【感想・ネタバレ】2052 今後40年のグローバル予測のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2015年06月02日

『私の予測は当たるのだろうか?世界は本当に、その気になればやれることをしないほど愚かなのだろうか?

すなわち、今後数十年間に発生する気候変動の問題に備えて、資金と人的資源を事前に投入することはできないのだろうか?残念ながら、私の答えは「できない」だ。

世界は愚かにも、意義のある行動を先延ばしにし...続きを読むてしまう。理由は単純で、世界を動かしている民主主義と資本主義が短期志向だからだ。

私がこの本を書いたのは、最も可能性の高い世界の未来像を知りたいからだった。そして正確な答えを得るために、極めて精緻に、矛盾のないように予測を組み立てた。したがって、残念ながら私の答えは正しいのだろう。』

40年前の警告を振り返り、現状から組み立てられる予測を元に40年後のありうる未来を論じているので、非常に説得力がある。

確信の根拠は40年前から分かっていた環境破壊がもたらす持続不可能な世界に、世界はスピードをさほどゆるめることなく進んできたからだ。

皮肉にも、持続不可能な世界は持続しないので、やってこない。やってくるのは、絶望的な状況の中でも持続していこうとする世界なんだとさ。

まぁ、もう、無理だな。行くとこまで行くしかないんだな!

0

Posted by ブクログ 2013年06月17日

1972年ローマ・クラブが公表した「成長の限界」、読んでないが「人は幾何学級数的に増加するが、食料は算術級数的にしか増加しない」というマルサスの人口論がベースなのは何となく知っている。実際にはピークオイルは技術の発展や新しい油田(例えば海底油田)の発見で可採年数が伸び、一方で緑の革命や灌漑面積の増加...続きを読む、遺伝子組換え作物などの技術も有り食料も増産されてきている。成長の限界を作成するのに関わった物理学者のヨルゲン・ランダースが40年後に再度40年後の世界を予想したのが本書だと思ってもらえば良い。基本的には過去40年の変化を下敷きにして、ある程度のイノベーションを織り込んだ予測になっている。

まず予測の基本となるのは人口動態でここでは人口は約81億で飽和すると見ている。先進国だけではなく発展途上国においても衛生状況の改善による若年死亡率の低下、長寿命化は進んでいて、農村から都市への移住も大きな流れとなっている。農業主体で若年死亡率が高い場合は児童労働が経済的にプラスになり出生率が高くなる。一方で都市で住むのは一人当たりのコストが高くなりがちで、長寿命化し若年死亡率が低下すると教育費の問題も有り少ない子供に高度な教育を受けさせる方が経済的に得になる。日本の少子高齢化は個々人が合理的な行動をとった結果であり、世界がこれから経験する方向でもある。

過去40年間成長の限界は来なかったが今後40年間はと言うと、未来は暗いが暗すぎはしない。避ける方法は有るが人類は総体として問題の先送りを続けるだろうと言うのが著者の基本的なシナリオになっている。過去40年新しい資源を発見してはいるが地球と言うバランスシートの上では資源は消費され続けており、ストックは減り続けている。例えばシェールガス革命は天然ガスの可採年数を大きく伸ばしたが、中東の在来型天然ガスより安く掘り出せるわけではない。大消費地のアメリカが産地になったためアメリカは大きく恩恵を受けたがいずれは無くなる。最も問題なのは今の所は水だろう。著者はエネルギーが豊富に有れば海水の淡水化や新しい灌漑技術など解決方法は有ると見ているようだがコストが上がることは間違いない。

気候変動、いわゆる温暖化は進むだろうというのが一つの予測の基本でおそらく今世紀中には2℃ほど気温が上昇する。気候は100kmほど極地に向かって移動し高緯度地域が今より発展し、砂漠はさらに拡がる。これを防ぐには出来るだけ早く二酸化炭素排出量を減らす取り組みをするべきながらおそらく国際的な合意はできず、痛い目に遭った後でより高いコストをかけて対策をすることになるだろうと予測されている。見過ごせないのが海水の酸性化の影響で一番わかりやすい例としてはカルシウムが水に溶けやすくなり、珊瑚礁が死滅する。これはあまり来てほしくない未来だ。

