福田和代のレビュー一覧
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ネタバレ内省的な読書体験が続いていたせいか、本作のエンタメ感にはシンプルに気持ちが高ぶった。自制的で落ち着いているけど等身大の女の子がなにやら”普通”ではなさそうだ、と思わされる幕開けはたまらなかったし、ホテルでの軽やかな脱出には声が出そうになるほどワクワクした。男子なら一回はこんな妄想してるんじゃない?
ただ残念なことにそこが興奮のピークとなってしまった。もっととんでもないアクション活劇が繰り広げられるかと思っていたけど、物語は梟の一族としてのアイデンティティに重点がおかれていくことに。それも決してつまらない訳ではないんだけど、もっと爽快な超人ぶりを期待してしまっただけにミスマッチで消化不良になって -
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初めて読む作家さん。
以前から気になっていた作品なのと、このところイマイチな本ばかりに当たっているので期待して読みました。
つまらないことはないけど、とっても面白いというほどでもない中の上くらいのクライムノベルでした。
ハッキングや住居侵入、窃盗などで情報を入手し依頼主に渡すことで報酬を得ている太一。
彼が製薬会社から盗んだ情報を、親玉である待野に渡した後、待野が交通事故に遭い死んでしまう。
その事故死に不審感を抱いた太一は自分が盗んだ情報を精査することから事態が動き出す。
待野が掴んだ情報とは何か。果たして太一は育ての親とも言える待野の仇を取れるのかー。
スピード感があり、スケールも -
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アミの会の11人の作家さんによる短編集
「アミの会(仮)」のアンソロジー第9弾
この本で初めましての作家さんは
永嶋恵美さん、松尾由美さん、光原百合さん
さらさらと楽しみながら読めました。
ところで、なぜ「アミの会(仮)」?と思っていたら
「アミの会」の名前の由来を書かれた記述がありました。
以前、「雨の会」という若手作家集団があり
”雨の会編”のアンソロジーが出版されました。
その「雨の会」へのリスペクトも込めて、
とりあえず仮の名を「アミの会(仮)」ということにしたら
なぜかそれが一番しっくりきてしまったということなのです。
網のように広がる交友関係だとか、
フランス語でamiは -
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アンソロジーの中に「アミの会(仮)」というものがあるのを知ったのは、この【迷 まよう】だった。
アミの会(仮)のアンソロジー企画は『捨てる』『毒殺協奏曲』『隠す』
そして、第4弾が『迷』と『惑』
ところで「アミの会(仮)」って何?
と疑問に思ったら、「アミの会」には公式ページ "Facebook" があり、
活動も2015年からだと知って驚いた。
それによると、「アミの会(仮)」は女性作家の集まりで、会の目的はアンソロジーを出すこと。
たまに集まってお茶を飲んだり、ご飯を食べたり(お酒を飲んだり)すること。
2015年、GWの東京で、5人の作家が集まって食事会をして -
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金融システム・リンカーの保守を担当するPM(プロジェクトマネージャー)の横田大志(よこただいし)は、夜中にオペレーターから電話を受け、リンカーシステムのダウンを告げられる。元々の原因は停電だというのだが、その時に発動するための無停電電源装置(UPS)が作動しなかったらしい。
著者の作品は何作か読んでいるため、ミステリの要素があるのかと思いきや、本作は完全なる仕事小説。金融システムがどういうものなのか、それがダウンするということがどれだけ大変なことなのか。そして問題解決能力はもちろんのこと、PMという仕事において、部下に対しての接し方や育て方に対する振る舞いがどれほど重要視されるか、どうい -
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ネタバレAIの講師が「この小説面白いからお勧めです」と言っていたのをきいて読んでみました。タイトルのディープフェイクはAI界隈でも問題になっていることで、でもAIの仕組みから考えるとこれを犯罪に利用するのは簡単だろうなと思って読み進めました。
正直、もう少しテクノロジーの詳細が語られるのかなと思っていたので、ごく普通の小説・展開であったことは少し残念でした。ありていに言うと、「SNSって怖いですよね」という警告以外に訴えかけてくるテーマがなかったかなという感想です。主人公と思われる鉄腕先生が家族と別れるという流れもそこまでいくものかなと感じがしたし、以前の教え子とホテルであったことにされて週刊誌 -
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ネタバレ【収録作品】「もうひとつある」 大崎 梢/「孤独の谷」 近藤 史恵/「扉を開けて」 篠田 真由美/「猫への遺言」 柴田 よしき/「キノコ煙突と港の絵」 永嶋 恵美/「十年日記」 新津 きよみ/「そのハッカーの名は」 福田 和代/「みきにはえりぬ」 松尾 由美/「青い封筒」 松村 比呂美/「黄昏飛行 時の魔法編」 光原 百合/「たからのちず」 矢崎 存美
さまざまな形で残された「ラスト・メッセージ」を巡る短編集。どれも味わい深い。
「もうひとつある」隠された幻の家訓。鷹宮家には4つの家訓が残されていたが、もう一つ隠れた家訓があるという。大学院で歴史を研究する高校時代の先輩に請われて、鷹宮家の傍