瀬名秀明のレビュー一覧
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この本とってもよかったです。
科学書の書評集なんだけど、とにかく読んでいると読みたくなる本がたっくさん。
ドッグイヤーをしていったら、気づけばほぼすべてのページの角を折ってました。読み終わったときは角っこが異様に分厚くなってしまった。
この本なにがよいかというと、読むべきベストセラーとか名著100とかそういう感じじゃないんです。
著者の瀬名秀明さんが科学書を読んでほんとによいと思った本を紹介してくれているんだと思います。
それは前書きにも明記されています。
中身もいいんだけど、わたしがとても良いとおもったのは、前書きでした。
「日本では進路を決めるとき、理系・文系というわけか -
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ヒト型ロボットが実用化された社会。ロボット学者の祐輔と進化心理学者の玲奈は、ロボットのケンイチと共に暮らしている。三人が出席した人工知能のコンテストで起こった事件から、悪夢のようなできごとは始まった。連続する殺人と、その背後に見え隠れする怜悧な意思が、三人を異世界へ引き寄せる――。人間と機械の境界は何か、機械は心を持つのか。未来へ問いかける科学ミステリ。
・レビュー
面白かった。久しぶりにテンション上がりっぱなしだった。哲学は人を狂わすほどに面白くて、やめようと思ってもやめられない究極的な快楽だと思う。瀬名秀明のSFの面白さは『パラサイト・イヴ』で判ったのだけれど、『BRAIN VAL -
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ソーシャルメディアに感想なんて書かなくていいんだ、独りでひっそりでいいから、すぐに絶版になってしまう科学書をはやく保護して楽しもう、という本。出版からちょっとだけ時間が経ってしまったので、絶滅種が増えているかもしれません。
この本の毒の無さ、と言うといやらしいですね、よいものをすすめようとする真っ直ぐな気持ちに、恥ずかしながら心洗われるようでした。
中学生ぐらい向けの科学書は妙に面白いと、いつも思っています。ゆえに紹介されているものも既読の本も多いのですが、その紹介を見ても我が意を得たり、という幸せな気分になるし、だからこそ、他のピックアップされた本も間違いがないのだろうと思います。一方的 -
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人類最後の秘境=脳。その研究のために、各分野の気鋭の学者が巨大施設「ブレインテック」に集められた。脳科学者・孝岡護弘もその一人だ。だが彼は赴任早々より、奇怪な現象に次々遭遇する。白き光芒を放つ女、幽体離脱体験、そしてエイリアンによる誘拐。孝岡の身に起きた出来事の意味は?そして、このプロジェクトの真の目的とは何なのか―。超弩級エンターテインメント。
・レビュー
SF作品として、ここまで洗練された作品も少ないと思う。
ノンフィクション学術書を読んでいるようなレベルの豊富な情報量と、それらの密接な関係性をたった一人の作者が書き上げていることに驚く。
前作『パラサイト・イヴ』と同様、学問に興味 -
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神―。その存在をめぐり、古今の賢者が懊悩し夥しい血が流された。科学者・孝岡は、ブレインテックに赴任した日から、大いなる謎の深奥へと引き寄せられてゆく。高度なメッセージを発する類人猿、爆発的に進化する人工生命、死後の光景を語った少年。すべてが、あの男の望みのもとに昇華されるとき、神はその姿を現すのか。小説の新たなる可能性を切り拓いた、記念碑的大作。
・レビュー
SF作品として、ここまで洗練された作品も少ないと思う。
ノンフィクション学術書を読んでいるようなレベルの豊富な情報量と、それらの密接な関係性をたった一人の作者が書き上げていることに驚く。
前作『パラサイト・イヴ』と同様、学問に興 -
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本書は『パラサイト・イブ』などでお馴染みの小説家、瀬名秀明氏によるサイエンス本の書評集だ。「朝日中学生ウィークリー」紙に連載されていたものが中心とのことで、非常に読みやすい。
一口にサイエンス本といっても様々なわけなのだが、脳科学、生命科学から宇宙、評伝本までが幅広くカバーされている。その中でも本書の特徴は、選書の確かさにあるだろう。ためしに生き物のパートを覗いてみると、しっかりとハダカデバネズミやクマムシなどが選ばれている。これなら他のパートにも期待できそうだ。
また、レビューがすごくコンパクトに纏まっていることにも感心する。本の内容紹介を簡潔に済ませ、その楽しみ方を伝えることに重点を置 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
燎原の火のごとく広がる新型インフルエンザ。
その世界的大流行は我々に何を問いかけているのか。
小説家の想像力と専門家の洞察力とが切り結ぶ対話篇。
いま必要なのは、過度に恐れず、適切に恐れることだ。
根源を見すえた議論が、パンデミックに立ち向かう勇気と、冷静に対処する視座を与えてくれる。
[ 目次 ]
救える命を救うために(数ではわからないこと;感染症と病原性;つばがりの視点)
第1章 恐れと対峙する(公衆衛生の道へ;SARSでの体験;適切に恐れる;見えてくる被害;怖さを伝える)
第2章 パンデミックという経験(感染拡大は止められない;プロアクティブの重要性;致死率の難しさ;感染 -
Posted by ブクログ
東大博士課程卒or在学中の8人が、自身の研究内容や東大に入った経緯などを紹介する。
巻頭にある、監修者2人の対談で、
なんでその道を選んだのかを聞くのではなく、いまの研究テーマにはまり込んだ具体的な理由を探るようにしています。
とあるように、
研究テーマを選んだ経緯がとても具体的に書かれているというのが本書の特徴であると感じた。一見どうでもいいような、でも個人的にはすごく気になるところが書かれていて、非常に興味深かった。
また、こちらも巻頭の対談で、
高校生ぐらいの段階で過度な固定的な夢を持っている人は、私からすると窮屈でちょっと気持ちが悪い。そもそもサイエンスはたえず進歩する業