この本での政治的な決断に関する象徴は「既得権」に有る。民主主義や金融資本主義は短期利益やポピュリズムに流れやすいと言う見立てには賛成で、NIMBY(Not In My Back Yard、日本語で言えば総論賛成の各論反対、「やるのはいいがよそでやってくれ」という素直な感想・・・)が積み重なるとあらゆる所で抵抗勢力という自分の権利(既得権益)を守ろうとする普通の人々が現れる。ここにはもう一つ見えていない世代間闘争が有りNot In My Generationとでも言えば良いのか「やるのはいいが後でやってくれ」と既得権者は本人も気がつかずに言っているに等しい。
乱獲により魚がいない海はニューファンドランド島のタラが有名で、ウナギもほぼ仲間入りしているがまあそういうことだ、原発の放射能廃棄物も同じ様な問題である。

結局はGDPが資源を掘り起こしたときにも成長としてカウントされるのが問題なんだろう。持続可能な成長とは良く言う話なのだが持続可能性と成長の二者択一になったときにどうしますかと言うのが本書の質問なのだと思えば方向はあってるはずで、そんなことは起こりえないと言うのも、ただ祈るのも同様に役には立たない。市場経済で無視されている外部コスト(例えば乱獲、天然資源の浪費、環境の悪化、公害などなど)がいずれ対策が必要になったときに思いもよらぬ高コストにならないように早めに手を打つべきだが、おそらく短期利益を追求する政治体制はその決断をしないだろうと予測されている。天然資源のバランスシートとCF(資源フロー?)計算書が必要なんだろう。

エネルギーに関しては石炭と天然ガス消費が一旦伸びいずれは再生可能エネルギーが主力になると言う見立てだ。風力と太陽光、バイオエタノールが増えるとあるがキーとなるのはスマートグリッドなどの電力網とバッテリーのイノベーションだろう。書いてないけど超伝導送電も必要とされるイノベーションだと思う。食料については牛はあきらめて鶏と養殖魚だが飼料というか水はなかなか解決が難しいように感じる。原発は民衆の反対に会い独裁国家以外は自然に減って行く。

本書には30本以上のいろいろな未来予測が載っておりこれはどれが正しいと言うものではないのだと思う。こういう予測があるでいいのではないか。全般的な予測の方向はおかしくない。

本書の予測でどうしても賛成できないのが1点。民主主義の限界を感じているからか中国共産党の効率性というか長期的な計画性を多分に評価し過ぎている。この本ではアメリカ、中国、OECD先進国、BRISE(比較的大きな新興国)、その他の5地域をそれぞれ予測している。中国の独裁体制は民主主義よりもNIMBYに対して有効と見ているのだろうが中国共産党がいかに優秀であったとしても多分そうそう統制は効かない(見ている限りつぎはぎだらけだ)。また中国のGDPがハイテク産業の雇用と設備投資に支えられて伸びると言うのも楽観的だと思う。すでに都市人口が増えた中国の雇用の受け皿はサービス業に変わってきており雇用の割にGDPは伸びないようになっている。私の個人的な予想では中国は今後も発展し経済規模はアメリカに匹敵するようになるが道のりは平坦にはほど遠いだ。

最後に少しだけ日本がのっていた部分を紹介。この20年間日本の景気は悪化の一途をたどって来ておりGDPは1990年から2010年までの成長率はわずか14%だった。しかし同時期に消費は30%成長した。GDPが低いのは投資率が下がっているからで、一人当たりの消費は33%成長し現在の平均的日本人は1990年に比べてずいぶんと裕福になった。個人の幸福感はGDPではなく一人当たり消費と相関が強いことを思えば悪くない。ただ幸福感は基準値によっても左右されるので、もっと成長をと望めば足りなく感じ、期待値が低ければそこそこ幸せでいられる。投資は将来の消費のためのものなのでいつまで幸せでいられるかはわからないのだが。

0

Posted by ブクログ 2013年06月03日

もっと悲観的な予測が書いてあるかと想像していたのだけれど、専門家の視点から見る40年後はまだ人類に可能性が残されていることを示す。望んだ形であれ、そうでなかれ未来は確実に訪れるわけで、著者の予測をいい意味で裏切るような行動が人類に求められているのは間違いないですね。

