野中香方子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【読もうと思った理由】
シンプルなタイトルで、何について書かれているのか分かりやすく、また良い本だと聞いてたので手に取りました。脳を鍛えるために。
【感想】
正直、科学的な視点で書かれたニューロンなんちゃらの話はあまり深くは理解できなかったし、結構呼び飛ばしてしまったけれど「運動が脳に良い」ということは、かなり伝わった。また「体に良いことは脳にも良い」ということなど、改めて脳と体は一進一退であり、それぞれ良くも悪くも干渉し合う存在なんだということを学んだ。
とても良い本だったし、運動に対する見方も変わった。とにかく出来る運動から始めようと思う。まずは歩くということから。
▼以下、本文で気になった部分をメモ
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運動で爽快な気分になるのは、心臓から血液が盛んに送り出され、脳がベストの状態になるからで、運動すると、セロトニンやノルアドレナリンやドーパミン、思考や感情に関わる重要な神経伝達物質が増える
身体にいいことは、脳にもいい
運動は3つのレベルで学習を助ける
気持ちよくなり、頭がスッキリし、注意力が高まり、やる気がでてくる
新しい情報を記録する細胞レベルでの基盤としてニューロン同士の結びつきを準備し、促進する
海馬の幹細胞から新しいニューロンが成長するのを促す
30分のジョギングを、週にほんの2〜3回、それを12週間続けると、遂行機能が向上することが確認された
簡単なジョギングだけでなく、もう少し複雑な運動を取り入れた方が、より脳機能は向上する
おすすめの運動は、心血管系と脳を同時に酷使するテニスや、10分ほどの有酸素運動のあと、クライミングやバランス運動など、技術が必要な運動をすること
日常的に運動している人は、そうでない人よりも病欠で仕事を休むことがかなり少ない
運動すると体の筋肉の張力が緩むので、脳に不安をフィードバックする流れが断ち切られる。体の方が落ち着いていれば、脳は心配しにくくなるのだ。
有酸素運動は不安障害のどんな症状も大幅に和らげることを数多くの研究が示している。さらに、運動は健康な人が普段の生活で感じる不安も和らげられる。
運動が脳の衰えを防ぐだけでなく、老化にともなう細胞の衰えを逆行させるということだ
運動が身体に与える影響
・心血管系を強くする
・肥満を防ぐ
・ストレスの閾値を上げる
・気分を明るくする
・免疫系を強化する
・骨を強くする
・意欲を高める
運動のプランを立てる際には、四つの領域をカバーできるようにしよう。有酸素運動、筋力強化、バランス、柔軟性である。
基本は、220から年齢を引いた数字が理論上の最大心拍数だ。
有酸素運動
週に四日、30分から一時間、最大心拍数の60~65%で運動する。 そうすれば、体内の脂肪を燃焼し、これまでに述べてきた脳構造の変化に必要な成分をすべて作り出すことができる。ウォーキングが最適だが、友人と一緒に戸外でできればなおよい。どんな運動を選ぶにしても、長く楽しめるものにしよう。それに加えて、週に2日は、少しペースを上げて(最大心拍数の70~75%)、20分~30分運動しよう。
筋力
週に2回、ダンベルかトレーニングマシンを使った筋力トレーニングを、無理のない重さで10回から15回を1セットとして3セットする。これは骨粗しょう症の予防に非常に有効だ。ありとあらゆる有酸素運動をやっていても、筋肉と骨は年とともに衰えていく。
バランスと柔軟性
週に2回、30分程度、バランスと柔軟性を重視した運動をしてみよう。ヨガ、 ピラティス、太極拳、空手や柔道、ダンスなどには、バランスと柔軟性が求められる。
特定の運動の代わりに、バランスボールや、ボスというバランスボードを使ったトレーニングをしてもいい
運動は脳の機能を最善にする唯一にして最強の手段だということ
研究が一貫して示しているのは、体が健康になればなるほど、脳はたくましくなり、認知力の面でも、情緒の面でも、よくはたらくようになるということだ
体を快調にすれば、心もそれに従うのだろう
ウォーキング、すなわち低強度の運動と呼ぶのは、具体的には最大心拍数の55~65%での運動を指す。中強度の運動は65~75%、高強度は75~90%となる
