福田和代のレビュー一覧

  • アンソロジー 初恋

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    実力派女性作家集団「アミの会(仮)」が贈る、極上の恋愛小説集。
    松村比呂美さんの「迷子」が心温まるストーリーで良かった。

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    2022年01月22日
  • ディープフェイク

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    いじめられていた生徒が報復の為にいじめた生徒に切りかかろうとしたところを、身を挺して守ったことからマスコミに「鉄腕先生」と呼ばれ、テレビ出演さえするようになった中学教師の湯川。
    そんなある日、新宿のホテルで転校した元教え子と密会していたと週刊誌に掲載される。
    その記事は全くのデマ。しかし、そのデマはどんどん拡散し、他にも男子生徒を殴る動画も拡散されるが、湯川には恨まれる覚えがない。
    悪意に満ちた巧妙な罠にどんどん陥っていく様子を描く前半は読んでいて気分が悪くなる。
    全然見えない希望。誰が湯川を陥れようとしているのか、分からないので、登場人物誰もかれもが怪しく思える。
    主人公の湯川でさえ、本当に自分が言うほど善人なのか?と思うほど。
    そこまで思わせるのは、作者の力量のなせる業だろう。
    個人的にSNSをやらない自分には、SNSに詳しくはないが、タイトルにもなっているAIを使用した「ディープフェイク」はとても恐ろしいと感じた。
    最近のニュースも、一般人の情報から拾ってきたものも多く、ネットニュースにおいては誤字脱字のチェックしかない。そんな情報をすぐに信じる人間の多さも怖いと思った。
    前半のただただ主人公が追い込まれていく様子が、とてつもなく怖くて、全然関係のない人まで巻き込まれる様子は読んでいるのが辛かったので、評価は低めで。
    後半の伏線の回収は見事だったけど、作者の得意なシステム系の話がもう少しあると、もっと面白かったと思う。
    誰もが湯川と同じ被害に遭うかもしれない世の中に、何だかとてつもない絶望感を感じる。

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    2022年01月21日
  • 標的

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    近未来の日本。
    警備員である最上は会社の中でも特別なチームに所属し、貧富の差が広がり、治安が悪くなった日本で重要人物らを護る。
    騙し合いが楽しい。
    どんな未来が待ち受けているのか分かりませんが、今後できるんではないかと思わせる技術とかもあり、とても興味深かったです。

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    2022年01月16日
  • TOKYO BLACKOUT

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    東京を狙った電力テロにより、真夏の首都が危機に陥る。
    大都市が孕む矛盾やそれを支えるべく犠牲となってきたものを眼前に突きつけるように、主犯と実行犯それぞれが抱える怒りと恨みと綯い交ぜになって大事件へ発展していく。
    強いて言えば、犯人グループにもう少し焦点を当てて動機を掘り下げて欲しかった。

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    2022年01月13日
  • アンソロジー 捨てる

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    9人の女性作家による「捨てる」をテーマにした短編アンソロジー。
    ぞわっとするようなものから、あるあるなもの、胸の奥に火が灯るようなもの、ハラハラするものなど、バラエティに富んでいて、楽しく読めた。
    読んだことがない作家さんの作品に気軽に触れられるのがアンソロジーのよいところだなと思う。

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    2022年01月09日
  • アンソロジー 初恋

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    アミの会っぽくないタイトル。初恋といっても切り口はいろいろで面白かった。最後は素直にいい話で良かった。

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    2021年11月14日
  • 東京ダンジョン

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    新作の物流のやつを子飼弾が高評価してたので読んでみたが、とりあえず今作はいうほどのものではなかった。まーうまく丸ッとまとまった感じ。文章が読みやすいからかもしれない。個人の葛藤がどうとか地味な仕事への使命感とか、ペラ美談を基軸に据えたありがち首都テロ脅迫ストーリー。

