あらすじ
世の中には、いろんな人たちがいる。男と女。彼氏と彼女。親と子供。先生と生徒。そして爺ちゃんや婆ちゃんとか。その中には、「ダメ人間」と「しっかり人間」なんてのも。あるところに、年齢も性別も性格もバラバラな「ダメ」と「しっかり」な男女がいた。それぞれ“事情”を持つ彼らが描く恋愛&人生模様は、ありふれているけど、でも当人たちにとっては大切な出来事ばかりだ。そんな彼らがある日、ひとつの“糸”で結ばれる。とある掲示板に書き込まれた「カツ丼作れますか?」という一言をきっかけに。入間人間が贈る、日常系青春群像ストーリー。
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今は失われし、僕らの産まれた憧憬の時代。
僕がハイハイしていた頃か、それとも幼稚園に通っていたのだろうか。昭和の時代よりずっと魅力的に感じる。セピアがかってなんていないあの夏へと。
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ネットの掲示板に書き込まれた「カツ丼作れますか?」の一言に反応したそれぞれの人々の短編集。童貞、処女と憎まれ口を叩きあいながらも仲のよい高校生の2人が微笑ましい。食堂を始めた老人の話も心温まる話だった。
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"アタシの人生はいくつになろうと、まだまだこれからが信条なんで。"
"人が変わるキッカケなんて、立派なことじゃなくていい。
大層な志とか尊い決意とか、そういうものでなくてもいい。
是非もなく、どうあってでも動きたいと思ったのなら、それに従えばいい。"
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人の決意は意外なほど小さなことから生まれるのではないだろうか。
それはもう、見つけるだけで奇跡のような。
などと言ったら青臭いだろうか。
平和な日常をもう少しだけ幸せに。
心が温まる短編集。
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毎年夏がくると読み返してるなあと。
入間人間さんの著作で一番好き。
各キャラクターののんびりさと、ゆるくてすてきやなーと思える空気感が最高です。私もカツ丼は好きです。
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初めての入間一間の書物。みぃちゃんとかパラッとは読んだことあるけどそのへんの作風とは違って言葉そのまま日常の物語。オムニバス形式で、キャラの言葉の掛け合いが面白い
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きっと根拠なんかないその楽観的な意見に、
あっさりとやられてしまうのだった。
(While my guitar gently weeps/生きてるだけで、恋。/パタパタパタ/愛とか祈りとか/老人と家/Q.これはオフ会ですか?A.いいえ、カツ丼です。/What a day)
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畜生面白かった。
もっとカツ丼入ったギャグっぽい感じなのかなーと思ったら、しっかり青春、そして老人(笑)の話だった。
読んでよかった、前向きになれた、気がする。
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懐かしいような、爽やかな感じがたまらない。
新鮮でもある。
どーでもよくて、大切なそれぞれの気持ちに感動
読み終わった時のスッキリ感と、
読み終わっちゃったのかっていう切なさ
満足感もあったんだけどね
カツ丼食べると毎回思い出すんだろーな
カツ丼食べに行ってきます
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「カツ丼を作れますか?」と言う不思議なインターネットの書き込みで、結びついていく人たち。
それぞれに悩みがあって、それでもその人その人の方法で決着をつけて、前に進んで行こうとする。
老人の「私」が自分的にははまりました。自分もあんな風に、若いころの自分を忘れないように、年をとっていきたいと思いました。
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食堂のアルバイトのコックと同棲しているニートの女性。毎日ジョージ・ハリスンの曲を駅前でかき鳴らすが、全く収入のあてがない。高校でモテないグループにいる少年は、同級生の食堂の娘が気になる。ギターの女性の向かいに同棲している男は、万引きの多発する近所の本屋の息子。交わることのないそれぞれの人生が、ネットの掲示板と北本食堂の660円のカツ丼を中心に交差をし始める。