0

Posted by ブクログ 2013年05月01日

情報量は多いが論理的であり読みやすい。予測の根拠や方法論が明確化されており大いに参考となる。過去40年間の実績に基づき、今後40年間の我々の社会の先行きを予測する。「成長の限界」で用いられた方法論にもとづいているが、民主主義社会や自由主義社会の意思決定の特性などを踏まえたアレンジがなされている。予測...続きを読むによれば、今世紀の後半に、地球温暖化によって「崩壊」と呼ばれる事態を招くことになる。2052年までに「崩壊」を経験することはないが、資源枯渇、汚染、気候変動、生態系の損失、不公平といった問題を解決するための投資が必要となるため、先進国では「衰退」を経験することになる。成長はいずれ衰退を招く。著者は、できるだけ早く未来のために大きな投資をする決断をしなくてはならないと繰り返し述べている。一方で、将来への投資は極めて難しい行動であるとの問題意識も繰り返し述べている。

0

Posted by ブクログ 2013年04月30日

2052年までの将来を予測した本。

色々な部分を予想しているが、前提として
・世界人口は2040年ごろに頭打ちになる
・人類は深刻になる気候変動に対処するための投資を必要とする
の2点を挙げている。

自分は環境・エネルギー問題中心にこのようなことを考える人間であったが、経済や食料など自分の専門外...続きを読むの分野についても多くの知識を得ることができた。

現在地球は、将来気候変動の自己増幅が起こるかどうかの狭間にある。本書の内容が1人でも多くの人間に浸透し、人類が共通認識として持続可能な方向へ向かって進みだすことを切に願う。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年12月26日

40年後の未来を様々な観点から、その道のプロフェッショナルが事実をベースとして予測している。
現在が過去のままの状態ではないように、未来もまた現在と同じような状況ではないことは、頭では容易に予測できるが、受け入れ行動にまで影響を及ぼすのは難しい。
だからこそ、このような本で、深く考えたり、思考し続け...続きを読むたりする機会のなかったトピックについて、かじってみることは大切である。
特に、興味を持ったのは、エネルギー関連と食料関連の話。まずは興味を持った分野から掘り下げていきたい。

〈著者からの20のアドバイス〉
①収入より満足に目を向ける
②やがて消えていくものに興味を持たない
③最新の電子エンターテイメントに投資し、それを好きになろう
④子どもたちに無垢の自然を愛することを教えない
⑤生物多様性に興味があるなら、今のうちに行ってみておこう
⑥大勢の人に荒らされる前に世界中の魅力あるものを見ておこう
⑦気候変動の影響が少ない場所に住みなさい
⑧決定を下すことのできる国に引っ越しなさい
⑨あなたの生活水準を脅かす持続不可能性に着いて知ろう
⑩サービス業や介護の仕事が嫌なら、省エネ関連か再生可能エネルギーの分野で働きなさい
⑪子どもたちに北京語を習うよう勧めなさい
⑫成長は良いことだという考え方から脱却する
⑬化石をもとにした資産は、ある日突然、その価値を失うことを忘れないように
⑭社会不安に敏感でないものに投資しよう
⑮相応の義務以上のことをしよう。将来後ろめたい想いをしなくて住むように
⑯現在の持続不可能性の中にビジネスの可能性を探ろう
⑰ビジネスで、高い成長性と高い利益率を混同しないように
⑱選挙で再選を望むなら、短期的に結果が出る公約を掲げよう
⑲未来の政治は物理的限界に左右されることを覚えておこう
⑳政治において、限りある資源の平等な入手は、言論の自由に勝ることを認めよう

1
ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年10月25日

本書は、『成長の限界』(ローマ・クラブ)の共著者が2052年の世界を予測し、パラダイムを変換する必要を述べるもの。広義の環境問題が半世紀後はより深刻化し、政府の役割がより重要にならざるを得ない、という指摘は仕事の上でも頭の片隅に置いておくべきと感じました。ちなみに、ページ数の割に中身は重畳的です。
...続きを読む
(主なポイント)
●世界の総人口は2040年直後に81億人でピークとなり、その後減少(都市化が進み、出生率が急激に低下するため)。
●世界全体のGDPは成長が遅くなるが、2050年に現在の2.2倍に達する(人口増加率が鈍り、労働生産性が減少するため)。
●生産性向上のスピードは鈍化(経済の成熟、格差等による社会紛争、異常気象のダメージのため)。先進国では、省エネ・再生可能エネルギーと介護ビジネスしか伸びしろはない。
●消費の成長率も鈍化し、2045年にピークとなる(資源枯渇、環境汚染、気候変動、生態系の損失、不平等といった問題を事前に予防又は事後的に修復するため、GDPの大部分(現在の1.5倍、GDPの36%)を投資に回さざるを得ないため)。
●今後数十年で社会投資が増え、資源と気候の問題は2050年に壊滅的なレベルには達しない。しかし、21世紀前半に集中的な対応策を強制的に進めておかない限り、21世紀後半に気候変動は歯止めが利かなくなり、人類は大いに苦しむことになる。
●予想外の敗者となるのは現在の経済大国、なかでも米国(次世代で1人当たりの消費が停滞)。勝者となるのは中国。インド、ブラジル等の新興国は発展する。残りの地域は貧しさから抜け出せない。

