すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ1.理系っぽい解決プロセス
問題に対して観察、分析、先行研究を確認して、解決策を考えるのは理系っぽくて面白かった。自分が正常かどうかを確認するために天体物理学の計算をするなんて考えられない。研究のためにどんな犠牲も厭わない覚悟は素晴らしい。(ただ文献調査パート長すぎ...)
2.ミステリっぽい空気感
なにが起こるのかわからない不穏な空気感がミステリっぽかった。会話シーンもどこか探り合いを行っているようで、衝突しているところもあって、なにか起きそうな緊張感が常に伝わった。先が気になってどんどん読み進めてしまった。
3.未知の存在とのコンタクト
意図があるのかないのかすら読めない未知の存在との -
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ネタバレSF × 哲学の魅力
単なるSFではなく、哲学的な問いや人間の根源的な悩みと自然につながっている点が素晴らしかった。高度な設定を土台にしながらも、難解さより「人間の感情」に重心があり、読んでいて心に残る。自分はSFに身構えていたけれど、むしろ哲学小説として楽しめた。
短編集ならではの多様さ
長編のように構えて読む必要がなく、それぞれの物語に個性があってリズムよく読めた。とくに冒頭とラストは印象が強く、最短の「予期される未来」にも思想の鋭さがあり、「短さ=軽さ」ではないことを痛感した。一方で「デイシー式の進化論」は難解すぎて、自分にはまだ理解が追いつかなかった。再読したら違う景色が見えるのかも -
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ネタバレ1. 前半と後半の構成の面白さ
前半はハイジと走を中心に物語が進み、二人の関係や葛藤が軸になっていた。ところが駅伝パートに入ると、各メンバーにスポットライトが当たり、それぞれの背景や走る理由が明かされていく。読み手としては、その掘り下げが面白い一方で、駅伝の行方が気になりすぎて「早く次を!」とじらされる感覚もあった。この“焦らし”は、物語を一気に読む没入感を高めていたように思う。
2. 喧嘩の場面の熱量
特に印象に残ったのは、メンバー同士が感情をぶつけ合う喧嘩のシーン。言葉を選ばず、ストレートに相手に向けて本音をぶつける様子からは、青春の衝突の眩しさと痛みが同時に伝わってきた。『舟を編む』の -
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ネタバレ1.仕事物としての面白さ
辞書作りという、普段は想像もしない世界の仕事の流れが鮮やかに描かれていた。用例を集める地道な作業や、細部にこだわる校正の場面は、一見地味なのに、読んでいると息を呑むほど緊張感がある。『大渡海』が完成した瞬間、長い年月の積み重ねが一気に報われるような感動があった。自分の仕事にも「良さ」はどこにあるのかを改めて考えたくなった。プログラミングも地道な作業と細部へのこだわりの結晶だと信じているよ。
2.仕事に対する熱い想いがよかった。
登場人物みんなが仕事に対して熱い想いを持っているのが感じられてよかった。馬締が熱心なことは当然として、西岡やみどりもみんな結局熱い人だった。 -
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ネタバレ1.好きなもの全部入り。
SFに求める難しい科学要素、なにが起こるかわからないドキドキ感、小説に求める表現の良さ、読み味すべてよかった。少年漫画的な熱い展開も好きだし、実は騙されて送り込まれていたというどんでん返し要素も好き、問題を解決していくミステリ的要素も大好き。明確なハッピーエンドも好き。
2.ファーストコンタクト
アストロファージの登場で会話できないタイプの地球外生命体なんだって思ったけど、まさかロッキーの登場で会話できるタイプも出てくるなんて想定していなかた。地球外生命体とのコンタクトにあたり、プロトコルを探るやり取りの面白さはよかった。お互いに科学者であるというコンセンサスを元 -
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ネタバレ1.婚活というテーマのリアルさが面白い
自分からは遠いと思っていた恋愛要素も、婚活という形になると一気に身近に感じられた。パーティーでの探り合い、バスツアーでの空気感など、未経験の場面なのに手に汗握るリアリティがあった。恋愛と結婚は何が違うのか、頭の中で何度も考えてしまった。正直、読後には「一度くらい婚活パーティーに参加してみてもいいかも」と思ってしまった。
2.主人公の変化がよかった
最初は結婚するつもりもなく、どこか他人事だった主人公が、婚活の仕事を通じて少しずつ自分の価値観を見直していく。その変化は大きくはないが、確かに温度を帯びていて、ゆっくりと変わっていく様子が自然で心地よかった。 -