瀬名秀明のレビュー一覧

  • パラサイト・イヴ

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    「パラサイト・イヴ」は、ミトコンドリアという細胞内小器官をテーマに据えた、斬新なSFホラーです。生物学への興味から読み始めましたが、単なる知識の羅列に終わらず、生命の根源的な問いを投げかけてくる物語に引き込まれました。
    物語は、主人公・利明の妻・聖美の謎の急死から始まります。冒頭のこの衝撃的な出来事が、物語全体を覆う不気味な雰囲気を作り出しています。死後、聖美の臓器はドナーとして提供されますが、利明はまるで何かに取り憑かれたように、聖美の肝臓の培養に取り組み、「聖美は生きている」と信じようとします。この常軌を逸した行動は、後に聖美の肉体を乗っ取った**「イヴ」の思惑とも絡み合い、読者に生命の定

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    2025年11月21日
  • ポロック生命体(新潮文庫)

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     将棋や絵画、小説といった分野にAIが進出した近未来。人々がAI(とAIが生み出す新しい時代)に対し時に葛藤し、時に煩悶しながら向き合っていく様子を描いた短編集。
     4つの作品が収録されており、初出は2012年〜19年の間。
     当時は遠くない未来だった作中の世界だが、この感想を書いている2025年になると誰でもAIに頼めばそれなりに整った文章やそこそこ高精度な絵を描ける時代が来ており、かなりの部分で現実が作中の世界に追いついたように感じる。

     正直作者の伝えたい主張を受け止められたか自信のはないけれど、読後には上手く説明できないけど何となく何かを受けとったような気持ちになった。

     AI技術

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    2025年09月13日
  • ジャンル特化型 ホラーの扉 八つの恐怖の物語

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    全然詳細知らずに、雨穴目当てで読み始めて、存外とても良い本だった。「14歳の世渡り術」というシリーズ、そういえば高校生の頃に読んだような気もするが、その時点で既に「14歳」ではなかったので何処か鼻白んだのだけを覚えている。ホラーにわかにとっては十分すぎる入門書であって、早速別のホラーにも手を伸ばしてみたい気持ちにさせられた。5W1Hの切り口も(少なくともわたくしにとっては)新鮮で、非常に分かり良い区分だった。

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    2025年07月05日
  • ジャンル特化型 ホラーの扉 八つの恐怖の物語

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    怖い話ばかり。
    個人的には、終わった街の描写の表現,見てるよの不気味さが印象に残って、
    左サンプルに楽しく読めたのは。、告発者とブンブン。
    11分と鎖念佛もよかった!

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    2024年12月23日
  • ジャンル特化型 ホラーの扉 八つの恐怖の物語

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    夏だしホラーでも、と思い読みました。
    様々なジャンルのホラーが解説と共に記載されており、小説としても楽しめましたし、小説を書く際の勉強にもなりました。

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    2024年08月20日
  • パラサイト・イヴ

    購入済み

    着眼点がすごい

    共生関係にある細胞の反乱。
    全く考えたこともなかった切り口から物語が語られ、とても面白かった。

    自分がどうやって「自分自身」を制御しているかわからないので、知らない間に別の何かに制御権を奪われたらと思うと言いしれぬ恐怖を感じた。

    これがデビュー作なのがすごい。

    それと個人的な話だが、この本の出版と私の出生が同じ年なので、何となく感慨深いものを感じる。

    #怖い #タメになる #ドキドキハラハラ

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    2024年05月27日
  • ジャンル特化型 ホラーの扉 八つの恐怖の物語

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    非常に読みやすく、ホラー小説というものが分かりやすく分類されていて、自分が一体どういった物が好きなのかが分かった
    ホラー小説の教科書のようで14歳の、と書いてはありますが年齢関係なく読んでほしいなと感じた
    様々なジャンルのホラーを、一気に摂取できる本
    ちなみに自分が好むホラーはSF、オカルト、サスペンスなのかな、と思った
    巻末のオススメでまだ読んでいない本があったので読んでみようと思う

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    2024年05月10日
  • ジャンル特化型 ホラーの扉 八つの恐怖の物語

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    ネタバレ

    解説とか好きだからもう「はじめに」から面白かった!
    ホラージャンルを5W1Hに分類しようなんて思わないでしょ。楽しい。
    それで言うと全部の項目に好きなジャンルがあったから、自分って案外ホラー好きなんだな、と思った。
    この本は全章怖くなかった。入門書扱いだからかな?ホラー苦手でも読めそう。

    [特に良かったやつ↓]
    終わった町 芦花公園
    とざし念仏 五味弘文
    一一分間 瀬名秀明
    民法第961条 梨

    最近モキュメンタリー(っていうジャンルだって初めて知った)系の小説多いよねって前話してたけど、好きなジャンルはどれだけ増えてくれても有難いな。
    梨先生の、「折り目をつけてください」でワクワクしながら

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    2024年04月29日
  • ジャンル特化型 ホラーの扉 八つの恐怖の物語

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    色んなジャンルのホラーを浴びれて良かった。学校メインの話が多いので学生の時に読みたかった一冊だな〜と思います。

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    2024年04月28日
  • ポロック生命体(新潮文庫)

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    ネタバレ

     2020年2月に刊行されていた、瀬名秀明さんの小説の最新刊である。文庫化されているのを見かけ、手に取った。タイトルからして相変わらず小難しそうだが、読んでみるとすいすいと読める。いい意味で裏切られた印象を受けた。