➔ 今後は、国家(政府)の役割が極めて重要になる。化石燃料に課税(100ドル/t-CO2)をするなどの増税によって、消費財・サービスの需要を縮小させ、資源配分を変えていく必要。

➔ 20のアドバイス(希望を失わず、来るべき危機と折り合いをつけて生きる術)
①収入より満足に目を向ける、
⑦気候変動の影響の少ない場所に住む
⑧決定を下すことのできる国(数十年先を見越した行動ができる国、民主主義と自由市場だけに頼っていない国))に引っ越す
⑩サービス業や介護の仕事が嫌なら、省エネ関連か再生可能エネルギーの分野で働く
⑪子どもたちに英語に加えて、中国語を習わせる(職を得る上で優位な立場に立てる)
⑫成長は良いことだという考えから脱却する
⑰ビジネスで、高い成長性と高い利益率を混同しないこと

1
ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年05月31日

まず、日本。
今後労働人口が減少し、GDPは減少する。成長戦略の見直しが必要。売上増を目指すのではなく、利益率の確保を追求する?国内ではモノが売れない、所得が伸びない中でどうするか。ただ、近年は消費量が伸びていたって事実は知らなかった。
次に気候。
温暖化が進むことで、海面が上昇し、幾つかの地域では...続きを読む住めなくなる。そして流氷が溶けることで塩分濃度が薄まり海流に影響が出たり、天気に影響がでたり、干ばつや洪水がおこったり。土木業は仕事がありそう。あと50年で2度気温が上昇したら大変だ。貝とかも貝殻作れなくなるなんて。
次にエネルギー。
原子力や化石燃料は無くなるかな。太陽光発電とか技術進歩でなんとかなりそう。あとはバイオエネルギー。ただ、こちらは途上国の人口増で難しいかもなっていう印象。
中国は経済の中心になるけどピークは労働人口が減少するまで。新興国も政治が不安定になれば発展は怪しいいけど、なにせ人口は多いもんな。
概して思ったのは「人間は長期的な利益より目の前のコストに目がいくので投資できない」(政治家の任期は短いからすぐに結果が出ないものには力を入れないとか?)
あとは、全体の利益と個人の利益どちらを優先するかって話になった時、究極的にはやっぱり個人だろうなって。
社会起業家を育てるEVOKEというのはやってみたい。
生物の絶滅を危惧しているけど、大昔からその世界に適合できない種は淘汰される弱肉強食の世界なんだよ。

1

Posted by ブクログ 2016年01月01日

当り障りのない観点からの未来予測なだけにほんとっぽさが漂う。
しっかり読み込んで自分のポジションを決めないといけない。

0

Posted by ブクログ 2014年06月01日

有名な未来予測の本。
ランダース氏の予測結果だけでなく、各界の研究者による分野別の未来予想図も実に興味深い。
できれば2052年に読み返してみたい。

0

Posted by ブクログ 2014年05月20日

2052年にはどうなっているのかを記し、対策を提言。細かすぎるところ、冗長もあり少し読むのが骨な所もあるが、最後の「あなたは何をすべきか」は具体的かつ一般の私でも出来そうな事で為になる。

【学】
Q.アジアは何をしなければならないのか?
A.自分達を消費へと駆り立てるものを拒絶しなくてはならない。...続きを読むそれらは、アジアを「成長の原動力」にして世界経済を立て直そうとする西洋の経済人や指導者、国民はひたすら経済成長を求めているというアジア政府の思い込み。

