入間人間のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
食堂のアルバイトのコックと同棲しているニートの女性。毎日ジョージ・ハリスンの曲を駅前でかき鳴らすが、全く収入のあてがない。高校でモテないグループにいる少年は、同級生の食堂の娘が気になる。ギターの女性の向かいに同棲している男は、万引きの多発する近所の本屋の息子。交わることのないそれぞれの人生が、ネットの掲示板と北本食堂の660円のカツ丼を中心に交差をし始める。
この人の本は実は初めてで、続編シリーズだらけの中から、1冊完結のこちらを選んだが、あら驚き、2/3は仕事をするでもない人たちのなんてことのない日常を描いた作品だ。奔放というか刹那的に動くギターを弾く女性や、刹那的に万引きを重ねる少年など -
Posted by ブクログ
ネタバレ表紙から想像できるような恋愛小説ではなく、全てを捨てて殺戮を決意した復讐劇… だと聞いて読み始めた。
最後まで読むとそこが本質ではないことに気づく。
まずこの小説は、我孫子武丸の「殺戮にいたる病」を例に挙げられるような、エゲツない描写のカモフラージュに包まれたどんでん返しミステリーである。5章の最後「俺が食おうと思ってたのに」で主人公へのイメージが一変する。実はプロローグで彼女である東雲陽子を車椅子の男たちに食べられていた「拓也」は、1〜5章のタクヤとは別人だった。
さすがに拓也さん、あんな目にあったとはいえ人格変わりすぎでは、と思っていたが人どころか時代まで違っていたのである。
ネタバレを -
Posted by ブクログ
本編が終了した後の二十歳の時や社会人になり同棲している時、安達や皆の死後のおばあちゃんになった時、死後、3700年後の安達としまむらを描いた短編集。
登場人物の心情が丁寧に掘り下げられて描かれており、時を経て変わってしまうこともあるものの安達としまむらのお互いを思いやる心や愛は変わらないことがヒシヒシと伝わってきた。また、死後の風景は今までの軌跡を思い返すような美しい描写で、幸せな最期を迎えられたと知れたのが嬉しかった。
どこまでも時間の流れに対し無力な人間に対し、全く変わらないものとして、ヤシロの存在があり、3700年経ってもしまむらの願いを叶えているのが象徴的だった。二十歳になった章