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    2021年10月08日
  • バベル

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    なんか時間かかりました
    ふたつの時間軸が交互に展開される
    ウイルス感染ってことでどこかコロナを想像させるが
    展開は違う
    感染者と非感染者を分断とはまたすごいことを
    したものです
    にしても普通はとらない一手なんだろうなと
    思いながら読んでました

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    2021年09月27日
  • バベル

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    ネタバレ

    コロナの最中に読み始めたけど初期の社会状況は結構現実と合ってるなあ。
    コロナは海外の方が悪化しているけど現実的な社会はどう変化していくんだろう。

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    2021年09月26日
  • アンソロジー 隠す

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    やっぱしさ、薄暗いテーマは女性作家が書く方が陰湿で面白いと思うんだよね。
    文章の良し悪しとかじゃく、あーこれ好きだわって思ったのは3話あった。
    隠すって、真実や浮気相手や死体や物や、いろいろパッと思いつくだけでいろいろ暗いこと顔も浮かぶんだけど、思いついた上でそれをさらに超越する面白さを描けるのはすごいなと思う。

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    2021年08月25日
  • バベル

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    エンタメ。中盤ちょっとダレるのと、最後のAnother章が蛇足なのが残念。でも全体よくまとまっていて、何より文章が読みやすいのが素晴らしかった。

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    2021年07月16日
  • 本格王2020

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    結城真一郎「惨者面談」★★★☆☆
    凡そ結末の予想はついたけれど、文体が好き。

    伊吹亜門「囚われ師光」★★★☆☆
    「刀と傘」「雨と短銃」に続いて。
    この方の作品、個人的にとても好きなのだが、短編だと淡々とした印象がより強いかも。ただ母校の新島襄を出してくるところが強いな。

    中島京子「ベンジャミン」★★★☆☆
    お母さんのセリフと動物園であらかた予想はついたけれど最後まで読めた。
    アメリカの小説を読んでる印象があった。
     
    櫛木理宇「夜に落ちる」★★★☆☆
    掲示板のまとめを読んだときに感じる胸糞感があって、とりあえず私は外食しているときに隣のテーブルにこのご家庭が座ったら、脳内早食い選手権を開催しそう。
    短編を読んだという印象より、本を読んだ、という印象。

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    2021年06月17日
  • S&S探偵事務所 最終兵器は女王様

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    タイトルで損してる。面白かった。スモモがなぜしのぶになついたのか、しのぶはなぜ彼女の面倒をみるのかなどは続巻で明らかになるのだろうか。

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    2021年04月21日
  • S&S探偵事務所 いつか夜は明けても

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    新型ウイルス感染が拡大する中、起きる事件。
    2人の探偵と人類を7分の1にしようとする【ダーマ】との戦い。
    【ダーマ】の正体に迫る展開が気になる本でした。

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    2021年03月20日
  • 緑衣のメトセラ

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    ウィルス感染、遺伝子操作、癌とアンチエイジング、そんなあたりがテーマとして物語を形成しているんだけど、ちょっと中途半端な感じで終わってしまった印象です。

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    2021年03月13日
  • カッコウの微笑み

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    久しぶりの福田作品。ハッカー集団の話ということで「プロメテウス・トラップ」のような話かと思っていたがちょっと違う。

    ハッカー集団のリーダー格・待野が轢き逃げ事件で死亡。待野の下で働いている太一は直前に受けた製薬会社からのデータを盗み取る仕事に関係して殺されたのではないかと疑い、仲間たちと共に調べ始める。しかし直後に待野の部屋が荒らされパソコンが持ち出されたり、太一らが尾行されたりと不穏なことが起き始める。

    相変わらずバタバタした印象。
    待野が殺された理由を調べ犯人に復讐したいと考える太一、待野の孫娘で太一が交際している理穂子に降り掛かってきた相続問題、そして幼い頃に受けた暴力父によるトラウマ、さらに製薬会社のある問題を調べようとしている厚生省の若き役人。様々な視点や場面がクルクルと変わる。

