知念実希人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
医者が行う現実の「告知」と理想の「創生」と
天久先生のシリーズを読み進め、今作品は天久先生と小鳥遊先生の出会い。天久先生自身の「特性」や、巻き起こる事件での「診断」が描かれる中、物語は思いもよらない展開をしていく。個人的には刊行順の中では今のところ一番好きな小説。
今回の事件は他者に理想を魅せながらも自分の意のままに操る描写が多く、医者というものは改めてその力と知性で人の生き死にをどうにでもできる恐ろしさを感じた。医者としての倫理観やどのような捉えでいるのか、それはどの職業にも言えることでもあるが、命に関わるものは容易く全能感に浸れる、命というものの重さを改めて感じた。
ミステリーとしての推理の構成については複雑にさまざまな事件が交わりつつも骨太の骨格はしっかりとしており、先に真相に辿り着き「そうだよな」と思える納得感も、真相に辿り着けなくて「そうだったのか」と思える驚きもバランスよく、いい意味で読者に推理をさせる爽快感と、推理がうまくできなく真相を知った時の快感を感じさせていた。
天久先生の描写も読み手としては知っていることも、時系列的に一番早いこの小説では、より丁寧に描写されており、今までの小説の肉付けもされているんだなと思った。自分が苦手なこと、得意なことをしっかり理解して、それを生かして仕事ができる。
そのような自己理解、自己受容そして環境調整をなされている天久先生は相当な自分への立ち向かいがあったとも感じる。近年、さまざまな合理的な配慮が意識される中で他者に全てを押し付けることは集団において、組織において不可能なこともある。「自己理解、自己受容」と「環境調整」は両輪であり、どちらかだけが過度に苦心するのはよくない。互いを分かち合えるためにもまずは自分をしっかり理解して、そこから他者と交わるためには何ができるかを考えるのが大切だと思う。 -
Posted by ブクログ
手術室で起きた殺人事件。
驚くべきことに、殺された麻酔科医は監視カメラの映像からは見えない何かと格闘の末死んでしまったようだ。
この透明人間事件は解決に難航することになる。
しかし鷹央たちは悠長に解決を待つわけにはいかない。
なぜなら、容疑者となっているのはこれから一緒に働くことになる鴻ノ池なのである。
事件の起きた手術室で、手術を受けていたのは鴻ノ池だったのだ。
密室の中、殺された麻酔科医と2人だけの空間であったがために、最重要容疑者として上がってしまったのだ。
鷹央と小鳥遊は真相に辿り着き、鴻ノ池を救うことができるのか。
最後までドキドキで面白かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ事件の犯人と思われる少年が病院に運び込まれた。その犯人とは主人公である女性医者の婚約者を殺害し遺体をバラバラにした挙句、婚約指輪をつけた左手を持ち去ったと考えられている「真夜中の解体者」と考えられる人物であった。しかし、その少年は自分が犯人ではないと言っている。自分の婚約者を殺害した犯人を殺したいと考えている主人公はこの少年が本当に犯人なのか疑問に思う。そして、最後にたどり着く犯人は果たして誰なのか。真犯人は誰なのか。最後に明かされる驚愕の真実とは?って感じの紹介文を書きたくなる内容でした。最後の最後に騙されたというか、あーーー、あーーー!あーーー見たいな感じでした(笑)面白かったです。