入間人間のレビュー一覧
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“「上手くいくように願うしかないわな」
二人で手を合わせて祈った。時間が無駄になりませんように、と。
十秒ほど口を噤んで、エニグマ作戦の成就を祈願した。
「さて、と」
それを終えてから部屋を軽く見渡す。リビングには他に手をつける場所が見当たらない。
「こんなものかな、やりすぎると家を荒らしただけになるし」
「そうだな」
「よし、そろそろ撤収だな」
「ああ、よっこいしょ」
木曽川がすくっと立ち上がる。その後、背中側に少し足がよろめく。
「いやよっこいしょじゃない」
「僕らの歳ならまだどっこいしょか?」
「なんで立ち上がるついでにクマのぬいぐるみを背負う」
「ウチで一緒に暮らそうと」
「管理人に目撃されるとかそういうレベルじゃない。泥棒だ」
我ながら指摘の順番が狂っている。木曽川菌に感染して若干、倫理観が変質している最中なのだろうか。
「分かったよ、書き置き残しておくから」
「何を分かったんだ」”
続編出た。うれしす。
木曽川とルイージのやり取りがもう楽しい。すごい楽しい。
探偵役と殺人鬼の仲が良いというのは戯言にもあるけど、この二人の仲の良さは、何だ、その、1と0とはなんか別次元。
漫才とか、できそう。
“「家が気に入らないから出たっていうだけじゃないの?家出の理由なんて」
「ま、そーだけど」
「ぼくもそうだし」
「えっ」”
二話目が、ちょっと気味悪い。うん。
あとエピローグがちょっと切ない。うん。
……というか、このエピローグの少女、トーエ、じゃぁ、ないよなぁ……。
あー、続編希望。ってか、きっと出るよな。
“「今の話、本当に信じたわけ?」
桃子ちゃんがぼくを、新種として捕獲された深海魚か何かを見るように、物珍しさと疑惑の募った目線で見据えてくる。自分から言い出して、この子は何を言うのか。
「桃姫様を疑う理由がぼくにはないからね」
自分を騎士に見立てて、恭しく一礼してみる。無論、「キモッ」大不評だった。
桃子ちゃんが鼻を鳴らして、気分の尖りを如実に表すように下唇を突き出す。
「……ふんだ。その信用が何日持つか見物ね」
「信用というか、信頼だね」
訂正を口にすると、桃子ちゃんが目をつり上げる。憤りと、後は何かな、疑心?
「じゃあルイージが動いて頑張って証拠集めて、この事件を解決してみなさいよ」
「それは無理」
「どうしてよ」
「今日も迷える子犬を捜さないといけないからだ」
それがぼくの探偵になった理由なのだから、多少のことで見失ってはいけない。
そんな探偵像がお気に召さないらしく、桃子ちゃんはそっぽを向いてしまうけどぼくの方には、彼女への信頼を『覆さない』ことを、犬捜しと両立出来る自信が確かにあった。” -
Posted by ブクログ
オビにも採用されている、
「長瀬。
お前が死ななくても、僕は生きていけたのに。」
は名文だと個人的に思う。
絶望感が半端ない。長瀬の死に始まり、まだ誰かは明かされていないがみーくんの知り合いが何人も殺されている。その死の理由が「みーくんの知り合いだから」ときたら、そりゃクループに陥るのも無理はない。
これまでの話から、まーちゃんだけでなくみーくんも十分に壊れていると思っていたが、今回の話でその考えが完全な間違いであることに気付いた。元彼女や知り合いを殺されて狂ってしまい、犯人に対して復讐の殺意を抱くなんて、普通の人間の普通の反応じゃないだろうか。みーくんは「自分が壊れている」と嘘をついているのではないか。また、ゆずゆずとのべろちゅー(妄想)のシーンでも、みーくんが普通であることを僕は感じた。
次の巻で完結か・・・読みながらそんな感じはしてたけど。犯人は誰かな、まーちゃんを連れていくところや、みーくんが『ぼくの事件』って言ってるところから菅原かなと勝手に予想してみる。つうか犯人よりも殺された人たちの方が気になる。ジェロニモさん、絵で美人さんだったので死なないでくれ。にもうと、絵で可愛かったので死なないでくれ。恋日先生、あなたが死んだら『i』のレビューで僕が言ったことが全く無意味になるから、特に死なないでくれ。逆に死んでいいのって誰だよ?金子と赤池と稲なんとかくらいじゃないか!
