越前敏弥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「スティーヴ・ハミルトン」の長篇ミステリ作品『解錠師(原題:The Lock Artist)』を読みました。
古書店で懐かしいハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版を見つけちゃったんで、ついつい買ってしまった一冊… ハヤカワポケミスって、若い頃に自分の中で魅力的なイメージが創り上げられていて、ついつい手に取ってしまうんですよね、、、
どの賞が権威ある賞なのかわからないのですが… 世界のミステリ賞を数多く受賞している作品らしいので期待して読みました。
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このミステリーがすごい! 2013海外編
週刊文春海外ミステリーベストテン海外部門 第1位
八歳の時にある出来事から言葉を失ってしまった「マイクル」。
だが彼には才能があった。
絵を描くこと、そしてどんな錠も開くことが出来る才能だ。
孤独な彼は錠前を友に成長する。
やがて高校生となったある日、ひょんなことからプロの金庫破りの弟子となり、芸術的腕前を持つ解錠師に……
非情な犯罪の世界に生きる少年の光と影を描き、MWA賞最優秀長篇賞、CWA賞スティール・ダガー賞など世界のミステリ賞を獲得した話題作
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小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしいハヤカワポケミス版って、やっぱり、なんだか読んでいて嬉しい感じです。
本作品は、主人公のマイクルの一人称で描かれ、回想録という体裁で物語が進みます、、、
冒頭で与えられる情報は二つ… ひとつは、プロの金庫破り(解錠師)である「マイクル」が、現在は刑務所に入っていること、そうして、もうひとつは、八歳のときに起こったある「事件」のせいで、彼が言葉を話せなくなっていること。
また、物語は単純に時系列で語られるわけではなく、、、
高校生の「マイクル」があるきっかけから解錠師になるまでの物語と、実際にプロの犯罪者(解錠師)として働きはじめてからの物語が、交互に綴られる展開となっています。
■1 固く閉ざされたなかで、その日を待って
■2 フィラデルフィア郊外 一九九九年九月
■3 ミシガン州 一九九一年
■4 ニューヨーク・シティ 一九九九年末
■5 ミシガン州 一九九一年から一九九六年
■6 コネチカット州 二〇〇〇年一月一日
■7 ミシガン州 一九九六年から一九九九年
■8 コネチカット州 二〇〇一年一月
■9 ミシガン州 一九九九年六月
■10 ロサンゼルス 二〇〇〇年一月
■11 ミシガン州 一九九九年七月
■12 ロサンゼルス 二〇〇〇年一月
■13 ミシガン州 一九九九年七月
■14 ロサンゼルス 二〇〇〇年一月
■15 ミシガン州 一九九九年七月
■16 ロサンゼルス 二〇〇〇年一月
■17 ミシガン州 一九九九年七月
■18 ロサンゼルスおよびモンテレー 二〇〇〇年前半
■19 ミシガン州 一九九九年七月
■20 ロサンゼルスおよびアリゾナ州 二〇〇〇年七月,八月,九月
■21 ミシガン州 一九九九年七月
■22 オハイオ州 二〇〇〇年九月
■23 ミシガン州 一九九九年七月から八月
■24 ミシガン州 二〇〇〇年九月
■25 ミシガン州 一九九九年八月
■26 ロサンゼルス 二〇〇〇年九月
■27 まだ閉ざされたなかで、しかしその日は近い
■訳者あとがき 越前敏弥
物語が断片的に語られ、少しずつ真実に近付いていく展開、、、
「マイクル」が8歳のときに起きた事件とはどんな事件だったのか?
「マイクル」はなぜ解錠師になったのか?
「マイクル」はどうして逮捕されたのか?
