野中香方子のレビュー一覧

  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    「人間の本質は善である」
    だからこそ人類は、危機を生き残れた。
    にもかかわらず、現代の社会が性悪説で設計されているのは、なぜか。
    ホッブスの性悪説VSルソーの性善説、少年たちの残虐さを描きノーベル文学賞を受賞したゴールディング『蝿の王』、人間の本性を暴くいくつかの心理実験や実際に起きた事件、それらをひとつひとつ再検証し、人間の本質は悪であることを示しているそれらの信憑性に異議を唱えた。

    歴史や心理学の専門家ではない私でも、大変読みやすく面白い本でした。冒頭から、目から鱗なことばかりでした。人の本質について言われている、性善説と性悪説、窮地に立たされた時に出る人間の本性、今までそれは悪であると

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    2023年06月20日
  • Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章

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    人は善である。そんなこともない、と思ってしまうのは、誤った情報を浴びせられているからか。では、なぜ、そんなことをするのか。反対のことをしたほうが面白い、うける、という思いを持つ人がいるという性質もあるのだろう。人とは、という哲学、は尽きることがない。自分なりの考えをつきつめるには読書だ!

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    2023年06月08日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    すごい。人は善。ミルグラムや、アイヒマンの話がある中でも人は善。これからの自分の生活の仕方、仕事の進め方を見直さねば。疑ってかかるなんて、ナンセンス。

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    2023年05月27日
  • 10代の脳 反抗期と思春期の子どもにどう対処するか

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    脳が未熟ということを知るか知らないかで子育ても変わります。
    科学的な知見を広げて親の心理的負担を軽減し、子どもたちをアクセプトできるとよいですね。
    タバコ、お酒、薬物は百害あって一利なし。

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    2023年05月25日
  • コード・ブレーカー 上 生命科学革命と人類の未来

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    ノンフィクションを読んでも本当の事は分からないのだろうが、自然科学、研究、論文、特許、人間模様、のグローバルな時事刻々の進展をインタビュー取材で掘り出し、記録し、組み立て直した著者の力量に圧倒される。冒険物、スリラー物が好きな人にも勧められる。生命科学用語の難易度は、果たしてどうなのかな、一般教養レベルなのかな?

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    2023年03月14日
  • コード・ブレーカー 上 生命科学革命と人類の未来

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    伝記作家のウォルターアイザックソンの新作。
    ゲノム編集技術クリスパーの開発経緯から、その後の特許紛争、新型コロナへの対応までを、ノーベル化学賞を受賞したジェニファー・ダウドナさんを中心に描いたノンフィクション。
    ゲノム編集という言葉は知っていたが、それがどんなもので、どのような経緯で開発されたか知らなかったので大変勉強になった。 著者自身が編集作業を経験したり、特許やこのツールの将来の在り方についても絡んでいて、自己の見解を述べたり、研究者間の橋渡し役になっている所が普通のノンフィクションとは違っている。当事者の視点も盛り込まれている。科学者間のポリシーの違いから、医療と生命倫理について考

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    2023年03月05日
  • キッシンジャー超交渉術

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    アメリカの名を背負って「南アフリカの不当な白人支配を終わらせる」とか「ベトナム戦争の停戦と米兵の安全な撤退」とか「冷戦真っ最中にソ連と中国と交渉する」とか、どれも想像すらつかない。こんな交渉を当事者として行ってきた人についての、その交渉術についての研究。事例の成り行きもそこからの教訓も興味深い。日経の本というのもあって書き方はちょっと硬めだが、自分がこの交渉の当事者だったと思って読むと得るものを大きいと思う。自分の普段の”交渉”の気がちょっと軽くなるかも?!

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    2023年03月02日
  • コード・ブレーカー 上 生命科学革命と人類の未来

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    スティーブジョブスの伝記を書いたアイザックソンの著作ということで、期待をしていたが、その期待以上の筆致で唸らされた。(上)はこの本の主人公であるダウドナが、化学の道を選び、RNAの研究者としてクリスパーキャス9システムのメカニズムを解き明かしていくまでが時系列で丁寧に描かれている。
    (下)はもっとスコープを広げてバイオテクノロジー分野に関わる人たちの物語という感じで、(上)(下)別の物語として楽しめる。(上)だけでも完結した価値で楽しめるけれど、(上)(下)通して読んだほうが絶対によい!

