瀬名秀明のレビュー一覧

  • 科学の栞 世界とつながる本棚

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    どうしても、自分だけで本を選ぶと、似通ったものを選んでしまいがちだ。
    まして、科学の本なんて、何を読んでいいか、わからない。
    幅を広げたいと思って、本書を読んでみた。
    結構影響を受けやすいらしく、少し前に読んだ柴田元幸さんと高橋源一郎さんの書評本を読んで、阿部重和とか、町田康なんて買ってしまったくらいだ。

    初出は朝日中学生ウィークリーや、中央公論、日経新聞などで、2007年ごろの書評。
    瀬名さんの文章は、とても爽やかだ。
    科学の楽しさ、その本の価値を真摯に伝えようとしているのだけれど、堅苦しくも、暑苦しくもない。
    アルツハイマー病研究のために、死後自分の脳を差し出す修道女たちのについての『100歳の美しい脳』。
    アメリカの電気産業が起こり、エジソン率いる直流か、ウェスチングハウス(今話題のあの会社!)の交流か、という争いの中で、電気椅子に交流を採用するに至った経緯を描いた『処刑電流』。
    その他にも、読んでみたいものがある。
    自分の力で読みおおせるか、やや不安だけど。

    読んでみたいものはたくさん見つかったけど…
    今日書店に行ってみたら、本書に取り上げられた本は、『春の数え方』くらいしかなかった。
    なんてことだ。

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    2017年03月12日
  • パラサイト・イヴ

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    ドキドキして面白かった。
    展開はテンプレ感があるが、題材が馴染みの薄い生命科学なので飽きることはない

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    2017年02月24日
  • パラサイト・イヴ

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    ネタバレ

    ミトコンドリアが人間に対する主従関係を転覆させようと、人間への反乱を企てる。脳死判定、臓器移植など当時議論を呼んだ話題が物語の最初に出ていて読者の関心を引きつけたことが想像出来る。臓器移植をした人間が「フランケンシュタイン」だと罵られることもショッキングだ。
    現在の常識から考えて腎臓の移植も死体から行われることが異常であり、生体移植のみが行われている。死者からの移植への抵抗感も描かれており、他の臓器移植も可能になった現代では薄れているだろうと思われる。小説ではあってもこのような抵抗感は当時の感覚に近いのだろう。

    物語の中盤までは人格の乗っ取り、終盤では新たな生命体の誕生という流れになっている。
    作者は自身がホラー作家だとしているが、この作品の中では化け物としてのミトコンドリアが計画的に事を運んでいる分、ミステリー的な要素がある。現在と過去が織り交ぜられながら語られていることもこの雰囲気を出している。
    特に聖美がドナー登録を言い出したのが本人の意思ではなかったことが終盤に語られるが、ここは鳥肌が立った。

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    2016年08月29日
  • 科学の栞 世界とつながる本棚

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    読み進めながら、隣に次に読む本が積み上げられていくような本。読みたい本がどっさり増えてしまった。
    瀬名秀明さんの書評は優しい。本を書いた側にもこれから読む側にも優しい。その本のいいところ、面白い読み方を必ず見つけてくれる。書評に限らず、レビューってそうあるべきじゃないか。
    もちろんくそみそにけなしたくなる作品だってあるし、そういうものに評価をつけなきゃいけない仕事もあるだろうけど、でも誰かに何かを紹介するなら、それの面白いところを伝えるべきだ。そうじゃなきゃ面白くない。
    瀬名さんの文章は本の出来不出来にも触れる。でもここはこの本にしかない面白さで、しかも必ず読め、それもこう読めとは言わないからいい。気になったらめくってみて、わからなかったら本棚の隅に置いておけば、そのうち読める日がくる。心に余裕のある、いい読書の仕方。
    次に何を読もうかと迷ったらぜひ手に取りたい本。これを読めばたぶんもう迷わない。

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    2016年05月24日
  • 新生

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    色々なものを下敷きに書かれているので、ちゃんとした方であれば小松左京を読み、ダンテを読み、日本SF的な素養を身につけた上で読むのでしょうが、山下卓さんがTwitterでつぶやいていたのを見て何も考えずに読みました。。