という謎を追いかけならが、徐々に真相に辿り着くという展開で、どんどん次が読みたくなるような、そんな作品でした。
犯罪小説であり、サスペンス作品であることは間違いないのですが、、、
どちらかと言うと、「マイクル」と「アメリア」を主人公とした、切ない恋愛小説であり、二人の成長を描いた青春小説という要素の方が強い作品でしたね… 個人的には青春小説として意識しながら読んだ感じでしたね。
「マイクル」の、暗く辛い過去を知ったときには、胸が締めつけられるような気持ちになりましたが… エンディングで希望の灯が、、、
青春期の複雑な感情や疎外感等が「マイクル」の体験や言葉を通して伝わってきて、思わず感情移入させられてしまう… そんな切なくて、ほろ苦いような物語でした。
「アメリア」のことが好きで、そして守りたかったんだよね… 共感できました、、、
それにしても… 苦々しく感じ、理解できないのは「アメリア」の父「マーシュ」の行動。
「マイクル」の人生を大きく変えておきながら、自分だけは破滅から逃れようなんて… 許せませんね。
以下、主な登場人物です。
「マイクル」
主人公
「リート」
マイクルの叔父
「グリフィン」
マイクルの親友
「アメリア」
マイクルの恋人
「マーシュ」
アメリアの父
「ジュリアン」
犯罪者
「ガナー」
犯罪者
「ラモーナ」
犯罪者
「ルーシー」
犯罪者
「ゴースト」
金庫破り -
Posted by ブクログ
日々の仕事帰りに、頭をリセットするにちょうどいい長さと面白さ。
“古典”の域に入っているのか、様々な出版社が編成した「短編集」が多く出ている。しかも時代により新訳されることで、再び編成しなおされ世に出る。
「叫べ、沈黙よ(沈黙の叫び)」「町を求む」「危ないやつら(ぶっそうなやつら)」は、少し前に読んだ星新一訳の『さあきちがいになりなさい』と話がかぶっているが、だからと言ってとばす気には全くならなかった。
フレドリック・ブラウンは20世紀中盤に活躍した作家だけど、こうやって新訳になるたびに、これからもその時代に違和感なく読まれ続けるのでしょう。
明治の文豪が西欧の小説を日本で定着させようとしたとき、最終的に何から学んだかというと“落語の小噺”だった。
ブラウンの超短編は、それに似ている。 -
Posted by ブクログ
前巻に比べ大きくスケールアップし、物語の核心へ迫った本作。「ストーンサークルの殺人」もイギリスの作品だったけど、今こういう話題が流行りなのかな。前作のメインの事件とイーヴィの事件の並行で語られる形式より、1つの焦点に絞られ読み易くなったと思うが、ミステリ色は薄れて、サスペンス、スリラーといったジャンルに近い気がする。特にイーヴィパートは、逃亡劇サスペンスといった感じ。全編にわたり謎が謎を呼び、ハラハラするが、主人公サイラスが相変わらず不用心だし、情報共有の仕方が中途半端でイライラする。気づけよ、とか、強大な敵なんだから頭使うか頼れよ、って思った。案の定、物語の解決は主人公達の意志の外で突然なされてしまい、達成感がなくカタルシスが感じられなかった。これでこの件が解決したとしてもモヤモヤは残る…。物語を読み進める牽引力はあるのに、全体を振り返ると、やや歪さも気になってしまう作品ではあったが、十分に楽しむことはできた。
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Posted by ブクログ
全体を通して面白いのだが、手放しで全面的に肯定もできない作品であった。上巻では、イーヴィとサイラスの交流が始まると同時に、ジョディ・シーアン殺害事件の調査が始まる。下巻から本格的に真相が明るみになるのだが、真犯人の行動原理や、怪しげながら結局思わせぶりだった登場人物達など、もうちょっと何かあって欲しかったなと物足りなさが残ってしまった。えっ、もう終わり?って感じてしまったり、なぜそうなるの?って説明が不足したり。あまりウェットになりすぎる必要はないが、多少後日談的なものもあってよかったと思う。またサイラスの生活スタイルがいろいろ謎だったり(本業はなんなの?とか)、イーヴィになんでいきなりこんな熱を入れるの?とか疑問が残り、淡白な文章故か主人公サイラスの行動原理が良く分からず、あまり好きになれなかったのが残念だった。どちらかというと、イーヴィパートの方が楽しかったが、無駄に本編の登場人物が絡んできたりしてややこしく、その割に何もなかったりしたので、もっと壮大なドラマを期待した割には、って感じだった。
とはいえ、全体を見れば、謎が謎を呼ぶミステリーとして退屈とはいえず、続きが気になることは確かだ。