瀬名秀明のレビュー一覧
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AIと人間の未来を見つめる物語。人が人である所以は何なのか。人間らしさとは何なのか。人ができることはどこまでで、AIができることはどこまでなのか。それが融合した未来はどんなものになるのか。
瀬名さんが語る未来の物語はいつも繊細で優しい。ナイーブすぎるし、好意的すぎるし、共感や理解ばかりではないけれど、やっぱりその優しさの先に共存の未来があってほしいと願わずにはいられない。
でも現実には、技術を実用的に進化させるのは戦争や欲望だったりすることが本当に悲しい。
これを読んだ今、もしかしたら人間こそが元々は誰かが作ったただの有機ロボットだったのかもしれないと思いはじめた。 -
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シンパシーとは寄り添うこと、エンパシィは思いやり、他者の気持ちを推し量って配慮し行動すると言う意味、忖度、昨今先回り服従と言う悪いスティグマがついてしまった。
小説を読んで、主人公に共感しました、本当の読書とは言い難い。自分とは異なる立場の人の心情も理解できて初めて読書体験は豊かになる。
ジャックアタリ氏の利他の精神、エンパシィによる他者理解の精神、利他主義は合理的利己主義に他なりません。自らが感染の脅威にさらされないためには、他人の感染を確実に防ぐ必要がある。私はしばしば利己的でありながら利他的にもなれる、
合理的な利他主義、希望を持って最善を尽くして生きる。楽観主義ではなくポジティブに考えて生きよう。 -
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ネタバレ学生の時に読んだのを20年ぶりに再読。
さらっと読んでストーリーを追うだけの読み方もできなくはないと思ったが、せっかく科学とエンターテインメントの融合が話題になった本を読むので、頑張ってゆっくり読んでいたら思いの外読み終わるのに時間がかかった。
本編も面白かったが、新潮文庫版のあとがきもとても面白かった。
本書の評価についての統計が記載されていたのが興味深く、一つの作品に対する評価が社会情勢で変わることは当たり前だとは思っていたけど統計で見てみると(一見)客観的に可視化される。話題になった作品は、肯定的評価→否定的評価→肯定的評価と評価に波があるのも当然かもしれない。
難しいけど面白い本をちゃんと読んでいきたいし、小説も科学も古いものを乗り越えて出てきた新しいものをちゃんと評価できる自分でありたいと思った。 -
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新型インフルエンザ(2009年)の時に発売された本ですが、その後にエボラ出血熱(2014年)、新型コロナウイルス(2020年)のように、パンデミックは周期的に訪れています。その都度、それに対して学び、そして忘れていく...世界はそんな流れになっている感じがします。この本の要は「極端に走らないこと」です。そしてウイルスの正体よりも、人間心理と言うか、それぞれが思惑に従った情報発信と情報選別をしている現実も描いています。正解がないだけに、ある程度、周囲に前ならえをする必要はあるかと思いますが、それぞれの価値観が違うだけに、難しい所もありますね。
私の論説も含まれますが、例えば、十分にソーシャルディスタンスが取れている野外でマスクをしている人が多い現実があります。今は熱中症対策でハズす事が奨励されていますが、それでも同調圧力があって、まだまだ進んでいません。そもそもマスクはいずいものなので着けたくないですよね?だからちゃんと自分の意志と理論に重きを置いて、マスクをする必要のない場所ではハズす!それがニューノーマルにおけるマナーだと思うんです。そうじゃないと、誰もマスクを着けなくても良いと思っている場所で、全員がマスクを着けているなんて言う、無意味で同調圧力の産物みたいなシチュエーションが生まれてしまいます。 -
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最初に読んでから、もう一度くらい読んだであろうか?今回また数年ぶりの再読。話の面白さは、今も色褪せない。
最後まで読んで、まるで初めての様な感覚。特にクライマックスのイヴとの闘いのところ、こんなんだったっけ?と思えるくらい。映画版と混同していたのかな?