そして、まーちゃんは似非のみーくんを天野くんとして理解してはくれないのだろうか。
次巻の発売が待ち遠しい。・・・待ち遠しいが完結するのは寂しい。 -
Posted by ブクログ
「みーくん」を形成する過程の物語。今巻でようやく「みーくん」のフルネームが明かされる(まあこれ以前にもなんていう名前か推測できる書き方はされてたけど)わけだが、この名前を見ると、画面から出てくる女の子を連想してしまうねえ。あと、長瀬と一時期名前を交換してたらしいけど、長瀬が「みーくん」の名前になると、こっちは昔のロリ系AV女優を思い出してしまうw
五編の短編が収録されているが、僕が一番気に入って嫌いなのが最後に収録されている「とってももしもにもしかして『壊れていない正しさのある世界なら』」。これまでに登場してきた人物が誰一人壊れていない幸せなif世界の物語・・・だけど、恋日先生が(多分)死んでる。それで「正しい世界」かと言われたらたぶん違う。現実には恋日先生は(ニートだけど)生きてるし。それは「みーくん」に関わったから生きているのであって、そのことを考えると、「みーくん」を取り巻いてきた境遇も「正しくない」と言えなくなる。if世界(というかlie世界?)の「みーくん」の父が言ったとおり、「人間は最善の道しか選べない」んだと思う。生きてきた道が、畢竟、最善になるんだよ。
あ、でも、現実でも嘘世界でも伏見の可愛さは普遍で不変。ゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆゆ。 -
Posted by ブクログ
“「取り敢えず君が落ち込んでいるようだ、と結論を出したかった」あ、ふて顔だ。珍しい。
「はい、じゃあそう出ました。その後はどうします?」
「こうする」もう一度、頭を撫でられた。包み込むように、先生の手が大きく目に映る。
安らぎとか眠気が、実態となってぼくを扇いでいるようだった。
先生は言う。ぼくの顔を覗き込んで、柔らかい顔のまま。
「疲労と不安を纏めて解決するなら、触れ合いが効果的なときもある」
「……………………………………」
「アタシの手でも、まだ君を落ち着かせられる?」
「……はい」
落ち着いた。落ちるしかなかった。ぼくは何も抗えず、陥落させられる。
他にも何か、落ちた。地面のように冷たいものが、顔を伝う。それは絶望の温度だった。
今にも落ちてきそうだった絶望が、ほんの少しだけ顔を覗かせる。ぼくのこころが脆くなった瞬間、本体が丸ごと落下してくる手筈になっている。それの様子見だろう。
だらだらと、ぼくから落ちるものがいっそう冷たくなる。先生の手とは別種の冷淡さが含まれていて、正直ちっとも好きになれそうにない。これが本格化したら、少し辛い。
だから今は死ぬほど明るい話題を提供して、何もかも飛んでしまえばいいと祈った。”
長瀬は死にました。
誰かも死にました。
また誰かも死にました。
もう一人誰かも死にました。
まーちゃんはみーくんを判らなくなって誘拐されました。
それでも殺人鬼はみーくんをとことん追い詰めていく。
“『で、本題に入るけど次は誰を殺そうって相談なんだ』
「 」
『坂下恋日?天野×音?上社奈月?伏見柚々?長瀬一樹?あー、他の名前は今思いつかないけど』
「 」僕に似た奴がその中にいないのは正確な選定だった。
『最終的に全員殺すつもりだけど、順番、いや優劣が君の中でどう出来ているのか気になって』
「 」
『指針がないなら、こっちの気分任せで決まるけどいいかな』
「……あなた、誰ですか?」やっとそこで、自分が喋っていることに気づいた。
『昔、きみのお父さんを先生と仰いだ者だ』”
普段から死体を見慣れているとかぬかしていたけれどやっぱりみーくんも人間で、長瀬の死には動揺せざるを得ないようでそれを見事に表している文章の破綻っぷりが逆になんか、辛い。
