作品一覧

  • あなたの知らない「世界の新常識」(インターナショナル新書)

    あなたの知らない「世界の新常識」(インターナショナル新書)

    ビジネス・実用

    4.1
    1巻1,122円 (税込)
    「力こそ正義」の国際秩序、激化する気候変動、人間を疎外する科学技術。予測不能な時代を生き抜くため、私たちは従来の常識を捨て、現代に通用する「新常識」を手に入れる必要がある。思想界の奇才ジジェク、ノーベル経済学賞のスティグリッツをはじめ、「白人人口の縮小」を分析した人口学者カウフマン、「西洋人だけがもつ奇妙な心理」に着目した人類学者ヘンリックなど、巨視的な研究を続ける学者8人のインタビューを通し、現代社会システムの本質に迫り、未来への道を探る。
  • 資本主義の次に来る世界

    資本主義の次に来る世界

    ビジネス・実用

    4.4
    1巻2,640円 (税込)
    「少ないほうが豊か」である! 「アニミズム対二元論」というかつてない視点で文明を読み解き、 成長を必要としない次なる社会を描く希望の書! ケイト・ラワース(『ドーナツ経済学が世界を救う』著者)、 ダニー・ドーリング(『Slowdown 減速する素晴らしき世界』著者)ほか、 世界の知識人が大絶賛! デカルトの二元論は「人間」と「自然」を分離した。 そして資本主義により、自然や身体は「外部化」され、 「ニーズ」や「欲求」が人為的に創出されるようになった。 資本主義の成長志向のシステムは、人間のニーズを満たすのではなく、 「満たさないようにすること」が目的なのだ。 それでは、人類や地球に不幸と破滅をもたらさない、 「成長に依存しない次なるシステム」とは何か? 経済人類学者が描く、かつてない文明論と未来論。 本書が語るのは破滅ではない。語りたいのは希望だ。 どうすれば、支配と採取を軸とする経済から生物界との 互恵に根差した経済へ移行できるかを語ろう。 (「はじめに 人新世と資本主義」より)

ユーザーレビュー

  • あなたの知らない「世界の新常識」(インターナショナル新書)

    Posted by ブクログ

    すごい。
    全部すごいが、インタビュアーのジャーアナリストとしての矜持が溢れ出てしまっている、最後の短いあとがきかっこよくて、印象に残る。
    最も伝えたい本編の情報が薄まってしまうくらい、最後に美味しいところを持っていってしまった。

    0
    2026年09月13日
  • 資本主義の次に来る世界

    Posted by ブクログ

    資本主義と共に発展してきた先進諸国が、世界のリソースを食いつぶしながら、必ずしも人々の幸せには繋がらない付加価値を生み出し、それらがイノベーションとして称えられると共に、GDPの成長を構成してきた歴史の限界を示している。市場経済における競争こそが成長と発展を促す…の修正をしなければならない時が訪れていると教えられた。

    0
    2026年07月01日
  • あなたの知らない「世界の新常識」(インターナショナル新書)

    Posted by ブクログ

    目を覚させられる見識や指摘が多い。
    個人的には、ジェイソン・ヒッケル氏による、資本主義の次に来るべき社会システムについての論述が最も興味深く、まさに少子高齢化の先頭ランナーとして、如何に素晴らしい国にして行くかを考える際、これまでの経済成長至上主義的なアプローチではいけない事を痛感した。