資源管理を政策の中心に据える必要がある

【予測】
・2040年世界人工のピーク

・世界のGDPの6%を地球環境改善に回せば、悪化は改善できる

・地球温暖化などで、2052年には、根っからの楽天家も人間が危機に直面。それでも人間は社会的に、技術的に、そして心理的に、「いつも通り」の古いパラダイムに閉じこもっているだろう。

地球温暖化などで将来は涼しい場所で過ごす検討

先進国は必要な決定を下すことが出来ず、経済成長は滞り、失業と不公平は拡大。中国や新興国に追い付かれ、米国はもはや世界のリーダーではない。

【対策】
個人で果たすべき義務は、公の場で排出削減に賛成し「気候問題は現実のものであり、早急に関心を向けなければならない。その技術はすでに揃っていて、比較的安価に解決できるものであり、多くの人が賛成するなら、私も自分の負担すべき費用を払う覚悟がある」と表明するべきだ。

機構的に安全で政治がしっかりしている土地に引っ越す

クリーンエネルギー、省エネ関連、水、ヘルスケア等将来もうまくやっていけそうな会社に投資

子供らに「お父さんは環境問題にどう取り組んでいたの?」と聞かれたときに備え、答えを用意しておこう

0

Posted by ブクログ 2014年01月26日

この本では2052年の世界を予測している。温暖化による気候変動と、新興国(特に中国)の成長と先進国の停滞が印象的だった。
最後にこれらの予測に対する著者のアドバイスが書かれていて、気候変動によって自然がなくなるため、子どもには無垢の自然を愛することは教えない方がよいなど、少し皮肉がきいているが面白い...続きを読む視点だと思った。

0

Posted by ブクログ 2013年10月08日

2052年。約40年後の世界についてのお話。都市化、人口増、中国の台頭。そして何より温暖化の恐怖について様々な予測をまとめている。
特に温暖化については楽観的な予測はなく、私の孫(できたら)は大丈夫か、真剣に心配になった。

確かに私も含めた今の人の暮らしは、化石燃料をはじめとした過去の財産と、膨大...続きを読むな国の借金(未来の負債)に頼っており、それはいつか必ず破綻するであろう。

そうならないための方策について、筆者の予測では民主主義国家では、視点が短期間になってしまうため、これからの難しい選択への判断が難しいだろうということ。
いや、これ。
どうしたらいいのだろうね。

0

Posted by ブクログ 2013年08月30日

クリーンな再生可能エネルギーの太陽光発電や風力発電などの早期の普及が、今後の地球を守るために重要になってくるというのはとても共感できた。

今後どうなるかは誰にも分らないが、本書にある様な可能性については知っておいた方が良いように思った。

0

Posted by ブクログ 2013年07月25日

 順当に予測される未来といった感じ。特に提言といった難しい話はないので、軽く読めます。
 内容自体には新味はありません。

0

Posted by ブクログ 2013年06月10日

40年後は、見える最長のスパン
悲観的というか、現実から外挿すると考えると、説得性あり。
最後の個人的にどうするといいか、は悲観的なのか楽観的なのかよくわからないが、バーチャルを楽しめるようにしておこう、インドアな趣味を持とうということになるらしい。

0

Posted by ブクログ 2013年05月30日

近未来シミュレーション本。2052年の世界が統計に基づく著者の冷静な目で描かれている。地球温暖化、人口問題、経済成長の限界、食料問題、地域格差など、現在そこにある問題はこれからどうなっていくのか。今を変える力を持つ大人たちやこれからを担う10代のみなさんに是非読んでほしい。おすすめ。かつての1999...続きを読む年終末予想よりも実現性があり恐ろしい。

0

Posted by ブクログ 2017年05月01日

40年まえの1972年の「成長の限界」の著者の一人による、40年後の未来予測。
「成長の限界」とその続編が、複数のシナリオを示しながら、「まだ間に合う」かもしれない可能性と行動を呼びかけるものであったのに対して、今回は、基本的にはもっともありそうな未来の予測。

