あらすじ
人間の脳は走りながら進化した。
脳と気持ちが劇的に変わる脳科学からの運動指南。
空前の脳ブームとランニング・ブームを結ぶ待望の書!
アメリカ・イリノイ州のとある学区では、朝の授業の前に「0時間体育」の試みを始めたところ、参加する生徒の成績が上がりました。しかも、0時間目の直後に受けた1時間目の教科にとくに顕著な効果が現れたのです。その理由は──予想もしなかった運動と脳の関係にありました。
運動すると気分がスッキリすることは誰でも知っています。けれどもなぜそうなるのかわかっている人はほとんどいません。本書は「運動と脳」の関係に神経科学の視点から初めてしっかりとメスを入れ、運動するとなぜ学習能力が上がるのか──のみならず、ストレス、不安、うつ、ADHD、依存症、ホルモン変化、加齢といった人間の生活・人生全般に影響を及ぼすのか、運動がいかに脳を鍛え、頭の働きを取り戻し、気持ちを上げるかを解き明かします。
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Posted by ブクログ
【読もうと思った理由】
シンプルなタイトルで、何について書かれているのか分かりやすく、また良い本だと聞いてたので手に取りました。脳を鍛えるために。
【感想】
正直、科学的な視点で書かれたニューロンなんちゃらの話はあまり深くは理解できなかったし、結構呼び飛ばしてしまったけれど「運動が脳に良い」ということは、かなり伝わった。また「体に良いことは脳にも良い」ということなど、改めて脳と体は一進一退であり、それぞれ良くも悪くも干渉し合う存在なんだということを学んだ。
とても良い本だったし、運動に対する見方も変わった。とにかく出来る運動から始めようと思う。まずは歩くということから。
▼以下、本文で気になった部分をメモ
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運動で爽快な気分になるのは、心臓から血液が盛んに送り出され、脳がベストの状態になるからで、運動すると、セロトニンやノルアドレナリンやドーパミン、思考や感情に関わる重要な神経伝達物質が増える
身体にいいことは、脳にもいい
運動は3つのレベルで学習を助ける
気持ちよくなり、頭がスッキリし、注意力が高まり、やる気がでてくる
新しい情報を記録する細胞レベルでの基盤としてニューロン同士の結びつきを準備し、促進する
海馬の幹細胞から新しいニューロンが成長するのを促す
30分のジョギングを、週にほんの2〜3回、それを12週間続けると、遂行機能が向上することが確認された
簡単なジョギングだけでなく、もう少し複雑な運動を取り入れた方が、より脳機能は向上する
おすすめの運動は、心血管系と脳を同時に酷使するテニスや、10分ほどの有酸素運動のあと、クライミングやバランス運動など、技術が必要な運動をすること
日常的に運動している人は、そうでない人よりも病欠で仕事を休むことがかなり少ない
運動すると体の筋肉の張力が緩むので、脳に不安をフィードバックする流れが断ち切られる。体の方が落ち着いていれば、脳は心配しにくくなるのだ。
有酸素運動は不安障害のどんな症状も大幅に和らげることを数多くの研究が示している。さらに、運動は健康な人が普段の生活で感じる不安も和らげられる。
運動が脳の衰えを防ぐだけでなく、老化にともなう細胞の衰えを逆行させるということだ
運動が身体に与える影響
・心血管系を強くする
・肥満を防ぐ
・ストレスの閾値を上げる
・気分を明るくする
・免疫系を強化する
・骨を強くする
・意欲を高める
運動のプランを立てる際には、四つの領域をカバーできるようにしよう。有酸素運動、筋力強化、バランス、柔軟性である。
基本は、220から年齢を引いた数字が理論上の最大心拍数だ。
有酸素運動
週に四日、30分から一時間、最大心拍数の60~65%で運動する。 そうすれば、体内の脂肪を燃焼し、これまでに述べてきた脳構造の変化に必要な成分をすべて作り出すことができる。ウォーキングが最適だが、友人と一緒に戸外でできればなおよい。どんな運動を選ぶにしても、長く楽しめるものにしよう。それに加えて、週に2日は、少しペースを上げて(最大心拍数の70~75%)、20分~30分運動しよう。
筋力
週に2回、ダンベルかトレーニングマシンを使った筋力トレーニングを、無理のない重さで10回から15回を1セットとして3セットする。これは骨粗しょう症の予防に非常に有効だ。ありとあらゆる有酸素運動をやっていても、筋肉と骨は年とともに衰えていく。
バランスと柔軟性
週に2回、30分程度、バランスと柔軟性を重視した運動をしてみよう。ヨガ、 ピラティス、太極拳、空手や柔道、ダンスなどには、バランスと柔軟性が求められる。