    読み進むにつれて難解度は増していくのですが、どういう訳か同時に文章に引き込まれていった感があります。
    きらびやかな言葉が紡がれて色彩さえ見えるようなコンサートの光景、気付かないうちに見てはいけないものをみてしまったかのように背筋が凍るようなダイヴの光景。文字だけでここまでできるものか。
    下敷きを知らないのと諸々の用語を知らないので、そもそも理解できていないという要素は多分にあるのですが、こんな本、ストーリー、世界があるのか、と圧倒されるような感覚を味わいました。

    また、作品内で描かれた未来の世界も非常に興味深かったです。たぶんにアカデミック寄りに引っ張られた世界だなぁとは思いましたが、こんな未来の姿もあるのかもしれないと考えさせられました。東日本大震災を受けて書かれたという側面も、大いに影響しているのでしょうか。

    万人に受ける作品では無いと思うのですが、個人的には凄い本だと思いました。瀬名さんの本をもうちょっと読んでみようかと思います。

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    2016年03月22日
  • パラサイト・イヴ

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    ネタバレ

    亡くなった妻の肝細胞のミトコンドリアが独自の意思を持ち
    暴走をする、という話。
    テクニカルワード満載で詳細をイメージすることはその筋の
    人でもないと難しい。
    中盤以降の展開は結構怖かった。
    不完全な肉の塊というのは、やはりグロい。

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    2016年03月09日
  • デカルトの密室

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    小難しい話が続き、分からんなぁと思いながら遠ざかると、ふいになんとなく共感できる部分が出てくるのでまた引き寄せられるの繰返し。
    ロボットの知能(あるいは心)を考えるとき、機械からは遠いように思われる哲学の問題が出てくるのは面白い。しかし、人間は自分の枠を広げることは出来ても越えていくことはできないが、ロボットには枠を越える可能性があるとのだろうか。しかし、ネットもロボットも所詮人間が作ったものである以上その枠を越えることは出来ず、個を越えるだけだから、それほど魅力も感じないが。
    ところどころ前に解決した事件、という話が出てくるが前作があったのか。そういう「設定」なのかと思っていた。

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    2016年03月08日
  • 月と太陽

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    短編5作。
    すぐそこにあるような未来のかたち。
    難解な部分も多いけれど、そこには温かみがあり、希望がある。
    それがこんなにもうれしいとは。
    わたしたちはどこまでゆけるだろう。

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    2015年12月15日
  • パンデミックとたたかう

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    適切に怖がることは難しい。震災前に書かれた本だが、震災後にパンデミック対策が進んでいるかといえばストップした感もある。

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    2015年12月05日
  • 月と太陽

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     瀬名秀明さんの作品を読むのは、日本SF作家クラブ会長就任前に書かれた短編集『希望』以来である。本作『月と太陽』は、日本SF作家クラブ会長辞任・退会後に刊行された。その間に何があったのか。現在では公式サイトも消滅している。

     『希望』は哲学的問いかけの連続で、僕にとっては難しい作品集だったし、瀬名作品から遠ざかるきっかけになった。久々に読んでみる気になったのは、本作の文庫版を見かけたからである。今回も戸惑うであろうことは、覚悟の上。

     「ホリデイズ」。瀬名さんが飛行機の操縦免許を取得したことは知っていた。作中の作家とは、ご自身がモデルだろう。もっと飛びたいけどお金がないとか、あまりに生々しいし、痛々しいではないか。作家としてヒットに恵まれているとは言い難いだけに…。

     一押しは「真夜中の通過」。瀬名さんとは母校が同じなので、キャンパス描写が懐かしい。JAXAによる「はやぶさ」のミッションを彷彿とさせる、人工衛星を巡る物語。それは一筋の光明だった。物語だった。こういう熱気を、僕はとっくに忘れている。

     ここからやや難解になる。「未来からの声」。タイトル通りのタイムトラベルネタだが、声だけが未来から届いたらしいという設定。本編には、東日本大震災と思われる記述があちこちに出てくるが、それ以前の過去にメッセージを送れるものなら送りたい。

