入間人間のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ゲームから妄想される真の妄想オムニバス。
妄想の中で真が前川さんと結ばれたり、リュウシさんと結ばれたり、エリオと老いたり、未来だったり、40歳児と結ばれてしまったり。前川さんリュウシさんルートの妄想の中での真はみーくんと黄鶏くんを足した感じにw
妄想ストーリー中に、選ばなかった未来について思いを馳せるシーンがあるが、それはまさにゲームをしているときに思い起こることであると僕は思う。例えば「Kanon」をプレイしているとき、舞ルートに行かなかったら舞はどうなってしまうのか、栞ルートに行かなかったら栞は死んでしまうのか、あゆルートに行かなければあゆは眠り続けるのか、などと僕は考えてしまう。作者 -
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Posted by ブクログ
“「上手くいくように願うしかないわな」
二人で手を合わせて祈った。時間が無駄になりませんように、と。
十秒ほど口を噤んで、エニグマ作戦の成就を祈願した。
「さて、と」
それを終えてから部屋を軽く見渡す。リビングには他に手をつける場所が見当たらない。
「こんなものかな、やりすぎると家を荒らしただけになるし」
「そうだな」
「よし、そろそろ撤収だな」
「ああ、よっこいしょ」
木曽川がすくっと立ち上がる。その後、背中側に少し足がよろめく。
「いやよっこいしょじゃない」
「僕らの歳ならまだどっこいしょか?」
「なんで立ち上がるついでにクマのぬいぐるみを背負う」
「ウチで一緒に暮らそうと」
「管理人に目 -
Posted by ブクログ
オビにも採用されている、
「長瀬。
お前が死ななくても、僕は生きていけたのに。」
は名文だと個人的に思う。
絶望感が半端ない。長瀬の死に始まり、まだ誰かは明かされていないがみーくんの知り合いが何人も殺されている。その死の理由が「みーくんの知り合いだから」ときたら、そりゃクループに陥るのも無理はない。
これまでの話から、まーちゃんだけでなくみーくんも十分に壊れていると思っていたが、今回の話でその考えが完全な間違いであることに気付いた。元彼女や知り合いを殺されて狂ってしまい、犯人に対して復讐の殺意を抱くなんて、普通の人間の普通の反応じゃないだろうか。みーくんは「自分が壊れている」と嘘を -
Posted by ブクログ
「みーくん」を形成する過程の物語。今巻でようやく「みーくん」のフルネームが明かされる(まあこれ以前にもなんていう名前か推測できる書き方はされてたけど)わけだが、この名前を見ると、画面から出てくる女の子を連想してしまうねえ。あと、長瀬と一時期名前を交換してたらしいけど、長瀬が「みーくん」の名前になると、こっちは昔のロリ系AV女優を思い出してしまうw
五編の短編が収録されているが、僕が一番気に入って嫌いなのが最後に収録されている「とってももしもにもしかして『壊れていない正しさのある世界なら』」。これまでに登場してきた人物が誰一人壊れていない幸せなif世界の物語・・・だけど、恋日先生が(多分)死ん -
Posted by ブクログ
“「取り敢えず君が落ち込んでいるようだ、と結論を出したかった」あ、ふて顔だ。珍しい。
「はい、じゃあそう出ました。その後はどうします?」
「こうする」もう一度、頭を撫でられた。包み込むように、先生の手が大きく目に映る。
安らぎとか眠気が、実態となってぼくを扇いでいるようだった。
先生は言う。ぼくの顔を覗き込んで、柔らかい顔のまま。
「疲労と不安を纏めて解決するなら、触れ合いが効果的なときもある」
「……………………………………」
「アタシの手でも、まだ君を落ち着かせられる?」
「……はい」
落ち着いた。落ちるしかなかった。ぼくは何も抗えず、陥落させられる。
他にも何か、落ちた。地面のように冷た