野中香方子のレビュー一覧
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ベストセラーとなった「スティーブ・ジョブスⅠ・Ⅱ」をはじめ、レオナルド・ダ・ヴィンチやアルベルト・アインシュタインなど、偉大なイノベーターの評伝で知られる著者が、2020年にノーベル化学賞を共同受賞したジェニファー・ダウドナ博士の半生を中心に、遺伝子研究の歴史がゲノム編集技術として結実するまでの軌跡を辿る一冊(上下2冊)。
幼い頃に科学者を志したダウドナが、好奇心と競争心を武器に女性蔑視の風潮や民間企業での挫折を乗り越え、研究者としての優れた資質とチームマネジメントの才を生かしてゲノム編集の鍵となるCRISPR-cas9の構造をいち早く解明し、論文発表に至る過程だけでも圧倒されるが、著者の知 -
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ベストセラーとなった「スティーブ・ジョブスⅠ・Ⅱ」をはじめ、レオナルド・ダ・ヴィンチやアルベルト・アインシュタインなど、偉大なイノベーターの評伝で知られる著者が、2020年にノーベル化学賞を共同受賞したジェニファー・ダウドナ博士の半生を中心に、遺伝子研究の歴史がゲノム編集技術として結実するまでの軌跡を辿る一冊(上下2冊)。
幼い頃に科学者を志したダウドナが、好奇心と競争心を武器に女性蔑視の風潮や民間企業での挫折を乗り越え、研究者としての優れた資質とチームマネジメントの才を生かしてゲノム編集の鍵となるCRISPR-cas9の構造をいち早く解明し、論文発表に至る過程だけでも圧倒されるが、著者の知 -
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DNA編集技術のクリスパーCAS9の発見に至る経緯を追うノンフィクション上下巻の後編です。後編ではDNAを編集できる技術をどう活用すべきかという論理的な問題が主なテーマです。DNA編集の技術は先天的な遺伝子疾患の患者さん達にとってはまさに福音でした。多くの遺伝子疾患が治療対象の候補となっています。一方で、人間の身体機能をより向上させることも実現できる可能性が出てきました。2018年には中国の研究者がHIVへの耐性を強化する処置を施した赤ちゃんを誕生させる事態へと至りました。
ウィルス耐性を向上させたり、遺伝子疾患を解消するのは「治療」と考えられ、多くの人がその妥当性には納得できそうです。一方、 -
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人類にとっては当たり前とも言える「人は本質的に暴力的で残忍な生物である」という前提を覆す本。
ホッブスの「万人の万人に対する闘争」は真実なのか?スタンフォード監獄実験は造られたものだった。
読んでいて自分の固定観念がボロボロと崩れていく音がした。法や秩序というものは人が自然状態では罪を犯し、他社を傷つける、という前提があるから創られたものであると思っていたし、人類の歴史は暴力の歴史でもあると学んでいた。
が、この本に書かれていることはそうではない。
人の本質は善意であって、暴力的ではなく、お互いに歩み寄り、協調性を持つことができる。それこそが人類の本質であると述べられている。
その結論に -
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希望の書。著者は言う、「わたしたちが、大半の人は親切で寛大だと考えるようになれば、全てが変わるはずた。」
現在の社会の様々なシステム、民主主義、資本主義、教育、刑務所、介護・・・全ては「人間は本質的に利己的で、攻撃的で、すぐにパニックを起こす」という「最悪な人間を想定した」システムである。
これに対して「大半の人は親切で寛大」だと考えて政治(税金の使い道を決める)、刑務所、介護施設・・その他のシステムを動かし始めた人たちがいる。そしてそれは、前者よりもはるかに上手く機能している。そういう幾つかの実践を記す。
訳者あとがきが本書を完璧にまとめてくれている。 -
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「万人の万人に対する闘争」は正しくない。「ほとんどの人は、本質的にかなり善だ」ということを多くの事実から証明していく。
ロンドン大空襲、「蝿の王」、「利己的な遺伝子」、銃を撃たない兵士、ジャレッド・ダイヤモンドのイースター島の物語、スタンフォード監獄実験、ミルグラムの電気ショック実験・・・信じられている多くの「事実」は実は事実ではなかったことを暴き、人間が本質的にはどれだけ善かを証明していく。
後半では、「最悪な人間を想定した現在のシステム」= 法の支配、民主主義、資本主義・・・を乗り越えていく「最良の人間を想定したらどうする」から新しい世界を構想していく。コモンズ、アラスカの永久基 -
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人類が本来的に善なるものか悪なるものかについて、現代の多くの考えが、ルソーの社会契約論とホッブスのリヴァイアサンに基づいている。
ルソーは人間が本来善なるものと唱え、逆にホッブスは悪なるものと主張している。
これまで多くの考え方がこの2人の説に基づき発展してきたが、昨今はややホッブスの考え方が優勢であった。
それは、文明的、科学的であるということは物事を否定的に見ることであり、またニュースは悲惨な出来事ばかり報道するからである。
ネガティビティバイアスにより、人は本能的にネガティブな内容を記憶するが、このこともさらに拍車をかけていている。
そんな人間は本来悪であるという通説に対して、 -
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人は、社会性を磨き上げてきた生物。学び、楽しみ、繋がり合う様に進化してきた。人間は一皮剥けば野蛮人である。そのため国家やリヴァイアサンが人間には必要だというホッブスの主張やベニヤ説などの性悪説。それらを証明するかの様な事件や実験の主張を本書は根底から覆す。新たな取材を通し、ほとんどの場合人間は性善であると。
・感情の読み取れる白目、赤面、軟らかなみた目に進化した動物達
→人と人とが結びつくこと、社会的に生きてきた証拠であり進化である