この人の本は実は初めてで、続編シリーズだらけの中から、1冊完結のこちらを選んだが、あら驚き、2/3は仕事をするでもない人たちのなんてことのない日常を描いた作品だ。奔放というか刹那的に動くギターを弾く女性や、刹那的に万引きを重ねる少年など、やるせない何も変わらない日常と、なにか変われるのではないかという希望。
それが、北本の爺さんの章で無理やり束ねられ始め、ライトノベルらしい都合の良い結末へ引っ張られていく。だが、やはり本編はとりとめのないそれぞれの人生が描かれるのが本作の魅力であろう。ある意味、芥川賞的な純文学的な雰囲気も有るが、気取りもてらいもなく、こういう文が書ける人なのだなと感心する。ライトノベル特有の、主語のないちぎれた文は有るものの、ほとんどは主語述語も明らかで、丁寧に書かれていることがわかる。
家出少年少女の章はぼんやりと、北本老人の章はテンポが悪い。それでも十分楽しめる、純文学未経験者の入口としても使える一冊だ。
なお、少し前に読んだものとも重なるのだが、ネットを取り込んだ小説って、ネットにいる人がみんながみんな小さな街に集中しているのは、ご都合主義としてもちょっとないんじゃないのかな。
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なんともほのぼのとする小説、
日常の中で普通にある普通の出来事だけど、なぜか心が温かくなって、皆一生懸命生きていて・・
そんな人たちの物語、最後の章ははやられた!の一言につきます。
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以前からどのような作品を書くのか気になっていた作家さん。今回初めて手に取ってみた。カツ丼がキーワードになる短編集。ただ、それぞれの短編同士でつながりがあり、最後に一つの話としてまとまる構成。個人的には2話目の食堂の孫といけないと思いつつも本屋で万引きを繰り返す高校生の恋の話が良かった。5話~最後の語り部になる、食堂のお爺さんの言葉遣いが年寄りらしくないのがちょっと気になったが、概ね楽しみながら読むことができた。この方の他の作品も見つけて読んでいきたいと思う。
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かつ丼がとっても食べたくなりました。
ドミノさんのお子さんが、自分でごはんをつくることに決めたところはとても心打たれました。じいちゃんナイスアドバイスだなあと思いました。
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六章あります。
最後に繋がるんですが、一章一章の主人公の自問自答な感じです。
まぁ、ぶっちゃけ、読みづらいです(笑)
それでも、心に響く部分が多くあったので、★四つです。
北本食堂の元店主、北本のおじいちゃんがネットに「カツ丼作れますか?」のトピックを立てたところから始まり~
一章はニートで駅でギター弾いてる姉ちゃん、ギョアッチョの話。
二章は、北本と、北本の同級生竹仲の話。竹仲は各務原書店の本を常習的に盗んでいて、ある日北本の出前のカブを盗もうかと邪な考えを抱きながら、北本と一緒にいることで、良心が芽生えたのか、各務原書店で盗んだ本、総額六万七千二百円を北本食堂でバイトすることで返済するお話
第三章は、両親が共働きで、母さんがカツ丼、焼きそば、チャーハンしか作ってくれないから家出する。っていうドミノの話。そこに二章の竹仲の弟登場。
第四章は、各務原書店のニート息子の話。せっかく竹仲がバイトして返済した六万七千二百円を各務原は落とした。
第五章は、北本のおじいちゃんの話。この老人の奥さんが亡くなったことで、老人は食堂を離れたんだけど、娘が切り盛りしてて、私の居場所は食堂にはないんだ…。的な感じで、家出小学生、ドミノに出会ってドミノからスーパーで働く母親を見てきてほしいと頼まれ、そこにはドミノの母親に怒られながら各務原が働いていました。老人と各務原は散歩友達だったので、各務原が「七万近く落としたんですよね~」なんて話をし、ドミノに助言してドミノは帰ることになりました。ドミノは各務原の落とした六万七千二百円を拾っていて、それを宿泊代だと言って渡しました。
第六章は、みんなでオフ会です。
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短編の登場人物が、それぞれどっかで繋がっていたという連作小説
こーゆーのは結構好き
ま、他の小説にくらべたら文体もライトのベルよりは普通の小説に近い
ご都合主義とかリアリティの面で不満はあるけど
最終的にはキレイにまとまっていていいと思う
好きなエピソードは高校生のカップルの話し
ああ、あんなに言い合える同級生が欲しかった・・・(笑)
Posted by ブクログ
ひとつひとつの短編が最後につながる構成。読み終わったあと、むしょうにカツ丼が食べたくなった(*^o^*)心温まるストーリーが好きな人にはオススメ!
