福田和代のレビュー一覧
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4人の作家さんの警察官アンソロジー!
今野敏、誉田哲也、福田和代、貫井徳郎のビッグフォーが揃った読み応えのある作品ばかり。
福田和代さんは初読の作家さんですが仲なかの内容で別作品も読んでみたい作家さんです。
今野敏「常習犯」は刑事と窃盗犯とのこだわりが事件解決に導く。
誉田哲也「三十九番」は刑務官の歪な性癖のストーリー。
福田和代「シザーズ」は刑事と通訳捜査官の人間み溢れるストーリー、中国人犯罪者が増えてる現状を反映している内容。
貫井徳郎「見ざる、書かざる、言わざる、ハーシュソサエティ」は死刑制度に一石を投じる内容。酷い傷害罪でそこまでやるか〜という犯罪物語。
実におもしろかった。 -
Posted by ブクログ
テーマに沿った書下ろしのアンソロジーを刊行する女性作家の集まり『アミの会(仮)』
今回のテーマは「ラスト・メッセージ」
一冊で多様な作風を楽しめるのがアンソロジーの楽しみ。同じテーマなのに、驚くほどテイストは違う。
「もうひとつある 鷹宮家四訓」 大崎梢
地元の大企業を経営する旧家『鷹宮家』に伝わる四つの 家訓。後から加えられた五つ目の存在を調べる先輩を連れ、末端の分家の娘『絵茉』は本家を訪れる。
謙虚・礼儀・努力・和、しごく基本的でまっとうな家訓に加えられた意外なものとは、「女・子どもにはあとを継がせるべからず」という差別的(現代ではアウトか)なもので、絵茉も憤るのだが…。実は妹を好きな人と結婚させるために考えられたもので。
1作目を飾るにふさわしい、明るく優しい話。
「孤独の谷」近藤史恵
大学講師で風土病を研究している『白柳』のもとに、思いつめた様子の女子学生が現れる。彼女の出身の村では、誰かが謎の死をとげると家族もバラバラになり別の土地で暮らすのだと言う。しかも言葉の通じない異国だと聞き気になった白柳は、ある予測に辿り着く。
言語コミュニケーションにより死ぬ家系。理解できない言語圏に身を置くしかない絶対的な孤独。
「扉を開けて」篠田真由美
寄り付いたものや人の願いを叶える不思議な骨董屋『銀猫堂』。
『銭天堂』を思い出すようなお話。どうせ残すなら、良い思い出にこしたことはない。
「猫への遺言」柴田よしき
コロナで突然亡くなった夫が残した、読ませる気のなかった妻への手紙と猫への遺言。
知らない方が良かったのか悪かったのか。どちらにしても深い愛が伝わってくるちょっぴり切ない話。
「キノコ煙突と港の絵」長嶋恵美
十五年前にロシアから届いた、曾祖母宛の手紙。「預かりもの」とは何なのか。
戦時下の樺太で心を通わせていた二人の日本人少女。戻るのも残るのも命がけ。計り知れない苦労はあったのだろうが、晩年は穏やかに暮らせたようなのが良かったなと思った。
「十年日記」新津きよみ
母が日記に残した心残りと、落とし物の指輪が繋ぐ縁。
そんな都合のいい話がと思うかもしれないが、実際に落とし主と拾い主が結婚した知人がいるので、結構あることなのかも。優しい世界でほっこりする話。
「そのハッカーの名は」福田和代
権力者の不正を暴く凄腕ハッカーと、それを追う女刑事。
テンポが良く気楽に読めるミステリー。実は一緒に追っている部下が当のハッカーで…気づいているのに知らんぷりをするラストがちょっとカッコいいかも。
「みきにはえりぬ」松尾由美
『菩提樹』の歌詞に秘められた娘への伝言。
暗号物は苦手だけれど、十代のころ、何にでも運命を見つけてしまうような初々しさよく表れていた。
「青い封筒」松村比呂美
めっきり会話の減った高三の息子が気がかりな『真穂子』。倹約家の夫は止めろと言うが、週三回息子が連れてきた友人二人に夕飯を食べさせていた。
課題の礼状を息子が誰に宛てるのか、期待はするつもりがなくても母親としては気になるところだろう。だが以外にも不仲だと思っていた父親へ礼状を書いた息子。そして嫌われているのかと思っていた友人が自分宛てに感謝を綴ってくれた。心を温める食事同様に暖かい話。
「黄昏飛行 時の魔法編」光原百合
コミュニティFMで「黄昏飛行」のパーソナリティーを務める『麻尋』と冷静な上司で局長の会話。
