瀬名秀明のレビュー一覧
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最初に読んでから、もう一度くらい読んだであろうか?今回また数年ぶりの再読。話の面白さは、今も色褪せない。
最後まで読んで、まるで初めての様な感覚。特にクライマックスのイヴとの闘いのところ、こんなんだったっけ?と思えるくらい。映画版と混同していたのかな?
まぁエピローグで、あれだけのことを経験した浅倉さんが、冷静に事件を振り返るところが微笑ましい(乗っ取られてたんで、自分の記憶にないからか?)が、今後への余韻も残して話は終わる。麻理子ちゃんのメンタルは大丈夫ですかなぁ?もうこわくて子ども産めないんじゃないかな?と心配。
一歩間違えれば、くっだらない怪物譚に終わりそうなラストを、ここまで読ませて -
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未来の日本のお話を描いた恩田陸を含む8人の作家による短編集。私が気に入った作品。
恩田陸「逍遥」。意識上で集まった3人がなくなった時計の謎に挑む。それは空間を越えて、情報を他人と認知できる能力。いつの世界も技術が発達しても、ひとがやることは変わらないのですね(笑)
小路幸也「里帰りはUFOで」日本のどこかの、どいなかの街。そこは日本でインフラが整備された街。友達と里帰りすることになった大学生の野宮淳一は、UFOの目撃話を聞いて。。
自動運転が当たり前になった社会。世の中の暮らしがどう変わるのか。
支倉凍砂「AI愛情表現」。AIに恋愛相談をもちかける浩太。AIはひとのパートナーになりうるの -
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◆本書の魅力
前書きの文章に切れがある。
「本書に登場する科学書の多くは、むしろ読むとあなたに新たな疑問や謎を残すでしょう。本のページを閉じた後、世界は元に戻るのではなく、むしろ変化して見えるでしょう。」・・・なるほど。
「実際のところ、インパクトにこだわり全速力で走って売り上げを競うような昨今の新書のパッケージにふさわしくないので、タイトルもごく穏やかなものにしました。」・・・好感持てる奥ゆかしさ
「3人の読者を想定している」
・・・これやってくれると読むべきかどうか判断できるからすべての本でやってほしい。
◆本から得た雑学
『時速250kmのシャトルが見える』
・時速250㎞のシ -
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ダーリンは71歳を読み終え、次に読んだのが
パラサイトイヴの作者でもある瀬名秀明さんの
『科学の栞 世界とつながる本棚』
雑誌に連載した瀬名さんの書評集。
書評を読んでほしい相手は、、、
*これから進路を決めようとする中学生、高校生のあなた
*社会で働きながら読書の愉しみとともにあるあなた
*長年インフルエンザ研究の第一線を走り、学術活動を続け
今は自分の研究は一段落し、全体をマネージメントする側になる父。
そんな三者に当てた、多方面の科学に関する本の書評集。
中には私が読んで楽しかった本もあって、
ほくそ笑んでしまった。。。
早速メモに残し、これからの読書の一覧の助けになりました。 -
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どうしても、自分だけで本を選ぶと、似通ったものを選んでしまいがちだ。
まして、科学の本なんて、何を読んでいいか、わからない。
幅を広げたいと思って、本書を読んでみた。
結構影響を受けやすいらしく、少し前に読んだ柴田元幸さんと高橋源一郎さんの書評本を読んで、阿部重和とか、町田康なんて買ってしまったくらいだ。
初出は朝日中学生ウィークリーや、中央公論、日経新聞などで、2007年ごろの書評。
瀬名さんの文章は、とても爽やかだ。
科学の楽しさ、その本の価値を真摯に伝えようとしているのだけれど、堅苦しくも、暑苦しくもない。
アルツハイマー病研究のために、死後自分の脳を差し出す修道女たちのについての『1 -
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ネタバレミトコンドリアが人間に対する主従関係を転覆させようと、人間への反乱を企てる。脳死判定、臓器移植など当時議論を呼んだ話題が物語の最初に出ていて読者の関心を引きつけたことが想像出来る。臓器移植をした人間が「フランケンシュタイン」だと罵られることもショッキングだ。
現在の常識から考えて腎臓の移植も死体から行われることが異常であり、生体移植のみが行われている。死者からの移植への抵抗感も描かれており、他の臓器移植も可能になった現代では薄れているだろうと思われる。小説ではあってもこのような抵抗感は当時の感覚に近いのだろう。
物語の中盤までは人格の乗っ取り、終盤では新たな生命体の誕生という流れになっている -
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読み進めながら、隣に次に読む本が積み上げられていくような本。読みたい本がどっさり増えてしまった。
瀬名秀明さんの書評は優しい。本を書いた側にもこれから読む側にも優しい。その本のいいところ、面白い読み方を必ず見つけてくれる。書評に限らず、レビューってそうあるべきじゃないか。
もちろんくそみそにけなしたくなる作品だってあるし、そういうものに評価をつけなきゃいけない仕事もあるだろうけど、でも誰かに何かを紹介するなら、それの面白いところを伝えるべきだ。そうじゃなきゃ面白くない。
瀬名さんの文章は本の出来不出来にも触れる。でもここはこの本にしかない面白さで、しかも必ず読め、それもこう読めとは言わないから -
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色々なものを下敷きに書かれているので、ちゃんとした方であれば小松左京を読み、ダンテを読み、日本SF的な素養を身につけた上で読むのでしょうが、山下卓さんがTwitterでつぶやいていたのを見て何も考えずに読みました。。
読み進むにつれて難解度は増していくのですが、どういう訳か同時に文章に引き込まれていった感があります。
きらびやかな言葉が紡がれて色彩さえ見えるようなコンサートの光景、気付かないうちに見てはいけないものをみてしまったかのように背筋が凍るようなダイヴの光景。文字だけでここまでできるものか。
下敷きを知らないのと諸々の用語を知らないので、そもそも理解できていないという要素は多分にある -
Posted by ブクログ
小難しい話が続き、分からんなぁと思いながら遠ざかると、ふいになんとなく共感できる部分が出てくるのでまた引き寄せられるの繰返し。
ロボットの知能(あるいは心)を考えるとき、機械からは遠いように思われる哲学の問題が出てくるのは面白い。しかし、人間は自分の枠を広げることは出来ても越えていくことはできないが、ロボットには枠を越える可能性があるとのだろうか。しかし、ネットもロボットも所詮人間が作ったものである以上その枠を越えることは出来ず、個を越えるだけだから、それほど魅力も感じないが。
ところどころ前に解決した事件、という話が出てくるが前作があったのか。そういう「設定」なのかと思っていた。 -
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瀬名秀明さんの作品を読むのは、日本SF作家クラブ会長就任前に書かれた短編集『希望』以来である。本作『月と太陽』は、日本SF作家クラブ会長辞任・退会後に刊行された。その間に何があったのか。現在では公式サイトも消滅している。
『希望』は哲学的問いかけの連続で、僕にとっては難しい作品集だったし、瀬名作品から遠ざかるきっかけになった。久々に読んでみる気になったのは、本作の文庫版を見かけたからである。今回も戸惑うであろうことは、覚悟の上。
「ホリデイズ」。瀬名さんが飛行機の操縦免許を取得したことは知っていた。作中の作家とは、ご自身がモデルだろう。もっと飛びたいけどお金がないとか、あまりに生々し