    前半はなかなか内容が入ってこなかったが、中盤からは人間関係や構図が見えてきて物語にも入り込めるようになった。
    待野の事件がそう混み合っていないのは、太一自身の個人的な問題も描きたかったからだったらしい。

    「待野組」と呼ばれるハッカー集団の中には酒井のように他人とコミュニケーションを取るのが苦手な者や早坂のように太一同様なにかしらの傷を抱えた者もいる。
    太一は待野の事件を調べるうちに自分がいかに待野に大事にされてきたかを知り、同様に酒井や早坂のような者を大事に出来る待野のような存在になりたいと考えるようになっていく。

    また太一の回想シーンから、太一には母親違いの弟がいるらしいことも分かってくる。その弟が物語にどう関わってくるのかも注目しながら読んだ。どうか暗い関係ではないようにと思いつつ。

    太一は理穂子や「待野組」の仲間たちと共に待野の事件を調べながら、自分たちを狙う者(=待野を殺した犯人?)と闘いながら同時に暴力父によるトラウマとも闘っている。自分がいつか父のように暴力を振るう凶暴さを爆発させてしまうのではないかという恐怖だ。

    このまま怖い方向に進んでいくのかとハラハラしながら読んだが、終盤はアクションあり冒険あり作戦あり、ハッカー技術集団らしい闘いありと盛り上がった。
    思ったような陰鬱さはなく、痛快とはいかないまでも前向きな結末だったのが良かった。

    ただやはりもう少し掘り下げてほしいところは色々ある。福田さんらしいところでもあるのだが。シリーズ化しても面白そうだが、福田さんは滅多に続編は書かない方だからこれも単発かな。
    それにしてもタイトルの『カッコウ』とは何を示していたのか。

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    2021年02月10日
  • 本格王2020

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    【収録作品】「惨者面談」結城真一郎/「アリバイのある容疑者たち」東川篤哉/「囚われ師光」伊吹亜門/「効き目の遅い薬」福田和代/「ベンジャミン」中島京子/「夜に落ちる」櫛木里宇/「時計屋探偵と多すぎる証人のアリバイ」大山誠一郎

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    2021年01月02日
  • S&S探偵事務所 いつか夜は明けても

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    シリーズ3作目。
    1作目は単行本で出ていたが、文庫として、3ヶ月連続の刊行だったらしい。
    前作では「キボウ」と言う謎のコンピュータウィルスの話だったが、今作ではコロナの緊急事態宣言下に起きた世界的なハッキング事件を描く。
    半年以上が過ぎ、全国の感染者が1日2,000人を超える日が続いても、麻痺してしまったのか、緊張感のない現在の日本とは違い、まだ誰もが疑心暗鬼だった頃の心理状態も巧妙に描いている力作。
    新型ウィルスの脅威とハッキングによる世界滅亡の危機への不安…久々に福田和代の面白さを感じる内容だったが、個人的にはこの軽いタッチのシリーズではなく、単体の作品として読みたかった。
    EMP攻撃も近著「侵略者」の中でも使っているし、登場人物の軽いノリも微妙で、面白いのだけど、何だか設定と内容がチグハグなので、評価は控えめで。

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    2020年11月29日
  • S&S探偵事務所 いつか夜は明けても

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    世界がどんなに不安定な状態でも、毎朝飲める一杯の美味しいコーヒーがあれば幸せを感じられる?
    ってことかな ムムム

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    2020年11月14日
  • アンソロジー 捨てる

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    アンソロジーは新しい作家さんと出会えるのでたまに読むと収穫がある。今回は女性作家さんで知ってる作家さんと知らない作家さん半々。『捨てる』というテーマもあってあまり劇的な内容ではなく身近な断捨離かと思いきやそれぞれに捉え方が違って面白かった。ホラー、ファンタジーが苦手な自分は光原百合さんのはゾクッとしてやはり苦手だと再認識。

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    2020年11月01日