タイトルからは王道の本格ミステリを想像して読み始めたが、プロローグから予想を裏切られ、一気に物語へ引き込まれた。その後の展開が気になり、560ページというボリュームにもかかわらず一気読み。作中には国内外の名作ミステリやジャンルに関する話題が随所に盛り込まれており、ミステリファンなら思わずニヤリとする場面も多い。しかし、そうした要素に頼ることなく本筋はテンポよく進み、最後まで飽きさせない。物語は二転三転しながらも、驚きと納得を両立した見事な着地を見せてくれる。ミステリ好きはもちろん、普段あまりミステリを読まない人にもおすすめしたい一冊。