・1940年ロンドン大空襲
ドイツ軍からの8万の爆弾を落とされロンドン市民はヒステリックに野蛮人になると考えられていた。
→皆、落ち着き、メンタルヘルスはむ -
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少し前にわたしは、2013年に母国語であるオランダ語で綴った自著『進歩の歴史』を手に、腰を下ろした。それを読み返すのは苦痛だった。その本の中で少し前にわたしは、二〇一三年に母国語であるオランダ語で綴った自著『進歩の歴史』を手に腰を下ろした。それを読み返すのは苦痛だった。その本の中でわたしは、フィリップ・ジンバルドによるスタンフォード監獄「実験」を、何の非難もせず、善人が自発的に怪物に変わる証拠として取り上げた。明らかに、あの実験の何かがわたしの心を捉えたのだ。
わたしだけではない。第二次世界大戦後、ベニヤ説の変種がいくつも生まれ、それらを裏付ける証拠はますます堅牢になっていくように見えた。 -
- カート
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試し読み
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- カート
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試し読み
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簡単に言えば、多くの現代病(文明病)は、ヒトの生物学進化(つまり身体)が、文明化された生活に追いついていないために生じている。だから、生活(食事、運動、睡眠など)を、人間が野生であった頃に近づけていけば、健康に過ごせるよ、という話。
人間も動物の一種に過ぎないのだから、生物学の延長で考えるべき、というのは当然のことである。しかし、どういうわけか、これがなかなかできない(「俺たち神様に似せて作られたんだもんね」という中二病的、いや西洋的バイアスだと思うが)。ゆえに、こういった本を読むと、刺激を受けるところが多い。
最も印象に残ったのは、人間の脳が進化した理由として、「状況に応じて複雑に体を動 -
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非常に良本。とても勉強になった。
「休息は、技術である。戦略的に、休息を取ることで仕事の効率がはるかに向上する。 休息と、仕事は同等に扱わなければならない。良い原則は、創造性と生産性を高め、終わりのない仕事や増える一方の期待から、私たちを救ってくれる。」
創造性を刺激するために
・仕事の時間を4時間(90分×3セット、30分を6セット、など)
・朝のモーニングルーティーンを作る
・散歩する(歩く)
・昼寝をする(記憶の定着率を上げる)
・中断をする(次に再開できるときにすぐに取り掛かれるところで止める)
・睡眠をしっかりと取る(疲労を取れるのはここだけだ)
・休暇をとる
・運動をする -
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【目次】
第1章 過去最大の繁栄の中、最大の不幸に苦しむのはなぜか?
産業革命以降の2世紀で、長く停滞していた世界経済は250倍、1人当たりの実質所得は10倍に増えた。これは中世の人々が夢見た「ユートピア」なのか?
ではなぜ、うつ病が歴史上かつてないほどの健康問題になっているのか?
第2章 福祉はいらない、直接お金を与えればいい
生活保護や母子家庭手当て、就学援助、幾多ある福祉プログラムを全てやめる。
そのかわりに全ての国民に、例えば一律年間150万円の金を与える。それがベーシックインカム。ニクソン大統領はその実施をもくろんでいた
p38
ハイエクやフリードマンも支持したベーシックインカム
そ -
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そもそも人間の本質は「善」であると唱えている。
「性善説」を人類の歴史、集団心理などから切り込んで持論を展開。
人間は善の仮面をつけた悪に誘惑されやすいという。
なぜか。
それは私たちは共感することで寛大さを失い、少数者に対してその他大勢を「敵」と見るからだという。
その心理状態なんとなくわかる。
興味深い実験があった。
子供たちに赤と青のTシャツの好きな方を選ぶ実験をすると、青のTシャツを多く選んだ子達が、赤のTシャツを選んだ少ない方の子達をいじめるようになる。
人間の心理は既に子供のころに、このような心理になることがわかる。
だが、人間の本質は「悪」ではなかった。
過去の心理状態の実験の -
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ハラリ大先生の帯文通り「人間観を一新させてくれる」一冊。
「人間の本質は善か?」というシンプルかつ大きな哲学的問い、すなわち性悪説(ロック派)と性善説(ルソー派)どちらに寄って立つべきかを、様々な角度から問うていく。
往々にしてロック派の論拠とされる数多の歴史的通説(ex:イースター島の悲劇、ホロコースト)や心理学実験(ex:ミルグラム、スタンフォード監獄実験)、多くの凶悪事件(ex:キティ殺人事件)の真相を徹底的に暴き出すことで、これらが(あるいはこれらに対する意味認識が)歴史家や教授、メディアがつくりだした虚構であると断言する。
一方で、第一次世界大戦中のクリスマス事件をはじめ、ルソー派 -
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この本で取り上げる監視資本主義とは、中国や北朝鮮、独裁国家で行われているような、支配階級の人間が国民の言動を監視しコントロールする社会ではなく、GAFA等の企業が、個人のログを半強制的に採取し、それを第三者に制限なく売却して利益を上げつつ、個人の行動を会社の利益となるように誘導するような社会である。GAFAは情報や作業を自動化するのではなく、利用者である人間を自動化させることを狙っており、個人の意思に基づく選択、意思決定という未来に対する権利を奪う、というもの。特に911以降、国家の安全保障という名目のもと、警察や軍という公的な組織ではなく、民間企業が個人の活動の情報収集することがほぼ無制限に