     一時期はロボット分野に傾倒していた瀬名さんだが、本作のテーマはAI(Artificial Intelligence)、人工知能である。全4編に描かれたAIの実力は、決して遠い未来の話とは思えない。AIという言葉は、現代社会でも人口に膾炙しているのだから。

     『負ける』。チェスや将棋において、人間対AIの対戦は実際に行われたが、今では聞かなくなった。藤井聡太ら現役棋士がAIで研

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    2023年01月06日
  • ポロック生命体(新潮文庫)

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    AI(Artificial Intelligence)人工知能が進歩した先にどんな社会が到来するのか?このAIの定義を私は明確に語ることができていないのですが、私なりの理解でいうと、「機会が人間の知能を持ったように振る舞えるもの」となります。
    機械学習、ディープラーニングと言われるように、機会が自ら学びを深めることができる存在であります。
    絵画、小説など、ある作家の作風を機械が学び極めると、あたかもその作家が創造した絵画や小説を生み出せるのかもしれない。その作品は、著作権を侵害したとえるのか?本書は、4つの短編集であります。テーマは進化したAIが存在している社会での出来事です。チェスや将棋、囲

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    2022年12月06日
  • 小説 ブラック・ジャック

    mac

    ネタバレ 購入済み

    ・「どうしてこいつ(AI手術ロボット。《サージェリー・プロ》)は、わたしのやってほしいことがわかるんだ?」
    ・「そうです、ブラック・ジャックさん。《サージェリー・プロ》にはこれができるんです。
    誰よりも早くあなたの思ったところへ先回りして、サポートすることができるんです。
    なんといっても《サージェリー・プロ》のAIの学習には、ブラック・ジャックさん、
    あなたの手術の映像をいくつも使ったんですから…!」
    ・「まったくおまえさんには驚かされる。未来にはこのわたしが、世界中の病院でメスをふるっているというわけか。フフフ…。
    この手術代は全てひっくるめておまえさんに請求するから、そのつもり

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    2022年10月08日
  • パラサイト・イヴ

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    細胞が人を乗っ取るという設定が面白かった。序中盤は物語がゆっくりと進みつつも、不気味な感じがあって良かった。終盤に進むにつれて物語が加速していき、それに応じて緊張感が増していった。身近なものを用いたホラーだったから、後味の残る怖さだった。

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    2022年06月04日
  • 小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団

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    泣いてしまった、子供の頃に何度も見返して全部知っているはずなのに。
    小説版のオリジナルの部分もさることながら、元々の映画自体にあった場面にすら自分が昔見たドラえもんには見つけられなかったことがたくさんあって、夢中になって最後まで読んでしまった。
    頭の中ではアニメのドラえもんが自然に動いていて、セリフも当時の声で再現されて、とんでもなく解像度の上がった鉄人兵団を観た気がする。
    もう一度映画を観たくなった。オリジナル版もだけどリメイク版も観たい。

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    2022年05月24日
  • 小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団

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    辻村深月さんの月面探索記を読んだ後なので
    その違いに驚き
    なんて重々しい、不安感が漂うドラえもんだろうか

    鉄人兵団の襲撃前夜ののび太たちの各々の不安や怖さをものすごく感じた
    まるで子ども向けじゃない
    戦い、疲弊していく描写なんて、戦争をリアルに描いているようで読んでいて苦しかったです

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    2022年05月09日
  • 小説 ブラック・ジャック

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    どのエピソードも漫画になっていても違和感がないくらいブラックジャックだった。
    ぜひシリーズ化して欲しい。

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    2021年04月05日
  • パラサイト・イヴ

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    もうかなり前の作品であるにもかかわらず、読んでいる間は色あせることのない迫力に包まれていたように感じる。
    この作品は、性や肉の表現が生々しく、また言いようのない怖さも感じる。
    それらに目を背けたくなる気持ちもあるが、登場人物それぞれが作品内に息づいているように感じ、本を読み進める糧になったように思う。

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    2019年11月05日
  • 小説 ブラック・ジャック

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    小中学生のころに読みふけっていた、手塚治虫の『ブラック・ジャック』が、現代に実在したら、という想定で描かれた作品です。

    AI医療や冷凍睡眠とiPS細胞、安楽死についてなど、昨今の医療テーマを扱っているだけでなく、原作のストーリーをしっかりと踏まえた物語になっていることや、ドクター・キリコなどの登場人物もその魅力を残したまま描かれていて、とても楽しく読むことができました。
    全部で5つのエピソードが収録されていますが、どの物語も、切なくもあり温かくもある原作同様の読後感で、とても満足できるものでした。

    やはり、ブラック・ジャックはカッコいいです。

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    2019年09月11日
  • 2030年の旅

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    未来がどんなん?に興味があったのと、恩田陸につられて購入。
    いろんな作家の短編集なので、好き嫌いはあるかも知れないけど、
    恩田陸 逍遥
    支倉凍砂 AI情表現
    山内マリコ 五十歳
    喜田喜久 革命のメソッド
    が面白かった。

    2030年にもなって、ヘイSiriとか言ってるのは、かなり時代遅れらしいw

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    2017年11月29日
  • パラサイト・イヴ

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    ネタバレ

    ホラーは好きじゃないけど、これは心に残っていて保存用に買いました。最後がバッドエンドなのもわりと好きです。今日も体の中でミトコンドリアが元気に活動しています。ああ心がざわざわする…

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    2017年02月20日