入間人間のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ短篇集ってちょっとCDアルバムに似ている。
収録順で雰囲気を異にする部分で。今作は収録数的にミニアルバムと言ったところか。
ダーク路線の入間節が炸裂している「ひかりの消える朝」は物凄く綺麗。
名作と言われつつ、今回の文庫化で初めて読んだ。
後ろ暗くて、でも物凄く綺麗。これを一発目に持ってくるのかと。
愚直にブレないという点で「静電気の季節」がやはり好き。
王道の入間人間作品。シングルカットするならこれ。
一曲目で雰囲気を作って、二曲目にキャッチーなのを持ってくる。CDと一緒。
合間にホラー調で重めな「みんなおかしい(ぼく含む)」を挟み、
ちょっと壮大過ぎるだろと思わないでもない表題曲「瞳のさがしもの」。
短篇という枠で収めるにはラストの邂逅が出来過ぎていて、でもそれでいいやと思わせられる。バラードの位置付け。
そのまま小奇麗に終わるのかと思いきや。
書き下ろしの「にゃんと素敵な」が最高だった。
まさかとこぶしくん(猫)に、今作最大のブレない主人公気質を見るとは思わなかった。泣いた。にゃいた。
彼の軽妙な語りとブレないらぶ、感動しつつも滑稽な展開に全部持って行かれた。
トータルして、シュール。
最後にこの書下ろしが収録されることで、濃い内容であるはずのアルバムがあっさりとした不思議な後味となったと思う。 -
Posted by ブクログ
過去の春夏秋冬+ifの5本立て短編集。
ぼくがまだみーくんじゃなくぼくでいる時代。
色んな意味での"i"そしてどれも露出した傷口を触るような痛さ。
ニー日先生が素敵すぎた…。
カッコ良くて物凄く人間らしくて、だからこそ失格な医者。
そりゃニートにもなっちゃうよねえ。
そりゃ××も、好きだし信頼するよねえ。
ぼくがぼくなので、たまに本音が混じって、
あーなんか可愛いなと思った。年上に好かれるわw
ヤマナさんは年を重ねて自分の世界を見て強い人。
トーエは小さな世界で弱いから強く見せた子。
にもうとは幼い。まーちゃんは成長が止まって。
微妙に順序で対比してるのかな、なんて。
ニー日先生のマフラーとか、にもうとのデレはほっこりした。
××はちゃんと××されてるんだな、とも思った。
ifはなんかもうなんとも言えずに悲しくて苦しくて痛い!
退屈で普通なありふれた幸せの筈なんだけどね。
薄い膜越しに見ているような変な違和感が拭えない。
"嘘つかない"あいと"壊れてない"まーちゃん。
これまでに出てきた皆が生き生きと学生生活を送る世界。
でもそれも、多分、正しいのかというと、うーんとなって。
幸福はやっぱり誰かの不幸の上に成り立っていて。
少なくともあいに出会わなかった恋日先生は自殺だし?
結局何が正しいかとか幸せとかって、主観に過ぎないし、
第三者が判断しても決めて良いものじゃないから、わからないなあ。
他の道を歩いている以上、もう選んでるんだから、選択肢はないね。
それでも彼らの道が幸福であるように、願ってしまう。 -
Posted by ブクログ
誰も死なない…だと…。まさかの入間人間の作風を一変させた作品。一人称してんを交互に進行させる構成はお手の物だが、この作品から入間人間を読み始めた人は確実に従来の作風を想像できない(笑)
読んでいて紅玉いづきの「ガーデン•ロスト」を思い出しました。ほんわかな雰囲気とは違うんですが、なんと言うか、少女特有の言い表しにくい悩み、葛藤が散りばめらていたことに共通点を感じました、
そして不思議?なラストで独特の読後感を得ました。「あ、ここで終わるんだ。」というものと「あー、終わったなー。」というものが他の作品にはない割合でない交ぜになっている、言葉にするのは難しいですが、あえて表現するならこんな感じでした。
ともあれ、入間人間は新しい「彼方」を開拓したのではないでしょうか。まだまだ期待出来る作家です。