福田和代のレビュー一覧
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ネタバレ滋賀県の山の中の限界集落にひっそりと暮らす梟の一族。そう聞くと、甲賀の忍?とまず思う。
梟は、眠らない。睡眠を必要としない一族なのだ。
梟の一族が住む集落が、ある夜襲われた。
祖母の指示で風穴に隠れ、たった一人残った梟純血の娘、史奈。
行方不明となった一族の皆はどこにいるのか?生きているのか?
現代を生きる忍の、エンターテイメント小説かと思いきや、意外にも梟の一族の謎に迫るサイエンスミステリーでもあり、若い史奈の成長物語でもあるように思えた。
最後まで、先が気になり一気読み。
少しごちゃついた部分もあったけれど、勢いで楽しく読み切った。
出来たら、これからの史奈たち梟の一族を見てみたい気 -
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ネタバレ表紙のタイトルが気に入って読んだ。短編物は一般小説を読んでいるとどうしても物足りなくて、かといって短編だけど、一つ一つが最後につながって..といったものもそろそろ読み飽きてって思ってましたが、いい意味で裏切られました。一話一話はボリュームがないはずなのに奥深くていろいろ考えさせられる、それでいて、結末に驚かされる。決して小粒ではない短編なのに読み応えのある大粒の傑作集でした。女性作家が集まって作られた作品ということもあり、優しく包み込まれるような話ばかりで、一気に読むよりは一日一話づつちょっとづつ読むのがいいのかもしれません。
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これまで様々な人あるいは場所が標的のテロを、題材にした小説はあるが、本作品は物流がテロの標的になるということで画期的。
時は、オリンピックを目前に控える2021年の東京。単行本では2000年が舞台となるが、コロナ渦により1年延期となったことにより、文庫化にあたっては、2021年に変更されている。
まず、配送トラックを狙った青酸ガステロ事件が起きる。オリンピックの警備の隙を突き、続けて高速道路や鉄道が破壊され、交通が分断。東京圏に物資が届かなくなり、スーパーやコンビニで商品が次第に品薄に。
犯人から届く犯行声明。
「これから、TOKYOは孤島になる。心ゆくまで楽しめ」
人びとは食料品や生活用品を -
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ミステリー小説家のアンソロジー。
長編にできそうなネタを惜しげもなく短編に仕上げている作品もあり、とても楽しめた。
特に下記三作品が面白かった。
近藤史恵「未事故物件」
乙一「沈みかけの船より、愛をこめて」
新津きよみ「女の一生」
●近藤史恵「未事故物件」
引っ越したアパートの上の部屋から午前4時に洗濯機の音が聞こえてくる。しかし部屋は空き家だという。騒音に悩まされた主人公は音の正体を探り始めるが…。
●福田和代「迷い家」
泥酔して他人の家に上がり込んだ主人公。食卓に用意された鍋を食べ、食器を1つ持ち帰る。後日、その屋敷の住人が行方不明になったと耳にする。しかも主人公が迷い込んだ日だと -
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ネタバレ近藤史恵「未事故物件」
一人暮らし始める前に読まなくてよかった。
ホントに怖いのは生きてる人間。
でも、毎日4時に洗濯機回されたら発狂しそう……
福田和代「迷い家」
舞台は現代日本だけど、導入はほんのり日本昔話テイスト。
優しいお出汁のお鍋食べくなっちゃった。笑
最後のオチはちょっと強引な気もするけど……。おちょこに指紋ついてるくらいなら、他のものにもベタベタついてるでしょって。
乙一「沈みかけの船より、愛をこめて」
自分の両親も主人公と同年代くらいの頃に離婚しているからか、感情移入がはんばない。しかも4つ下の弟がいるのも一緒!
両親のどっちについていっても良いよって、子供の気持ちを尊重し -
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ネタバレ感謝する場面が多く、人と人が支え合うことで社会が成り立っていることを改めて感じた。
満たされた生活ができている喜び、当たり前すぎてありがたさに気づけないでいた。一つのモノにどれだけ多くの人が関わっているのかを認識した。物流のありがたさ。無駄がない分脆弱な現代。東京が空っぽになってしまう恐怖。地方と都市の関係。
「空っぽになる」と「溢れる」ことの2つの問題点が浮き彫りになり、考えさせられる一冊。
人々の大量生産と大量消費の豊かな生活が、誰かを苦しめていることがある。また、その生活の代償は巡り巡って自分に帰ってくる。
コロナ禍でより一層浮き彫りになったごみ問題。ごみを引き取ってもらう価値について