週に6日、なんらかの有酸素運動を45分から1時間するというのが理想だろう。そのうちの4日は中強度で長めにやり、あとの2日は高強度で短めにする。体を強制的に無酸素代謝の状態にする高強度の運動が、思考や気分に影響するかどうかははっきりしないが、高強度の運動をすると、脳を作る重要な成長因子のいくつかが体から分泌されるのは確かだ。短時間で高強度の運動をするには筋力トレーニングを含んだほうがいいだろう。しかし、2日つづけて高強度の運動をやってはいけない。体と脳が成長するには、回復のための時間が必要となるからだ。わたしが提案するのは、週のうち6時間を脳のために費やすことだ。起きている時間のせいぜい5%だ。
毎日運動できればベストだが、休み休みでも運動すれば驚異的な効果がある、と結論した。運動が「毎日やるか、まったくやらないか」というものではないということを肝に銘じておいてほしい。もし数日間、あるいは1~2週間、 運動しそびれたとしても、再開した翌日には、海馬はBDNFをどんどん生産している。その様子を想像しようではないか -
Posted by ブクログ
ジェイソン・ヒッケル氏は、1982年アフリカのエスワティニ(旧スワジランド)生まれの経済人類学者。米ウィートン大学で人類学を学んだ後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで博士号を取得。現在はバルセロナ自治大学環境科学・技術研究所教授、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス国際不平等研究所客員教授、王立芸術協会フェローなどを務め、米国科学アカデミーの「気候とマクロ経済学円卓会議」などの委員会にも参加。GDP中心の成長主義に代わる持続可能な経済思想を提唱し、脱成長論の旗手として国際的に知られている。
本書は、著者の代表作の一つで、2023年に出版された。尚、原書は『LESS IS MORE』(2020年)。
私が理解したポイントは概ね以下である。
◆「資本主義=市場」という認識は間違い。市場は何千年も前からあったが、資本主義は、封建制崩壊後の平等主義の社会に不満を持った上流階級が、コモンズ(土地等)を「囲い込み」により私有化した500年前にできたもの。その特徴は、永続的な成長を軸にしていることで、「自然と労働から多く取り、少なく返せ」という単純な法則に従って機能する。同時期に起こった「植民地化」も、資源を強奪するフロンティアを開くという意味で、同じく資本主義の前提だった。それまで支配的だったアニミズムを否定し、人間(の精神)と自然(人間の身体を含む)を区別し、人間には自然を支配し利用する権利があるとしたデカルトの二元論は、資本主義を正当化した。
◆それまでの経済は「C1→M→C2」(個人間で有用なものを交換すること)と表され、「使用価値」を中心に回っていた。一方、資本主義は「M→C→M’→C’→M”・・・」と表され、ここで重要なものは「交換価値」であり、交換価値の蓄積には終点がなく、永遠に拡大するプロセスとなった。成長欲求は資本家に留まらず、GDP成長率という目標に縛られた国家に後押しされ、「人間の具体的な必要を満たすためでも社会的目標を達成するためでもなく、成長そのもののために、あるいは資本を蓄積するために、成長を追い求める」成長主義が世界的ルールとなった。
◆我々が直面する気候・環境問題を解決するために技術革新は不可欠だが、資本主義のシステムでは、技術革新による効率の向上が、搾取と生産の縮小につながることはなく、利益の再投資によりそれはさらに拡大することになる。
◆過去数世紀の福祉と寿命の向上は、公衆衛生、公教育、公営住宅のような新種のコモンズの整備によりもたらされたのであり、(GDPが一定水準にあれば)成長とは無関係。幸福感についても、GDPのつながりは希薄で、所得の配分が不公平な社会は総じて幸福度が低い。
◆国内と世界の不平等は拡大しており、人々の生活を向上させるために全体の成長が必要という考えはもはや意味をなさない。誰にとっての、何のための成長かをはっきりさせる必要がある。既に持っているものをより公平に分かち合う方法を見つけることができれば、地球からこれ以上略奪する必要はない。