特定の運動の代わりに、バランスボールや、ボスというバランスボードを使ったトレーニングをしてもいい
運動は脳の機能を最善にする唯一にして最強の手段だということ
研究が一貫して示しているのは、体が健康になればなるほど、脳はたくましくなり、認知力の面でも、情緒の面でも、よくはたらくようになるということだ
体を快調にすれば、心もそれに従うのだろう
ウォーキング、すなわち低強度の運動と呼ぶのは、具体的には最大心拍数の55~65%での運動を指す。中強度の運動は65~75%、高強度は七五から90%となる
週に6日、なんらかの有酸素運動を45分から1時間するというのが理想だろう。そのうちの4日は中強度で長めにやり、あとの2日は高強度で短めにする。体を強制的に無酸素代謝の状態にする高強度の運動が、思考や気分に影響するかどうかははっきりしないが、高強度の運動をすると、脳を作る重要な成長因子のいくつかが体から分泌されるのは確かだ。短時間で高強度の運動をするには筋力トレーニングを含んだほうがいいだろう。しかし、2日つづけて高強度の運動をやってはいけない。体と脳が成長するには、回復のための時間が必要となるからだ。わたしが提案するのは、週のうち6時間を脳のために費やすことだ。起きている時間のせいぜい5%だ。
毎日運動できればベストだが、休み休みでも運動すれば驚異的な効果がある、と結論した。運動が「毎日やるか、まったくやらないか」というものではないということを肝に銘じておいてほしい。もし数日間、あるいは1~2週間、 運動しそびれたとしても、再開した翌日には、海馬はBDNFをどんどん生産している。その様子を想像しようではないか
Posted by ブクログ
運動と脳に関するケーススタディということで、
第1章 学習――脳細胞を育てよう
第2章 ストレス――最大の障害
第3章 不安――パニックを避ける
第4章 うつ――気分をよくする
第5章 注意欠陥障害――注意散漫から抜け出す
第6章 依存症――セルフコントロールの仕組みを再生する
第8章 ホルモンの変化――女性の脳に及ぼす影響
第9章 加齢――賢く老いる
第10章 鍛錬――脳を作る
という内容ですが、特に第9章、第10章の内容が重要だと思いました。
人間が健康に楽しく人生を過ごしていく上で、どうしても避けたい状況・状態を避ける方法について、動物実験、人間の行動分析で十二分に説明した上でのこの二章。
75歳の後期高齢者ですが、残り少ない人生を充実させるためのヒントが満載でした。
著者の執筆に際し、多数の協力者の情報提供で出来上がったこの本、値打ちがありました。
Posted by ブクログ
2009年に発行されてから、15年になるが、こちらに書いてある内容はとても興味深いものばかりでした。運動が、身体の健康だけでなく、脳の健康にも影響しているのは、まさに関心の高いところで、やはり漠然とした将来への不安が、運動をすることによって少しでも和らげることができるのは本当にうれしい。最後まで健康でいたいと思うことは、誰もが思うことですものね。専門知識的な用語や内容もありましたが、丁寧に書いてあるので、よく理解できました。どうして、運動、特に有酸素運動が大切なのか、運動することによって私たちの脳内や体の中でどのようなことが起こっているのか・・・。例えば、うつ病、不安症など、例を挙げながらの説明。それ以外にもテーマ別に書かれていましたが、結局すべて有酸素運動が解決へと導いてくれるということですね。つまり人間も動く生き物だということ。生きていくために私たちの先祖は狩猟をしていたということが、今生きている私たちの体にも確かに根付いているということ。そう考えれば、科学の発達した便利な世の中で生活をしている私たちの頭や体の中で起こっている不具合のことが説明できるというのは何とも皮肉なもんだなぁと思いました。どんなに時代が進んでも、私たちの体がそのスピードに追いついてないってことを語っています。もちろん、今さら昔のような生活はできないけど、そういった体と脳の仕組みを知って、有酸素運動を毎日の生活に取り入れ過ごすことで、心身ともに健康に過ごせるならこんなに幸せなことはないと思います。数年前から、健康のためにとウォーキングをはじめましたが、なかなか習慣づかず、行ったりいかなかったりでしたが、どうしていいのかががわかると、モチベーションアップにつながり、以前とは違う気持ちで取り組めるようになりました。今は、ウォーキングが精いっぱい。目指せ、ジョギング!です。
Posted by ブクログ
有酸素運動は脳を強くする。運動することで海馬でニューロンの元になる幹細胞をたくさん作れるようになる。ニューロンの成長や誕生に欠かせない栄養因子も供給されやすくなる。
