知念実希人のレビュー一覧
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帯の「医療×ファンタジー×ミステリー」を見て、どんな物語なのか全く想像できませんでしたが読んでみて納得。3つの要素が良い塩梅であり読み応えがありました。
序盤からファンタジー要素が強く、少し苦手な私は読み進められるか心配でしたが、物語が加速していくと気にならなくなりました。途中少しだれるところは否めませんが、主人公の愛衣が自身のトラウマを乗り越えて成長していく姿と、終盤にかけて全てが繋がっていく展開が面白かったです。伏線も色々散りばめられていたようですが私には結末を予想するのは難しかった...。なのでどんでん返しされたような展開になったので、それにまた引き込まれました。医療、ファンタジー、ミス -
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研修医が出会った患者たちが抱える秘密を解き明かし、未来を向いていく医療ミステリーの一冊。
主人公はもうすぐ専攻科を決めなければいけない前期研修医。まだ今後ずっと付き合っていく先をどこにするか決めかねている彼は、一か月ごとの研修で各科を回っている。忙しい日常の中で出会う患者は様々で、時には深く関わってしまうことがある。大量服薬で定期的に救急搬送されてくる女性、内視鏡手術で治ると言っているのにどうしても早急に開腹手術をしろと言い張る高齢男性、何故か広がる女性の火傷、出したはずの薬が飲まれずにひどい喘息発作を起こした少女、アメリカで心臓移植をするのだと言うVIP階の女性――どの患者も深く知らな -
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小惑星ダイスの衝突で地球が滅亡するかもしれない。
ノストラダムスの大予言を思い出してしまいましたが、あの時はわりと平和というか楽観的な空気でしたね。
人間は空気に流されるものなので、この作品のように危機感を煽られたら、世界は混乱するのかな。
地球滅亡まで、残された時間は5日間。
主人公は、姉を殺した犯人への復讐のために生きることを選ぶ。
残り時間が少ないからこそ、大切な家族のために時間を使いたい。
たった一人の家族を失った人間に、怖いものはないのかもしれない。
限られた時間だからこそ、その思いを遂げてほしいとも思ってしまいましたが、途中で犯人には気が付きました。
ただ、その動機がわからなく -
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ネタバレ素直に正統派のミステリで、発見もあったり、ワクワクできて、大人が子どもに安心してお薦めできる本。
シリーズの2作目だったが、丁寧な導入部と人物紹介があるので、ここから読んでもストレスなく読めた。
イラストも今風で、今の子どもたちは、すっと入り込めるかも。
くりかえし読むかどうかは微妙(^^;だけれど、本を読む楽しみを感じることができそう。ここからホームズや本格ミステリに興味を持つ入口にもなりそう。
作者は内科医でもあるそうだが、そういった経験からか、勉強についてのあとがきも、テストで良い点をとるためではなく(それもあるけど)「いろいろ知っていると、おとなになったとき、幸せになるための役に立つ -
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ネタバレ致死率95%、凶悪なウイルスの大流行が収束した世界。感染から生還した者らは、瞳が白銀色に変化する異能力者、ヴァリアントとなっていた。救急救命科で働く医師岬純也は、公安に追われるヴァリアントの少女悠から接触を受け、ある計画を打ち明けられる。そして純也は、彼らの生存をかけた闘いに巻き込まれてゆく――。読み出したら止まらない最高のエンタメ長編!
コロナ前に書かれた作品だというから驚き。私が読んだのはコロナ後なので、色々と感じるものがある。未知の病気蔓延が引き起こすのは、間違いなく差別と偏見なのだなと。
コロナ初期は、陽性者は作中に近い差別があったように思う。SNSでどこのだれが感染した、遊び歩い -
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犯罪行為を行った精神疾患患者の罪が
【刑法39条1.心神喪失者の行為は、罰しない 】に該当したとき、誰がその罪(十字架)を負うべきなのか。被害者や周りの人たちは一体どこに怒りと悲しみの矛先を向けたら良いのか。5人の患者(犯罪者)の精神鑑定を通して深く考えさせられました。
どの章も単なる患者の精神鑑定ストーリーに留まることなく、事件を起こした切実な想いを探っていくミステリーのような作品です。特に第5章の『解離性同一性障害』の話が興味深かったです。
内容は少し重く一気には読めなかったので減点していますが、社会問題を考えさせられるといった点には★★★★です。