◆イノベーションについても、経済全体の成長は必要なく、その分野に絞って投資をすればよい。
◆「脱成長」とは、経済全体の成長を目指すことをやめ、経済の物質・エネルギー消費を削減して生物界とのバランスを取り戻す一方で、所得と資源をより公平に分配し、人々を不必要な労働から解放して、必要な公共財への投資を行うこと。結果、GDP成長が鈍化・マイナスになったとしても、成長を必要としない経済を目指す以上、問題はない。
◆大量消費を止める方策としては、①計画的陳腐化を止める、②広告を減らす、③所有権から使用権へ移行する、④食品廃棄をなくす、⑤生態系を破壊する産業(牛肉産業、使い捨てプラスチック製造等)を縮小する、等がある。
◆脱成長経済における所得については、国民所得は、その国の経済が生産するすべての財の総額に等しいのであり、理論的には、国民が必要とするものを生産している限り、それらを購入するのに十分な所得は得られるはず。重要なことは分配の平等。
◆成長志向のシステムは、人間のニーズを満たそうとするのではなく、満たさないようにするインセンティブがあり、意図的に「希少性(不足しているように見せること)」を創出する。公共サービスの脱商品化(コモンズ化)、労働時間の短縮、不平等の是正により、それを逆行させれば、システムは変わるはず。
◆現在でも既に、大多数の人々は環題に配慮すべきと考えているが、その思いは少数の資本家により踏みにじられている。これは、民主主義と資本主義が(意外なことに)両立しないことを示しているが、我々はこの矛盾を乗り越えなければならない。
◆デカルトの二元論は、その後数世紀の科学の進歩により否定されつつあり、現在は、あらゆるものは唯一の壮大な「実在」の異なる側面に過ぎないというスピノザの思想に取って代わられている。同時に、世界各地の先住民族のアニミズム的世界観、あらゆるものとの互恵の精神が見直されている。
◆脱成長は、より少なく取るというプロセスから始まるが、最終的には、あらゆる可能性の扉を開くことになる。私たちを、希少性から豊富さへ、搾取から再生へ、支配から互恵へ、孤独と分断から生命あふれる世界とのつながりへと進ませる。
一読した感想としては、ほぼすべてにおいて納得できたし、提言については基本的に賛同する。
私は、資本主義の現状について、極端な経済格差や気候・環境問題にとどまらず、科学万能主義と結びついた、生命工学やAI技術の進歩という観点からも、強い問題意識を持っており、これまで様々な本を読んできたが、斎藤幸平『人新世の「資本論」』、セルジュ・ラトゥーシュ『脱成長』などは、「脱成長(による持続可能な社会の実現)」、「公共財のコモンズ化」などの点で、本書と近い方向性を持っている。
それにしてもだ。資本主義の矛盾・限界がこれほど様々な面で明らかになっているのに、なぜ人々は動けないのか。。。高所得国の人々は、これ以上の何を求めているのか。。。(この欲望は資本主義システムが恣意的に作り出していることは本書に書かれているが)
実は、私の書棚にはもう一冊、ヨハン・ノルベリの『資本主義が人類最高の発明である』が積読となっている。間を開けずに読まねばなるまい。
(2025年11月了) -
Posted by ブクログ
邦題はダイレクトだが、原題は“Neanderthal Man: In Search of Lost Genomes”。原著は2014年刊。著者スヴァンテ・ペーボがノーベル生理学・医学賞を授与されるのは、この8年後の2022年。
ネアンデルタール人のゲノムを取り出し解析するという冒険の一部始終が語られる。自伝的なエピソードもたっぷり入っている。それにスウェーデン人で、ドイツで研究。それらが混然一体となって、ふしぎな読後感がある。
時系列で書かれた研究の進展はスリリング。快いほどのスピード感がある。ネアンデルタール人と現生人類が交配した可能性については、かなりの紙幅を割いている。2014年の刊行なので、終わったばかりのデニソワ人のゲノム解析までを紹介している。
一方で、自伝的な側面は衝撃的。2つあげてみる。ひとつは、バイセクシュアルだということ。自分がゲイだと思っていたのに、友人のボーイッシュな奥さんに惹かれ、最終的には結婚(友人とは合意の上の略奪婚)、子ももうけている。これって二重、三重のカミングアウト?
