野中香方子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
1972年ローマ・クラブが公表した「成長の限界」、読んでないが「人は幾何学級数的に増加するが、食料は算術級数的にしか増加しない」というマルサスの人口論がベースなのは何となく知っている。実際にはピークオイルは技術の発展や新しい油田(例えば海底油田)の発見で可採年数が伸び、一方で緑の革命や灌漑面積の増加、遺伝子組換え作物などの技術も有り食料も増産されてきている。成長の限界を作成するのに関わった物理学者のヨルゲン・ランダースが40年後に再度40年後の世界を予想したのが本書だと思ってもらえば良い。基本的には過去40年の変化を下敷きにして、ある程度のイノベーションを織り込んだ予測になっている。
まず予 -
-
Posted by ブクログ
情報量は多いが論理的であり読みやすい。予測の根拠や方法論が明確化されており大いに参考となる。過去40年間の実績に基づき、今後40年間の我々の社会の先行きを予測する。「成長の限界」で用いられた方法論にもとづいているが、民主主義社会や自由主義社会の意思決定の特性などを踏まえたアレンジがなされている。予測によれば、今世紀の後半に、地球温暖化によって「崩壊」と呼ばれる事態を招くことになる。2052年までに「崩壊」を経験することはないが、資源枯渇、汚染、気候変動、生態系の損失、不公平といった問題を解決するための投資が必要となるため、先進国では「衰退」を経験することになる。成長はいずれ衰退を招く。著者は、
-
-
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
斎藤幸平氏と同じ主張で目新しさはないが、ここまで地球環境の悪化が進んでくるともうこの道しかないと言う気もするし、一方で脱成長の世界がディストピアにも見えてくる。
著者が描く「バラ色の」世界を読んで思い出したのが、共産主義末期の1989年に旅行した旧ソ連の世界。メガネメーカーが一社しかないのか誰もが揃いも揃って同じ古臭い額縁メガネをかけ、商店に行ってもモノがない。車もモデルチェンジがないから年代物が幅を利かせている。確かに資源の浪費は減るだろうが、この世界には選択する自由も楽しみもない。日本は恵まれていると思ったものだ。ただここまでしないと地球を守れなくなっているのかも知れない。
先進国で人口が -
-
-
-
Posted by ブクログ
人間本性の性悪説を支持する研究や言説を叩き潰す。著者のブレグマンはオランダのジャーナリスト・歴史研究者。
上巻で印象的だったのは、ゴールディングの『蠅の王』の章。彼がノーベル文学賞をとった時、私の反応は「えっー」だった。この反応の理由をブレグマンが明快に説明してくれている。
アメリカで行なわれた悪名高い社会心理学的研究をめぐる章も印象的。彼によれば、ジンバルドーのスタンフォード監獄実験は、やらせと演技と演出。ミルグラムの電気ショック実験(別名アイヒマン実験)は、「権威への服従」という無理筋の解釈。「冷淡な傍観者」研究の発端となったキティ殺人事件は、マスメディアの脚色と歪曲(だとすると、研究その -
-
Posted by ブクログ
ゲノム編集技術CRISPR-Cas9システムの発明者の1人であるジェニファー・A・ダウドナを中心とした物語。
共同研究者のエマニュエル・シャルパンティエと共に2020年にノーベル化学賞を受賞しており、世界的に注目を集める研究者である。
そんな彼女が、そもそもなぜRNAの研究に足を踏み入れたのか、というところから序盤は始まる。
体裁は第三者的な目線で書かれているが、内容が細部にわたり、ダウドナの伝記を読んでいるようであった。
ダウドナの研究の基礎には、指導教官のジャック・W・ショスタクの影響が強い。
ショスタクがダウドナに残した以下の教訓は全ての研究者に刺さるのでは。
「リスクを恐れず新たな分 -
-