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Posted by ブクログ
ハワード・ヴァン・ホーンは夢遊病に悩まされていた。その日も見ず知らずの安宿で目覚める。シャツには血がついている。死ぬことも考えたハワードだが、この街に住む旧友エラリー・クイーンを訪ねた。
エラリー・クイーンは推理小説作家で、NY市警警視の父の捜査協力して素人探偵としても名を挙げていた。二人は10年ぶりの再会だった。
エラリー・クイーンはハワードから相談を受ける。夢遊病の時になにかしているのではないか?
ハワードの邸宅はライツヴィルにある。父親は富豪で「父」たる器量を持ったディードリッチ、父の弟で陰険なウルファート、二人の母親で時間の止まったような老婦人クリスティーナ、そしてディードリッチの若妻サリー。
エラリー・クイーンは、サリーに魅力を感じ、包容力のある実業家ディードリッチの歓迎を快く感じる。だが何かが起きそうだ。
そしてハワードからある相談を受ける…。
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これは、探偵小説としての犯人探しだけでなく、探偵が直面する問題、探偵が常に考えなければいけない問題に向かい合っている。
いままでも探偵が事実を公にしないことはたくさんあった。しかしエラリー・クイーンが直面したのは、もっと根本的な、人間というもの、そんな人間にどのように対面するのかという問題だ。事件は解決させたものの、エラリー・クイーンの探偵としてのアイデンティティを揺るがしたこの問題。
エラリー・クイーンがこれにどういう答えを出したかは、次作「九尾の猫」でわかるようなのでそれも読まなきゃいけないではないか。
Posted by ブクログ
「自分はたびたび記憶喪失になる。その間、自分が何をやっているのか見届けて欲しい」と古い知人であるハワードに頼まれたエラリイは、三度ライツヴィルへと赴くこととなる。
大富豪の父親のディードリッチ、若く魅力的な継母サリー、仲の悪い叔父ウルファート――そこでエラリイはとある秘密を知らされ脅迫事件に巻き込まれるが――
一言で言うと、とてもドラマチック。これはクイーンの作品の中でも上位に食い込むのが納得の面白さ。
冒頭の登場人物一覧を見ると分かりますが、登場人物はアレだけしか提示されないけれど、そこで繰り広げられる物語がお見事でした。
ライツヴィルもの3作目ですが、このラストの締め方のビターな感じも併せて良い。
Posted by ブクログ
記憶喪失に陥り、その間何をしているのかに不安を抱えるエラリイの友人・ハワード。彼の悩みを解決すべく再びライツヴィルを訪れたエラリイが巻き込まれたのは、ハワードの抱える秘密にかかわる謎の脅迫事件。とことん振り回されるエラリイがなんだか気の毒になってくる作品でした(苦笑)。
さまざまな秘密と謀略、不穏な気配は随所に漂っているし、物語としては惹きつけられますが。あまり大きな事件は起こらないのだろうか……と思っていたら、なんと八日目にしてとんでもない急展開が! これ以降については……語れません。読んでのお楽しみです。
ある意味これはもっとも恐ろしい事件かもしれません。そしてこんな目に遭わされてしまったエラリイがやはり気の毒、と思いきや。やはりそのままで済ませることはなかったか! このラストは邪悪と言えば邪悪ですが。これが最善の結末だった気がします。
Posted by ブクログ
掻き乱された。
エラリィはジムヘイトの事件、フォックス家の事件においても、自己解釈で結末を決めている危うい点があった。
彼は探偵ではなく作家で、かつ犯人が裁かれても誰も救われないという状況ではあったが、その危うさが今回取り返しのつかない自体になってしまった。
探偵が、犯人に自殺を進めるなんてことがあっていいのだろうか。
探偵に、失敗は許されるのだろうか。
後期クイーン問題と言われるジレンマが刺さり過ぎてなかなかしんどかった。
あと今回、太字でエラリィの心の声が入っているのがすごく好きなポイントだったんだが、かき乱されてしまったから気づけなかったのかな。ハワードたちに対する怒りがなければ脅迫者が誰だったのかなんてとんでもなく大切なポイントを無視して推理するなんて考えられないよね。
Posted by ブクログ
ここまで読んだライツヴィルシリーズの中で一番面白かった。
十日間のうち、八日目の最後まで殺人が起きない。それまでは、伏線なんだろうとは思いつつもこれがどう繋がってくるんだろうと思うような出来事が色々と発生する。エラリーの心の声が別フォントで表記されておりそれがツッコミみたいになってて(特に三日目)面白かったんだけど、結末を知るとこの心の声の部分でエラリーが犯人の狙い通り考え動いてたということがより明らかになっている…。
途中サリーとハワードの無計画な感じにもそれに協力してしまうエラリーにも若干イライラしたが、そういうイライラも回収してくれる結末になっていた。
犯人がエラリーのファンであることなど些細な部分も伏線になっていて、殺人事件をとりまく全体像が見事に解き明かされるのはさすがだった。
エラリーが探偵を辞めると宣言するのも納得のやられ方。最後の自殺誘導はどうなのと思いつつ、まぁ他にも見たことある結末なのでそういう時代だったのかなと…。
九尾の猫を先に読んでしまっていたけど、ここは順番通りに読むべきだった……。
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