認知症、発達障害、鬱、更年期障害老化などほとんど全ての脳由来の症状が、週3日、30分の有酸素運動をすることで解決の糸口が見つかる。大事なことは心血関係を強くする。ストレスの閾値を上げる。意欲を高める。気分を明るくする。免疫系を強化する。骨粗鬆症を予防すること。運動できる体作り。
運動と言っても心拍数を上げることが狙い。最大心拍数の60〜70%を保って運動すると認識の柔軟性が向上する。有酸素運動30分。週3回を6か月でも前頭前野の皮質量が増える効果あり。
最大心拍数は220➖年齢
BDNF脳由来神経栄養因子が新たなニューロンを作る為の重要な要素。
BDNFはシナプスの近くの貯蔵庫に蓄えられ、血流が盛んになると放出される。その際には体内の多くのホルモンが召集され、そのプロセスを手助けする。
新しく生まれたニューロンはおよそ28日以内に使われなければ死んでいく。
Posted by ブクログ
1年前の自分に、首をふん捕まえてでも読ませてやりたい。
「仕事が忙しくてジムに行けない...」
そんなことを言いながら運動する習慣と疎遠になり、通いたいのに通えないストレスからジムのメンバーシップも解約した結果ますます塞ぎ込み、ついには適応障害と診断されて休職することになる、その前の自分に。
やるべきことに追われて運動する暇もない、そんな状況だからこそ、逆に運動は絶対に続けなくてはいけない。
体を無理やりにでも動かすことで、脳に酸素をぶち込み、脳細胞をスパークさせることで堂々巡りの思考回路に風穴を開ける。
頭を埋め尽くすやるべきことの中から、1%の本当にやりたいことを見つけ、残りの99%の無駄を斬り捨てる判断力を取り戻す。
運動すると気分良くなるからやったほうがいいよー、なんてレベルじゃない、
あなたが運動をしなければならない理由が、これでもかという科学的根拠とともに書かれている。
運動したいけどなんかキッカケがないなぁ、ともやもやしてる人にこそぜひ読んでほしい一冊です。
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わたしの経験では、体育は運動をするものではなく、むしろ逆に運動する気をなくさせるものだった。内気な子や不器用な子、病弱な子ーつまり、運動の効果を最も得られるはずの子どもたちーが押しのけられ、ベンチでほかの子の活躍を眺めているなんて、なんと残酷な皮肉だろう。 p.41
ここまでくれば、運動が三つのレベルで学習を助けていることは十分おわかりいただけたと思う。まず、気持ちがよくなり、頭がすっきりし、注意力が高まり、やる気が出てくる。つぎに、新しい情報を記録する細胞レベルでの基盤としてニューロンどうしの結びつきを準備し、促進する。そして三つ目に、海馬の幹細胞から新しいニューロンが成長するのを促す。 p.67
有酸素運動が神経伝達物質を増やし、成長因子を送り込む新しい血管を作り、新しい細胞を生み出す一方で、複雑な動きはネットワークを強く広くして、それらをうまく使えるようにする。動きが複雑であればあるほど、シナプスの結びつきは複雑になる。また、こうしたネットワークは運動を通して作られたものではあっても、ほかの領域に動員され、思考にも使われる。ピアノを習っている子どもが算数を習得しやすいのはそのためだ。 p.70
精神が体に影響を及ぼすように、体も精神に影響を及ぼすことができる。(中略) 闘争・逃走反応の目的が、人間を行動に駆り立てることである以上、体を動かすのはストレスの悪影響を防ぐ自然な手段なのだ。ストレスに対処するために運動するのは、人類が過去数百万年かけて進化する過程で行ってきたことだ。 p.82
運動は自発的にすることなので、そのストレスは予測できるし、コントロールできる。その点が心理上、重要な意味をもっている。自分を支配しているという感覚と自信が得られるからだ。アルコールなどの副作用のある対処法に頼らなくても、ストレスをコントロールできるとわかっていれば、気持ちの切り替えがうまくなる。まず学ぶべきなのは、自分の対応力を信じることだ。 p.101
微小細胞レベルから心理レベルまで、運動は慢性ストレスの悪影響を退けるだけではない。悪影響を逆転させることができるのだ。複数の研究により、慢性のストレスにさらされているラットを運動させると、縮んでいた海馬が元の大きさに回復することがわかっている。運動が人間の思考や感情を変化させる仕組みは、ドーナツや薬やワインよりよほど効果的だ。 p.101
彼女は走ったあとは不安が軽くなることを自覚していたが、「忙しすぎて運動をやっている暇はないんです」と言った。わたしは、「逆に、無理にでも時間を作って運動するようになれば、そうした焦りは消えるから大丈夫ですよ」と諭した。 p.123
運動がすぐれているのは、日常で感じる不安に対しても、病的な不安に対しても、体と脳の両方に効果があるところだ。 p.135
