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鷹央と小鳥遊。
二人の医師、運命の出会い。
新カバー×書き下ろし掌編収録の完全版!!
大学病院で外科医のキャリアを積んでいた小鳥遊優は、内科医への転科を決め、天医会総合病院の門を叩く。
そこで彼を待っていたのは、日本最高峰の頭脳を持つ天才医師・天久鷹央だった。
だが、傍若無人で患者との会話もままならない彼女に小鳥遊は困惑し……。
やがて起きる院内の殺人と、数々の謎。現役医師が描く医療ミステリー、出会いの物語。書き下ろし掌編「白い粉の秘密」収録。
出版社名「新潮社」より過去に配信された作品に加筆修正し、新たに書き下ろし掌編を加えた『完全版』となります。重複購入にはご注意ください。
<目次>
プロローグ
第一章 邂逅
第二章 最小の密室
第三章 夢幻の果て
第四章 死天使のナイフ
エピローグ
書き下ろし掌編 白い粉の秘密
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
医者が行う現実の「告知」と理想の「創生」と
天久先生のシリーズを読み進め、今作品は天久先生と小鳥遊先生の出会い。天久先生自身の「特性」や、巻き起こる事件での「診断」が描かれる中、物語は思いもよらない展開をしていく。個人的には刊行順の中では今のところ一番好きな小説。
今回の事件は他者に理想を魅せながらも自分の意のままに操る描写が多く、医者というものは改めてその力と知性で人の生き死にをどうにでもできる恐ろしさを感じた。医者としての倫理観やどのような捉えでいるのか、それはどの職業にも言えることでもあるが、命に関わるものは容易く全能感に浸れる、命というものの重さを改めて感じた。
ミステリーとしての推理の構成については複雑にさまざまな事件が交わりつつも骨太の骨格はしっかりとしており、先に真相に辿り着き「そうだよな」と思える納得感も、真相に辿り着けなくて「そうだったのか」と思える驚きもバランスよく、いい意味で読者に推理をさせる爽快感と、推理がうまくできなく真相を知った時の快感を感じさせていた。
天久先生の描写も読み手としては知っていることも、時系列的に一番早いこの小説では、より丁寧に描写されており、今までの小説の肉付けもされているんだなと思った。自分が苦手なこと、得意なことをしっかり理解して、それを生かして仕事ができる。
そのような自己理解、自己受容そして環境調整をなされている天久先生は相当な自分への立ち向かいがあったとも感じる。近年、さまざまな合理的な配慮が意識される中で他者に全てを押し付けることは集団において、組織において不可能なこともある。「自己理解、自己受容」と「環境調整」は両輪であり、どちらかだけが過度に苦心するのはよくない。互いを分かち合えるためにもまずは自分をしっかり理解して、そこから他者と交わるためには何ができるかを考えるのが大切だと思う。
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