福田和代のレビュー一覧
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最新の設備、セキュリティを誇る「ウィンドシア六本木」。地上50階地下5階、ショッピングからビジネス、レジデンス、様々な機能をもつ今や国内で最も有名な高層ビル。その最上階に住む株式会社マーズコーポレーションの川村社長が自宅で何者かに人質にとられた。犯人グループが要求するものとは一体!?
プロローグを読めば、犯行に関わる人間の正体は正直誰でもわかる。だからこそ、何か他にあっと驚くものが隠されているんだろうと思ったのだが、少々期待しすぎたらしい。種明かしをされても、正直それに関しては「ふーん」ぐらいで終わってしまった。ハイジャックされた側の視点はそれなりにハラハラドキドキでおもしろいのだが、犯 -
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読み物としてはグイグイと読者をひきつけるので面白かった。ただ、この本を読んだあとの読者は一抹の寂しさを必ず感じると思う。著者はあとがきで無名の人々の淡々とした隠れた働きを描いていきたいと、本書の脇役について述べているしそれはとても良い理念ではあると思う。しかし私の基準ではない。読後に人生や人類に対して肯定的なイメージを持てないという意味で星は三つとした。
内容は東京が電力テロの被害を受けてブラックアウトし、その犯人究明に動く警察と、電力復旧に動く電力会社、そして電気をなくした東京の様子を描いたもの。
311以降の輪番停電も既にこの小説には描かれている。それを聞いて読みたくなった。よく出来た小 -
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いまどきのビルは何でも遠隔コントロールできるという大いなる誤解にたっている小説や映画は結構、よくある。実際は大したことは行っていない。作者もセキュリティについて、人が介在する以上、ざるとなる部分がどうしても発生するということが正しく、その認識に立てば、このようなビルジャックは成立しないのだが、そのあたりは眼をつぶるべきであろう。もっと凄いのは、たしかフィリップカーの殺人摩天楼という作品があったのを記憶しているが、そっちとは別に本作は人の生き死にには関わらず、またコンゲーム的なものもないまま、動機を成立させているものの、その動機とビルジャックという犯罪行為のつり合いが取れていない点も本作に対する
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帯の文句に惹かれて購入の、初“福田和代”作。
前から名前は気になってたんですが、どうも食指が動かず、いつかはと思っていた作家さんでした。
結論を言ってしまうと、少し物足りなさを感じました。そこが残念。
題材といいキャラクターといい、かなり興味を惹くものをそろえてあるのに、どうにも「読み応え」が足りないなぁという気がしてしまう。悪くはないんだけど、お気に入りの中に加えるのはちょっと(無いなぁ)、というw
田代の過去や日系ペルー人刑事のディテールなんかは面白そうなのに、主役かと思っていたら、物語中盤からはいつの間にか暴走する少年たちのお話に。しかもほぼ1人称w 重要人物「原田」の掘り下げも特に無 -
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IT社会のリアリティを追求したサスペンス作品!天才ハッカーや天才プログラマー等の非現実的な類は一切なく、ごくごく身近なTwitterや2ch、SNS、YouTubeだったりニコ動といったツール類を使っての展開なだけにちょっと寒気が…
インターネットの発達と共に生活も便利になったり、色々と可能性が拡がる半面、このような事態ってかなり現実的なのだろうから。。。
…ただ、日進月歩で技術が進む昨今では「旬な時期」ならではの展開ではあるので、10年後とかに読み返すとかなり違う味わいになるのかも。
そんな「現在」の社会に対する警告も含まれているのだろうが、それらの要素がうまくストーリーと絡まりあっていて -
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元々は2008年に刊行されていますが、東日本大震災の発生を受けて、震災後に実際に我々が経験した事態を加味した設定で文庫化されている。
東日本大震災発生以前は、2006年に旧江戸川に架かる架線が切断されて発生した首都圏大規模停電を参考にしていたと思いましたが、やはり東日本大震災以降は、大震災を参考に若干の設定変更が加わっているようです。
著者が、元々SEをやっていたということもあり、状況設定などはかなり綿密。システム的、産業的にもかなり有りそうな設定で仕上がっている様に思います。ただ残念なのは、犯人たちの動機です。首都圏大停電という事象事態に主眼を当てるということがこの小説のテーマだと思うの -
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ネタバレ内容(「BOOK」データベースより)
地上50階地下5階、まるで一つの街のような巨大ビル。バベルの塔か、人類の理想郷か?朝9時、警報ベルが鳴り響く。「我々は、ウインドシア六本木をジャックした!」人質は最上階に住むビル会社社長。駆けつけた警察はシステムに阻まれ、容易に突入することができない。じりじりと過ぎる時間の中、17階のオフィスに閉じ込められたビル会社の社員、船津康介は、ある奇策を試みる…。非常用井戸、備蓄食、発電所を備えた都市の要塞。そのセキュリティと防災システムが、人々を外界から遮断していく。
→ 冒頭の三人の少年の描写から、この三人がもっと事件にかかわってくるのかと思った。 結局は