不安はコントロールでき、パニックは防げるということを運動を通して学べる。それを心理学用語では自己把握といい、その力を強めていけば、不安な感情や、不安が高じて発症するうつ病に対して強力な予防策となる。意識的に自分のための行動をとるようにしていけば、自分にはそうする力があることに気づき始める。それを繰り返せば、大きな効果が期待できる。 p.138
抗不安剤と運動を併用する場合と、薬だけを用いる治療には大きな違いがある。ベンゾジアゼピンのような薬ーあるいは、自己流で治療している人にとってはアルコールーは、不安をすぐに鎮めてくれるが、それを飲んでいても恐怖に対して別の反応ができるようにはならない。不安障害の人は往々にして、自分が人生になにを望んでいるのか、なにを選ぶべきかを考えることができない。実際、慢性的に不安を抱える人の大半が望むのは、不安になりたくないということだけだ。運動は、彼らがなにかに"向かって"動くことを後押しする。 p.139
眠れないのなら、毎朝、夜明けとともに散歩に出よう。犬を散歩させ、生活リズムを変えよう。うつに背を向けて走るのだ。人生がかかっている覚悟で、一四〇〇キロカロリーを燃焼させ、問題を根から摘みとろう。 p.177
運動に即効性はないが、なんとしても、脳をふたたび作動させなければならない。体が動き始めたら脳も動かざるを得なくなる。これは段階的に進めていくものであり、最善の戦略はともかく最初の一歩を踏み出し、さらに大きな一歩を踏み出すことだ。最初はゆっくりと始め、積み重ねていこう。うつとは、本質的には、なにに対しても動こうとしない状態だ。運動はこの否定的な信号を反転させ、脳を騙して冬眠から目覚めさせるのだ。 p.177
ほとんどの依存症者は、これまで自分が人生をどれほど損なってきたかを考え出すと、自分にはなにもコントロールできないと思うようになり、ましてや自制して依存を断つことはとてもできそうにないように思えてくる。しかし運動は、依存症者のそのような低い自己評価に強い影響を及ぼす。体を動かし、主体的に新たな目的に挑戦し、それを達成できれば、自分をコントロールできるという自信が生まれ、それは生活のほかの面にも広がっていくのだ。 p.237
必要な運動量は、当然ながら依存の深刻度によって異なるが、依存を完全に断ちたいのであれば、週に五日、三〇分のハードな有酸素運動というのが最低ラインだ。できれば毎日、体を動かした方がいい。運動は前向きなことに目を向けさせ、心を埋めてくれるからだ。 p.239
孤独と運動不足は、細胞の死のスパイラルをさらに助長し、脳を萎縮させる。 p.281
わたしが望むのは、本書で述べてきたことすべてがあなたを勇気づけ、あなたがテレビのリモコンのかわりにジム用のバッグを握り、スポーツを観戦する側ではなくフィールドに立つ側になってくれることだ。 p.337
Posted by ブクログ
気持ちは脳で作られている。
科学的に脳内で何が起きているか説明しながら、運動の良さを教えてくれる。
なんかうまくいかないなーと思ったら有酸素運動をしよう。また読みたい本。
Posted by ブクログ
科学的Logicに基づいて、脳と体の相関や、なぜ運動が脳に良いのかを、解説している。
不安障害や精神疾患、依存症や加齢に対して運動が効果的であることを主張している。
思えば自分も運動をやめてから、段々とおかしくなっていったな。。。
今もあまり運動はしていないが、健全な脳をとりもどすために必要なものがなにかは理解することができた。
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脳に栄養をおくるには血流でおくるしかない。
又、栄養を脳にためておけないとの事。
その為定期的に心拍を上げて脳に栄養(本書では鍛える)をおくる必要があると感じた。
運動のメインは脳に栄養をおくる事、その副産物として筋肉がつくと記載ありインパクトがあった。
認知症やがん予防にも繋がるとなれば運動しない理由がみあたらない。
運動意識を高める本書であった。
Posted by ブクログ
運動とメンタルについての研究結果の紹介に多くのページが割かれていた。身体を動かすことで、ストレス・不安・依存症が改善することがよく分かった。
また、具体的な運動の種類・運動量についても紹介されていたため、興味が出てきたなら実際にやってみても良いかもしれない。
個人的に覚えておきたい内容
・日々の生活に運動を加えると人と会うきっかけになり、社会的なつながりが作りやすくなる。
・運動による依存症の断ち切り方。
・運動は休み休みやっていても効果がある。
・とりあえずダンスが一番効果がありそう。
Posted by ブクログ
運動が体だけでなく脳にとっていかに良いかが、精神科医の著者により豊富な事例と共に書かれている。とにかく運動へのモチベーションが上がる本!