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なんだか明るい話を読みたいなぁと思い手に取った一冊。
作者は「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」の入間人間氏。
「みーまー」では想像もできなかったような
こんな可愛くてほっこりなお話も書けたのねとちょっと安心(←誰)。
文体好きだなー
癒されました。
また別の作品も読んでみます。
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他人にとってはどうでもよく、しかし本人にとっては大切な人生の一部分をテーマとするオムニバス。
誰もが年齢や境遇によって異なる人生観を持っていて、そしてそこには当然当人にとっては抜き差しならない問題があって、悶々と悩みながらも最後は一人一人が答えを見出し小さく成長する。
触れ合っても重なりはしない主人公達が紡ぎ出す小さな日常群像劇。
登場人物の個性の書き分けがうまいと思った。比喩表現が多く、良い喩えもあれば正直これはどうなんだという意味不明なものもある。ぐちゃぐちゃしてて読みにくかったりもする。時々地の文で呟いたり処女だの童貞だのはやめて欲しかった。満足不満は多々あるにせよ、それは作者の個性ということで、まあ良し。
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読んだ後にすっきりとした気持ちになって、肩の力をぬいてもう少し頑張ってみようかと思えた。
お話ごとに主人公カップルが変わって、それが最後のお話でつながる感覚が好きだった。
Posted by ブクログ
カツ丼から始まる群像劇。
ライトノベルだけあり、読み易い。
嫌いではない。星も甘めに付ければ4つでも良いのだが。
ちょっとつづ繋がる感じも良かった。
Posted by ブクログ
初めましての作家さんです。
これは・・・何だ?
別に事件が起きるわけでもないのに、ワクワクもドキドキも
ハッキリ言ってないのに、何故か気になって読んでしまった。
町のコミュニティーサイトに「カツ丼つくれますか?」という
トピが立ち、たまたまそれを見ていた4組の登場人物の
日常の話なんだけど、なんか緩くて温かくていいのですよ。
どうでもいいような事を時に真剣に考えてしまう時があって、
暇なときほどひとりよがりの脳内論争をしてしまう。
そんな何気ないアルアルが楽しかったです。
色んな事が妙な形で印象に残ってしまいました。
楽しかったです。
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定職とニート、学生と学生、子供と子供
ニートとニート、それから…。
題名の660円は、かつ丼の値段。
それに対して、の動きですが、全てが
5話目に終結されます。
この生き方が悪いのか、突き通すべきなのか。
悩んでみたり、先送りしてみたり。
年齢がばらばらなので、いくつになっても
悩みから解放される事はないんだな、と。
それが子供の事、になったら、さらに、ですし。
一番潔いのは、最初の話の主人公。
今のまま、を選択しましたから。
いいよ、と言ってくれる人がいるのなら
そのままでも大丈夫、です。
突き当たってから考えれば。
遅いか遅くないか、は知りませんけど。
しかし小学生の女の子の家は、楽なのは分かりますが
なぜ3食同じもの?
焼きそばとチャーハンはともかく、かつ丼って
結構面倒なような…。
カツ部分は惣菜、ですか?
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さらさら読める。
ネットの書き込みを媒介として、そこからある市の人々を描く。人の繋がりの素晴らしさや、人が変わる瞬間も描かれている。
ただ惜しむらくは、作家と相性が悪かったのか、あまり印象に残らないということか
Posted by ブクログ
章ごとの主人公それぞれの悩みを支えていたり、応援してたり、解決するのはまわりの登場人物。ほとんどの章が一人語りで進むけれど、全体を通して人との繋がりを楽しむ作品でした。
個人的には一章目のWhile my gently weepsがとても好き。
全て読み終えて思ったことは、悩みは抱えているけど焦っているけど、ゆるゆると生きているように見えるものなんだな、人は。でした。(14/1/25)
Posted by ブクログ
六百六十円、それは生きる意味。
全部がつながったときの、微笑ましさ。大方善意で出来ている優しい世界。何者にもなれない若者が、何者かになろうと決意するきっかけが、六百六十円のカツ丼。大人と子どもの間にいる人へのエールである作品。でも、カタルシスとまではいかないのが惜しい。
カツ丼に限らないが、料理を作る、つまり何かを自分の手で作り出せるというのは、自己肯定のために必要な行為なのだと思う。それが、誰かのために作るものであれば、なおさら。
Posted by ブクログ
最初はとにかく読むのに時間がかかった。
主人公たちの思考が突飛で、感情移入できなかったのと、そんな彼らにも素敵な恋人がいるということへの嫉妬があったからだろうか。
読んでいくうちにこれが「若い」ということか、私には描けない世界だなと納得しだすと、下品な言葉でも眉をひそめつつではあるが、受け入れられるようになった。
後半、お爺さんと少女の話は読みやすく感じた。
なにより、少女相手にも丁寧語で語りかけ、ちょっとお茶目なところもあるお爺さんに好感が持てたからだろう。
ラストは一章の彼女の夢がちょっぴり?叶う。
にくい終わり方だと思った。
読み終えてみて、「上手く繋げたもんだなぁ」とぎゅうぎゅう詰めの表紙絵を見て思う。
地元コミュニティが出てくる時点で狭い世界の話なのは想像できたものだが、ここまでぐいぐい繋げられるとは思わなかった。
これぞ「今時」の小説だと思う。