もうひとつは婚外子であるということ。ペーボという名は化学者の母親の姓。父親は、スウェーデンの生化学者スネ・ベリストローム、1982年のノーベル生理学・医学賞受賞者。おとなになるまで、父親とは会ったことがなかったらしい。本書には、肺血栓になり危ない状態になったが、その治療法について調べたら、自分の父親の論文に行き当たり、心が揺れるエピソードも登場する。 -
Posted by ブクログ
運動と脳に関するケーススタディということで、
第1章 学習――脳細胞を育てよう
第2章 ストレス――最大の障害
第3章 不安――パニックを避ける
第4章 うつ――気分をよくする
第5章 注意欠陥障害――注意散漫から抜け出す
第6章 依存症――セルフコントロールの仕組みを再生する
第8章 ホルモンの変化――女性の脳に及ぼす影響
第9章 加齢――賢く老いる
第10章 鍛錬――脳を作る
という内容ですが、特に第9章、第10章の内容が重要だと思いました。
人間が健康に楽しく人生を過ごしていく上で、どうしても避けたい状況・状態を避ける方法について、動物実験、人間の行動分析で十二分に説明した上でのこの二章。
75歳の後期高齢者ですが、残り少ない人生を充実させるためのヒントが満載でした。
著者の執筆に際し、多数の協力者の情報提供で出来上がったこの本、値打ちがありました。 -
Posted by ブクログ
最強の集中力
2025.05.17
自分は疲れるとスマホをずっとみてしまいやりたいことができないことが多々ある。それをスマホや疲れのせいにして言い訳することで自分を納得させていたが、この本を読んでもっと根本にある原因に気づいた。それはストレスの原因と環境だ。
スマホをいじる本当の目的はストレスから逃げたいという気持ちがあるからなのだ。ストレスをなくさなければ依存してしまうのは当然。環境を変えなくてはならない。一見当たり前のようなことを再認識できたのはよかった。
これからは環境を変えるために
・帰宅後スマホの電源落とす
・疲れたらぼーっとして疲れの原因を思い返し、反省や対応策を考える
・軽く運動する
・本読む
制限のことについて話した結果、開放的な結論が出たという話は人間らしく素敵だと思った。
一人一人の集中時間を生み出すためにみんなでまとまって取り組む、この姿勢を大事にしたい。 -
Posted by ブクログ
【だれもがスモール・トラウマを持っている】世界的ベストセラーになっただけあって、良書すぎた。題名が深刻だけど、全然そんなことない。むしろ今年イチ、勧めたい一冊。見えない不安との闘いって生まれてから今日まであるけれど、もうこの本あれば大丈夫とさえ思える。ある種の鬱屈とした気持ちがきれいさっぱり、消えました。ワークショップしながら自己対話できるからよい。セルフカウンセリングですね。人生で大事にしている価値観とかも洗い出せて、目から鱗で面白かった。何回も読もうと思う。
#なぜかなんとなく生きづらいの正体 #不安 #トラウマ #セルフカウンセリング #心理学 #カウンセリング #精神分析 #不安症 -
Posted by ブクログ
しばらく離れていたマインドフルネス、セルフコンパッションにまた戻ろうと思う。
翻訳本なので、頭に入ってこない表現があったけれど、メンタルマネジメントの要素が詰まっていて、とてもよかった。
心理療法ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)について興味がある人には、この『メンタルマネジメント大全』にも出典されている、ラス・ハリスの『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』をお勧めする。
素晴らしいと思った内容は、概ねこのラス・ハリスの本から引用されていたと思う。
自己受容という概念を手に入れると、少し生きやすくなる。
メンタルのことは未だによくわからないし、自分のメンタルのコントロールは難しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2009年に発行されてから、15年になるが、こちらに書いてある内容はとても興味深いものばかりでした。運動が、身体の健康だけでなく、脳の健康にも影響しているのは、まさに関心の高いところで、やはり漠然とした将来への不安が、運動をすることによって少しでも和らげることができるのは本当にうれしい。最後まで健康でいたいと思うことは、誰もが思うことですものね。専門知識的な用語や内容もありましたが、丁寧に書いてあるので、よく理解できました。どうして、運動、特に有酸素運動が大切なのか、運動することによって私たちの脳内や体の中でどのようなことが起こっているのか・・・。例えば、うつ病、不安症など、例を挙げながらの説明。それ以外にもテーマ別に書かれていましたが、結局すべて有酸素運動が解決へと導いてくれるということですね。つまり人間も動く生き物だということ。生きていくために私たちの先祖は狩猟をしていたということが、今生きている私たちの体にも確かに根付いているということ。そう考えれば、科学の発達した便利な世の中で生活をしている私たちの頭や体の中で起こっている不具合のことが説明できるというのは何とも皮肉なもんだなぁと思いました。どんなに時代が進んでも、私たちの体がそのスピードに追いついてないってことを語っています。もちろん、今さら昔のような生活はできないけど、そういった体と脳の仕組みを知って、有酸素運動を毎日の生活に取り入れ過ごすことで、心身ともに健康に過ごせるならこんなに幸せなことはないと思います。数年前から、健康のためにとウォーキングをはじめましたが、なかなか習慣づかず、行ったりいかなかったりでしたが、どうしていいのかががわかると、モチベーションアップにつながり、以前とは違う気持ちで取り組めるようになりました。今は、ウォーキングが精いっぱい。目指せ、ジョギング!です。