・ネーパーヴィル・セントラル高校の事例
朝、好きな運動をして心拍数を最大心拍数の80-90%に上げる取り組み→生徒達の成績が世界一に
・脳も体と同じように鍛えられる。使えば使うほど強く育つ。(ニューロンが繋がる)
・運動が学習効率を向上させる
・元来、人間は体を動かすようにできていて、そうすることで脳も動かしている。学習と記憶の能力は、祖先が食糧を見つけるときに頼った運動能力と共に進化したので、脳にしてみれば、体が動かないなら学習する必要はない。
・体を動かしている限り、脳は自らを修復できる。本来、脳はそのように設計されている。
・有酸素運動(神経伝達物質を増やし新しい細胞を生み出す)と複雑な動き(ネットワークを強く広くして、それらをうまく使えるようにする)はそれぞれ別の有益な効果を脳にもたらす。
・人間は困難があればこそ努力し、成長し、学ぶ。細胞レベルでも同じで、適度なストレスは脳の成長に拍車をかける。
・運動すると気分が良くなるだけでなく、自分を肯定的に捉えられるようになる。体を動かしてすっきりすると、自分はきっと大丈夫で、信頼できると思えるようになる。
Posted by ブクログ
運動は薬である。運動が脳を育て、心と体に良いということを教えてくれる本。どの章も良かったが、特に2章が良かった。様々な恩恵をもたらしてくれる運動。しかも習慣が途切れたとしても再開すれば問題ない。運動をやらない選択は無い。
Posted by ブクログ
ビジネス書評
読書レベル 中級
ボリューム 341頁
読みやすさ ★★★★★
知識・教養 ★★★★★★!
理解度 ★★★
実現度 ★★★★
影響度 ★★★★★★
一言感想:
運動モチベーションを高めたい方にオススメの一冊です。運動習慣を身につけるための教科書ですね、これは!
本書では、科学的根拠に基づいて学習効率UP、ストレス解消、不安解消、ホルモンバランスの乱れへの対策など、目的別に脳を鍛える運動法(筋トレ、ランニング、ヨガ、スイミング、ダンス、テニスなど)が提示されています。
なかなか運動モチベーションが続かない方は、ぜひ本書に触れてみてはいかがでしょうか。分厚い本ですが、脳を鍛えたい目的別に運動方法だけ確認するのみでも十分参考になると思います。
Posted by ブクログ
本書のタイトル通りの内容であるが、運動がもたらす効果を脳神経科学に基づいたうえで、多くの事例とともに紹介している。
特にBDNF(脳由来神経栄養因子)と呼ばれる因子は、脳のニューロンとシナプスの伝達を強化すると考えられており、鬱病やストレスによるドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニンのホルモンバランスの修復にも役立つとのこと。
脳神経科学の専門用語は出てくるが、それほど難解な内容でもないので、運動後の高揚感を感じたことがある人は、さらなるモチベーションアップのためにもおすすめしたい1冊。
Posted by ブクログ
本書は2008年に発売された書籍であり、15年前の科学の知見で書かれた内容であるが、私が知る限り、大きく覆った内容はないと思われるため、非常に勉強になる一冊と感じました。
自己啓発や健康などを追っている人は運動の大切さを知っていると思いますが、この本では神経科学の検知から説明がされており、特に有酸素運動での研究結果をもとに説明されていました。
運動の強度を心拍数で考える定義の説明もあり、これから運動を始める人も指標ができてとても助かります。
私自信うつと診断されていますが、精神疾患といわれる病気にもどのように効果があるかを実例を基に説明されておりわかりやすく、モチベーションを上げていただきました。
精神疾患だけでなく子供の学力、依存症、妊婦や
PMSで悩む女性、老化、認知症、妊婦が生む赤ちゃんへの影響などにも運動の効果がでかいというのは衝撃を覚えました。
特に妊婦に関しては安静にした方が良いだろうという価値観を壊していただけたので、私にとって大事な知見になりました。
最後の章で記載がありましたが、運動を続けられなくとも、BDNFの回復量の観点から3日坊主でやめてしまっても、もう一度始めることがとても大切だと教えられたことも大事な知見と私は感じました。
運動を続けられない、何かの疾患で悩んでる方は一度この本を読んで運動へのモチベーションを上げるというのも一考かと思いますので、評価は高くしています。
ぜひ読んでみて欲しいです!
