御沙汰を得んと、こともあろうに、幕府に飛び地返上を申し出たというのだ。城下の寒天問屋から多額の賄賂を手にしていた監物が拱手傍観するわけがない。母の命が危うい。これまでのいきさつ、母子の恩讐を越えて一郎太が立ち上がった。――真冬の甲州街道小仏峠は雪に覆われていた。「重二郎の一粒種、重太郎病に倒れる」の報に接した桜香院は、取るものも取りあえず国元に急いでいた。それとなく桜香院の駕籠を視野に入れて、後を追う一郎太と神酒藍蔵、ひとり駕籠に先行して警戒を怠らぬ国家老の配下・興梠弥佑。雪の降り積もった峠道に立ち塞がった山賊を目にした監物に、もとより驚きはなかった。思惑通り、なすすべなく倒される供侍。そこに満を持して駆けつけた一郎太ら三人の斬撃はすさまじく、勝敗の帰趨は一瞬で決した。だがそれは北山藩の土台を揺るがす大騒動の序章にすぎなかった。大好評「鬼一シリーズ」第5弾。
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-「最高裁」たる評定所で前代未聞の裁許! 平九郎は巻き返せるか。 出羽横手藩の新任留守居役、宿敵喜多方藩の策謀に苦慮。 剣豪祐筆・上野法賢の秘密。 錣無念流秘剣、熊の爪に、平九郎の必殺剣朧月は……。 爽やかで一本気な27歳! 新シリーズ第1弾!! 出羽横手藩十万石の大内山の城守盛義は江戸藩邸から野駆けに出た向島の百姓家できりたんぽ鍋を味わっていた。鍋を作っているのは、馬廻りの一人、椿平九郎義正、二十七歳。そこへ、浅草の見世物小屋に運ばれる途中の虎が逃げ出し、飛び込んできた。平九郎は、獰猛な虎に秘剣朧月をもって対処……。さらに十人程の野盗らが襲ってくるのを撃退。これが家老の耳に入り……。
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-半七、銭形平次、顎十郎ら捕物帖でおなじみの“名捜査官”が江戸を騒がす奇怪な謎を追う「黎明篇」。軍靴の足音響く東京で、ナチスが探す“輝くトラペゾヘドロン”を巡る国家的謀略に巻き込まれた法水麟太郎・帆村荘六らの活躍を描く「戦前篇」。空襲の傷が癒えぬ東京で、神津恭介が“あべこべ死体”に遭遇し、明智探偵事務所宛の依頼を受けた小林少年が奇禍に見舞われ、帝都を覆う巨大な陰謀に、警視庁捜査一課の名警部集団のほか、大阪など各都市からも強力な援軍が駆けつけ総力戦を挑む「戦後篇」。五十人の名探偵たちの活躍を描く空前絶後のパスティーシュ三編に、「黒い密室――続・薔薇荘殺人事件」を特別収録する。
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