みーくんの心境が、辛い。
そしてそんなみーくんを何気に助けるニー日先生とかナンシー・オーエとかの優しさがなんか切ない。
“「夢を見ようとしていた」”
ナンシー・オーエが弾いた一曲目はもしかしてもしかすると「MOTHER」だったりするのだろうか。
だとしたら、そりゃあ、まぁ、泣けるに決まってる。
長瀬以外に殺された方は一体誰で殺人鬼は一体誰でまーちゃんはどうなってみーくんはどうなるのか。
みーくんの周りにそれでも存在している人が世界が日常がどうなるのか。
うー。
あー。
“「でも話を聞いていて思ったのだけど」
湯女が思わせぶりな言葉の止め方と流し目で、ぼくの反応を促してくる。
「……なんだよ」
「貴方って、普通の人より脆いのね」くっく、と可笑しそうに笑いを零す演技。
「……………………………………」止めてくれよ。本当に、嫌なところを突く。
自覚しているから、言及を避けていたのに。
(中略)
「ぼくは」知り合いを次々と殺していく殺人鬼を相手に、「何をすればいいんだろう」
「あら、貴方は何かしたいの?」”
10巻が待ちきれない。
でも、次が最終巻なんだよね。
だったらやっぱり待ちたくない。
この話の終わりを認めたいとは思わない。
でも、やっぱり彼らの続きを知りたいから。
せめて、続きのある終わりを。
“「まずは何処へ行くつもり?」
「ちょいとハッピーエンドまで」” -
Posted by ブクログ
おれはこの巻で、やつの…藤和エリオの愛らしさを、ほんのちょっぴりだが体験した。
い…いや…体験したというよりは、まったく理解を超えていたのだが……。
あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
「おれは 1巻では確かにリュウシさん派だったんだ。……だが、2巻を読み進めていく内に何時の間にやらエリオ派になっていた。」
な…何を言っているのかわからねーと思うが
おれも何がどうなったのかわからなかった…。
頭がどうにかなりそうだった…萌えだとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。
……エリオ可愛かったよエリオ。 -
Posted by ブクログ
<内容>
大江家を脱出して、無事まーちゃんを元に直したが……
やはり、平和な日常というものは訪れないもので、体育の授業をさぼって、まーちゃんとらぶらぶしているところに、人間をお辞めになったらしき侵入者が学校に来訪してきた……
<感想>
え?え?え?
こう終わりますか…………?!
なんかこの巻はこの一言に尽きるかもしれない。
てか、あとがきまで凝りすぎだろwwwwwwwww
リアルタイムじゃなかっただけ俺は騙されなかったものの……いや、これはまじで……orz
まぁ、正直こういうラストでもありかなぁ~とは思うけどね。。
次の巻短編集 アフター&アナザーとかね。
しかも何が酷いって、次回作に期待っていっといて本当に次回作出してますからねwwwwwwwwwwwwwwwww
いや、もう流石www -
Posted by ブクログ
<感想>
みーまー初の続き物。
異常な家族での異常な殺人事件。
何といっても、みーまーの本領はここにあると思うのですよ。。
解決するには同じ異常なみーくんでしかできない……そんな感じの。
そして、今回は特に、展開が素晴らしい。
しかも、オチが複数の犯人による犯行であり、連続殺人事件ではない。。
まぁ、これは良くあるオチですが、この本はそれにきちんと理由ができている。
例えば、先になりますが、みーまー7巻なんかだと理由が希薄ですね。はい。
あとは、家族のキチガイっぷりが良い味でてますね。
これがないとみーまは成り立たないと言っても過言ではないと思いますが……それにしても、ここまで頭のネジが外れている人を理論立てて書けるあたりに脱帽。。
