入間人間のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「小説家」を軸とした連作短編集。
小説家を目指す者、高校の内から作家デビューした者、
断筆宣言をした者、賞の選考委員を務める者など、
主人公達は立場は違えど、何らかの形で
深く小説というものに関わっている。
短編一作ごとに主人公は変わるが、
トータルとして一つの大きなストーリー...と言うか、
最後の作品が最初につながる「ループ構造」か(^ ^;
何とも衝撃的なタイトルではあるが、
第一作目は実際に「見知らぬバカが全裸で」登場する。
主人公は、小説家を目指す大学生だが、
なぜか全裸バカに気に入られ、まとわりつかれる。
が、この他の作品達も、また様々な形で
「裸」とも関わりを持っている。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ過去作ディスと自虐ネタでマイナスポイント獲得しまくりの本作だが、やっぱり安定して面白い。
読み始めてしまえば入間節満載の飄々とした語りでグイグイ持っていかれるし、中盤から終盤にかけては無理やり収束する展開で否応なしに盛り上がる。
厭世観と裏腹な焦燥感、自己肯定への行程。
ところどころ本当に切実で泣ける。
P320が自分の中でこの作品のハイライト。
「やっぱりどれもこれも、私の小説だったんじゃないか。そうなれば話は別だ、と散らかっている小説に微笑む。愛しているぞ、お前ら。」
ブレないんだよなあ本当。
この「心のブレなさ」が入間作品の根幹の魅力になっていて、いつも心を揺さぶられる。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ短篇集ってちょっとCDアルバムに似ている。
収録順で雰囲気を異にする部分で。今作は収録数的にミニアルバムと言ったところか。
ダーク路線の入間節が炸裂している「ひかりの消える朝」は物凄く綺麗。
名作と言われつつ、今回の文庫化で初めて読んだ。
後ろ暗くて、でも物凄く綺麗。これを一発目に持ってくるのかと。
愚直にブレないという点で「静電気の季節」がやはり好き。
王道の入間人間作品。シングルカットするならこれ。
一曲目で雰囲気を作って、二曲目にキャッチーなのを持ってくる。CDと一緒。
合間にホラー調で重めな「みんなおかしい(ぼく含む)」を挟み、
ちょっと壮大過ぎるだろと思わないでもない表題曲「瞳 -
Posted by ブクログ
過去の春夏秋冬+ifの5本立て短編集。
ぼくがまだみーくんじゃなくぼくでいる時代。
色んな意味での"i"そしてどれも露出した傷口を触るような痛さ。
ニー日先生が素敵すぎた…。
カッコ良くて物凄く人間らしくて、だからこそ失格な医者。
そりゃニートにもなっちゃうよねえ。
そりゃ××も、好きだし信頼するよねえ。
ぼくがぼくなので、たまに本音が混じって、
あーなんか可愛いなと思った。年上に好かれるわw
ヤマナさんは年を重ねて自分の世界を見て強い人。
トーエは小さな世界で弱いから強く見せた子。
にもうとは幼い。まーちゃんは成長が止まって。
微妙に順序で対比してるのかな、なんて。