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    2023年02月26日
  • コード・ブレーカー 下 生命科学革命と人類の未来

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    スティーブジョブスの伝記を書いたアイザックソンの著作ということで、期待をしていたが、その期待以上の筆致で唸らされた。(上)はこの本の主人公であるダウドナが、化学の道を選び、RNAの研究者としてクリスパーキャス9システムのメカニズムを解き明かしていくまでが時系列で丁寧に描かれている。
    (下)はもっとスコープを広げてバイオテクノロジー分野に関わる人たちの物語という感じで、(上)(下)別の物語として楽しめる。(上)だけでも完結した価値で楽しめるけれど、(上)(下)通して読んだほうが絶対によい!

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    2023年02月26日
  • ネアンデルタール人は私たちと交配した

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    分子遺伝学、古人類学。
    2022年にノーベル生理学・医学賞を受賞したSvante Paaboの著作。

    現生人類の遺伝子の中にはネアンデルタール人由来の領域が含まれていることを発見した。
    極めて緻密な実験設計、衛生管理により実現。
    バイセクシャルらしい。
    なんとも興味深い本だった。

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    2023年02月20日
  • コード・ブレーカー 上 生命科学革命と人類の未来

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    ジェニファー・ダウドナ著の『CRISPR 究極の遺伝子編集技術の発見』を読んだので、上巻は復習かなぁと思っていたが、知識の雨がざぁざぁと降ってきた上巻。

    なぜ、面白かったのか。思いつくのは4つ。
    1)全体的には登場人物が多いのに、メインのストーリーラインを失わない著者の構成力
    2) 各人物について記述されている文章量に差はあれど、第三者視点でインタビューした内容が公平に書かれていること
    3) 各章のはじめに人物の写真が載せられていて、それが大体章の内容を語っているという不思議な説得力
    4) 研究とビジネス(特許権含む)の動きについて、目を瞑りたくなる部分にも、明瞭に公平にそして淡々と書かれて

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    2023年02月14日
  • 進化を超える進化 サピエンスに人類を超越させた4つの秘密

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    個人的に人類史が好きな方には、おすすめの一冊という感じ。
    人類進化の3要素「遺伝子」「環境」「文化」を進化させた4つの要素「火」「言葉」「美」「時間」の発明・発見について書かれている。
    文化は、他社から学ぶ能力とそうして得た知識を表現する能力に支えられている。

    【火】
    体内の燃焼(代謝)はゆっくり進むが、火の燃焼スピードは、速いので強いエネルギーを発散する。これにより、人間は、エネルギーの外部委託(アウトソース)が可能になった。
    また、夜でも明かりがある状態となり、活動時間も大幅に増えた、そして、エネルギーの吸収を効率した(より美味しく、衛生的に)ことにより、時間も増え、狩り以外のことにも時

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    2023年01月29日
  • 隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働

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    読めば、価値観が変わる本。
    いくつかの偏見が補正された。

    先ずは生活保護について。アメリカのユタ州、オランダで行われたハウジングファースト戦略。先ずは住まいを提供しようという事だが、ホームレス支援の資金投資に対して2、3倍の利益を導くことがわかった。更にアメリカでのベーシックインカムの社会実験では、学業成績の向上や健康状態の改善に寄与。フリーマネーを与えると、特にそれが必要な人々は、酒やギャンブルに無駄遣いしそうだが、多くは自立するための資金にする事も分かった。工夫の余地はあるが、生活保護制度は必要だ。

    もっと大きな規模では、世界初の社会保障制度の一つである19世紀のスピーナムランド制度に

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    2023年01月21日
  • コード・ブレーカー 下 生命科学革命と人類の未来

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    とても面白かった。
    生命科学の最前線でもあるし、コロナ禍で研究者が如何に困難に立ち向かっていったか、その結果ワクチンの開発が早く進んだこと、まさに今旬の話題だと思う。

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    2023年01月15日
  • コード・ブレーカー 下 生命科学革命と人類の未来

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    ベストセラーとなった「スティーブ・ジョブスⅠ・Ⅱ」をはじめ、レオナルド・ダ・ヴィンチやアルベルト・アインシュタインなど、偉大なイノベーターの評伝で知られる著者が、2020年にノーベル化学賞を共同受賞したジェニファー・ダウドナ博士の半生を中心に、遺伝子研究の歴史がゲノム編集技術として結実するまでの軌跡を辿る一冊(上下2冊)。

