すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
とってもいい本だった。
森崎和江自身の、自分を育んだ土地への心からの愛着と植民2世としてのどうしようもない後ろめたさがびしびしと伝わってきて、心が切なさと哀しさでいっぱいになる。韓国に行きたくなる。
贖罪に貫かれているけど、少しも説教くさくはないところもすごい。ただ温かく、とても切ない。
戦後80年であり、私にとっては仕事で思いがけず韓国と関わる機会を得たこの1年の、まさに締めくくりにふさわしい本だった。
やっぱり人生って自分の生きる日常と本が連動している。こんなに面白く豊かなことはなく、静かに感動する。
森崎和江の書く朝鮮半島はとても魅力的。
静かで趣があって伸びやか。
そういえば私は植民 -
ネタバレ 購入済み
「好き」に心が震えた名作。
ブックライブさんでレビューを書くのは、これが初めてです。
珠森ベティさんの作品は現代ものも拝読して、とても魅力ある作品を描かれる漫画家さんだと思っていました。
本作品はまたガラリと設定が変わり、おとぎ話に迷い込んだようなふわふわした感覚のファンタジーでありつつ、それだけでは済まさないのだろうという予感とのギャップに期待もありました。
一見は能天気とも思えるステラ嬢ですが、心の芯が強靭な女性であるヒロイン像も素敵です。徹底した優しさの裏にあるタフネス。
厳しい状況において優しく在り続ける人は、強い人に他なりません。
また、そうしたヒロインでなければ到底、永い年月を暗い闇の中、孤独に過ごして -
購入済み
現実と希望と
イレーネが受け入れできた現実、日常にちょっとした変化が常に起こり出していく、、、
思い起こされる記憶と感覚が切なかったです。
幕間のストーリーがその時々のパズルを嵌め込むようにしみました。 -
Posted by ブクログ
表紙や最初の数ページから爽やかな話かな?と思い読み始めたら、かなり想定と違う話に転換したので驚きました。
重いテーマではありましたが、主人公の菫が持つ根の明るさと強さで読者も暗い淀みから引きずり出される感覚がありました。
決して暗がりには閉じこもらず前に向かう菫と、育った家庭環境もあり自らの歪み・他責思考から抜け出せない足元が淀みにハマったままの光晴。
2人の対比が後半になるにつれてグロテスクな程に顕著に現れていてその描き方が秀逸だなと思いました。
あとは、初夏の空気感や緑の比喩表現が美しくてとっても好きでした!!言葉が美しくて、それだけでも読む価値があると思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わってから、「主要人物10人未満!?」ってびっくりした。
前・中編では私目線だから先生の厭世的な部分、自分を語りたがらない部分は大人の魅力、ミステリアス、として肯定的に感じられた。
しかし!いざ後編で先生の遺書を読み進めると、それらの魅力はただの自己保身だったのが構成の旨みを上手く利用していて感服した。
大前提!Kも先生も、てかこの物語全体が、男尊女卑が酷い。そういう時代なんだろうけど、「Kははじめ女からも、私同様の知識と学問を要求していたらしいのです。」という文言にはイラっとしました。そういう時代だから仕方ないけどね。
Kの死因への向き合い方とか、自分の生への考え方とか見てると、先生も -
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