     最も長く、最も難解な「絆」。前作『希望』の流れを汲んでいると思われるが、これが瀬名さんが考えるSFの形なのだろうか。結合して生まれた双子にとって、分離することは幸せと言えるのか? 哲学的な上に時代が大きく前後して、まったくついて行けなかったのが正直なところ。日食に関する話だけは興味深かった。

     最後の「瞬きよりも速く」は、未来への警鐘と受け取ることもできる。ここに描かれたのは、管理社会のなれの果てか。これに近い研究が密かに行われていても、おかしくはない。後半3編中、リアリティという点では最も訴える1編だろう。

     評価されないことへの苦悩をしばしば吐露してきた、作家・瀬名秀明。どうか執筆活動は続けてほしい。僕が作品を受け入れられるかは別として…。

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    2015年12月09日
  • パラサイト・イヴ

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    約20年ぶりの再読。面白かった。当時はドーキンスの『利己的な遺伝子』のことが出ていることすら気づかなかったなあ。仙台なつかしい。

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    2015年10月20日
  • デカルトの密室

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    ヒューマノイドが商品化される近未来を舞台に、人間の意識・知能とは何かを探求する研究者を巡るサスペンス。脳科学、哲学、心理学、コンピュータ・情報理論などが展開されるアカデミックな内容の中で、自意識を持ったロボントのケンイチがボクとして一人称で語るところは中々深い。考えさせられました。

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    2015年08月23日
  • 第九の日

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    SF/ミステリー/恋愛/科学/ロボット
    海外作品をモチーフにした中編集。
    もとの作品が分かる「メンツェルのチェスプレイヤー」と「モノー博士の島」が非常に楽しめた。

    とても印象に残っているのが、ロボットについての会話で、"システム化する、じゃなくて、もっとシステムになる"という表現。
    違いは何か、考えるのが楽しい。

    「メンツェルのチェスプレイヤー」「モノー博士の島」「第九の日」「決闘」

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    2015年05月06日
  • 新生

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    小松左京と東日本大震災を絡めた作品集。小松左京と言えば、日本沈没と大震災’95ということで、東日本大震災と関係付けるのには必然性がある。
    とにかく作者の小松左京愛に圧倒されました。特に「ミッシェル」の代表3作同時新解釈には口あんぐり。難を言えば真面目すぎるところか。もう少し矛盾があっても良かった気がするが、瀬名秀明らしさは充分に出ていました。
    個人的に「Wonderful World」は好きだな。別格扱い。

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    2014年04月13日
  • 虹の天象儀

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    時空を超える系のファンタジー。
    読後感は、なんだかふわふわした感じであまり強くないけれど、その分さらっと読めます。

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    2013年05月25日
  • 科学の栞 世界とつながる本棚

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    硬軟織り交ぜて、うまく興味をそそるように書いてるなあ。
    うーん、読まねばならぬ本がまた増えてしまった・・・・・・。

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    2013年04月04日
  • 大空のドロテ : II

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    ネタバレ

    一巻と比較して断然面白かったです。
    メダル争奪の場面は臨場感が溢れていたし、
    ノルマンディーからパリへ舞台が移り、ドロテとジャンを
    助ける飛行場の飛行士、整備士達、パリの子供達に
    ココロ温まりました。

    このまま一気に三巻へ突入したいです。

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    2013年03月02日
  • 大空のドロテ : II

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    1作目では、面白くなかったがだんだんと臨場感たっぷりになってきて面白さが出てきました。謎の解き明かす様子がやはり楽しいですね。3部が楽しみです。

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    2013年01月07日
  • 大空のドロテ : II

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    87:シリーズ続編。ルパンやドロテの両親、二億フランの行方といった謎解きの継続とともに、ジャンがドロテのニューポールに初めて搭乗するシーンがあって、胸熱。
    疣鼻の男の正体や「神の石」の真相が語られる次巻に期待大です。

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    2012年12月08日
  • BRAIN VALLEY(下)

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    ネタバレ

     なんだろうなぁ……。
     クライマックスで「引いて」しまったところがある。なんで自分があそこで乗り切れなかったのか。残念。

     あと、こー……予定調和な幸せ的なものはない気がする。ある意味リアルだが、物語の中で幸せを求める方には向いていない気がする。

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    2012年07月04日