本全体を通じて、人類の未来に対して悲...続きを読む観的なトーンである。未来を変えるために行動する、というよりそうした状況を受け止め、それに適応していく感じ。

著者は、この数十年間、地球と人類の未来を案じ続けていたのだが、悲惨な未来を受け入れことで、なんだか肩の荷がおりたというか、諦観がひしひしと伝わってくる。

ティク・ナット・ハンの本で、すべては無常である。人類も、地球も無常である、地球温暖化という大きな問題を前にして、私たちは絶望するが、この絶望を受け入れるところからしか、本当の行動、本当の平安は見出せない、といったことが書いてあったが、それと通じるものがある。

「成長の限界」系の本をよむと、いつも、うつ状態になってしまうのだが、さて、どうしたものだろうか。

0

Posted by ブクログ 2016年01月24日

2052年の世界の姿を現在の様々な事実から描いているためリアリティも有りとても面白い。長いスパンでの予想になるため全てが正しいかは誰も分からないが未来を考えるための示唆を与えてくれる。

0

Posted by ブクログ 2015年07月28日

「成長の限界」という本が出て約40年。
そこから約40年後の2052年の世界で
消費(経済)はどう変わるか、消費(経済)はどのような
社会や自然環境でなされるのかを予測した本。

世界は成長が経済的利益をもたらすという信念で、今後も経済を推し進めようとする。アジアを成長の原動力にして世界経済を立て直...続きを読むそうとする西洋人やそれを求めるアジアの政府。だが都市化による出生率の低下により人口は2040年頃に頭打ちとなり、GDPは望むほどあがらない。
自然環境や社会にとって、持続可能な経済は上記の信念や主流からはほど遠く、持続可能な幸福、つまり生存可能な経済への転換が求められていく。

自体は思わしくない。
これからの成長は弱肉強食ではなく
協力がキーワードになる。

この本の予測が当たらない世界にするのは
今を生きる私たち次第なのだ。

0

Posted by ブクログ 2014年04月20日

未来予想やシナリオに関する複数のレビューをまとめ、最後に未来をよりよく生きるためにアドバイスが書かれている。あまり将来のことを考えて今を生きてはいなかったので、1つの指針となりそうだ。将来は自分だけではなく子供たち下の世代もあるので。

0

Posted by ブクログ 2014年04月10日

グロークライン=人口減の恩恵
GDPは減るが、人口も減るので、一人あたりGDPは増える。

修正資本主義=政府のウエイトが大きい、
アメリカよりヨーロッパ、更に中国。
全体の幸福が個人の幸福より尊重される。そうしないと持続可能な社会は出来ない。

気候変動は少なくとも2040年までは深刻ではない。
...続きを読むその後は暴走を始める。

サービス業や介護の仕事が嫌なら、省エネ関連または再生可能エネルギーの分野で働くこと。
北京語習うこと。

化石燃料を扱う会社の株価は、将来急落する。

都市化が進み、出生率が低下する。世界人口は2040年直後にピークをむかえる。
経済の成熟、社会不安の高まり、異常気象によるダメージ、生産性の伸びも鈍化。
21世紀後半には、歯止めの利かない気候変動が起きる。
資本主義と民主主義は短期的志向なので手遅れになる。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年10月06日

これからの40年で世界がどうなるかを推測している。警告の書。
既に地球は需要超過(オーバーシュート)の状態に陥っている。つまり、既に持続不可能な状態である。一方で、民主主義は短期志向である上に、「問題の発見と認知」には時間がかかり、さらに「解決策の発見と適用」にも時間がかかる。将来は、資源枯渇や環境...続きを読む汚染、気候変動や不公平といった問題を解決するために、より多くの投資が必要になり、生産性の伸びは鈍化する。多くの先進国では、経済成長は滞り、失業と不公平はますます拡大するだろう。
最終章に、20の個人的アドバイスが載っている。面白いと思った5つが以下。

(5)生物多様性に興味があるなら、今のうちに行って見ておこう
(9)あなたの生活水準を脅かす持続不可能性について知ろう
(12)成長は良いことだという考え方から脱却しよう
良い成長と悪い成長を見わけ、良い成長と良い衰退を等しく祝福できるようにならなければならない。
(15)相応の義務以上のことをしよう。将来後ろめたい思いをしなくてすむように
(20)政治において、限りある資源の平等な入手は、言論の自由に勝ることを認めよう

推測は厳しい内容が多く、しかも当たりそう。しかし、気を滅入らせたり、あきらめたりする必要はない。やるべきと思ったことをやるだけ。以下の言葉に賛成。

P44
私は、この予測が間違っていることを願っている。19世紀の小説家で人道主義者のロマン・ロランは、こう述べている。
「知能の悲観主義は、意志の楽観主義を締め出したりはしない」と。

0

Posted by ブクログ 2013年09月07日

うなずける部分と、バランスを欠いた主張とが半々。それでも1つの意見としては面白いと思う。...なんて思ってたら、最後の一節『どうか私の予測が当たらないように...』のくだりで無性に腹が立った。この著者とは友達になれないだろう。アタマに来て、何だか逆の意味でPowerをもらった!!

