あらすじ
人間の脳は走りながら進化した。
脳と気持ちが劇的に変わる脳科学からの運動指南。
空前の脳ブームとランニング・ブームを結ぶ待望の書!
アメリカ・イリノイ州のとある学区では、朝の授業の前に「0時間体育」の試みを始めたところ、参加する生徒の成績が上がりました。しかも、0時間目の直後に受けた1時間目の教科にとくに顕著な効果が現れたのです。その理由は──予想もしなかった運動と脳の関係にありました。
運動すると気分がスッキリすることは誰でも知っています。けれどもなぜそうなるのかわかっている人はほとんどいません。本書は「運動と脳」の関係に神経科学の視点から初めてしっかりとメスを入れ、運動するとなぜ学習能力が上がるのか──のみならず、ストレス、不安、うつ、ADHD、依存症、ホルモン変化、加齢といった人間の生活・人生全般に影響を及ぼすのか、運動がいかに脳を鍛え、頭の働きを取り戻し、気持ちを上げるかを解き明かします。
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Posted by ブクログ
2009年に発行されてから、15年になるが、こちらに書いてある内容はとても興味深いものばかりでした。運動が、身体の健康だけでなく、脳の健康にも影響しているのは、まさに関心の高いところで、やはり漠然とした将来への不安が、運動をすることによって少しでも和らげることができるのは本当にうれしい。最後まで健康でいたいと思うことは、誰もが思うことですものね。専門知識的な用語や内容もありましたが、丁寧に書いてあるので、よく理解できました。どうして、運動、特に有酸素運動が大切なのか、運動することによって私たちの脳内や体の中でどのようなことが起こっているのか・・・。例えば、うつ病、不安症など、例を挙げながらの説明。それ以外にもテーマ別に書かれていましたが、結局すべて有酸素運動が解決へと導いてくれるということですね。つまり人間も動く生き物だということ。生きていくために私たちの先祖は狩猟をしていたということが、今生きている私たちの体にも確かに根付いているということ。そう考えれば、科学の発達した便利な世の中で生活をしている私たちの頭や体の中で起こっている不具合のことが説明できるというのは何とも皮肉なもんだなぁと思いました。どんなに時代が進んでも、私たちの体がそのスピードに追いついてないってことを語っています。もちろん、今さら昔のような生活はできないけど、そういった体と脳の仕組みを知って、有酸素運動を毎日の生活に取り入れ過ごすことで、心身ともに健康に過ごせるならこんなに幸せなことはないと思います。数年前から、健康のためにとウォーキングをはじめましたが、なかなか習慣づかず、行ったりいかなかったりでしたが、どうしていいのかががわかると、モチベーションアップにつながり、以前とは違う気持ちで取り組めるようになりました。今は、ウォーキングが精いっぱい。目指せ、ジョギング!です。
Posted by ブクログ
本書は2008年に発売された書籍であり、15年前の科学の知見で書かれた内容であるが、私が知る限り、大きく覆った内容はないと思われるため、非常に勉強になる一冊と感じました。
自己啓発や健康などを追っている人は運動の大切さを知っていると思いますが、この本では神経科学の検知から説明がされており、特に有酸素運動での研究結果をもとに説明されていました。
運動の強度を心拍数で考える定義の説明もあり、これから運動を始める人も指標ができてとても助かります。
私自信うつと診断されていますが、精神疾患といわれる病気にもどのように効果があるかを実例を基に説明されておりわかりやすく、モチベーションを上げていただきました。
精神疾患だけでなく子供の学力、依存症、妊婦や
PMSで悩む女性、老化、認知症、妊婦が生む赤ちゃんへの影響などにも運動の効果がでかいというのは衝撃を覚えました。
特に妊婦に関しては安静にした方が良いだろうという価値観を壊していただけたので、私にとって大事な知見になりました。
最後の章で記載がありましたが、運動を続けられなくとも、BDNFの回復量の観点から3日坊主でやめてしまっても、もう一度始めることがとても大切だと教えられたことも大事な知見と私は感じました。
運動を続けられない、何かの疾患で悩んでる方は一度この本を読んで運動へのモチベーションを上げるというのも一考かと思いますので、評価は高くしています。
ぜひ読んでみて欲しいです!
Posted by ブクログ
運動が脳に与える影響について書かれている本。
様々な事例を交えて分かり易く記されている。
運動することの重要性は、いかなる年代や状況においても変わらないということを教えてくれた。
メンタリストのDAIGOが動画で薦めているのを見て興味を持ち購入した。
どうやったら良いパフォーマンスを発揮しながら生きていけるのかについて非常に興味がある。
p94〜要約
軽度なストレスを与え続けることで、人間は適応して成長する。
つまり、脳を使って勉強し、カロリーを抑え、運動することが細胞に挑み、丁度良いストレスになる廃棄物を出す。
Posted by ブクログ
精神科医が運動の効用は身体にだけでなく脳にもあると説く。脳のニューロンは成人すると育たないって言われてたけど、そうじゃないらしい。
為にする「スポーツ」の存在意義には常々疑問を抱いている私にも、「運動」の効用は理解できた。
Posted by ブクログ
かなり専門的、学問的、理論的です。重点読み、流し読みしました。エッセンスは: 運動すれば気持ちがよくなり、頭がすっきりし、注意力が高まり、やる気が出てくる。運動の第一の目的は、脳を育てよい状態に保つことにある。筋力や心肺機能を高めることは副次的な効果にすぎない。ジョン・レイティ著&野中香方子訳「脳を鍛えるには運動しかない」、2009.3発行、345頁。ストレスや不安は有酸素運動をすればたちまち解消される。うつの予防にも治療にも運動は有効。そして、運動は脳の老化を防ぐ。
運動をすると思考や感情に関わる神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン)が増える。セロトニンは気分、衝動性、怒り、攻撃性に影響。ノルアドレナリンは注意や知覚、意欲、覚醒に影響する信号を増強。ドーパミンは学習、満足、注意力、運動に関する神経伝達物質。