まじで……いいです。
ドッキドッキのハラハラでした(意味不 -
Posted by ブクログ
“「みーきゅーん!」背後から、腰に思いっきり抱きつかれる。アメフト選手を参考にしましたという感じの、足を掬われるタックルに近い。まだ窓を見つめていた僕の額は硝子に突撃した。
「ぎゃー」効果音がゴツッ、でありバリーン!ではなかったのを不幸中の幸いと言う。
「りょ・こ・う!りょ・こ・う!ケチンボみーくんの奇跡がやっと始まったのねー」
「どれだけ出不精で財布の紐が固い奴に思ってるのかな、まーちゃんってば」
「でもそーいうとこもなんかみーくんみーくんしいから好きー、しゅきしゅ、ぢゅー」
ちゅーっと頬を吸われたりする。
少なくとも財布は紐じゃなくて、中身が問題だろう。
(中略)
……まぁ、いいか。巻き込まれたくないし。
過激な物騙りは、もうたくさんだった。
僕は関わりたくないし、マユを関わらせたくもない。
日常の価値は非凡であるというのが、当初から一貫して訴えているテーマなのですよ。”
9月のシルバーウィーク(かな?)を使ってホテルに泊まりにきたみーまーご一行。どうやら、悪意も跡をつけてきたみたい。
ロリコン探偵:花咲太郎
災難エスパー:トウキ
自殺者の妹の自殺志願者:山名美里
何かと鋭い小説家:橘川英次
胃痛の激しい大学生:種島檜垣
相当危ない主婦:桜山エコ
どこぞのおっさん:椎名幸治
小説家の飼い猫:白猫
青髪宇宙人:エリオ
その母親:メメ
探偵事務所の外国人:エリオット
そっくりな親子:??
猫かぶりの彼女:椎名夏実
青スーツの金髪男性:??
さり気に元凶:中咲柘榴
あらしろとかしんじょうとかいう殺人担当:??
んー、一言でいうと、楽しかった。
読み応えは十分。
視点がころころと変わりさっきまで隠れていた一面が顔を見せる。
終わり方からして、これからも出てくる人がいそうなだなーとか。
種島君視点の最後とかただただ疑問しか残らないし。
ただ、橘川さん、何気にいいこと言うなーっていう。
“「死ねないなら、生きてろ」”
いっちゃん心に残ってるし、この言葉で救われた彼女視点の最後とか、めっちゃ、その、なんだ、良い。
“「自殺すんなよ」
振り向いた少年が、目の合った時より一層、驚きを訴える。
お、なんだなんだ?本当に自殺を決行する気だったの?
仲間?似た人=自分との親近感?だとしたら見る目あるけどね。
でもその小指の糸くずじゃあ、首は括れないよ。
少年は落ち着きを失い、二度、床を踏みつける。肩が強ばったまま地面を見下ろして、息が荒くなり。爆発してしまいそうな危うさを内包した少年が、嫌な汗をかいている。
なんかマズイことに触れちゃったかな、と後悔しかけた。
だけど顔を上げた時。
少年は歳不相応に子供じみた、頬の形となって。
泣きそうなのに、この上なく明るく。
とても愉快そうに、微笑んでから。
「どっちだよ」
私以外の誰かにも突っ込むような、軽く、明るい言葉だった。
似合わねー、と私はその目の不透明さに噴き出してしまう。
そして、出てきた少女と少年は小指の糸をむーすーんーで(うげっ)となって、料理屋の方へ並んで歩いていってしまった。少年の横顔が妙に満足そうだから、言った甲斐があるものだ、と自己満足を十分に摂取出来たのでしたとさ。あー、悪くない気分だ。”
今回の事件、みーくんまーちゃんは直接的には関わっていない……のかな?間接的接触?
登場人物が互いに互いの失点を浮かび上がらせるって感じ。
みーくんまーちゃんが事件と正面から向き合うことは今回はなかった。
だけど。
この、終わり方はないだろう。
は?
としか言いようがない。
次巻の始まりが“嘘だけど”だったらさすがにみーくんを殴りたくもなるのだが。
さてはて。すでに始まっていた次の事件。悪意の巣食った相手は、誰?