Posted by ブクログ
4年前に購入してからずっと積んでた本。
やっと読みました。
内容はタイトルのとおり。いかに運動が心身に良いかが書かれています。脳にいい。ストレスにいい。不安にいい。パニックにいい。うつにいい。ADHDにいい。依存症にいい。PMSにいい。認知症にもいい。
しっかりとした研究結果や事例でこれでもかと説明してくれるので、説得力は凄くあります。その分ページ数は多めなので、読み切るのはちょっと大変かもw
個人的にうつの定義が的を得た説明だと感じた。
以下一部抜粋。
うつとは、希望がまったくない環境で資源を保存しようとする生存本能。おとなしくして危険に近づかないようにするためにそういう状態になる。一種の冬眠だ。
Posted by ブクログ
運動が脳に与える影響について書かれている本。
様々な事例を交えて分かり易く記されている。
運動することの重要性は、いかなる年代や状況においても変わらないということを教えてくれた。
メンタリストのDAIGOが動画で薦めているのを見て興味を持ち購入した。
どうやったら良いパフォーマンスを発揮しながら生きていけるのかについて非常に興味がある。
p94〜要約
軽度なストレスを与え続けることで、人間は適応して成長する。
つまり、脳を使って勉強し、カロリーを抑え、運動することが細胞に挑み、丁度良いストレスになる廃棄物を出す。
Posted by ブクログ
教育現場の事例に始まり、うつ、依存症、ADHDなどに運動がいかに効果的か、数々の論文を引用しつつ淡々と解説してくれる。読んでいる途中から今すぐにでも運動を習慣したいと思える一冊でした。
Posted by ブクログ
結構分厚い本で運動するとどんな良いことがあるかひたすらに書いてあります。
厚すぎて最後はざっくばらんに読みました。
これを読めばさすがに運動せざるを得ないでしょう。
私も運動しようと思い試みましたが血圧が下がったのでいきなり無理はやめようと思いました。
もちろん外国の本なので日本人とは違う点もあるかもしれないですが運動は良いことだらけだと思います。
運動しよう!
Posted by ブクログ
話題になっている本ということで手に取った。
分厚い本で研究が元になっているため、専門的用語も多く正直読みにくい。
それでも10章構成であること、ストーリーが組み込まれていることによって読みやすく工夫はされている。
うつやストレス、老化といった様々なことに対して運動は効果的だよ!と理論的に説明がされているが、すべて結論は運動しよう!という内容のため、途中は少し飽きてしまう。
ただこれだけ理論立てて運動の効果を説明されると、運動しようという気にはさせてくれる。
どのくらいの運動をすれば良いかについても触れられているので、こちらを元にした具体的なトレーニング内容の本があったら嬉しいなと思った。
Posted by ブクログ
もう何回目かわからんぐらいの再々々・・・・読ぐらい繰り返し読んでます。
とにかくタイトルの通り運動して脳を鍛えましょう、っていうそのまんまの内容です。この「脳を鍛える」っていうのは、学力向上はもちろん、抗ストレス、鬱のような精神疾患全般、依存症、アンチエイジングにも効果があるよって教えてくれます。しかも副作用なしで。すばらしい。
ここでいうところの運動とは、第一にランニング、ウォーキング、縄跳びなどの有酸素運動。あとはテニスとかスカッシュとか複雑な動きが必要なスポーツ。さらにダンス、ヨガ、ロッククライミング、太極拳などの武道も。
刊行されてからずいぶん経つので、データとかはちょっと古いかもしれませんが。読み終わると、もう走るしかない!と思えます。
ただ、何回目でも、この本を読むのは苦戦しました。
Posted by ブクログ
精神科医が運動の効用は身体にだけでなく脳にもあると説く。脳のニューロンは成人すると育たないって言われてたけど、そうじゃないらしい。
為にする「スポーツ」の存在意義には常々疑問を抱いている私にも、「運動」の効用は理解できた。
Posted by ブクログ
大変だった。専門用語が多くてわかりづらかった。運動することは精神に良いことは実体験でわかっていた。それの裏づけとなる本でした。ただ、難しい事を並べても結局は運動することに全てが繋がっていることに各章での違いを見つけられなかった。
Posted by ブクログ
うつ病を患い、樺沢紫苑先生のおすすめ本ということで本書を手に取った。