まぁエピローグで、あれだけのことを経験した浅倉さんが、冷静に事件を振り返るところが微笑ましい(乗っ取られてたんで、自分の記憶にないからか?)が、今後への余韻も残して話は終わる。麻理子ちゃんのメンタルは大丈夫ですかなぁ?もうこわくて子ども産めないんじゃないかな?と心配。
一歩間違えれば、くっだらない怪物譚に終わりそうなラストを、ここまで読ませてしまう作者の力には
脱帽する。これが処女作とはねぇ。酒見賢一と言いい、瀬名秀明と言い、やはり天才は初めから違うのか?
ミトコンドリアよ、永遠におとなしくしていてください。
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未来の日本のお話を描いた恩田陸を含む8人の作家による短編集。私が気に入った作品。
恩田陸「逍遥」。意識上で集まった3人がなくなった時計の謎に挑む。それは空間を越えて、情報を他人と認知できる能力。いつの世界も技術が発達しても、ひとがやることは変わらないのですね(笑)
小路幸也「里帰りはUFOで」日本のどこかの、どいなかの街。そこは日本でインフラが整備された街。友達と里帰りすることになった大学生の野宮淳一は、UFOの目撃話を聞いて。。
自動運転が当たり前になった社会。世の中の暮らしがどう変わるのか。
支倉凍砂「AI愛情表現」。AIに恋愛相談をもちかける浩太。AIはひとのパートナーになりうるのか、浩太の恋の行方は。ケータイセブンと言うドラマと何となく被りましたが、いつか共感しあえる関係になれたら良いね。
山内マリコ「五十歳」。市役所の附託職員で働くキャリアウーマンだった牧野さん。若い研修の女の子がやって来て。少しでもやりたい仕事をやる。若さって、素晴らしいなと思いました。 -
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◆本書の魅力
前書きの文章に切れがある。
「本書に登場する科学書の多くは、むしろ読むとあなたに新たな疑問や謎を残すでしょう。本のページを閉じた後、世界は元に戻るのではなく、むしろ変化して見えるでしょう。」・・・なるほど。
「実際のところ、インパクトにこだわり全速力で走って売り上げを競うような昨今の新書のパッケージにふさわしくないので、タイトルもごく穏やかなものにしました。」・・・好感持てる奥ゆかしさ
「3人の読者を想定している」
・・・これやってくれると読むべきかどうか判断できるからすべての本でやってほしい。
◆本から得た雑学
『時速250kmのシャトルが見える』
・時速250㎞のシャトルが相手コートに到達するまでの時間は0.3秒。
・ボート選手は約7分間の競技のあいだに238回漕ぐ。
「匂いの人類学」
・におい付き映画」への挑戦と挫折
『サブリミナル・インパクト』
コカ・コーラはあらかじめブランド名を知らされて飲むと、脳のある部分が活性化、ペプシはしない。ペプシは脳科学的にもブランド戦略に失敗しているという新しい理論
『リスクにあなたは騙される』
・「リスクセンス」を磨け。9.11により自動車に移動手段を切り替えたことによる死者1595人。9.11フライトの乗車数の6倍。
『ダーウィンのミミズ研究』
・白亜の破片を庭に撒き、29年後に掘り返す。
その結果、ミミズは1年で約6ミリの肥沃土を作ることが分かった。
・・・29年後!?
『迷惑な進化』
体内に鉄分がたまる病気は遺伝的。
今はいらないけど、ペストのときは免疫細胞に鉄を取り込ませない性質で逆に有利。そのため、西ヨーロッパでは割合高いのか?