“当たり前のことだけれど、僕がいなくても街は生きている。
一時停止で僕らの帰還を待ち侘びることもないし、変化を躊躇わない。
現実は蠢いて、様々なものを取り込み、時に中枢を侵食される。
例えば自然災害。例えば流行。例えば狂騒。
例えば、悪意。
それは、海のない街にまで届いてしまった津波のように。
僕とマユが帰った時、街は大きくざわめき。
そして僕にとって、とんでもなく、ろくでもない事件が既に始まっていた。
長瀬透が、殺されていた。” -
Posted by ブクログ
“「……ふおぉ」深呼吸。むせた。
大関とかに後押しされてたら、本当に落下して先生の花壇を彩るところだった。
そしてその場所には毎年、きれいな赤い花が咲いて村人はそれを……話が進まないのでよいこの昔話はそっと棚に戻して、叫ばねば。
「死ぬって、こっわー!」
こころはさておき、身体は拒絶はしまくってる。
「おあー……心臓すごっ」
ていうか、心臓どこ?っていうぐらい手首や首筋、足の付け根までばっくばっくと拍子を打っている。
冷や汗もすごい。手があっというまにぬめりとしてる。……と思ったけどこれは手洗いしたときのせっけんの名残だった。
「……かっこわるいなぁ」
生きることを上手くできないやつは、死ぬことも上手にできないのか。
こんなにみっともなく、ひざまずいて。
コツとかあるのかな。
フェンスから飛び立とうとしてる人にでも、聞いてみようか。
「そうしようそうしよう」
服装を整えて、ついていた膝を持ち上げる。フェンスを一回、手の平で撫でてから反転する。
「また来るよ」
うそじゃないよ、きっと。”
MAGAZINEに掲載された短編の集合体。
ぼくが僕になる前の、小学4年生(二回目)の話。
『i』の意味は…一人称としてのぼく・僕、読み方の××…これくらい?他にもなにかありそうだけど…。
春:自殺志願者と会う
夏:いじめっ子と遊ぶ
秋:妹に蹴られる
冬:みーくんになる
ぼくが僕になる前のせいか、いつもの僕らしさが無いというかなんというか。
ぼくの本音が所々に。主には、
“確実に、ぼくは弱っていて。
「でも」
嘘をつき続けて相手も騙されてそんな虚偽に囲まれて生きるのがこんなに大変だなんて知らなかったから、今、正直に縋って、
「でも、
……でも、
ぼくといたときはぜんぜん、幸せそうに見えなかった」”
……まーちゃんのこと。
ぼくにしてはだいぶ複雑な問題だよねこれは。
ぼくがかわいそうに思えてくる。
……それとは反対に、妹のイメージがだいぶ変わりつつある。
“「……なに?」
「べつに。帰ったら、何しようかなって」
ぼくはそうやって、何事もなかったようによそおって、こころであばれる色んなものを閉じこめる。その方法とか、それで何とかなることが多いのを、少し知った。
……でも。
妹の足がくたっとしおれて、代わりにいやそうにくちびるが開く。
「あの、さ」目を逸らす。
「なに?」見つめる。
「おにぃ……あ、あ、あ、」
「ん?」
「……あくま」
「なにそれ」はたらきありから出世したのか、ちょっと悩む。
「お、あ……あにー、ちゃん、あり、あり、このあり!」もっと照れて、真っ赤になる。
「……だれそれ」なんて、分からないふり。
ちょっとだけ、頬がぐきゃ。
本当は誰でもよかった。
何のことか分かったから。
はたらきありのおにいちゃん、ね。”
にもうとかーわい。
最後の話も結構楽しめた。
平和なはずなのに、どこかで感じる些細でむず痒い相違点。
………あーやっぱり普段の僕のほうが好きだな。
続きもまだでるみたいだし、かなり楽しみ。
……あー、あー、だけど、やっぱり、
嘘だけど。
“こうして、
ぼくのこころの逃げ場所は、フェンスの裂け目と青空に決まったのだった。
何かと高いところが好きなわけだし、お似合いだ。
「……うそだけど、」
変換して、
嘘だけど。” -
Posted by ブクログ
“……悩んだフリは、本当に無意味だと知ったから。
だから、病院を脱走してきた。