    0
    2026年06月12日
  • 資本主義の次に来る世界

    Posted by ブクログ

    自然の摂理や原理原則を問い、思考しながら読み進める書籍は私好み!^_^!
    そして本書の内容は特に意義と価値がある。

    0
    2025年11月29日
  • 資本主義の次に来る世界

    Posted by ブクログ

    ジェイソン・ヒッケル氏は、1982年アフリカのエスワティニ(旧スワジランド)生まれの経済人類学者。米ウィートン大学で人類学を学んだ後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで博士号を取得。現在はバルセロナ自治大学環境科学・技術研究所教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス国際不平等研究所客員教授、王立芸術協会フェローなどを務め、米国科学アカデミーの「気候とマクロ経済学円卓会議」などの委員会にも参加。GDP中心の成長主義に代わる持続可能な経済思想を提唱し、脱成長論の旗手として国際的に知られている。
    本書は、著者の代表作の一つで、2023年に出版された。尚、原書は『LESS IS MORE』(2020年)。
    私が理解したポイントは概ね以下である。
    ◆「資本主義=市場」という認識は間違い。市場は何千年も前からあったが、資本主義は、封建制崩壊後の平等主義の社会に不満を持った上流階級が、コモンズ(土地等)を「囲い込み」により私有化した500年前にできたもの。その特徴は、永続的な成長を軸にしていることで、「自然と労働から多く取り、少なく返せ」という単純な法則に従って機能する。同時期に起こった「植民地化」も、資源を強奪するフロンティアを開くという意味で、同じく資本主義の前提だった。それまで支配的だったアニミズムを否定し、人間(の精神)と自然(人間の身体を含む)を区別し、人間には自然を支配し利用する権利があるとしたデカルトの二元論は、資本主義を正当化した。
    ◆それまでの経済は「C1→M→C2」(個人間で有用なものを交換すること)と表され、「使用価値」を中心に回っていた。一方、資本主義は「M→C→M’→C’→M”・・・」と表され、ここで重要なものは「交換価値」であり、交換価値の蓄積には終点がなく、永遠に拡大するプロセスとなった。成長欲求は資本家に留まらず、GDP成長率という目標に縛られた国家に後押しされ、「人間の具体的な必要を満たすためでも社会的目標を達成するためでもなく、成長そのもののために、あるいは資本を蓄積するために、成長を追い求める」成長主義が世界的ルールとなった。
    ◆我々が直面する気候・環境問題を解決するために技術革新は不可欠だが、資本主義のシステムでは、技術革新による効率の向上が、搾取と生産の縮小につながることはなく、利益の再投資によりそれはさらに拡大することになる。
    ◆過去数世紀の福祉と寿命の向上は、公衆衛生、公教育、公営住宅のような新種のコモンズの整備によりもたらされたのであり、(GDPが一定水準にあれば)成長とは無関係。幸福感についても、GDPのつながりは希薄で、所得の配分が不公平な社会は総じて幸福度が低い。
    ◆国内と世界の不平等は拡大しており、人々の生活を向上させるために全体の成長が必要という考えはもはや意味をなさない。誰にとっての、何のための成長かをはっきりさせる必要がある。既に持っているものをより公平に分かち合う方法を見つけることができれば、地球からこれ以上略奪する必要はない。
    ◆イノベーションについても、経済全体の成長は必要なく、その分野に絞って投資をすればよい。
    ◆「脱成長」とは、経済全体の成長を目指すことをやめ、経済の物質・エネルギー消費を削減して生物界とのバランスを取り戻す一方で、所得と資源をより公平に分配し、人々を不必要な労働から解放して、必要な公共財への投資を行うこと。結果、GDP成長が鈍化・マイナスになったとしても、成長を必要としない経済を目指す以上、問題はない。
    ◆大量消費を止める方策としては、①計画的陳腐化を止める、②広告を減らす、③所有権から使用権へ移行する、④食品廃棄をなくす、⑤生態系を破壊する産業(牛肉産業、使い捨てプラスチック製造等)を縮小する、等がある。
    ◆脱成長経済における所得については、国民所得は、その国の経済が生産するすべての財の総額に等しいのであり、理論的には、国民が必要とするものを生産している限り、それらを購入するのに十分な所得は得られるはず。重要なことは分配の平等。
    ◆成長志向のシステムは、人間のニーズを満たそうとするのではなく、満たさないようにするインセンティブがあり、意図的に「希少性(不足しているように見せること)」を創出する。公共サービスの脱商品化(コモンズ化)、労働時間の短縮、不平等の是正により、それを逆行させれば、システムは変わるはず。
    ◆現在でも既に、大多数の人々は環題に配慮すべきと考えているが、その思いは少数の資本家により踏みにじられている。これは、民主主義と資本主義が(意外なことに)両立しないことを示しているが、我々はこの矛盾を乗り越えなければならない。
    ◆デカルトの二元論は、その後数世紀の科学の進歩により否定されつつあり、現在は、あらゆるものは唯一の壮大な「実在」の異なる側面に過ぎないというスピノザの思想に取って代わられている。同時に、世界各地の先住民族のアニミズム的世界観、あらゆるものとの互恵の精神が見直されている。
    ◆脱成長は、より少なく取るというプロセスから始まるが、最終的には、あらゆる可能性の扉を開くことになる。私たちを、希少性から豊富さへ、搾取から再生へ、支配から互恵へ、孤独と分断から生命あふれる世界とのつながりへと進ませる。
    一読した感想としては、ほぼすべてにおいて納得できたし、提言については基本的に賛同する。
    私は、資本主義の現状について、極端な経済格差や気候・環境問題にとどまらず、科学万能主義と結びついた、生命工学やAI技術の進歩という観点からも、強い問題意識を持っており、これまで様々な本を読んできたが、斎藤幸平『人新世の「資本論」』、セルジュ・ラトゥーシュ『脱成長』などは、「脱成長(による持続可能な社会の実現)」、「公共財のコモンズ化」などの点で、本書と近い方向性を持っている。
    それにしてもだ。資本主義の矛盾・限界がこれほど様々な面で明らかになっているのに、なぜ人々は動けないのか。。。高所得国の人々は、これ以上の何を求めているのか。。。(この欲望は資本主義システムが恣意的に作り出していることは本書に書かれているが)
    実は、私の書棚にはもう一冊、ヨハン・ノルベリの『資本主義が人類最高の発明である』が積読となっている。間を開けずに読まねばなるまい。
    (2025年11月了)

    0
    2025年11月14日

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