越前敏弥のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
フリーメイソンという存在には、なにか良からぬ噂が多い秘密結社というイメージがあったが、本作によりその悪い印象が半分ほど払拭された。半分というのもどこまでが事実またはフィクションなのかわからないからだ。冒頭に事実と書いてあること以外はフィクションだとは思うが、ピラミッドや古の知恵などが実在するかもしれないと思わせられるところに面白さがあった。
純粋知性科学が人間の精神をテクノロジーとして捉えることも興味深い。この数千年の人間という歴史の中で、精神の仕組みがいまだに解明されていない以上、自分自身にもまだなにか秘められた能力や可能性があるのではないかと思えた。 -
Posted by ブクログ
ロバート・ラングドン教授が活躍するシリーズ最新作。今回の舞台はスペイン。
かつての教え子で今では親友となった、コンピューター科学者で未来科学者のエドモンド・カーシュが世界をひっくり返すような科学上の大発表を行う、ということでビルバオ・グッゲンハイム美術館に名だたる人々を招待した。ラングドンも招待客の一人。美術館に入った瞬間から、カーシュが開発した優秀なAIがヘッドセットを通じて案内するなど、凝った演出がされ、いよいよカーシュのプレゼンが始まったのだが…。
ネタバレになるからあまり書けないけれど、簡単に言えば最先端科学vs宗教を重んじる人々、のような構図に見えるが、二重三重に陰謀が散りばめられて -
Posted by ブクログ
五、ピタゴラス、五芒星、五角形、ペンタゴン
純粋な言語
ガリレオとジョン・ミルトンラファエロ・サンティジャンロレンツォ・ベルニーニ
悪魔の穴開くサンティの土の墓よりローマに縦横に現わる神秘の元素光の道が敷かれ、聖なる試練あり気高き探求に天使の導きあらん
土「アース」空気「エアー」火「ファイア」
カメルレンゴとシャルトランの会話が印象に残りました。
「少尉、お子さんは?」
「おりません、シニョーレ」
「八歳の息子さんがいると想像してごらんなさい。息子さんを慈しみますか?」
「もちろんです」
「自分の持てる力をすべて傾けて、息子さんが人生で感じるであろう苦痛を防ぐ意志がありますか?」
「もちろんで -
Posted by ブクログ
場所はスイス、フランス、イタリアかな
ハシシに仕える者、ハサシン、アサシン暗殺者『神がつくった究極の素粒子』『タオ自然学』『神、その証』
真の科学は神を見つけ出す。あらゆる扉の陰に神が待ち受けていたかのように。
科学と宗教は反目し合っているわけではない。科学が若すぎるせいで、宗教を理解できないだけだ。
思い出して!この試練を乗り越える方法を思い出して!思い出す-それは仏教の哲人が用いる手法だ。とうてい答などなさそうな難問を前にして、その解決策を探すのではなく、ただ思い出すよう心に命じた。自分がすでに答を知っていると決めこめば、答がかならず存在すると信じる境地に達し、それゆえ失望というよけいな想 -
Posted by ブクログ
スペインの名所を次々と訪れる豪華な舞台設定といい、見栄えするだろう演出といい、ますますもって映像化向きです。
カーシュの発表内容についても、一連の黒幕についても、なかなかつまびらかにされませんね。まだラングドンが本領発揮していない印象なので、ここからどう真相に迫っていくのか楽しみです。
今回やはり、ラングドンの大立ち回りと移動距離が少ない気がする……ウィンストン様様ですねぇ(笑)
それと、読者の心はきっとひとつでしょうが、この作品を読むと無性にスペインに行きたくなります(笑) この文庫を片手に、カサ・ミラやサグラダファミリアの外観から内部から、隅々までこの目で確かめたくなりました。