何度でも繰り返すさ、愚かだから。
そして、この身体でも事件が解決してしまう方法を実践しよう。
僕の失ったものが、肩を揺らす手の届かないところで眠ってしまわない為に。
「というわけで、話の成立しないアホが参上致しました」”
続きが半端なく気になっていたので眠気を押し込めて夜更かし読破。
ふぅ。
結論。
みーくんは死にましたまーちゃんも死にましたそして話は敗退へと歩を後を見据えて前向きに進んでいきました。
嘘だけどー。
みーくんは生きてました。
まーちゃんも生きてました。
にもうとも実は生きてました。
ゆーなんは生き延びました。
茜は生き延びました。
海老原は亡くなりました。
ほんと、びっくりばっかり。
“みーくんを。幸福の証明を、生存の意味を、最古の記憶を。
マユ子さんの狭窄な世界は今は穴あきで、本人はそれを埋めるのに必死なだけ。
つまり、道筋なんか放っておいて、結論だけ引っ張りだすと。
誘拐という状況に程近い(むしろ当人じゃない)位置に身を置けば、『みーくん』が登場人物として生じるのでないか。マユ子さんの動機は、そんなところではないかと思うのよね。”
初盤を語るは『物騙り』役の大江湯女もとい佐内利香。
こっちの事件は少し怖かったけどね。
ゲームの対象となった鶴里新吾。
出番がほんとに少なかった吹上有香。
リーダー的な今池利基。
上記三名はばらばらに。
仲間外れな久屋白太。
上記一名は亡くなられて。
大江湯女と大江茜は貧乏貧弱食費切り詰め生活を強いられて。
金子は毎朝次郎(犬)の散歩で。
残る一人は犯人で。
うーん。
金子はどこまでも金子だね(意味不明)
彼が一番まともに見えるよ。
んま、それで、
“遠くから、何かが大気を切り裂く音。次いで、音色が弾ける。
この夜空で繋がる何処かで、僕の恩人達がその花火を見上げているんだろう。
鉄棒を地面に投げ置く。
土下座のように膝を突いて、墓に縋った。
「あなたが死んでくれたお陰で、僕は生きてます」
海老原香奈恵にそう言った。
久屋白太にそう言いたかった。
そして天野海豚に、そう言っていた。
僕は死人にまで支えて貰わないと、生きられないんです。
(中略)
足腰が更に崩れて、墓に肘をぶつける。そのまま墓石に抱きついて、身体がずり落ちていく。人間味の不足した冷たさが心地良い。溶けて消えそうな身体と意識が凝固する。
「涙……初めてなんだ。僕は墓参りしても、報告とか、しなくて、表情だって変えないで、何の意味もなくて。夏だから、一晩保たずに乾くけど。だけど僕は今、確かに泣いているんです」
擦りつけた涙を、海老原はどう感じるんだろう。ごめん、僕はきみの性格を知らないから。何を許してくれるとか、一生根に持ったのかも知れないとか、何も分からない。
だから、僕の世界にいなかったきみの死を、あくまで自分の為に哀惜してることを認めるよ。”
…海老原が亡くなって。
だけど、だから、バカップルは皆の世界の雑音として生き延びた。
しぶとくしつこく生にすがったかのように、生死をさまよったあげく、みーくんは生き延びました。
…嘘じゃないんだ。
みーくんはきっと結構かなり海老原に感謝してる。
自覚付きの涙を流して。
自分の周りに死があったからこそ、自分は生きていられる。
…深いなぁ。
“うちの妹、抱きしめるとキューッて鳴くのよ。「きゅー」腹に肘打ちされた僕がな。”
再び病院に舞い戻ったみーくんの周りはいつも通り…否、いつも以上に荒れ模様。
面白い。
ナガナガと、ゆずゆずと、にもうとが見舞いに来たのであーる。
僕の病室内は大荒れ暴風洪水警報発令中。
…嘘じゃないのだ。
やばいやばい、最後の章は噴きまくり。
面白すぎ。
そしていつものいつかのみーくんがかえってきた。
彼はいつものようにいつもと違う嘘を吐き続ける。
その中に微量の本当を含ませながら。
だから、今日これからもバカップルはバカップル。
変わらない日常がまた廻っていく。
…あ、気付いたことひとつ。
