資本主義の次に来る世界

資本主義の次に来る世界

ビジネス・実用
2,640円 (税込)

13pt

「少ないほうが豊か」である!
「アニミズム対二元論」というかつてない視点で文明を読み解き、
成長を必要としない次なる社会を描く希望の書!

ケイト・ラワース(『ドーナツ経済学が世界を救う』著者)、
ダニー・ドーリング(『Slowdown 減速する素晴らしき世界』著者)ほか、
世界の知識人が大絶賛!

デカルトの二元論は「人間」と「自然」を分離した。
そして資本主義により、自然や身体は「外部化」され、
「ニーズ」や「欲求」が人為的に創出されるようになった。

資本主義の成長志向のシステムは、人間のニーズを満たすのではなく、
「満たさないようにすること」が目的なのだ。

それでは、人類や地球に不幸と破滅をもたらさない、
「成長に依存しない次なるシステム」とは何か?
経済人類学者が描く、かつてない文明論と未来論。

本書が語るのは破滅ではない。語りたいのは希望だ。
どうすれば、支配と採取を軸とする経済から生物界との
互恵に根差した経済へ移行できるかを語ろう。
(「はじめに 人新世と資本主義」より)

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資本主義の次に来る世界 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    資本主義と共に発展してきた先進諸国が、世界のリソースを食いつぶしながら、必ずしも人々の幸せには繋がらない付加価値を生み出し、それらがイノベーションとして称えられると共に、GDPの成長を構成してきた歴史の限界を示している。市場経済における競争こそが成長と発展を促す…の修正をしなければならない時が訪れていると教えられた。

    0
    2026年07月01日

    Posted by ブクログ

    自然の摂理や原理原則を問い、思考しながら読み進める書籍は私好み!^_^!
    そして本書の内容は特に意義と価値がある。

    0
    2025年11月29日

    Posted by ブクログ

    ジェイソン・ヒッケル氏は、1982年アフリカのエスワティニ(旧スワジランド)生まれの経済人類学者。米ウィートン大学で人類学を学んだ後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで博士号を取得。現在はバルセロナ自治大学環境科学・技術研究所教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス国際不平等研究所客員教授、王立芸術協会フェローなどを務め、米国科学アカデミーの「気候とマクロ経済学円卓会議」などの委員会にも参加。GDP中心の成長主義に代わる持続可能な経済思想を提唱し、脱成長論の旗手として国際的に知られている。
    本書は、著者の代表作の一つで、2023年に出版された。尚、原書は『LESS IS MORE』(2020年)。
    私が理解したポイントは概ね以下である。
    ◆「資本主義=市場」という認識は間違い。市場は何千年も前からあったが、資本主義は、封建制崩壊後の平等主義の社会に不満を持った上流階級が、コモンズ(土地等)を「囲い込み」により私有化した500年前にできたもの。その特徴は、永続的な成長を軸にしていることで、「自然と労働から多く取り、少なく返せ」という単純な法則に従って機能する。同時期に起こった「植民地化」も、資源を強奪するフロンティアを開くという意味で、同じく資本主義の前提だった。それまで支配的だったアニミズムを否定し、人間(の精神)と自然(人間の身体を含む)を区別し、人間には自然を支配し利用する権利があるとしたデカルトの二元論は、資本主義を正当化した。
    ◆それまでの経済は「C1→M→C2」(個人間で有用なものを交換すること)と表され、「使用価値」を中心に回っていた。一方、資本主義は「M→C→M’→C’→M”・・・」と表され、ここで重要なものは「交換価値」であり、交換価値の蓄積には終点がなく、永遠に拡大するプロセスとなった。成長欲求は資本家に留まらず、GDP成長率という目標に縛られた国家に後押しされ、「人間の具体的な必要を満たすためでも社会的目標を達成するためでもなく、成長そのもののために、あるいは資本を蓄積するために、成長を追い求める」成長主義が世界的ルールとなった。
    ◆我々が直面する気候・環境問題を解決するために技術革新は不可欠だが、資本主義のシステムでは、技術革新による効率の向上が、搾取と生産の縮小につながることはなく、利益の再投資によりそれはさらに拡大することになる。
    ◆過去数世紀の福祉と寿命の向上は、公衆衛生、公教育、公営住宅のような新種のコモンズの整備によりもたらされたのであり、(GDPが一定水準にあれば)成長とは無関係。幸福感についても、GDPのつながりは希薄で、所得の配分が不公平な社会は総じて幸福度が低い。
    ◆国内と世界の不平等は拡大しており、人々の生活を向上させるために全体の成長が必要という考えはもはや意味をなさない。誰にとっての、何のための成長かをはっきりさせる必要がある。既に持っているものをより公平に分かち合う方法を見つけることができれば、地球からこれ以上略奪する必要はない。
    ◆イノベーションについても、経済全体の成長は必要なく、その分野に絞って投資をすればよい。
    ◆「脱成長」とは、経済全体の成長を目指すことをやめ、経済の物質・エネルギー消費を削減して生物界とのバランスを取り戻す一方で、所得と資源をより公平に分配し、人々を不必要な労働から解放して、必要な公共財への投資を行うこと。結果、GDP成長が鈍化・マイナスになったとしても、成長を必要としない経済を目指す以上、問題はない。
    ◆大量消費を止める方策としては、①計画的陳腐化を止める、②広告を減らす、③所有権から使用権へ移行する、④食品廃棄をなくす、⑤生態系を破壊する産業(牛肉産業、使い捨てプラスチック製造等)を縮小する、等がある。
    ◆脱成長経済における所得については、国民所得は、その国の経済が生産するすべての財の総額に等しいのであり、理論的には、国民が必要とするものを生産している限り、それらを購入するのに十分な所得は得られるはず。重要なことは分配の平等。
    ◆成長志向のシステムは、人間のニーズを満たそうとするのではなく、満たさないようにするインセンティブがあり、意図的に「希少性(不足しているように見せること)」を創出する。公共サービスの脱商品化(コモンズ化)、労働時間の短縮、不平等の是正により、それを逆行させれば、システムは変わるはず。
    ◆現在でも既に、大多数の人々は環題に配慮すべきと考えているが、その思いは少数の資本家により踏みにじられている。これは、民主主義と資本主義が(意外なことに)両立しないことを示しているが、我々はこの矛盾を乗り越えなければならない。
    ◆デカルトの二元論は、その後数世紀の科学の進歩により否定されつつあり、現在は、あらゆるものは唯一の壮大な「実在」の異なる側面に過ぎないというスピノザの思想に取って代わられている。同時に、世界各地の先住民族のアニミズム的世界観、あらゆるものとの互恵の精神が見直されている。
    ◆脱成長は、より少なく取るというプロセスから始まるが、最終的には、あらゆる可能性の扉を開くことになる。私たちを、希少性から豊富さへ、搾取から再生へ、支配から互恵へ、孤独と分断から生命あふれる世界とのつながりへと進ませる。
    一読した感想としては、ほぼすべてにおいて納得できたし、提言については基本的に賛同する。
    私は、資本主義の現状について、極端な経済格差や気候・環境問題にとどまらず、科学万能主義と結びついた、生命工学やAI技術の進歩という観点からも、強い問題意識を持っており、これまで様々な本を読んできたが、斎藤幸平『人新世の「資本論」』、セルジュ・ラトゥーシュ『脱成長』などは、「脱成長(による持続可能な社会の実現)」、「公共財のコモンズ化」などの点で、本書と近い方向性を持っている。
    それにしてもだ。資本主義の矛盾・限界がこれほど様々な面で明らかになっているのに、なぜ人々は動けないのか。。。高所得国の人々は、これ以上の何を求めているのか。。。(この欲望は資本主義システムが恣意的に作り出していることは本書に書かれているが)
    実は、私の書棚にはもう一冊、ヨハン・ノルベリの『資本主義が人類最高の発明である』が積読となっている。間を開けずに読まねばなるまい。
    (2025年11月了)