運動することによりBDNFほかの分泌により、うつが良くなったり、脳が活性化されたりすると分かった。
ある程度の強度のある運動をしないと効果は表れないとのことだが、散歩でも全く効果はないわけではないとのことなので、まずは散歩から始めてみようと思った。
Posted by ブクログ
グルタミン酸とガンマアミノ酪酸(GABA)が脳内の信号送信の約80%を担っている。グルタミン酸は、ニューロンの活動を活発にして信号の連鎖的反応を始動させ、それまで結合したことのないニューロンの間に信号を送り、結合を促進する。GABAはその活動を抑える。
運動によってすべての神経伝達物質が調整される。ノルアドレナリンが急増し、脳を目覚めさせて働き出す。ドーパミンが放出されることによって気分を前向きにし、幸福感を高め、注意システムが活性化される。習慣的に運動すると、ドーパミン受容体を作る酵素が生成されて受容体そのものが多くなり、何かを成し遂げた時により強い満足感を得られる得られるようになる。セロトニンによって気分や衝動が調整され、コルチゾールを中和してストレスを抑え、学習に重要な前頭前野と海馬のつながりを細胞レベルで調整する。
脳由来神経栄養因子(BDNF)はニューロンの結合と成長を促す肥料のようなもので、海馬などの気分をコントロールする部位でコルチゾールの攻撃からニューロンを守っている。BDNFはコルチゾールが増えすぎると減るが、運動によって増加する。
運動によって得られる健康上のメリット
・血管の内壁を形成する内皮細胞の生成が促され、血管ネットワークを拡張し、予備のルートを作って血管が詰まるのを防ぐ。一酸化窒素が取り込まれて血管が拡張され、血流が増加する。それによって、脳の動脈が硬くなるのが予防され、血管のダメージも修復される。
・全身のインスリンが調整され、脳ではシナプスの可塑性が高まる。余剰のグルコースが消費され、減少したBDNFが盛んに供給される。
・カロリーを燃焼し、食欲を抑えることによって肥満を防ぐことができる。
・細胞にダメージを与える過剰なコルチゾールやグルコース、フリーラジカル、グルタミン酸を抑える。細胞の傷を修復するための有用なタンパク質を生成して劣化を遅らせる。
・免疫系の抗体とリンパ球を活性化し、免疫系のバランスを回復して炎症を抑える。
・骨の自然な減少を抑えて、骨粗鬆症を予防する。
・ドーパミンの減少を予防し、ニューロン間の繋がりを強めて意欲を高める。
・ニューロンのつながりを強め、より多くのシナプスを作って回路網を拡張し、海馬の中でニューロンの親となる幹細胞を生み出す。脳の成長に欠かせない栄養因子を盛んに供給する。これらによって、学習、記憶、高度な思考、感情のコントロールが上手くできるようになる。
ウォーキングレベルの運動をすると、脂肪が燃料として燃やされ、代謝が盛んになる。血流が増すことで、セロトニンや BDNFなどの栄養因子が生成される。ノルアドレナリンやドーパミンが調整され、忍耐強さ、楽観性、集中力、やる気を高めることができる。
ジョギングレベルの運動をすると、グルコースも燃やされ、筋肉組織は微小断裂を起こす。筋肉の細胞分裂が促進されて、より多くの血管が作られる。また、ニューロンのつながりが強められ、その新生も促される。脳細胞の内側では、フリーラジカルやDNAの破片、細胞の破壊をもたらす炎症因子が除去される。血中にアドレナリンが放出される。視床下部・下垂体・副腎(HPA)軸が活性化され、ストレスに強くなる。免疫も強化される。心筋で心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が合成されて脳内に運ばれ、ストレス反応が緩和される。
無酸素運動をすると、下垂体からヒト成長ホルモン(HGH)が放出される。腹部の脂肪を燃焼させ、筋肉繊維の層を作り、脳の容量を増やして学習能力を向上させる。
Posted by ブクログ
2009年と15年前に発行された本なので、今は更に新たな見解が生まれてるかもしれないが、運動が如何に脳にとって大切か勉強になった。
朝、最大心拍数の75%以上になる運動を20-30分してから仕事に取り組むのを実践してみたい。
Posted by ブクログ