目次にて、「Remember1?」が「Remenber1?」になってた。南無。
“周囲の人が死に絶えてきたから、僕は今、幸せ。
他人の幸福を奪うか他人に不幸を押しつけない限り、人は幸せになれない。
どう足掻いても。塵が積もることを許さない、綺麗な世界に踏み入れたとしても。
与えるか奪うか。されど幸福は与えられず、不幸は奪えず。
だから、逆に言えば、(中略)
ぼくの不幸が、きみの幸福でありますように。”
………ちなみに。
この話はもうちっとだけ続くんじゃ。
6月の新刊予定にて「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん『i』 記憶の形成は作為」が。
……嘘じゃないのだよ。
“「みーくんとまーちゃんががっしーん!とぶつかるのが全てなのです」「まぁ大体その通りかな」「ちょーはっぴーえんど!」「その通りー」
いやーごめん。やっぱ僕、ちょー幸せ。” -
Posted by ブクログ
“「じゃ……何とかしようか」やる気を脂身のように削いで、淡白に行動開始を告げる。
「もが!」マユの振り上げる右手がぐるぐる回転して、『僕らの』日常の拍車を揶揄する。
嘘だけど。
「……毎度お馴染み」
はんにんたいじの、
はじまり、はじまり。”
六月二日。
今日もまーちゃんとらぶりーなみーくんこと僕がカレーを嫌いになった日に、銃撃犯(共犯者あり)は体育館へと意気揚々鼻歌を歌いながら狩りへとやって来た。…いやだなぁ、嘘だってば。
うーん、
先生がジェロニモに頼んだ仕事の内容とか、
表紙のまーちゃんの目が充血してることとか、
まーちゃんの帽子についてるレースが裏表紙ではなくなってることとか、
裏表紙のまーちゃんは花を持っていないこととか、
裏表紙のまーちゃんのスカートの右下に花らしきものが見えないこともないこととか、
謎はいっぱいあるけれど、みーくんの語り言葉が面白かったよ今回も。
ただ、一番気になるのは、
“で、さ。
あいつらの、どっちが死んだの?”
本当にみーくんとまーちゃんのどっちかが死んだのかってこと。
私は、恋する女子剣道部部長こと海老原香奈恵が死んだんじゃないかと思う。
病院で聞いた言葉は、
“あの日一人死んだ生徒がいる”
ということ。
別に“体育館で”と言った訳ではない。
したがって海老原香奈恵が亡くなったとしても“あの日一人死んだ生徒がいる”という言葉に何ら矛盾はうまれない。
…嘘にしとくけど。
あと、今回はやたら視点が変わる。
…あ、嫌な訳じゃないむしろ楽しかった。
特には先生と、みーくんの女版。
他人から見れば非日常。だけど彼らから見れば日常を送っていたみーくんまーちゃん。
他人から見れば非日常。そして彼らから見ても非日常(嘘?)なこの話。
そして彼らに関係ないはずのない人々の日常にも、彼らが関わってきているのがわかる。
だけど、それでも、
“何ヵ月か前に『おにいさん』に名前を聞いて、あと仲良くしてって言われたから、”
“「とーるがいないから、じゃなくて、こーた君だから、だよ、って」”
“嘘だけど。……ってこれはあの子の口癖だってば。”
“「通例に沿って問いますが佐内利香ちゃん、貴女は今幸せですか?」
「仮宿にやって来た男女の所為で、経済的にはそれほどでも。ただし、不幸が日常に取って代わる気は、あまりなさそうな毎日ね」”
それが、周りの人たちにとっての日常で、
みーくんまーちゃんは周りの人に影響を与えているけどだけどそれは全てが悪い影響というわけでもなくて。
……あーあもう自分でも理解不能緊急思考停止閑話休題。
……、…まぁ、とりあえずはみーくんに“見せかけ”の××情でも注ぎながら7巻がでることでも祈っておきましょうか。
彼らが死んだなんてこと、嘘だけど。って自分に言い聞かせながら。
“終わる。
今度こそ人生から飛び降りる。
………………………………………
これが最後の嘘になるかも知れないのなら、
無理難題な希望に縋ってみようと、思った。
僕が死んだら、まーちゃんは ?”