言えなかった言葉…そりゃあ人間生きていれば逆に言わなきゃよかったも色々あるんじゃないかな。わかるようなわからないような話だったけど、メイン二人のキャラがいい具合に個性的で楽しく読めた。
「たからのちず」矢崎在美
可愛がってくれた祖母が自分に宛てて残した箱から出てきた家計簿。そこに挟まっていた「たからのちず」と書かれた地図の絵を見た瞬間に蘇る記憶。
たからのちずといちご水、謎を調べながら祖母との思い出を辿る。酸っぱみが勝るラズベリーのジュースは、亡き人との思い出のよう。
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Posted by ブクログ
順番は逆になりましたが
おいしい旅、2作目
「あの日の味は」柴田よしき
学生時代、憧れながら過ごした京都。
同じ下宿で青春を分け合った友人たち。
それぞれの人生を重ねた今、
「あの日の味」をようやく求めて出かける旅。
女子三人の京都旅は、軽やかでありながら、
交わされる会話の一つひとつが胸に迫る。
あの頃の夢、選ばなかった道、
今の自分を肯定するための言葉。
みんな、おんなじだね。
「幸福のレシピ」福田和代
福田さんて、こういう小説も書かれるんですね。
亡くなったパティシエの夫が遺したレシピと出会うための、神戸への旅。
料理に刻まれた記憶と時間
「下戸の街・赤羽」矢崎存美
カフェ開店を目指す旧友と歩く、下戸の街・赤羽。お酒ではなく、スウィーツを求めての食べ歩き。
夢の途中の不安も、日常のくたびれも、
甘いものの前では少しだけ後回し。
美味しいものは、やっぱり正義。
「旅の始まりの天ぷらそば」光原百合
軽快な会話劇を聴いているような一編。
一昔前の駅には、今とは違う趣きが確かにあったなあと思う。
不便ではあったけれど、どこか人の体温が残っていた。
お茶のペットボトルが当たり前になる前、
お弁当には、プラの急須にお湯を注ぐお茶が付いていた気がする。
営業マンたちの出張も、
便利さと引き換えに「泊まり」が減っていったのかもしれない。
旅の始まりに立ち食いそば。
「ゲストハウス」新津きよみ
安定の新津さん。
最近よく耳にする、外国人が営む日本のゲストハウス。舞台は、山あいの古民家。
たった一泊の滞在で、
ここまできちんとした物語を立ち上げてくるところが、やっぱり好きだ。
短い時間に、ちゃんと“物語”がある。
「からくり時計のある町で」秋川滝美
15年の付き合いの友人と、
一年も口喧嘩で断絶してしまう。
後悔ばかりの日々の中、
思い出の土地・ドイツで迎える友情の再出発。
長い付き合いの友人とは不思議なもので、
一年や二年会っていなくても、
話し始めれば何事もなかったかのように言葉が戻る。
知り合った頃の距離感に、立ち返れる。
時間を越えて続く関係の、静かな確かさ。
「横浜アラモード」大崎梢
80歳を過ぎて、生まれ育った横浜への旅をプレゼントされた女性。
けれど彼女が本当に行きたかった場所は、別のところにあった。
登場する行程がよくわかるので、土地の記憶をなぞるように楽しく読めましたねー。
連絡も途絶えていた姪との再会と、思い出の味。
なんだか、いいなあと思った。
けれど同時に、自分には兄弟姉妹がいないから、甥も姪もいないのだわー。
しっかり 全作美味しくいただきました。
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Posted by ブクログ
「死の匂い」
異能を持つ刑事が嗅ぎつけた謎の失踪のわけは……
特殊な能力を使って事件解決、ってわけにはならないお話。
異能を持つ(持つと本人は信じている)刑事は、殺人現場で必ず「死の匂い」を嗅いだ。同僚たちは「刑事の勘」ともてはやすが、本当のことを言えずじまいで定年退職後も、その匂いを追って真実を探そうとしていた。
この物語で最も「怪物」なのは、“執着”だと思う。特に定年後の“孤独”な元刑事の心の支えが“執着”となり、本人の人相まで変えていく様は、「怪物」とされた相手方よりも怖い。
そこには「死の匂い」などたいした事では無くなる。
この読書、変わった世界へ連れていってくれた。