    0
    2025年11月14日

    Posted by ブクログ

    世界の終わりを想像するより資本主義の終わりを想像する方が難しい
    1350年から1500年は労働者の黄金時代。
    自然から精神をはぎとるという点で教会と科学の目的は共通だった。
    もともと国民所得の向上が寿命につながると考えられていたが、コスタリカからわかったのは人との繋がりだった。
    耐用年数を長くすることを義務付ける。広告を減らす。所有権から使用権へ移行する。食品廃棄を終わらせる。生態系を破壊する産業を縮小する。
    労働時間の短縮は失業率の低下、生活の質の向上、環境負荷の減少の3つをもたらす。

    0
    2025年10月13日

    Posted by ブクログ

    科学的根拠に基づく、恐ろしい、今世紀中に起こる環境破壊、気候変動、洪水、海面上昇、食糧難の記載から始まる。未来世代からの借り物、とか、宇宙船地球号といった、環境に優しい暮らしをしましょう、という緩やかな美徳としてではなく、差し迫った危機があるという実感が湧く。計画的陳腐化(iPhone、電球、タイヤなど)、広告、フードロス(世界中で最大50%が捨てられている)、牛肉、ファーストクラスの罪。

    0
    2025年02月01日

    Posted by ブクログ

    胃もたれするくらいの世界の汚い部分を知る
    自分に焼き付いてる根拠もないくせに頑張ることが美徳であるような思想の正体を知る
    読み終わった後価値観が120度くらい変わってしまった感覚があった
    目に映るほとんどがお金を中心に動いていて労働力や資源や気候を搾取しているバックグラウンドまでもを想像してしまう
    自分の仕事はある業種の作業効率を上げることで経済成長を促進することであり
    明日からまた成長主義に一旦加担することでしか自分や大切な人を生かしていけず仲間と認識していたコミュニティで生きていけなくなる
    想像の段階で苦しい
    どんなに自分はこう生きるのだと決めつけたところで人生のステージが進むにつれ戻れないところまで進まざるを得ないしSNS等インターネットにより他人との比較は必ず発生して価値観はまた揺さぶられる