西ヨーロッパのみ1/3らしい。
『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』
鳥類は人間よりもはるかにエネルギー効率の良いミトコンドリアを持つ
・・・将来はミトコンドリアとかのパーツレベルでかけ合わせたりできるのだろうか。
『ビッグバン宇宙論』
アインシュタインは悩んだ末に宇宙は不変であるとして、そうなるように、自分の数式を書き換えてしまったという
・・・理論に応じて数式を作り変えられるのすごい。
『捨てるな、うまいタネ』
キウイフルーツは植えると芽が出る。
・・・広大な土地を手にしてやってみたい。
◆気づき
『遺伝医療とこころのケア』
発症前遺伝子診断の「知らないでいる不安」と「知ってしまう恐怖」のせめぎ合い・・・これはジレンマだなと感じた。
『自由は進化する』
人間には視点を切り替える能力がある。
神の視点と人間の視点
神の視点で見て決定的でも、人間の目で見れば未来の選択は可能。
・・・視点を変える力があるという発想に脱帽。
『クロスロード・ネクスト』
大震災から1週間。あなたは被災地の食料担当員。3千人の市民に対し、食料は今2千人分しかない。まず2千食配るかどうか。
を司会者が読み上げるといにYesかNoでこたえる。
・・・これ結構、楽しそう。
『いつも上を向いて』
マイケルは病気をギフトだと考え、「神様、自分では変えられないことを受け入れる平静さと、自分に変えられることを変える勇気と、その違いがわかるだけの知恵をお与えください」、と毎日祈った。
・・・病気をギフトだといえるほどの器は見習おうと思った。
『100歳の美しい脳』
修道女678人の脳からアルツハイマーを研究する。
「これは一生に一度しかできない研究なんだ」
・・・一生に一度というフレーズに惹かれた -
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ダーリンは71歳を読み終え、次に読んだのが
パラサイトイヴの作者でもある瀬名秀明さんの
『科学の栞 世界とつながる本棚』
雑誌に連載した瀬名さんの書評集。
書評を読んでほしい相手は、、、
*これから進路を決めようとする中学生、高校生のあなた
*社会で働きながら読書の愉しみとともにあるあなた
*長年インフルエンザ研究の第一線を走り、学術活動を続け
今は自分の研究は一段落し、全体をマネージメントする側になる父。
そんな三者に当てた、多方面の科学に関する本の書評集。
中には私が読んで楽しかった本もあって、
ほくそ笑んでしまった。。。
早速メモに残し、これからの読書の一覧の助けになりました。 -
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どうしても、自分だけで本を選ぶと、似通ったものを選んでしまいがちだ。
まして、科学の本なんて、何を読んでいいか、わからない。
幅を広げたいと思って、本書を読んでみた。
結構影響を受けやすいらしく、少し前に読んだ柴田元幸さんと高橋源一郎さんの書評本を読んで、阿部重和とか、町田康なんて買ってしまったくらいだ。
初出は朝日中学生ウィークリーや、中央公論、日経新聞などで、2007年ごろの書評。
瀬名さんの文章は、とても爽やかだ。
科学の楽しさ、その本の価値を真摯に伝えようとしているのだけれど、堅苦しくも、暑苦しくもない。
アルツハイマー病研究のために、死後自分の脳を差し出す修道女たちのについての『100歳の美しい脳』。
アメリカの電気産業が起こり、エジソン率いる直流か、ウェスチングハウス(今話題のあの会社!)の交流か、という争いの中で、電気椅子に交流を採用するに至った経緯を描いた『処刑電流』。
その他にも、読んでみたいものがある。
自分の力で読みおおせるか、やや不安だけど。
読んでみたいものはたくさん見つかったけど…
今日書店に行ってみたら、本書に取り上げられた本は、『春の数え方』くらいしかなかった。
なんてことだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミトコンドリアが人間に対する主従関係を転覆させようと、人間への反乱を企てる。脳死判定、臓器移植など当時議論を呼んだ話題が物語の最初に出ていて読者の関心を引きつけたことが想像出来る。臓器移植をした人間が「フランケンシュタイン」だと罵られることもショッキングだ。
現在の常識から考えて腎臓の移植も死体から行われることが異常であり、生体移植のみが行われている。死者からの移植への抵抗感も描かれており、他の臓器移植も可能になった現代では薄れているだろうと思われる。小説ではあってもこのような抵抗感は当時の感覚に近いのだろう。
物語の中盤までは人格の乗っ取り、終盤では新たな生命体の誕生という流れになっている。
作者は自身がホラー作家だとしているが、この作品の中では化け物としてのミトコンドリアが計画的に事を運んでいる分、ミステリー的な要素がある。現在と過去が織り交ぜられながら語られていることもこの雰囲気を出している。
特に聖美がドナー登録を言い出したのが本人の意思ではなかったことが終盤に語られるが、ここは鳥肌が立った。