すべての高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
読んでみて、まぁなんとクセツヨの人間らに支配されていた昭和戦時下であったことかと思い知らされたというのが率直な感想である。自ら誤った流れを作ってしまったコンビ、既に時勢には抗えない状況にあって立ち向かったコンビ、ここに挙げられているすべての人物の根底には国を守るということが共通するものの、結果が明かされている後世の者から見れば、この甚大なテーマに立ち向かえるような組織、さらにはその組織の最小単位であるコンビとも、その有様ではとうてい無かった、ということかと思う。また、最後の『天皇と大元帥』は平和な時代の象徴天皇しか知らない私にとっては、ここに記されている戦争実行の時々の振る舞いは非常に興味深く
-
Posted by ブクログ
石持さんらしい語り口、久々たのしかった!
『扉はとざされたまま』シリーズ、
名探偵?碓氷優佳の女子高生3年間のオハナシ。
秀才っぷりは高校時代からだったのね、がわかる
6話のエピソードが、これまた面白い!
表紙に描かれる8人の同級生。1話毎に友達が増えていくあたりも楽しい。美しく、頭がよく、性格もよい優佳のエピソードが続く。
だがしかし、だかしかし。
ラスト7話目で、さすが石持先生。
本作の語り手「上杉小春」が気づいてしまう。
親友と思っていた碓氷優佳の本性を。
名推理をさらっとやり遂げてしまう頭脳
それを積極的に使い、人助けはしない・・・
そんな本性を。
名探偵イコール、正義とは限らな -
Posted by ブクログ
敬愛する肉ノ小路ニクヨ氏が薦めていたこともあり、ずっと読みたいと思っていた。
伝聞形式による小説。生前のさまざまな地点でかかわった人たちの視点を通じて、富小路公子という人が語られる。伝聞形式は好きだ。なにより読みやすい。伝聞形式で思い出すのが、『壬生義士伝』や『永遠のゼロ』。誰かが今はいない人について尋ね回ることにより、360℃ビューで照らし出され、人物像が立体像がうかびあがってくる。なのに唯一空っぽなのが当の本人の視点。本人が何を思っていたのか、意図していたのか、わからずじまい。それで、その本人への興味がますます募る。
没落階級の「斜陽の人」、田園調布のシャンデリア付き豪邸、お金持ち奥様た