かなり専門的、学問的、理論的です。重点読み、流し読みしました。エッセンスは: 運動すれば気持ちがよくなり、頭がすっきりし、注意力が高まり、やる気が出てくる。運動の第一の目的は、脳を育てよい状態に保つことにある。筋力や心肺機能を高めることは副次的な効果にすぎない。ジョン・レイティ著&野中香方子訳「脳を鍛えるには運動しかない」、2009.3発行、345頁。ストレスや不安は有酸素運動をすればたちまち解消される。うつの予防にも治療にも運動は有効。そして、運動は脳の老化を防ぐ。
運動をすると思考や感情に関わる神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン)が増える。セロトニンは気分、衝動性、怒り、攻撃性に影響。ノルアドレナリンは注意や知覚、意欲、覚醒に影響する信号を増強。ドーパミンは学習、満足、注意力、運動に関する神経伝達物質。
Posted by ブクログ
2018 そうすけの紹介
2023.5.19再読
第七章 依存症 のみ読んだ
ドーパミンは対象が好きかどうかには関係していない。
快楽と痛みの合図はどちらも側坐核に大量のドーパミンを流すことで、我々人に生き残るための行動が取れるようにする。大量のドーパミンが放出されると脳は生死に関わるほど重大と誤解する。
依存症は反射的行動を引き起こす記憶の中に組み込まれている。
依存症の場合、繰り返すたびにドーパミンがシステムにあふれ、記憶を強化し、側坐核の樹状突起を著しく成長させシナプスの結びつきをふやす。結果、大脳基底核が、条件刺激(ドラッグを連想させるもの)に自動的に反応。
運動により大脳基底核を再プログラミングして、別行動につながる回路を作る。
ストレスがかかると注意力を増すためにドーパミンを急増させる。
Posted by ブクログ
▼運動の概要
・運動が脳のはたらきを活発にしてくれるとわかっているから、とにかく運動しようと思える。
・授業の前に運動をするようになってから、より準備が整った状態でほかの授業を受けれるようになった。彼らは以前より感覚が研ぎ澄まされ、集中力が高まり、気分がよくなった。そわそわしたり、緊張したりしなくなった。
・元来、私たちは体を動かすようにできていて、そうすることで脳も動かしている。
・運動は脳の機能を最善にする唯一にして最強の手段
●・脳のために何かをするということは、体を心臓病や糖尿病、がん、その他の病気から守る事にもなる。体と脳はつながっている。両方一緒に大切にすればいいのだ。
★・運動が3つのレベルで学習を助けている
(1)まず、気持ちが良くなり、頭がすっきりし、注意力が高まり、やる気がでてくる
(2)新しい情報を記録する細胞レベルでの基盤としてニューロンどうしの結びつきを準備し、促進する。
(3)海馬の幹細胞から新しいニューロンが成長するのを促す
●運動のプランを立てる際は、四つの領域をカバーできるようにしよう
(1)有酸素運動
(2)筋力強化
(3)バランス
(4)柔軟性
▼ストレス
★・現代生活のストレスをいかに減らすかを説くさまざまなアドバイスが見失っているのは、人間は困難があればこそ努力し、成長し、学ぶという点だ。
細胞レベルもそれは同じで、ストレスは脳の成長に拍車をかける。ストレスがそれほど過酷なものではなく、ニューロンが回復する時間があれば、その結びつきは強くなり、私たちの心の機能はよりスムーズに動くようになる。良いか悪いかの問題ではない。ストレスは必要不可欠なものなのだ。
★・ストレス発散は、食事・アルコールではなく、運動にする。運動は欲しいもの、渇望しているものの代わりになる。自分の脳がなにを求めているのかがわかったこと、それが一番の勝因。
★・アルコールは海馬の長期増強(LTP)、すなわち学習と記憶を支える細胞メカニズムを破壊する。
▼名称
・セロトニン:気分、衝動性、怒り、攻撃性に影響する
・ノルアドレナリン:注意や知覚、意欲、覚醒に影響する信号をしばしば増強させる。
・ドーパミン:学習、報酬(満足)、注意力、運動に関係する神経伝達物質
運動せねばと思わせられる本
この本を読むまで何となく運動が健康に大事ということは聞いたことがありました。
しかし、科学的なデータを見たことがなかったためどのように健康に影響するのかということは知りませんでした。
そのため、運動の重要性をさほど理解していませんでした。
この本には、運動が脳に与える影響を動物実験で証明するデータや人間の情動に与える影響をうつ病患者で証明するデータ等を多数紹介しています。
運動やらなきゃなぁと思っているけど中々始められない人に是非お勧めしたい本です。
きっとこの本を読めば重い腰を起こし外にランニングしに行こうという気持ちになると思います。