福田和代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
感染症をモチーフにした小説で
私がまず選んだのは
これだったのですが…好みとして正解。
なにより「言葉を失う」ことに
焦点が当たってるところが
言語フェチにはもうバッチリですわ。
そして、山あり谷ありだけど
最後は希望を感じさせて終わっている
ハッピーエンド寄りなところ。
それにしても作家の想像力というのは
2012年当時の資料と情報だけで
こんなに現実に肉薄するものが
書けちゃうんだから、すごい。
感染してるのに症状が出ないとか
劇症化の度合いとか…。
しかし、日本がパンデミック震源地で
早めに鎖国状態にしたため
日本以外の国には広まらなかった
ってのがなんだか皮肉だったわ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ緊急事態宣言で古巣の顧問契約もうやむやになっていた所へ、その古巣からの呼び出しがあり、現地に向かうしのぶとスモモ。
今回のターゲットは東京に居ると解り…
コロナの所為で只でさえ思うように動けないのに、しのぶの事務所へ転がり込んでくるデラさん親子、バイトの透。三密はどこへやらな感じでしたが、しのぶの元へ集まるのは仕方ないのかな。あれだけ頼りになる人なら。
敵であるダーマに寝返ったスモモが心配でしたが、しのぶと敵対関係にならなくて良かったです。そして、ヤキモキしてたデラさんとの関係も前進してニンマリ。また次のシリーズへ続くのを期待してます。 -
Posted by ブクログ
現代のコロナ禍との相似形に、作家の想像力の凄さを思う。
この作品、初出は2012年の別冊文芸春秋なのに。
物語は、同棲している恋人が突然原因不明のウイルスに感染されるところから始まる。
肺炎を誘発するコロナウイルスに対し、こちらは脳炎の症状となる。感染すると、相手の話すことは理解できるが、自らは言葉が発せず、死に至るケースもある。
旧約聖書に書かれたバベルの塔の物語にある、言葉が通じなくなるエピソードから、「バベル」と名付けられたウイルス。
日本での感染拡大に、各国は日本への渡航や日本からの入国を全面的に禁止する。この危機に、一人の政治家が、感染者と未感染者とを住み分けるという政策を打ち出す。
感染の、BEFOREとAFTERとが交互に語られる。BEFOREの現実に対し、AFTERはSF小説的に。
所々に綴られる出来事が、まるで現在の状況を表しているかのよう。
「報告を受けた発症者の数だけでも数千件に上がっている。感染者はさらに多いだろう」
「動物や人間の体内で今も変異を続けているのです」
「インフルエンザのように咳・くしゃみ・鼻水による飛沫感染を起こして」
「厚生労働大臣が昼過ぎに会見を行い、不要不急の外出を避け、二週間程度の食料を用意して自宅に待機することを勧めるという談話を発表した。企業には可能な限り社員の在宅就業を認め、通勤電車や、社内における感染を防ぐようにという出ている。海外への渡航も自粛すべし」
「レジで頭を下げる店員は、釣銭を直接渡さない。必ず四角いカルトンに入れて、客の側に滑らせる」
「委員会は紛糾していた。彼らに与えられた検討材料は、時々刻々と増え続ける発症者と感染者の数。それに、ワクチンや抗ウイルス薬の絶望的な開発状況」