0

Posted by ブクログ 2013年09月03日

【あくまで予想】
予想はあくまで予想で、未来は誰にもわかりません。しかも、40年も先の話です。1年先であれば何となくわかるかもしれませんが、40年先の予想は不可能です。

人の予想に乗っかるより、自ら考えて思うところを自分なりに予想する方が重要に感じます。

ただ、予想という表現は適切ではないと考え...続きを読むます。予想となると当たる当たらないという、運まかせになってしまいます。運まかせではなく、そこを目指すというかたちで能動的に考えるべきです。

どの本かは忘れました(しかも、文面も異なると思います)が、
「人生は自分が判断したことが、後に正しかったと言えるように努力することである。それが人生である。」

結果的にそうなったという運まかせではなく、自分が判断した方向に自ら引き込んでいき、しかもあきらめない人間であれば、最終的に判断は正しかったという結果になります。

0

Posted by ブクログ 2013年08月15日

40年後の世界の予測。当たって欲しくない内容も多い。太陽黒点活動の影響が抜けているのと、中国が何れにしても世界一の大国になるという予測は感情的には受け入れるのがしんどい。

0

Posted by ブクログ 2013年07月03日

資源、エネルギーなどについて未来を予測している。動的平衡の中では単純に予測する事は出来ないが、傾向として分かりやすいものは参考になりそう。政治にも物理限界を考慮した政策が求められるようになると言う。

0

Posted by ブクログ 2013年06月16日

今後の地球においては、地球環境が人類にとって著しく悪化をを辿っていくと予測しており、お金の使い道がその環境対策に割かれる割合が増える。
人口増加における食料の問題などの人類的な問題ではなく、環境問題が全ての元凶になり得ると予測している。
お金を環境対策に多く割かざるを得なくなり、経済の発展を促進する...続きを読むことが出来ず、人口も増えるため、必然的に水準を維持することが難しくなってくる。
といったことが何度も何度も書かれている。
読みにくいし、ページ数を稼ぐためとしか思えない内容も多いので、テレビドラマじゃないんだからもっと簡潔にするべき。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年05月28日

1972年の「成長の限界」から40年。当時の著者の一人、ヨルゲン・ランダースによる最新の未来予測。40年を振り返りつつ、今後の40年=2052年までの世界がどうなるか。

「成長の限界」が世界に与えたインパクトの大きさから考えると、著者らが当時30歳前後だった事に驚かされる。

「成長の限界」と「2...続きを読む052」との違いは、前者がシナリオ分析であるのに対し、今回ランダースが行ったのは、彼が最もありうると考える未来予測である事だ。

そしてその結論は、本人は「悲観的」と表現しているが、「成長の限界」での帰結から比べると、幾分穏やかに修正されているとも言える。

「成長の限界」では、21世紀の前半には人類文明は物理的限界に達し、「管理された衰退」か「自然な崩壊」のどちらかしか起きないとしている。一方の「2052」では、21世紀前半にはそうした危機的な状態にはならないとしている。ただし、後半に訪れるという。

危機の時期が少し先延ばしになった理由は、都市化による少子化により人口増加が従来の予測よりも下方修正され、2040年に80億人でピークになるという予測と、再生可能エネルギーへの転換が急激に進み、化石資源等の供給制約の問題が発生しないということが根拠になっている。

この様な未来感の違いが、今回メドウズの名前が殆ど出てこない理由の一つなのかもしれない。メドウズの最近の記事などを見ても、彼はまだ1972年の予測が正しいと考えているようである。