    幼い頃に科学者を志したダウドナが、好奇心と競争心を武器に女性蔑視の風潮や民間企業での挫折を乗り越え、研究者としての優れた資質とチームマネジメントの才を生かしてゲノム編集の鍵となるCRISPR-cas9の構造をいち早く解明し、論文発表に至る過程だけでも圧倒されるが、著者の知

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    2023年01月12日
  • コード・ブレーカー 上 生命科学革命と人類の未来

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    ベストセラーとなった「スティーブ・ジョブスⅠ・Ⅱ」をはじめ、レオナルド・ダ・ヴィンチやアルベルト・アインシュタインなど、偉大なイノベーターの評伝で知られる著者が、2020年にノーベル化学賞を共同受賞したジェニファー・ダウドナ博士の半生を中心に、遺伝子研究の歴史がゲノム編集技術として結実するまでの軌跡を辿る一冊(上下2冊)。

    幼い頃に科学者を志したダウドナが、好奇心と競争心を武器に女性蔑視の風潮や民間企業での挫折を乗り越え、研究者としての優れた資質とチームマネジメントの才を生かしてゲノム編集の鍵となるCRISPR-cas9の構造をいち早く解明し、論文発表に至る過程だけでも圧倒されるが、著者の知

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    2023年01月12日
  • コード・ブレーカー 下 生命科学革命と人類の未来

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    DNA編集技術のクリスパーCAS9の発見に至る経緯を追うノンフィクション上下巻の後編です。後編ではDNAを編集できる技術をどう活用すべきかという論理的な問題が主なテーマです。DNA編集の技術は先天的な遺伝子疾患の患者さん達にとってはまさに福音でした。多くの遺伝子疾患が治療対象の候補となっています。一方で、人間の身体機能をより向上させることも実現できる可能性が出てきました。2018年には中国の研究者がHIVへの耐性を強化する処置を施した赤ちゃんを誕生させる事態へと至りました。
    ウィルス耐性を向上させたり、遺伝子疾患を解消するのは「治療」と考えられ、多くの人がその妥当性には納得できそうです。一方、

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    2023年01月11日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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    人類にとっては当たり前とも言える「人は本質的に暴力的で残忍な生物である」という前提を覆す本。
    ホッブスの「万人の万人に対する闘争」は真実なのか?スタンフォード監獄実験は造られたものだった。

    読んでいて自分の固定観念がボロボロと崩れていく音がした。法や秩序というものは人が自然状態では罪を犯し、他社を傷つける、という前提があるから創られたものであると思っていたし、人類の歴史は暴力の歴史でもあると学んでいた。

    が、この本に書かれていることはそうではない。
    人の本質は善意であって、暴力的ではなく、お互いに歩み寄り、協調性を持つことができる。それこそが人類の本質であると述べられている。

    その結論に

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    2023年01月04日
  • Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章

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     希望の書。著者は言う、「わたしたちが、大半の人は親切で寛大だと考えるようになれば、全てが変わるはずた。」

     現在の社会の様々なシステム、民主主義、資本主義、教育、刑務所、介護・・・全ては「人間は本質的に利己的で、攻撃的で、すぐにパニックを起こす」という「最悪な人間を想定した」システムである。
    これに対して「大半の人は親切で寛大」だと考えて政治(税金の使い道を決める)、刑務所、介護施設・・その他のシステムを動かし始めた人たちがいる。そしてそれは、前者よりもはるかに上手く機能している。そういう幾つかの実践を記す。

     訳者あとがきが本書を完璧にまとめてくれている。

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    2023年01月02日
  • Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章

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     「万人の万人に対する闘争」は正しくない。「ほとんどの人は、本質的にかなり善だ」ということを多くの事実から証明していく。

     ロンドン大空襲、「蝿の王」、「利己的な遺伝子」、銃を撃たない兵士、ジャレッド・ダイヤモンドのイースター島の物語、スタンフォード監獄実験、ミルグラムの電気ショック実験・・・信じられている多くの「事実」は実は事実ではなかったことを暴き、人間が本質的にはどれだけ善かを証明していく。

     後半では、「最悪な人間を想定した現在のシステム」= 法の支配、民主主義、資本主義・・・を乗り越えていく「最良の人間を想定したらどうする」から新しい世界を構想していく。コモンズ、アラスカの永久基

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    2022年12月31日