瀬名秀明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初は、科学知識をちりばめた医療もののサスペンスドラマという感じで手堅く始まるのだけど、途中からあれよあれよという間にものすごい世界に連れて行かれる。そのあたりを、快感と思うか違和感が勝るか、そこが評価の分かれるところだろう。
僕は、どちらかといえば違和感が勝った方かもしれない。「まさか、それはないだろう。だったら笑うけど」と思ってたことが、小説内で本当に起こっていったから。まして、ラスト近くになると想像を遙かに超えて、読み始めたときとまったく別の物語になってしまった印象さえした。「ドクターX」を見ていたら、いきなり「昭和版仮面ライダー」になってしまったような。「びっくりしたなあ、もう」という感じである。
まあ、でもそんなのは、僕の個人的な先入観から始まったことであり、ジャンル分けなどはあまり意味のあることではなく、仮にジャンルに縛られた読もうとしたとしても、その区分を強引に近い筆力で飛び越えたことに感心するべきなのだろう(同じような感じを、昔「総門谷」でうけたことを思い出した)。それにしても、「びっくりしたなあ、もう」である。
おもしろかったかと言われれば、まあまあおもしろかった。最後の方のドドドドと「やってくる」感じも、気持ちがよかった。でも、小説の世界にどっぷり浸れたかとか、ページをめくる手が止まらなかったかとか聞かれれば、それほどでもない。意欲作ではあるけれど、小説としての完成度を言えば、一流とは言えない感じがした。第1作なのだから、そうかもしれない。アイデアと知識が先行していて、どうも理詰めになりすぎるからかもしれない。
なによりも、もう一つ登場人物に感情移入ができない。みんな、「役割を果たすために存在している」感が強いからだろう。「人間なんてそんなもの」というのが、小説のテーマの一部でもあるのだろうけれど。 -
Posted by ブクログ
薬剤師免許を持つSF作家という異才の人、瀬名氏。この人の小説を読んだことはないんですが、どっかで科学の本に関する書評を見たことがあって、それ以来、なんとなーく気になっていた方です。
これはそんな瀬名氏による、科学に関する様々な本の書評を集めたものです。新聞や雑誌に載せたものを再録しているという形なので、基本的には「面白くなかった本」というのは紹介されてません。一応、論の掘り下げ不足などが見られる本については注文をつけたりしてますが。
科学と言っても範囲は広く、専門の薬学や関心が深いと思われる宇宙に関する本はもちろんのこと、生物学や物理学、地学などもざーっと網羅されてます。新書サイズであることと、元の書評が短い(新聞掲載を考えると仕方ないところですが)ことから、一冊あたりの紹介の度合いが薄いのが少し残念。ということで、☆は3つ止まりかな。
とは言え、面白そうな本はかなりたくさん紹介されてます。科学というざっくり広い分野に関心はあるものの何処から入ったらいいか分からない人にとっては好い指針の一つとなるでしょうし、中学生ぐらいまでのお子さんがいる方なら、子どもと一緒にこの本を読んで関心のある分野を見つけてみるのも面白いかも知れません。