ランダースは、化石資源の制約や気候変動の問題は21世紀前半には危機的水準には至らないとしながらも、彼の予測は悲観的であるという。

まず、過去40年間、あれだけの警鐘が世界に広がったのに、人類の対応は遅々としていた事がある。ランダースは特に温暖化の問題に取り組んで来たが、1960年代の地球温暖化問題の発見から始まって、1988年のIPCCの設立、1997年の京都議定書と、様々な取り組みは始まっているものの、そうした活動が必要十分に温室効果ガスの削減に貢献したとはいえない。

40年間を振り返った結論は、現在の民主主義・資本主義社会では、意思決定は遅れ、地球的な問題への対応は間に合わないという事だ。ランダースは、その傾向は今後の40年間も残念ながら変わらないだろうと考えている。

ランダースの予測がマイルドになった理由は、人類が賢いからではなく、少子化という必然的な変化から生まれたもので、叡智の勝利ではない。

もう一つのランダースの悲観は、彼の予想通り人口が抑えられ、再生可能エネルギーが爆発的に普及したとしても、温室効果ガスの削減は十分には行われず、2050年に2度、2080年には3度の上昇が免れないという事だ。そうして、世界の植生は変わり、異常気象が猛威を振るう。彼は個人へのアドバイスとして、自然の風景を愛するならば、守る為に行動せよというよりは人類のエゴの必然を受け入れて、今のうちに見ておきなさいという。

マクロな提案として、民主主義を超えた世界の意思決定機関の設立を提唱しているが、その実現についてランダースはそれほど現実的とは思っていない節がある。

つまり、21世紀の前半は破滅的な限界は訪れないが、徐々に経済活動を抑制するような出来事(=コスト=異常気象への対応、再エネの増加、軍事費の増加等)が増えるという。現在そうした消費以外の割合は25%だが、それが2052年には36%になると予想している。そうした影響は、人類の行動を大きく変えるほどのインパクトはないので、現在の延長線上で意思決定は遅々として進まないという。

彼が採用したモデルは、彼自身によるいくつかのカギとなる想定から導かれている。出生率の予測から人口構成・生産年齢人口を産出し、労働生産性の改善の予測と生産年齢人口からGDPを算出。そこからエネルギー使用量を算出し、想定再エネ比率からGHG排出量を計算。そこから異常気象等への対策コストをGDPから引いて、消費量とする。

これが彼のシステムダイナミクスフローの主な流れである。

エネルギーを専門とする私からすると、彼のエネルギー需給予測はかなり甘いものに見える。21世紀前半に厳しい供給制約が発生することは私には避けられないように思う。

こうした未来予測につきものなのが、楽観と悲観、実証主義と規範主義などの対立である。
どのようなスタンスに自分が立脚するのかは、結局「このままいけば」(いわゆるBAU)をどのように想定し、さらに「(ありうる)あるべき姿」をどのような範囲で捉えるかがカギになっている。

ある問題に対して、計算上はどのような行動を社会がとるべきかはある程度は事前に分かる。しかし、非常に厳しい選択肢の場合は、結果的にそうした選択を取らない可能性の方が高い。

なんらかの危機がもし本質的に必然だとしたら(資本主義下でのバブルの発生など)、一種の諦観に立ちつつ、起きる事象をあるがままに受け止めるだろう。もしそうだとしたら、対策のとりようのない一番確度の高い必然的未来を描くことは、学術的になんの意味があるというのか。
それは、エゴイスティックな好奇心や、世間の好奇心を満たすためだけと割り切るしかないのかもしれない。所詮、一人で世界全ては救えない。

また、この本はシステムダイナミクスという手法がたどった40年という歴史の現在の終着点でもある。現在は、需要成長を前提とした短中期の経済シミュレーション(一般均衡モデル等)が主流だが、代替弾性値のセッティングによってかなりモデラーのさじ加減に依る事を考えれば、未来予測の手法はさほど進歩していないようにも思う。

この本を読んだ人の受け止め方は様々だろう。
こうした先人の「杞憂」を乗り越えて、我々が未来を作って行かなければならないんだなと感じた。

0

Posted by ブクログ 2013年11月04日

1972『成長の限界』から40年をもとに2052までの40年を予測。人間が地球の限界に適応するプロセスは既に始まっているが、温室効果ガスに対しては遅すぎた。21世紀後半以降の気候変動が手に負えなくなる可能性が高い。

今の大人にとっては、そのまま続く世界。次の世代が、どううけとめ、どう行動するか。

0

「ビジネス・経済」ランキング