    ビジョンはとても魅力的
    ただ押し進めたときに今自分が好きなものも資本主義ありきだったから存在している気もしてそれがどれだけなくなってしまうのだろうか、もっと具体的なイメージを知りたくなった


    より多くの人類、そして生態系が幸せを得るために
    グリーン成長だけで持続可能な社会を実現することはグリーン成長のための土地、資源が足りない
    ではどうするか?
    エネルギーと資源の過剰な消費を削減し、クリーンエネルギーへ転換することと同時に
    永続的な成長ではなく人間の幸福と生態系の安定を重視するポスト資本主義経済へ移行することが必要
    その方法は脱成長であり具体的に
    ・土地と人々と心の脱植民地化
    ・コモンズの脱囲い込み
    ・公共財の脱商品化
    ・労働と生活の脱強化
    ・人間と自然の脱モノ化
    ・生態系危機の脱激化
    を意味する



    0
    2025年01月05日

    Posted by ブクログ

    今ままでの思想を根底から覆される内容であった
    成長に囚われすぎた現代で失ってきたものと、これから目指すべき場所をどう定義するかよく考えさせられた

    0
    2024年12月12日

    Posted by ブクログ

    環境破壊や格差拡大など近年顕著な問題の根源は資本主義という構造にある、という主張は説得力があり腑に落ちた。成長・発展し続ける必要性に疑問を感じていたが、脱成長・脱植民地化と資本主義の辿った歴史を逆戻りするための具体的な取組みが大切なのですね。
    資本主義で富を得た者の責務は、皆のために還元することなのでしょう。貴族が持つべきノブレスオブリージュに近い感性を持てるのか?

    0
    2024年11月28日

    Posted by ブクログ

    成長は資本主義の最優先命令
     エネルギーと資源の消費と連動 大量の廃棄物
     資本主義は不公平 英64% 米55% 独77%(2015 英YouGov 世論調査)
     成長より環境を優先 EUの大多数 55~70% 他国でも同様  
    →成長を必要としない経済へ

    デカルト「二元論」人間と自然は切り離された存在
     科学=人間を自然の支配者に ↔ アニミズム(精霊信仰:地球や生物と相互依存)
     教会・資本家:支配
    デカルト「人間論」 身体=精神+物質(=資源) 労働の商品化
     ↔自然は経済の外:植民地から無料で 先住民を二元論者に変える 自然=モノ

    資本主義:自然と労働から多くとり、少なく返せ  利己的で自分の利益を最大化
     封建制/農奴制 廃止→自給自足社会→破壊的な囲い込み(国内植民地)→資本主義
     植民地化 奴隷と資源(海外囲い込み) →労働者=消費者
     貧困は富の源  私富と公富は負の相関  豊富にあるものを希少にする

    資本 利益を再投資して増やし続ける 成長要求 資本は動かさないと価値が下がる
     年3% 23年で倍に 100年後に20倍 さらに100年後370倍
     GDPは 生態学/社会的コストを考慮しない 貨幣価値に換算できるもののみ
    政府 国債返済のために成長が必要
     2009年以降 資源消費量はGDPの成長を上回っている 地球システムの限界

    グリーンエネルギーへ移行 →他の資源は現在の2倍以上採取?
    マテリアルフットプリント
     サービス業での利益で物を買う サービス業は物質インフラが必要
     効率向上で同じ資金/時間で生産がさらに拡大

    福利 公的医療/教育への投資 1人1万ドルで上位 < 1人当たりGDP平均1.76万ドル
    幸福度 ≒福祉制度 人生の有意義さ 不平等是正 ≠GDP 
     10%の富裕層が 世界CO2排出量の半分以上  上位1%は下位50%の100倍
     グルーバルサウス全員にコスタリカ同等の公的医療10兆ドル≒1%富裕層所得1/2
     国際機関は富裕層に有利 議決権や交渉力
    真の進歩指数GDI  脱成長 物質とエネルギー消費削減+所得と資源の公平分配

    ポスト資本主義  希少性を減らす
    ・計画的陳腐化を終わらせる  保証期間の延長 修理の権利 
    ・広告の削減  屋外広告規制 広告よりも検索
    ・所有権から使用権へ 
    ・食品廃棄を終わらせる  事前団体への寄付 廃棄料徴収 
    ・生態系を破壊する産業を縮小  牛肉 軍事 使い捨て容器 航空
      工業生産高減少 労働時間再分配 転職促進
      余暇増加=非集約的消費 低環境負荷活動:ケア、運動、ボランティア、学習へ
    ・不平等を減らす  最高位賃金制度 富裕税 
    ・公共財の脱商品化 公共の富の拡大 債務のない公共通貨制度

    生態系との互関係 自然に法的人格  支配と搾取の関係から・・再生と互恵へ

    0
    2024年12月01日

    Posted by ブクログ

    決して良い方向に進んでいるとは感じることができない資本主義。
    その何となく感じる暗い資本主義の未来の、カウンターのように最近論じられている脱成長論。
    現象学や生物学に至るまで、幅広い視点で論じられる本書は、個人的にはちょっと乱暴に感じる部分はあったにせよ、未来の行き先の一つの考え方として興味深く感じた。

    0
    2024年09月08日

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